『〜運命 for Destiny〜』 ... ジャンル:ファンタジー 異世界
作者:香織                

     あらすじ・作品紹介
冒険系の物語を書いて見ました。どうぞ読んでみてください。

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〜序章〜『哀しき運命』

 天空に浮かびし紅蓮の陽が漆黒の陰と交ざわりし時、世界に再び災いが起きるであろう。ある国の皇帝が死に際にそう兵士達に伝え天へと帰り空の夜明けも朝日を迎え兵士達の出す涙が朝日に照らされ、まるで宝石粒のように見えた。そして離れで暮らしてた皇帝の娘も送られて来た兵士にその事を伝えられ少女は兵士より先に車に乗り涙目になりながら
「お父様…お父様…」
と身震いしながら必死に小声で囁いていた。
 数日後、日ごとに泣き続けていた少女の泣声が聞こえなくなり門番をしていた兵士が気になって扉を静かに開けると中は何とも抜けの空だった。兵士は急いで他の兵達にこの事を知らせ捜索を開始した。兵士達が捜しあれから数ヶ月が経ち、一人の捜索兵が戻り残念な報告を耳にした。
「姫は…川のほとりにて自殺を計りました…」
それを聞いた瞬間、全騎兵の足が崩れ床に手を当て膝が地に付き全騎兵は
「姫様…」
と呟き一夜が過ぎた。
 数週間後、事は城内で収まり城下町の人々には知らされておらず城の兵達も気を取り戻しつつ再び平和な生活に戻り皇帝やその娘は誇り高き人だったと騎兵達は熱く称えたのだった。

〜第一章〜『穏やかな日々』

 空は青く、その反射で海も青く輝いて見える。ここはシーベルンという豊かで穏やかな港町で毎日ザザーンという海の小波音が聞こえ今日も人々は平和に暮らしていた。漁業から帰って来る人達や、それを裁いて開きにしたり干したりして売買してる商人、食料はとても豊富である。
「お〜い! 今、帰ったぞ〜!」
漁師が漁船の先端に立ち手を振っている姿が見える、そして船は港へ着き町の人々も港に集まり今日の収穫はどうだったかを聞いたりする。
「今日もまたたくさん釣れたぞ〜! なぁディアン!」
「あぁ! 大量だったな親父!」
この少年はディアンという名前で、どうやら父の家業の手伝いをしているようだ。父の釣った魚とディアンの釣った魚の大きさを見ると、まだまだと言えるくらいの差はあるがディアンも腕が上がってそれなりに大きい魚を釣れている。しかし、今日は何かいつもと様子が違う漁師達だ。
「俺達が船上で大物の魚を釣ろうとした時、ディアンに呼ばれて大物を釣り損ねちまったんだが、そんなことよりもディアンが見つけたのは海に浮かぶ小島で少女が倒れていてよぉ、流石に放っておくわけにもいかねぇから今、船内で寝かしてるとこなんだよ。服装が輝いたもんばっかだったから、きっと何処かの高貴な御嬢様なんじゃねぇかと俺は思うんだよな」
親父の言葉に皆、唖然としていてディアンが皆の顔を見ると信じてなさそうな表情ばかりだった。そして皆、一斉にプッと息を噴き出して笑い出す。どうやら信じてないみたいだ…。
「オイオイ今日はマジで本当なんだぜ? ったく仕方がない…ディアン! 証拠を見せてやれ」
「わかったよ親父」
ディアンは船内へ駆け出して皆を信じさせるために少女を寝かせてある部屋へ向かった。部屋に着いて扉を開けた。しかし誰もいなかった…。確かにこの部屋にいたはずなのに…と思ってディアンは他の部屋も見て少女を探し回る。
「あれ〜? おっかしいなぁ…確かにあの部屋に少女が寝てたはずなんだけど…」
そう呟きながら腕を組み捜し歩いていると
「お〜いディア〜ン! まだかぁ! 早く証拠連れて来てくれ〜!」
と大声で叫ぶ父の声が耳に痛いほどに響いた、連れて来てくれと言ってもいないんじゃ意味がないだろうとディアンは思ってディアンはこの事を父に伝えた。
「何?! あの子がいねぇだぁ?! ちゃんと探したのか?!」
「何処探しても全然見当たらないんだよ」
「もういい! 俺が探しに行くから、お前はここで待機してろ!」
「…(無駄だと思うんだけどなぁ…)」
そうディアンは思いながら父の姿が消えるまで見続けていた。父が探しに行って数秒後が経ち下から父の声が聞こえてきた。
「お〜い! ちゃんといるじゃねえかディアン! 何がいないだよ全く…」
そう声を挙げながら父は階段を登り一人の少女の手を握りながら一緒に登り本当に少女がいた事に皆「おぉ〜!」という声が所々で響いた。ディアンは目を瞬きながら驚き唖然としている。
「…(何で?! さっきは本当に部屋にいなかったのに…)」
悩んで考えていたディアンの頭上に石が当たるような痛さで父に頭を叩かれた。
「おいディアン! 何で、あの時いねぇだなんて嘘っぱちこいたんだ?」
「い…いや、本当にさっきはいなかったんだよ親父!」
「やれやれ…じゃぁ、ここにいる嬢ちゃんは一体何なんだよ?」
「それは…」
父の言葉に押されて言葉が出ないディアン、それを見た少女は無表情だが少し口元が笑ったように見えた。
〜つづく〜

2006/09/11(Mon)13:54:10 公開 / 香織
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