『うそつきねことしょうじきさかな』 ... ジャンル:童話 ショート*2
作者:蜆汁                

     あらすじ・作品紹介
投稿はHEROじゃなくて童話です

123456789101112131415161718192021222324252627282930313233343536373839404142
あるところにうそがつけないさかながいました





さかなはうそをつくとしんでしまいます





あるひさかなはじぶんのいるいけをみているねこにあいました







さかなはいいました「どうしてきみはいけをみているの?」







ねこはいいました「いけがきれいだからさ。」







さかなはいいました「ほんとうかな」





ねこはいいました「いいやうそだよ」





さかなはいいました「うそがつけるのはいいね」





ねこはいいました「ぼくはうそがだいすきなんだ」





さかなはまたききました「なんでいけをみているの?」





ねこはしょうじきにいいました「おひるごはんをさがしているのさ」





さかなはまたききました「ほんとうに?」





ねこはまたこたえました「ほんとうだとも」





さかなはねこにききました「きみはなにをたべるんだい」





ねこはいいました「ぼくはさかなをたべるんだ」





さかなはまたまたききました「ほんとうに?」





ねこはしょうじきにいいました「ほんとうさ」





さかなはふしぎにおもってたずねました「じゃあどうしてぼくをたべないのさ」





ねこはうそをつきました「それはおなかがいっぱいだからだよ」





さかなはいいました「うそだね」



ねこはまたうそをつきました「いいやほんとだよ」





さかなはさいごにききました「またきてくれる」





ねこはこたえました「いいともさ」





それからねこはまいにちそのいけにきてさかなとはなしをしました。





まちのこと、もりのこと、そらのこと





そしてさかなはいけのなかのことをねこにきかせました







そのたびねこはうれしそうにそのはなしをきいています





ねことさかなはともだちになりました





あるひねこはききました「どうしてきみはうそをつかないんだい?」





さかなはいいました「ついたらしんじゃうからさ」





ねこはいいました「じゃあきみがいってることはぜんぶほんとなんだね?」





さかなはいいました「じゃなきゃしんじゃうよ」





さかなはいけにかえるときにねこにいいました「またあしたきてね」





ねこはいいました「にどとくるもんか」





でもさかなはそれがうそだとしっていました





つぎのひねこはいつものじかんになってもきません





さかなはしんぱいしてずっといけのほとりでまっていました





ゆうがたになっておひさまがしずんでくるとむこうからねこがちかづいてきました





あんしんしてねこにはなしかけようとしたさかなはおどろきました





ねこはまっかになっていたのです





さかなはききました「なんできみはあかいの?」





ねこはいいました「それはね ゆうひにあたっているからだよ」



ねこはとてもくるしそうでした





さかなはそれがうそだとわかっていました





そうするとねこはもっとくるしそうになりながらもいいました「ぼくはきみがすきだったんだ」





ねこはずっといわなかったことばをいいました





さかなはそれがうそだとはおもいませんでした





それからすこしたってねこはうごかなくなりました





さかなはちいさなからだをめいいっぱいくねらせいけからとびだして



ねこのところにいきました





さかなはねこのちかくにおちるとくるしそうになりながらいいました





「ぼくはずっときみがせかいでいちばんだいきらいだったのさ」





そういうとさかなはぱたりとうごかなくなってしまいました



ふたりはどんどんそらにのぼっていきました



そのとちゅうねこはさかなにききました


「さっきのことばはほんとうかい?」


さかなはいいました

「じゃなきゃしなないよ」


ふたりはそらにのぼるまでずっとはなしをしました


そしてねこはさいごにいいました

「これでほんとうにおわかれだね」


さかなはいいました
「いいやまたあえるさ」


ねこはいいました
「いいやうそだね」


さかなはいいました
「それはぼくにもわからないよ」

ふたりはいっしょにくものなかにはいっていきました


2009/08/22(Sat)15:36:23 公開 / 蜆汁
■この作品の著作権は蜆汁さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
あまりうまくありませんがみてください

すいません、誤字の報告があったので訂正しました。

作品の感想については、登竜門:通常版(横書き)をご利用ください。
等幅フォント『ヒラギノ明朝体4等幅』かMS Office系『HGS明朝E』、Winデフォ『MS 明朝』で42文字折り返しの『文庫本的読書モード』。
CSS3により、MSIEとWebKit/Blink(Google Chrome系)ブラウザに対応(2013/11/25)。
MSIEではフォントサイズによってアンチエイリアス掛かるので、「拡大」して見ると読みやすいかも。
2020/03/28:Androidスマホにも対応。Noto Serif JPで表示します。