『痛覚』 ... ジャンル:リアル・現代 サスペンス
作者:仲矢真由乃                

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「やあ」
 聞き覚えのある声に新聞から顔を上げると、声の本人の姿が目に入った。我が友人の稲田である。
「お、久しぶりじゃないか」
「忙しくてね」
 彼とは高校以来、十五年ばかし続く友好関係を保っている。おそらく親友というものであろう。いや、訂正する、親友だ。断言できる。
「やっぱり大変か、孤児院の経営は」
「孤児院という呼び方は止めてくれ、と前に言ったはずだが」
「そうだったな、すまない。何だったか、児童養護施設?」
「合っている。まあ、孤児院というのが普及しているからしょうがないといえばしょうがないがな」
 そう言って稲田は苦笑する。
 男の私が言っても稲田はさほど嬉しくは思わないだろうが、彼は非常に良い男である。それは顔立ちだけではなく、性格等々も含めての評価だ。
 容姿はといえば、それは端整な顔立ちをしている。彼は私と同期であるので、もう三十三というオッサンなのだが、私はともかく、彼ならば二十代前半と言っても誰も疑わないだろう。まったく羨ましい限りだ。私なんぞは最近、ある友人に「立派なオッサンになったな」としみじみと言われたばかりだ。着実に中年へと歩みを進めている。とても恐ろしい。
 また、稲田は性格も大変よろしい。十五年付き合ってきた私だから言える、全くの事実である。彼以上に男前な性格をしている男性に、私はまだ会ったことがない。
 さっきの会話であったが、彼は児童養護施設、「桜の蕾」を経営している。彼は成績等も非常に優秀であり、様々な大学から引く手あまただったのだが、それを全て蹴ってその道へ進んだ。その進路は中学の頃から決めていたらしい。
 多少の友人補正はあるかもしれないが、それを省いたとしても彼は素晴らしい人物だと私は思っている。
 ところで、現在の位置を書くのを忘れていた。
 今、私と稲田がいるのは古本屋である。経営者は私だ。
 昔から古本屋という古風なにおいのする店が好きだった。結果自分で建てるまで行き着いたのだが、まあそこそこに軌道に乗り、金銭に困ることもなくなった。有難い限りである。
「どうだ、不況の波だが」
「こっちは大丈夫だ。むしろ新本を買わないで安価で済まそうとする人が多くなって客が増えている」
「なるほど」
「俺としてはそっちの方が心配だが」
「ああ、心配するな。むしろ貯金が増えた」
「増えた?」
 ここでいう貯金は、稲田個人の貯蓄ではなく、桜の蕾の貯蓄である。
「晶は覚えているか?」
「晶ちゃんか。あのぶ……綺麗な子だな」
 「無愛想な」と言いかけたが、寸前で飲み込む。
 今年でいくつになったか。もう中学生であることは間違いはない。小さいころから美人になると思っていたのだが、そろそろ身目麗しくなってきているのだろうか。
「昔から機械いじりの好きな子だったが、二ヶ月ほど前、遂にコンピューターを作ってしまってな」
「ぶっ」
 喉を潤そうと飲みかけていた水を噴出してしまった。
 本にかからなくて何よりだ。
「その……なんだ、コンピューターという物は中学生が作れるような代物だったか?」
「違うだろうな」
 いやはや、すごい子だ。
 私もよく桜の蕾にはお邪魔をするので、目立つ子供達の名前は大体覚えてしまっている。
 晶ちゃんというのは、話から見てとれる通り、「桜の蕾」に在宅している少女である。両親が交通事故で亡くなったらしく、七、八歳の頃からあそこにいる。
 しばらくはほとんどしゃべらなかったらしく(大抵の子はしばらくそうなのだが)、どんな子か特徴が掴めなかった、と稲田は言っていた。
 彼女の特異性を知ったのは、電子レンジが壊れた時らしい。
 結構に年季の入った電子レンジだったのだが、五年ほど前、遂におじゃんになって しまった。その頃はまだ貯金も少なく、新しく買うべきか否か悩んでいたらしいが、 そこで晶ちゃんが才能を発揮した。電子レンジを軽々と解体して、再び組み立てたのだ。しかも、以前よりも調子が良くなっているというおまけ付きだ。
 その後も、彼女は冷蔵庫、テレビ、エアコン、洗濯機などなど、多種多様な電化製品を直していった。勿論稲田は大助かりである。
 説明になっているとは言い難いが、まあ、つまりはそういう子なのだ。
「どこからかは知らないが、結構前から壊れた基盤とかを拾いはじめていてな」
 稲田が事の発端を語り始めた。
「晶のことだから、何か作るんだろうとは思っていたが、まさかコンピューターを作るとは思っていなかった。学校で解体とかしてないといいんだが」
 晶ちゃんなら有りうるのが怖いところだ。
「それで? 晶ちゃんが非常に機械と相性が良いということは分かったが、それと収入増加の関係はなんだ?」
「『マルチムービー』というサイトは知ってるか?」
「ああ、あの動画サイトか」
 マルチムービーとは、インターネット上で運営されている動画サイトの一種である。一ヶ月ほど前にできたらしい。想像のつかない方は、Youtubeを思い浮かべていただければいい。それに様々な機能を取り入れた便利なサイトがマルチムービーに近いものになるだろう。その機能の便利さ、手軽さが功を奏し、アクセス数は爆発的に伸びに伸び、結果的には、最近Youtubeを上回ったとかなんとか。インターネットには疎い私でもこれぐらいの情報は知っているほどの知名度である。
「あれ、作ったのが晶なんだ」
「ぶっ」
 再び液体を口から噴出してしまった。
「タオル、いるか?」
「いや、いい……。それで?」
 袖で口を拭い、話の続きを促す。
「基本的にあのサイトは無料らしいんだが、有料サービスを作ったらしくてな、それの収入が」
「それは……儲かるな。具体的にいくらぐらいだ?」
 稲田がメモ用紙に数字を書いて見せた。私の通帳の最盛期でも並んだことのないような桁があった。
 一瞬、本気で晶ちゃんを養子にしようか考えてしまったが、そんな理由で迎えようとすると稲田が怒髪天をつくことが容易に想像できるため、その思いは即座に振り払っておいた。
「ところで、今日はそれを言いに来たのか?」
「いや、話が逸れていただけだ」
 その割はえらく重大な事柄だったのだが。
「じゃあ、何だ? また手伝いに行けばいいのか?」
「いや、客として来てほしい」
「客?」
 子供達の世話の手伝いとして招待されたことは幾度もあったが、客人としては初めてだ。
「昨日、貴博から電話があった」
「貴博君か、懐かしいな。今いくつだ?」
「もう二十一さ」
 時の流れとは早いものだ。貴博君が入館した時はまだ八つだったのだが。もう十三年も経ったのか。
「……十三年か」
「本当だな。あの頃は右も左も分からずとにかく必死だった。初めての入館者が貴博だったのは、幸か不幸かどっちだったんだろうな」
 難しいところである。稲田曰く、「十三年やっているが、貴博ほど扱いの難しい子はいなかった」らしい。そんな子が初めてだったというのは、良い経験だったと喜ぶべきか、いきなり大変だったと嘆くべきか。
「どうだろうな。それで、貴博君がどうした?」
「遂に歌手のプロデビューが決まってな」
「ぶっ」
 本日三回目である。今日は一体、稲田に何回驚かさればいいのだろうか。そういう重大なニュースは細切れに持ってきていただきたい。
「……どうした? 風邪か?」
「風邪に見えるのか?」
 そうだとすると稲田の目が節穴だということが発覚するのだが。十五年かけて初の欠点発見になるかもしれない。
「プロデビューか……。ようやくというか、もうというか」
「自分からしたらようやくだがな」
 稲田が楽しげな笑みを浮かべる。嬉しいのを抑えきれないことが丸分かりだ。稲田は時々子供のような表情を見せる。今の表情を例えるならば、クリスマスの朝、ベッドの脇にあるプレゼントを発見したときの子供だろうか。
「それで、貴博が一度こっちへ帰ってくるらしい。それならということで、家でパーティーをしようということになったんだが、どうだ?」
「勿論行く」
 稲田にとっても私にとっても息子のような貴博君の祝い事となれば、出かけなければならぬまい。幸いと言うべきか、私の帰りを待つ妻もいないことだしな。……いや、やはりそれは不幸だ。
「そう言うと思ったよ、明日の午後七時からだ。貴博は五時ぐらいに顔を出すと言っていた」
「了解だ」
「じゃあな」
「おお」
 稲田が軽く手を振りながら店を去る。
 私は再び新聞に落とし、明日持っていくプレゼントをどうするかの思考に没頭し始めた。
 
 あっという間に日は沈み、再び太陽が昇ってくる頃合い。私は、我が店のシャッターを開ける。まだプレゼントが決まっていないせいで、私は軽く上の空であった。そんな私の耳に、涼やかな声が入ってきた。
「店長さん、お久しぶりです」
「……お、おお! 晶ちゃん」
「どうも」
 私に声をかけてきたのは、先日話題に出ていた晶ちゃん本人だった。
「いや、見ないうちに美人になったね」
「いきなりお世辞ですか」
「そんなことはないよ」
 そもそも中学生にお世辞を使うというのもどうなのか。
 しかし、非常に綺麗になったものだと感心する。一目見ただけでは、直ぐに晶ちゃんと判断できなかったほど艶っぽくなっていた。長く真っ直ぐな黒髪に、触れると血が出そうなほど切れ長の瞳、身長も随分伸びている。すらりとした体系も相まって、どこかのモデルが制服を着ているようにさえ見えてくる。
「店長さんは知ってました? 貴博にいちゃ……貴博さんが今日帰ってくること」
 わざわざ言いなおさなくてもよかろうに。背伸びをしたい年頃なのだろうか。
「ああ、昨日稲田から聞いたよ。ただ、何かプレゼントでもと思ったんだが中々思い付かなくてね」
「プレゼントですか? ……ショートケーキとかで良いんじゃないですか、貴博さんケーキ好きでしたし」
「なるほど……ケーキね」
 そういえば昔、貴博君はケーキ屋の前を通りかかるとこちらをじっと見つめてきたな。結局「皆には内緒だぞ」と言いつつ買ってしまっていた記憶が蘇る。
「うん、そうするよ。ありがとう、晶ちゃん」
「どういたしまして。じゃあ、学校遅れるんで」
「行ってらっしゃい」
 軽く会釈して、晶ちゃんは早朝の街へと歩いて行った。
 余談だが、ショートケーキを買う際に人数のことを考えておらず、予想以上の出費を被ってしまった。更に、ショーケースの中のショートケーキだけでは足りず、追加でチーズケーキを買い足すはめになる。その時の店員さんの不審な目が忘れられない。もう一人でケーキ屋に入ると不釣り合いな年頃になってしまったのだろうか。稲田についてきてもらえば良かった。
 
 さて、その日の夕方である。
 私は買い込んだケーキを手に、店を閉めて家を出た。徒歩五分ほどで、桜の蕾に到着する。
 小さな幼稚園ほどの敷地を持つその施設には、現在約十五人程度の子供たちが住んでいる。今、一番年上の子は晶ちゃんだったと記憶しているが、どうだったか。
 何はともあれ、小さな看板の横にあるチャイムを押す。しばらく待つと、幼い子供の声がスピーカーから聞こえてきた。
「はいー、どちらさまですか?」
 名乗る前に、その子とはまた違う声が響いてくる。
「あ、店長さん。今開けます」
「どうも」
 扉を開けてくれたのは晶ちゃんだった。
「まだ貴博さんは来てないですけど、あがってください」
「ありがとう」
「ケーキ、持ちますよ」
 いくつか持っていた箱の一つを渡す。晶ちゃんが少し鼻を箱に近付けて、中身を確かめようとしていることに気づき、若干和んだ。可愛らしい。
「館長さん、店長さんいらっしゃったよ」
「お、来てくれたか」
「当然だろう」
 中に入ると、折り紙のカラフルな鎖がリビングを彩っていた。そして、周囲に散らばるはさみやのり。紙製のとんがり帽子を被り、折り紙を切り貼りしている子供達。いかにもな手作り感が暖かい。ただ、その中で一人大人の稲田は若干浮いていた。子供達だけだとぴったりなのだが。
「その箱は?」
「ああ、ケーキだよ。貴博君、好きだったろ?」
 私の言葉に子供達が「ケーキ!」「やったー!」「苺乗ってる!?」とはしゃぐ。
「ショートケーキとチーズケーキがあるから、どっちが良いか考えておいて」
 子供達にそう言った時、再びチャイムが鳴り響いた。まだ四時前なのだが、貴博君なのだろうか。稲田がインターホンを覗き込み、二言三言喋ってから外へ出る。その間にさり気なく作りかけの折り紙鎖を渡されたので、大人しく子供達の製作に加わる。
 二つ、輪が出来たところで稲田が戻ってきた。後ろにいるのは妙齢の女性だ。
「すまない、言い忘れていた。今日美代も来る予定だったんだ」
「やっほー、お久しぶりぶりブロッコリー!」
「……やあ、川見」
「ちょっとー、暗い暗い! 貴博ちゃんの快挙なんだからほら、もっとわっほいわっほい」
「意味が分からん」
 この、やたらとテンションが高く言葉遣いが怪しい女性は、川見美代。一応、同年代なのだが文章では伝わりにくいことこの上ない。
 川見のことを説明しろと言われたとき、彼女を全く知らない人は「美女」と言い、テレビを通して名前を知っている人は「有名な美人ギタリスト」と言い、彼女のファンは「世界トップクラスのギタリスト、絶世の美女、そのかたわらモデルや俳優もこなすスーパーレディー」と言うだろう。だが、私や稲田からしたら「やかましい友人」で済むのが川見という人物である。これで大体の説明は完了したような気がする。しかも的確に。
 補足で言うとすれば、彼女の資金援助のおかげで私立の桜の蕾は赤貧になっていないということだろうか。川見の言い分によると、「どうせ使い切れない」だそうだ。何故私の近しい友人は羨ましい奴ばかりなのだろうか。やはり努力の差か。
 私の返答が不満だったのか、ぷくりと頬を膨らませて晶ちゃんに抱きつく。
「ねーねー店長さん酷いと思わなーい?」
「どうでもいいですから手伝ってください」
 晶ちゃんに軽く突っぱねられいる。一体どちらが年上なのだろうか。
「あっ、晶ちゃんが酷い。キミの会社の株主は一体誰なのかね?」
「今は自分です」
「あ、このやろ」
 今の会話から察するに、晶ちゃんは自分の会社を作ったのだろうか。初耳なのだが。いや初耳とかそんなもの以前に驚愕なのだが。
「稲田、晶ちゃん、会社持ってるのか?」
「ん? ああ、マルチムービー運営用の株式会社だな。有料サービス開始と同時に立ち上げた。株も元々は金に余裕がある美代に買ってもらってたが、運営が軌道に乗ったころに晶が買い取った」
 つまり晶ちゃんは若干中学生にして、大手動画サイト運営会社の代表取締役になったということか。出世が早すぎる。
「ついでに言うと貴博もその会社に所属することになった」
「ん? それは良いのか? 音楽関係の会社じゃないだろう」
「俺もよく分かってないが、晶曰く問題ないらしい。レコード会社とは別に契約してるしな。それに、晶がそのサイトのトップページで貴博のPVを紹介するらしい」
 それは非常に良いPRになりそうだ。何せ日本最高峰のアクセス数を誇るサイトなのだから、宣伝方法としては一級品だろう。
「稲田ー、晶ちゃんがクールビューティーすぎる」
「美点じゃないか。というか、お前も手伝え」
 まだぶつぶつ言いながらも、素直に参加する川見。口を開くと騒がしいが、黙ってそういう作業をしていると非常に絵になるのがなんともはや。
 大の大人が二人加わったのが功を奏したのか、はたまた私と川見が来る前に大体の作業が終了していたのか、飾り付けも含め十五分程度で終了した。おそらく理由は後者だろう、川見が戦力になっていたとは言い難かった。
「後は貴博が来るだけだな」
 そう稲田が言った瞬間、測ったようなタイミングでチャイムが鳴る。
「わーお、貴博ちゃん空気読みすぎー」
 ニコニコと微笑みながら、川見がケーキ前にずりずりと歩み寄る。川見に真っ先に選ばせるつもりはこれぽっちもないが。
 視線で川見を牽制しているうちに、稲田が貴博君を引き連れて帰還した。
 貴博君も、随分と大きくなっていた。身長はすでに抜かれたかもしれない。私が大体百七十前後だから、平均少し上というところだろうか。その割に全体としてのイメージは昔と変わらず、可愛らしい小動物風であった。原因はくりくりとした丸っこい黒い瞳と、癖っ毛でふわふわの髪の毛だと思われる。相変わらず何を見ているか分からない、淀んで輝きのない目をしてはいるが、昔と比べたらよっぽど生気が生まれていた。
「いやーん貴博ちゃん見ないうちにかっこよくなりすぎー!」
 川見が真っ先に貴博君に飛びついた。
「お帰り、貴博君」
「……ただいま」
 川見に飛びつかれているため苦笑気味だが、可愛らしい笑顔で貴博君は言葉を返してくれた。
 稲田が貴博君の髪をくしゃくしゃとかき回す。照れくさそうに笑う貴博君を見ながら、稲田は本当に暖かい瞳をしながら感慨深げにこう言った。
「……良い笑顔だ」
 貴博君。ここ、桜の蕾の初の入居者である。
 彼は、八歳の頃、ここの玄関先に捨てられていた。両の手のひら、両の足の甲にに卵ほどの大穴を空け、血の海の中で膝を抱え込んで座っていた。何の感情も現さず。

2009/11/12(Thu)21:01:52 公開 / 仲矢真由乃
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■作者からのメッセージ
いかんせん時間がなく、完結できるまでに時間がかかりそうなので途中までを一旦投稿という形にしました。「序章の範囲から抜け出していない」という指摘がありましたら一旦消去して書き改めてから投稿致します。

まだ初心者で拙い文章ではありますが、直せばよいところなど教えていただければ幸いです。

作品の感想については、登竜門:通常版(横書き)をご利用ください。
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