『天使と悪魔は友達でした。』 ... ジャンル:リアル・現代 ファンタジー
作者:紫乃                

     あらすじ・作品紹介
赤津仁音と薙木健也、二人は先輩と後輩という仲であり、傍から見れば普通の少年だった。よくある設定の間柄の二人だが、お互いが知らない秘密があった。赤津仁音は、人を些細なことでも良いから不幸にするためにやって来た悪魔。薙木健也は、人を些細なことでもいいから幸せにするためにやって来た天使。二人は、真逆の敵対した仲にも関わらず、日々を過ごしていく。何も知らずに。

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 普通の町で普通の学校に通う二人の少年は、普通では無かった。
 先輩と後輩という関係であり、親しい仲でもあったのに、お互いがどんな存在か知らなかった。
 天使と悪魔。
 普通は出会ってはいけない、敵対しなければならないはずの種族であり、人では無いもの。
 人の形をしながら、人とは異なる考えを持つ、人外のもの。
 ただ、少年達は知らなかっただけなのだ。
「先輩、先輩、おはようございます!」
「おー、おはよう」
 道端で見かける様な、微笑ましい挨拶の風景さえも、同じ種族の者が見れば憤りを感じてしまうのかもしれない。

「仁音先輩っ!おはようございますっ!」
「ん…おお、健也、おはー」
 赤津仁音と薙木健也。
 とある普通の町にある普通の中学校に通う少年だった。
「先輩、昨日のテレビ見ました?面白かったですよね!」
「あー、見た見た。久しぶりにテレビで笑ったからな。やっぱアレ一番面白いわ」
「ですよねー!」
 そんな他愛の無いありがちな会話をしながら、学校へと入って行く。
「ひとちゃん、けんちゃん、おはよー!」
 仁音と健也の先輩、三年の浅村美智が玄関を忙しそうに走っている。
 ひとちゃん、けんちゃんというのは、二人の渾名だ。二人はさしてこの渾名を好いてはいないが、気に入ってしまった先輩が勝手に呼び始めている。
「じゃあ健也、また部活でー」
「あ、はいっ!」
 という感じで部活時間まで飛びたい所だったが、一年の健也のクラスと二年の仁音のクラスは体育で合同、バスケットボールの試合をすることになっていた。
 チームは一年と二年でごちゃまぜ、とりあえず実力は等しくなるように。そしてまた偶然にも、健也と仁音は同じチームになっていた。
 まず最初に準備運動をして、次にアップ、ドリブル、シュート練習、最後に試合。
 シュート練習までは皆だらだらしていたのに、試合となると全員が応援なんかに全力を出す。
「勝つぞ〜っ!!」
「…おー…」
 健也はやる気満々だったが、仁音は対照的にやる気なさげだった。
「いいねーけんちゃん!ほらほらぁ、ひとちゃんもやる気出して!けんちゃん見習って!いくぞっ、えい、えい、おーっ!!」
「仁音先輩、せーのーで、」
『えい、えい、おおぉーーーっ!!!』
「ついていけねぇ…」
 仁音はため息をついて、コートに出てジャンプボールに参加する。
 仁音と健也のチームは、比較的平均身長が低め。他のチームには仁音より背の高い生徒が多く居るが、このチームで一番背の高いのは仁音だった。
 ピリリ、と大きく高い耳をつんざく音が鳴り響く。試合開始、ジャンプボールの合図だ。
 センターサークルの中には、ジャンプボールに参加する仁音と、相手チームの早河由宇。由宇は仁音よりも身長河幾らか高く、運動神経もなかなか。こいつがチームに入ればラッキー、みたいな奴だ。
 審判がボールを仁音と由宇の間に高々と放り投げ、コートの外にそそくさと外れて行く。
 投げられたボールは、僅かに仁音の方に逸れた。
「よっしゃ!」
 試合前にはついていけねえ、とか言っていた仁音も、いざ試合となれば真剣に取り組んでしまうのだ。
 丁度いい高さに降りてきたボールを狙い、ジャンプして手を伸ばし、ポンと由宇の向こう側、健也の方にボールを送った。

2011/03/08(Tue)20:25:26 公開 / 紫乃
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■作者からのメッセージ
ありがちですね…知ってます。
こういうのが好きなので、お粗末ながら書かせていただきました。
「みてやってもいいよ」という人は上から目線でどうぞ構いません、この駄文を見て行ってやってください。

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