『パスワードレター』 ... ジャンル:ミステリ サスペンス
作者:戸芝シゲミツ                

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東京のクリスマス・イブの一週間前、歌舞伎町の夜で一人のホステスが路地裏で殺された。
被害者は、朝倉智子23歳男とのうわさが絶えなかったようだ。 自宅は、問題の路地裏から歩いて5分ほどだ。
家の中を調べると、大量の借金返済勧告書が届いてあった。 おそらく家には、最近帰っていなかったようだ。
借金の総額はおよそ200万。 
この事件は間違いなく借金を返済できずホステスとして働いていたが、そこで男と何らかのトラブルになり殺された、と
如月警部は想定した。
「警部、それでは被害者の交友関係から洗って見ます」と、木下刑事は言った。
「そうしてくれ、早く解決したいもんだな」
「そうですよ、もうすぐクリスマスなんですから、あっもしや警部は奥さんとふたりでデートとか」と、山下刑事が言う。
「ははは、バカいっちゃあいかんよ。 俺ももう40だ、でも上さんとは最近ゆっくり話してないなあ。 まあ、それは
  おいといてだ。 よし、行くぞ」
刑事たちはこうして今日も東京の夜の街に繰り出していくのだ。

「警部、富士の樹海で大蔵雄二が殺されました」
「なんだと、大蔵は朝倉智子殺しの重要な参考人だったのに」
「大蔵は、腹を切っての自殺と見られます。 遺書もありました」と、木下刑事が言う。
「遺書があると言ったな、内容は?」
「私は、大変なことをやってしまった。 でも、彼女はひどいやつだった。 このまま生きててもしょうがない。
  捕まるならいっそ死んでやる」以上です。
「なんだか短くてあっさりしてるな」と、警部が言う。
「まあ、人それぞれ違いますからね」と、山下刑事が言う。


2010/09/13(Mon)08:07:44 公開 / 戸芝シゲミツ
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