『The Universe』 ... ジャンル:ファンタジー ショート*2
作者:Tona2                

     あらすじ・作品紹介
幻想ファンタジー

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夜中、目が覚めた。何も見えない。何の音もしない。

いきなり体が浮いた。無重力状態に陥ったように。ふわり、ふわり。

目が慣れてきた。暗闇に、たくさんの点が輝いている。

その点は星だった。「ああ、きれいだ」ただそれだけを呟いた。

ただ空間に流されるままになる。重力を感じない。心地いい。

何の障害も無い。壁も無く、無限の世界が広がる。

突然、誰かが耳元で囁いた。「こんにちは」と。

「君は誰」とにかく訊いてみた。

「僕は―名前は―infinity」

infinity、つまりそれは「無限」を表していた。

「君は無限なのかい」infinityに訊いた。

infinityは答えた。「無限ではありません。無限というのはあくまで人々の理想なのです」

infinityはさらに付け加えた。「この世界、この宇宙に無限はありませんよ。あらゆる生き物の命も無限では

ありません。森林や、群青色の大海原も、決して無限ではないでしょう。星だって、生まれれば、爆発して

死んでしまいます。無限であるものはありません」

infinityは優しい声で囁いた。

「有限であるほうがいいと思うのですよ。生きることが無限だったら、死ぬことは無い。生きることが無限

なら、生きることの大切さが分からないでしょう?創造してみてください。大切な人を失うことの無い世界を。

一見、良い世界に思えるかもしれません。ですが、大切な人は死なない。永遠に生き続ける。

次第に、その人が自分にとって大切な人では無くなってしまいます。これほど寂しい世界はありませんよ。

だから有限であるべきなのです。大切な人を失う悲しみは、簡単には忘れられないことでしょう。

しかし、人生は山あり谷あり。良いときもあれば、悪いときもある。喜びや楽しさだけでは、人として成長

できません。悲しみや怒り、空しさなどの、負の感情を持たなければ、人は前へとは進めません。

人はいつか死にます。命は有限だからです。だからこそ、今を大切に生きるのです。

『Now or never.』今をもって他に無い、という意味です。今という時間は人生で一度しかありません。

だから、生きるのです。今という時間を」

その瞬間、星の輝きも消えた。重力が戻る。四肢全てに感覚が戻る。

夢か、それとも現実か。いや、どちらにしても、何かとても良いことを聞いたと思う。

今のこの経験が、いつか役に立つのだろう。

心の中で、静かに誓った。今を大事にしようと。




2008/03/21(Fri)16:18:15 公開 / Tona2
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■作者からのメッセージ
初投稿です。幻想ファンタジーです。読む人に命の大切さを知ってほしいと書きました。やっぱり、命は有限で、かけがえの無いものだと思います。
これを読んで、命の大切さを感じてほしいです。

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