『ニートだって人間だ。』 ... ジャンル:リアル・現代 未分類
作者:小松                

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 再起不能になってから、どのくらいたつだろう。

 だるい。やる気ゼロ。

 ……まあ、いいや。――今日もテレビをつけるか。

 32歳、女。自由業。友達はパソコンの動画サイト●コ動画と架空の人達。世間ではこれをオタクまたはニートと呼ぶ。
 さて、今日は何をしよう。収入源もないけど、年金払わないといけないし。……今日も親に頼むか。金が無いから働けない。金があっても働けない。どうせ私は三日坊主。多分、直ぐ厭きる。

 今日も今日とで昼過ぎに起きた。朝飯も食べずに、ぼんやりとた眼でパソコンのスイッチをつける。あまり動いてないからその分、腹の消費もすき無いんだろ。
 私は思った。飽きっぽい自分には外側の世界は居るべき世界ではないと。
 だから私は篭り始める。あれから何年たったんだろう……。部屋からは一歩も出ずに、カーテンの隙間から見える世界だけを眺める。
「………」
 さて、今日は何をしようか。
 頼んでも当てがない母親の声を見てみぬふり。私室の扉に鍵をかける。カーテンを隙間無く閉めて、引き篭もる。真っ暗闇、薄暗い部屋の中。私の部屋に入るのは僅かな光だけだ。
 たまにパソコンのスイッチを入れたりして作業をしていることもある。ゲームだってやる。
 なにをするにも独りきり。――まぁ、当たり前ですけど。

 他人行事に目を向けることなんてない。実の母親の問いかけにすら応じなくなった。
 居るのに居ないふりしてるのは、引き篭もりだからです。何度も言われても、何度も怒鳴られても、私は動きません。この部屋を離れるくらいなら私は死にます。親は諦めてくれない。何故? どうして?
 別に遊んでるわけじゃないのに、パソコンをいじってる姿を見れば遊んでるだのなんだの親が言ってくる。だが真実は明かさない。明かせない。

 あの日の後悔を深く背負いながら、私は鉄の空の中に閉じこもる。
 何年か前に●コ動画という名の動画サイトにリンクしてみたとき出合った神動画。尊敬できる技術を持った美画を動かす才能に憧れて「合唱」を試みて歌った日には、今まで隠し通していた姿を親に目撃されて沈黙。それ以来、私は引き篭もったままの日々を続ける。何がイヤだったのかなんて私に聞かないで。
 いやいや、単なる二次元的な趣味がばれたからってそれだけでへこんで引き篭もってるわけじゃないです。でも私の心はデリケート。繊細なんです。

 閉鎖空間での私はどうですか? 太ってる? 一年前の洋服が小さい? 細かいことは気にしない。
 後でまた走るかなんかすればいいさ。●リーとかなんか適当にやっておけば良いさ。雨が降れば吉、晴天なら最凶。
 暑いし、まぶしいし、何か嫌だ。年中真っ暗闇。多分、ここで自殺しても誰も気づかない。
 全てがマイナス思考? 放っといてください。締め切ったカーテンの隙間から漏れる光。私にはこれで充分。薄暗くて窮屈な部屋の中で、じっとしている私。ただ単に外の世界が怖いわけじゃない。ただ単に恐れているわけじゃない。
 今更、外の世界に恋をするなんて卑猥だ。根性があれば出来ることだと思うけど、二次元だけで充分だよ。私の恋人はアニメの主役や脇役。周りがどう思うかなんて気にしない。ニートでも人間です。感情の一つや二つは抱きますけど、リアルに恋はしない。したくない。人はそれをニートだのオタクだのいってるけど、まあ勝手に言っててください。私には関係の無いことです。
「さて………今日はどうしましょうか。俺の嫁」
 好き過ぎてたまらないキャラクターを性別関係なく「俺の嫁」と主張する。それが私です。とにかく二次元は無限大です。パソコンのスイッチを入れて、動画サイトにアクセスすればお手軽に二次元ワールド。マウスを握ったらスイッチ・オン。ペンの形した絵を描くためのタブレットでも握らせて。
 とりあえず、私の根気を見せます。CG駆使して描くアニメキャラクター。リクエストがあれば、私なりの解釈で形にいたしますと意気込んで描く才能。男子と男子を掛け合わせて、BLとか。男子とか青年とか幼児とか、サブキャラとか幼女とか女性とか姉さんとか……このことこの子を合体させてみたらこうなって、あれがこうなるなんて妄想。ありえないカップリングに悲惨な思いマイナーだといわれる。それでもマイナーが好きな人も居る。というか、カップリングに普通も変もない。
 覚悟してください。二次元かたらせたら私に勝つものは誰も居ませんよ。頭の中が時々ピンクになったり灰色になったり変化は色々。これだけでも色々それ以上のことが沢山ありすぎて、無駄な知識広がっていく。ある意味、脳の老化は防げそう。

2009/02/06(Fri)20:33:44 公開 / 小松
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■作者からのメッセージ
初めまして。小松です。
少し伏せ字率がちらほらありますが……まぁ、それは後々(自分が)自重するとして
単純に楽しんでもらえたら幸いです。

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