『ノコカタマ・ルトイタU 悲しみの剣』 ... ジャンル:ファンタジー 未分類
作者:湖悠                

     あらすじ・作品紹介
勇者ユズハはまた剣を手に取る事になる。それは運命――サダメ――か、はたまた何者かの陰謀なのか……。

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 ユクストロエル歴1000年。
 揺れる馬車から降り、ふらふらの脚で少年はアルスカイダムの南端にある小さな町、トリエ・ユクハサイカダムへと歩いて行く。腰に提げた水の入った小瓶と、以前の戦いの中で手に入れた魔剣ブラッディ・ローズが絶え間なくぶつかり、耳触りな音を奏でていた。少年は苛々して、小瓶を遠くに投げやった。パリンという音を聞いて、少年は少し心地良い顔をした。少年は子供だった。
 トリエ・ユクハサイカダムには、王である父からの命で訪れていた。以前の戦いでは魔王カタリ・コリトブカスがこの町を拠点にし、侵略活動をしていた。もしかしたらまだ魔王の残党がここにいるかもしれない、と王は思ったのである。
「しっかし、だからといって俺を選ぶとはなぁ」
 少年、ユズハ・トブライトフ・クスルエノは苦々しく呟く。以前の戦いで仲間たちと協力し、何とかカタリを打ち倒した彼は、アルスカイダムでは英雄扱いされていた。しかし、王は彼を決して甘やかさなかった。称…賞賛こそしたものの、彼を一兵士として暑かったのだ。
 あ、扱ったのだ。
「……そ、それにしてもまだ町には着かないんだろうか?」
 村はまだまだ遠く、いまだに姿が見えない。
「あ〜〜〜! 町! はまだなのかなぁ! 町! はまだ見えねぇかなぁ〜!」
 …………チッ。
 町はまだまだ遠く、いまだに姿が見えない。
「ったく、こんな遠いとこに俺様を連れてくるなんて、親父の考えてることはよくわかんねぇ」
 トリエ・クサイハナダナは、城があるユーロアルスカイダムからかなり遠くの所にあり――。
「トリエ・ユクハサイカダムおかしいな! 何かおかしいなトリエ・ユクハサイカダム!!」
 ト、トリエ・ユクハササササ……サ、サイカダムは、城があるユーロピアン――じゃね、ユーロアルスカイ……ダムからかなり遠くの所にあり、前回の戦いでは魔王コトリ・スリツブス……あ、ちげぇちげぇ、魔王カトリ・コトリブスの動きを把握できずー、そのせいで大きな損害を得たためー、アルスカイダムの王ほにゃららトフクストスが、王子ユズピーを送ったわけなんだね、ウン。
「いや、ウンじゃねーよ。何その適当な解説。舐めてんの?」
 突然王子ユズピーは何もない所で地団駄を踏んだ。何かに苛立ってるようだ。
「踏んでねーし! ってか“何かに”ってお前の事だからね! しかもユズピーってなれなれしいわ!!」
 そんな地団駄を踏んでるユズピーを、不審気に見つめる村人が一人。
「え!? 嘘、あ、違います違います、これはあの、持病でして――」
 これが嘘だったりする。テヘ☆
「テヘじゃねぇよ! あー、こいつ舐めてる。地の文の癖に舐めてる。登場人物完全に舐めてるよコイツ」
 は? 舐めてるのそっちじゃね? 何ユズハ・ブストス・クスリノムって。ブストス薬飲んでないから。あれ地の力だから。見ればわかんじゃん。体格見ればわかんじゃん。あー、こいつ絶対ホームラン打つわってわかんじゃん。
「いや、ブストスじゃねーし。クスリノムじゃねーし。ユズハ・トブライトフ・クスルエノだから」
 いやいやいや、間違えてあげただけだから。ギャグにもならねぇ、その中二病っぽい長々しい名前を笑いに変えてあげただけだから。
 え? まず何? 何で三つに分かれてるわけ。意味なくね? 読者覚えなくね? 地の文の人も覚えなくね?
「いやいやいや、これがこの作品の作風だから。これで前作やってるわけだから。っていうか何地の文の人って。そんな人いたの? 作者じゃないの、ソレ」
 はー、こいつなめてるかんぜんぼこすしかねーっ。作者と同じ? お前舐めてん? 勝手な勘違いでてんてこまいして鬱になってた作者と一緒にすんなや。試験勉強しなきゃなのに小説買ってきて、しかも影響受けて小説書き始めちゃった作者と一緒にすんなや。
「わかった、作者はスルーでいこう。作者ネタって小学生までしか笑わないから、そこはもう触れないでおこう。――っていうかあれだよ、俺が言ってんのは、仕事しろってことよ」
 は? しごとしてんじゃんなにこいつまじいみわかんねはー。
「え、さっきから何なのその息継ぎ無し文句。意味わかんないんだけど。すんげー腹立つんだけど無性に」
 俺の怒りの度合いを示してんだよこれは。
 俺はな、地の文を何年やってると思う? ん? お前みたいな1作くらいしか登場人物やってない若造とはキャリアがちげぇんだよキャリアが。だいたいお前の登場ってカッコ内の吹きだし部分くらいじゃん。でも俺はお前より多いわけよ。情景描写、心理描写、締めの言葉。ほら、一杯ある。お前はアレだろ? バカみてぇに青臭いことしゃべってるだけじゃん。独り言じゃん。アホらし、何だし、ほんと何だし。勇者ユズハって何だし。勇者って恥ずかし。何がサダメだよ陰謀だよ〜。全部作者のサダメです陰謀です〜。
「だからやめろぉぉぉっ!! これ作品だからね!? お前の愚痴を言うとこじゃないの! どうすんだよコレ、もう掲示板に書き込めないよコレ」
 いやいや、書きこまなくてよかったと思うよ俺は。まずタイトルが芸ないだろ〜。何が悲しみの剣だって話だよ。悲しみの剣ってお前のその魔剣ブラ〜……ほにゃららだろ?
「お前ブラで止めんなよ。魔剣ブラってそれ何だよ。変態どもの魔剣だろそれ」
 いやいやいや、そっちの方がまだ良いって。大体エクスカリバーとかラグナロクとかさぁ、何なわけ? 使い古しの剣じゃんそれ。皆使ってんじゃん。セシルだって使ってるぜ? スタイナーだって確か使ってたよ。アーサーも使ってたな、ウン。な、使い古しじゃん結局。だから魔剣ブラの方がまだ良いって。なんか新しいもん。斬新だもん。
「斬新すぎるだろーが。お前物語が一気に破綻するわ。ただのギャグ小説になるわ」
 え? これギャグ小説じゃないの?
「お前が壊れてからギャグ小説になったんだろうが!!」
 いやいやいや、元からギャグ小説だってこれ。作品説明からもう既に俺笑ってたけどさ。鼻で笑ってたけどさ。もう、何か固有名詞が長いのってなんのって。最初の方よく俺噛まずにやれてたよね〜。笑わずにいたよね〜。そこ賞賛して欲しいわ。
「お前賞賛で噛んだろうが。っていうかお前どーすんのコレ。どう責任持つの? マイナス評価付いたらお前のせいだから全部」
 は、しらねー。しねー。しんじまえ勇者ユズハ。
 こんなん適当に流せばいいんだよ。んでその後に驚きの展開加えれば良い話だろうが。どうせあれだろ? お前が何か強い敵と戦ったりしてさぁ、自分の弱さになんかなんやらして、んでそんな苦悩を励ましてくれたヒロインがさぁ、あれだろ? あ〜、あれだ、あの、驚きの展開……あ、そうそう、八百屋になるんだよな、悲しみを超えて。
「確かに驚きの展開!? お前真面目に聞いてて損したわっ! 何で苦悩励まして一緒に悲しみを超えたヒロインが八百屋になるんだよ! ってか元々ヒロインのジョブ何だったわけ! 何を目指してたわけ彼女は!」
 ん〜……勇者?
「勇者俺だからっ! そこは商人にしとけよ!」
 まぁいいじゃん。どうでもいいじゃん。俺ももう疲れました。長い固有名詞に疲れました。もっと短くしてください。魔王カリブにしてください。勇者ユズピーにしてください。
「お前のそのユズピーに対するこだわりについて議論したいところなんだが……とりあえず仕事しろ、ほんとに。せっかく前作が上手くいったんだから、今作も上手く終わらせたいわけよ」
 前作ってお前、アレクソな内容だったろ〜〜。俺読んだけどさぁ、点あげらんねぇよアレ。何だよアレ。何で最後主人公生き返っちゃうわけ? 俺マジムカついた。主人公死んだままでいればっ、て思ったマジ〜。ね、お前どう思――てお前主人公や〜ん。
「わざとらしっ!! 白々しいにも程があるわっ!! 良いじゃん生き返っても! 俺色々頑張ったぜ? 仲間死んだけど乗り越えたんだぜ!?」
 仲間死んだって、お前あれはないわ。死亡フラグもろ立ちまくりで死んでったじゃん。なんなんアレ。俺は死亡フラグ折ってでも生きていてほしかったね。っていうか何、死んだらその作品良くなるわけ? 作者の意図が見え見えって感じで俺は嫌いだね。キャラを殺して泣かせるんじゃなくて、キャラを生かして泣かせてほしかった俺は。
「え、じゃあ何で俺気に入らないん!? 俺生き返りましたけど!? 俺感動のシーン作りだしてたんだけどキャラ生かしで!!」
 いや、主人公が生き返るのって見え見えじゃん? これも作者の意図が丸見え。主人公なら生き返らせてもいいよなぁっていうアレ。俺嫌い。某アニソン大量生産ロボットアニメで主人公が死んでなかった時の俺の心情わかる?
「知らね〜、死ね〜。ファンに八つ裂きにされて帰ってくるな〜。俺は嬉しかったぞ〜。泣いたぞ〜。同じ主人公として希望の光を感じたぞ〜」
 やっぱZが良いわ。精神崩壊が良いわ。あの虚しい最後とかマジ涙ものだよね。お前も精神崩壊しときゃよかったのになぁ。
「え? Zって最後ファと一緒に帰るんじゃねーの?」
 出た。出ましたよ皆さん。新劇場版派登場ですよ。お前、あんなツギハ――。


 ◆しばらくお待ちください◇


 ――ってなわけだよ! やっぱ題名は“ぎん○ま”がいい! アレ俺天才だと思う! 
「どんな話の展開があったの!? しばらく待たされてる間に何があったわけ!?」
 タイトルだよタイトル。やっぱ長ったらしいのは駄目だわ。鼻毛漫画は例外としておくけどね。あれはタイトルで雰囲気伝わるから。でもノコカタマ・ルトイタとか駄目だわ。意味が伝わらないもの。雰囲気も伝わらないもの。どうせ作者が適当に書き繕ったタイトルだろ? 何か世界の名前とか、何か重要なアイテムの名前とかを考えてなくて、その重要用語をタイトルにすればよかったのに、適当で勢いで付けちゃった名前だろ? それにくらべてどうよ“○んたま”って。
「考慮しろ〜! ○で隠す所考慮して〜!」
 あれすばらしいよね。だって題名でわかるじゃん。あ、この小説下ネタ目指してるんだなって。つーわけでこの小説の題名は今日から“死ねユズピー”な。
「お前何目指してんの? 何でそんなに俺が嫌いなの? 何? 名前にそんな不満がある訳!?」
 いや、名前がある事が気にくわねぇ。何だよ俺って。俺地の文じゃん。その他に名前ねーじゃん。何、それが俺の摂理って言いたい訳? 散々俺を使った挙句がそれなの? つまらない作家にも散々こき使われてさぁ。売れない作家なんてギャラでないからね。そういう世界よ地の文って。
「いや、違うだろ。普通に違うだろ。お前何か違うだろ」
 もう疲れた。俺は。もうね、耐えられない。この世界厳しい。色んな作品が生まれては終わらずに消えてくんだもん。俺の仕事が始まった〜って思ったら終わらないの。終わりがないの。結局未完のまま過去ログに流れるの。そういうの凄く見てきた。
「仕方ないだろ、そういうの。作者も色々忙しいんだから」
 じゃあ忙しいからってさぁ、彼女放っておく!? 妻を忙しいからってずっと放っておくんですかあなたは!! もう知らないっ!
「お前は作者のどんな存在!? っていうか全く関係ないだろその例え! もー勘弁してくれよ! こっから話がどんどんドラマティックになってさぁ! 魔王が復活したからまた倒しにいくんだよ! お前これどーすんだよ。もうただのやすっちぃギャグ小説じゃねっかぁぁぁ!!」
 少年ユズハは謎の怒りの声を上げた。彼の持病の独り叫びである。王にも心配されていたその症状。もう治っていたかに思われていたが、そう簡単に治るものではなかった。やはり前作のアレがやばかった。
「前作のアレって何!? 適当な事言ってんなや! っていうか何自分だけ綺麗に切り上げようとしてるわけ!?」
 彼は一体魔王を倒せるのか。
 そして持病を治せるのか。
 そして最終的に実は最後のボスであり全ての黒幕である自らの父を倒す事ができるのかっ!
「え? 嘘、親父なの? 今作のラスボスって親父なの?」
 果たして、真の黒幕とはっ。
「ってお前さっき言ったから! 黒幕さっきうっかり言っちゃったからね!!」
 請うご期待!
「できるかぁぁ!!! っていうか真のラスボスはお前じゃぁああああ!!!」


 
 終わり。


2009/11/24(Tue)00:35:59 公開 / 湖悠
■この作品の著作権は湖悠さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
 え〜、とんだバカをしてしまいましたw
 やはり試験前はむしょうに小説が読みたくなり、そして書きたくもなってしまいます。いやぁ、俺ってバカ。
 今作はアレです。読めばおわかりになると思いますが、メッタメタです。ほぼメタです。最初からもう地の文くんはやる気ありません。っていうかこれが果たして小説ととって頂けるのかが不安です。ついでに地の文の言い分=作者の言い分 というわけではありません。マクロスは好きですし、Zも新旧どちらも好きです。その他地の文の暴走には俺は一切関係ないです。地の文はこの小説だと一人のキャラクターなので。
 
 

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