『またいつか。』 ... ジャンル:恋愛小説 リアル・現代
作者:唯                

     あらすじ・作品紹介
高校生活スタート!由美は勇と出会う。そして、勇に恋をしていく。

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雲は流れ、海は波を立て、風がふき、地球はまわる。
―当たり前なことだけれど、あなたと出会ってから…

またいつか。 


            ●        ●       ●

未来なんて見えやしない。いつ・どこで何が起こるか分からない。それが『人生』
一生の間に、人間は恋をする。数えきれないくらいに。切ない恋を―

春。高校生活のスタート。雪原 由美 14歳。わくわくどきどきの入学式。
きっと素敵な出会いがあるのかな。とか、彼氏ができて青春で…とか多いな希望膨らませ入学した。まだ硬く慣れない制服に身を包み、入学式を迎えた。
「えー、本校は30年という長い年月建っており―…」
長い長い校長の話。手には用意された原稿を持ち、長々と話している。まぁ、ほとんどは保護者に対しての話だった。
ぞろぞろと教室に入っていく生徒。由美もその一人。
1−B 由美の教室。床はピカピカに光っていて黒板も、机も、イスも全て綺麗。
すがすがしい気分。とてもきもちいい。一ヶ月後にはもう汚くなってるかな…

「ねぇ!!」 突然後ろから肩をたたかれ、びっくりしながら振り向いた。
「はい?」後ろにいたのはギャル系の女の子。目がパッチリで、肩ぐらいの髪。
「あたし、花川 沙耶!!友達になってよ!!」
「友達!?いいの!?なるなる!!」あたしは、驚きながらも答えると沙耶は
「ホント!?やったぁ!よろしくね!!」笑顔でそう言った。
「うん!!よろしく♪由美って呼んでね!!」あたしも笑顔で答えて、携帯番号、アドレスを教えて、その日は別れた。
沙耶はギャル系の子で最初は怖そうなイメージがあった。でも意外と優しい子。
男にはめがない。
チャラリラリン〜♪
携帯が鳴った。メールみたい。由美は携帯を開けると沙耶からだった。思ったとうり、ギャル字だった。
≪でぃぁぁ★ゆみぽn★★ やっぽn!沙耶だょn★★元気ヵイ!?≫
元気かいって今日あったじゃん!と思いながらもメールを返した。
≪どぉもA♪バリ元気だヨ↑↑沙耶ゎ元気!?≫
あたしもギャル字を使っている。明日からは軽めに化粧もしていくつもり。近いうちには髪を真直ぐにするつもり。
この日は5回程度でメールを終わり、また明日。と約束して眠りについた。

入学したばかりなのに、廊下や教室はにぎわっている。
席について鞄の中を整理していると、沙耶が教室に入ってきた。
「あ!おっはよ!」あたしはすぐに声をかけると
「…おはよ」と沙耶は元気なさそうに答えた。違和感を感じたから
「なんかあったの―?」と聞いてみた。
「うん…。今日は最悪だぁぁ!」と言って机に伏せてしまった。
あたしはどうしていいか分からず、とりあえずだまっていた。
「あのねぇー。沙耶ね彼氏と別れちゃったの…」
顔を伏せたまま、沙耶はそういって話を続けた。
「中3から付き合っていたんだけれど、高校別々になって…。
昨日新しい彼女できたんだって。沙耶、学校も違うし嫌だとか言ってたの。
早いよね…。沙耶はまだ好きなのに!!」
途中グスっと聞こえた。泣いているのかな…。でもひどいよな。
「沙耶…あたしがいえる立場じゃないけど、新しい恋を見つけよう」
あたしは何故かそう言った。自分でも何故言ったのか分からなかった。すると
沙耶は顔を上げて
「ゆみぃー!」といって抱きついてきた。
「よしよし」と頭を撫でた。
「あ!由美!あのさ、今日空いてる!?」沙耶は体を離し聞いてきた。
「今日!?うんあいてるよ」
「ホント!?じゃあプリ撮りに行かない!?」嬉しそうに笑った。プリクラかぁ…いい!
「うん!もち♪」あたしがそういうと沙耶は嬉しそうに笑って何処行くー?と聞いてきた。しかしそこでチャイムがなり一旦終了。
キーンコーンカーンコーン…
チャイムが鳴って、まちに待ったお昼!!あたしは沙耶の隣に座って食べることにした。
二人で笑いながら話していると、後ろから男が話しかけてきた。
「ねえ!何処中出身?」いきなりこの言葉。
髪は茶髪でツンツン。顔は怖い系で耳には多数のピアス。見た目で不良と分かる。
「はぃぃ〜、沙耶って言います〜。琴中出身です」
沙耶の好みのようだ。顔はもう恋する乙女の顔だった。切り替え早いな…
「まじ?琴中?沙耶ちゃんかぁ〜かわいいね〜」
「え〜?お世辞やめてくださいよぉ!えっとなんていう名前ですか?」
「ん?ああ俺ね、幸介」
「幸介君?いやー、あたしの好みなんだけど…メールできるぅ?」
これが世に聞くブリッコ?というのだろうか。沙耶は上目使いで可愛さをアピール中。
二人は仲良く話していた。するとドアから
「幸介ー。そろそろいいかー?」と低い声が。
そこに立っていたのは同じく不良系で茶髪の男。かみはツンツン。
「おぉー。悪いな勇。沙耶ちゃんと話してたんだー」
「おいおい、口説くなよー?」といいながらこっちにくると、あたしの横の席に座った。
フワッと香水の香り。
「はじめまして。」そう、男は声をかけてきた。
「は、はじめまして」ちょっとびっくりしたけどちゃんと返すと男は手を差し出して
「俺、谷川 勇。よろしく」と握手を求めてきた。
「雪原 由美。よろしくね」あたしも手を差し出して握手を交わした。
大きい手。由美の手は包み込まれていた。由美は身長も低いほう。
「手小さいな」勇は優しく微笑んだ。
「勇君が大きいだけだよ」あたしも笑って返す。
「呼び捨てでいいよ。…アドレス聞いても良い?」勇は携帯を出した。
頷いて、アドレスを交換すると、勇は髪を触ってきた。
「な、なに?」驚きだった。でも、そのては心地よく、女慣れしてる感じだった。
「わりぃ。良い髪だったからつい」勇は、あどけない笑顔を見せた。
「じゃぁ、そろそろ行くわ。おい、幸介戻るぞー!」立ち上がって言った。
「分かった。じゃぁ沙耶ばいばい♪」
「ばいばいー♪」二人はすっかり仲良くなっていた。しかも呼び捨てだったし…っていってもあたしもか。
「幸介君好みなの〜?」あたしは意地悪く聞いてみた。
沙耶は口に含んでいたお茶を噴出しそうになって、顔が真っ赤になった
「図星★」あたしはにやっとわらって言うと
「うるさいやい!!由美だって勇君の事好きなんじゃないの!!」といってきた
好き?好き…ではない。
「好きではないなぁー。あれ、幸介君好きなの?」
沙耶は顔を下げて、言った
「好みなだけだもん!!」絶対嘘だな。と思いながら流した。

沙耶と遊んで家に帰ると、すぐにメールが来た。勇からだ。
≪よぉ。今何してる?≫短いメール。
≪今家に帰ってきた!!勇は?≫すぐに返信
≪俺も今帰ってきた。幸介と遊んでた≫
≪あたしも、沙耶と遊んでた!!昼休み一緒にいた子ね!≫
≪あぁ、あの子かー。幸介狙ってるらしいよ〜≫ え!?やったじゃん!!
≪え?本当!?沙耶も気になってたみたい!!≫言っちゃっていいのかな…
≪まじかー。じゃあ付き合うんじゃないかなー≫たぶんそうだよ。
≪そうだよね〜。カップル成立じゃん!!≫
≪…由美は気になってる人いるの?≫え?  
突然、あたしの鼓動は早まった。どうしてだろう?まるで好きみたい。
でも…勇があたしの髪に触れたときどきっとした。
何故だろう??
≪由美ー?由美はいないよー。勇は?≫嘘をつく本当は…
≪俺!?俺は…≫
期待してしまう。あたし、かもという気持ちがある。
≪えー?誰さ?≫気になる!!はやく!
≪…ないしょ。いつか分かるよ!じゃあな〜≫
≪えーうん。分かった!じゃぁね〜≫

期待してしまった。勇に
もしかしたらあたしかもしれないという、期待。
馬鹿みたい。今日あったばっかりで、初めて話したのに。
好きになるわけなんてないよね?あるわけ…ないよね?

でもね。鼓動が早いの。
あたし、好きになったのかな?
初めて会ったばっかりなのに、好きになるのってあるのかな?
一目ぼれ?そうなのかな。
分からない。でも、勇の事考えちゃって、眠れないよ…。

チャララ〜♪ 携帯が鳴った。PM12時 だれかな?と電話に出る。
「もしもーし」
「あ!もしもし!沙耶だよー!起きてたー??」
沙耶だ。こんな夜中にどうしたのかな?
「うん、起きてたよ?どうしたの??」
「あのね…幸介にこくられちゃったよ!!」高い沙耶の声
「え!?本当!!付き合うの!?」
「うん…!沙耶いまフリーだったしィ!!」
「そっかぁー!おめでとー!!」
それから5分後に電話を切った。
付き合った?沙耶が!?早いなぁ…遊びじゃないよね。軽そうな二人だからちょっと心配だけど、とりあえず寝ることにした。

朝、二人は仲良く登校した。そう、沙耶と幸介だ。
昨日あったばっかりなのに、カップル成立!信じられないけどお似合い♪
休み時間教室で沙耶と話していると、幸介がやってくる。
ふたりはどこかへ行く。いいなーと思いながらあたしは眺めていた。
学校の地図を見ると図書室があった。3階かあ。放課後暇だから行くことにした。
そして、沙耶に手を振って図書館へ向かった。
カラカラ…ドアを開けると机が並んでいる。
とても静かな空間だった。
ふと、机に目をやると人が座っていた。
一人だけのようで、こちらに気がついて顔を上げた。
『勇!!』『由美!』
ふたり同時に指をさした。ばったり。びっくりした。
「勇が図書館にいるなんて以外〜!!」
「なんだよー!由美だって以外だよ!」あたしは勇の隣に座った。
「何してたの?」
「俺?別に何にもしてなかったけど、ここ落ち着くし。」
「へえー。まぁ確かにここ居心地良いよねー」あたしは立ち上がって本をとりに行く
本を持って席に着く。勇は窓を見ていた。
沈黙。なぜか本に集中できない。勇が気になる。
パラパラ… 本をめくる音だけ聞こえた。
慣れてきて集中して読んでいると、視線に気がつき勇を見る。
勇は由美をみていた。目が合い鼓動が早まる。
由美は目をそらした。でも勇はそのままで
「昨日メールで言ったこと。覚えてる?」口を開いた。
メール…
「ああ、気になってる人って奴?」
「うん。知りたい?」もったいなぶって言ってきた。
「知りたいっていわれたら知りたくなるよ!!」笑って返すと
「雪原 由美。」
「―え?」
「お前」

鼓動が早まる。突然の出来事に驚き言葉が出ない。あたし!?
うそだ。絶対に嘘だ!信じられない!

「そんな!冗談やめてよー!ドキッとしちゃう」笑って返す。
「…だよな。ありえないよな!」勇は笑って席を立った。
「帰るわ、またな」
ガラガラ…ドアが閉まった。

え??どうして??
いきなり帰っちゃったの??
疑問の中、心の中では…

期待していた。


勇に

ねぇ。恋ってなんだろう?


家についたころにはもう外は薄暗くなっていた。
「ただいまぁ…」
…あれ?いつもなら「おかえり」とか声をかけてくれるのに??
心配になってリビングを覗くと…
「―なにこれ!!」目の前には、ぐちゃぐちゃに割れたお皿、ガラス。
びりびりに破かれた写真―
「どうしたのこれ!何があったの!?」あまりのショックにその場に座ってしまう。
家の中には誰もいない。たしか今日は父が休みだったはず…
由美の家は4人家族。母、父、姉、由美。
姉は大学に入っていて、バイトもあるから帰りが遅い。
泥棒が入ったわけでもなさそうだし…
夫婦ゲンカ?でも、こんなに荒れるわけがない。
ふと、下をみると、破かれた家族写真。これは去年のキャンプの時の。
写真は真ん中で破かれていて、父と母が離れている。
嫌な予感がする。  離婚。
由美はどうしていいのか分からないまま立ち上がり、リビングの中に入ってみた。
「―痛っ!」
ガラスの破片を踏んでしまった。足の裏から血が出ている。
由美は玄関にあるスリッパを履き、バンソウコウを貼ってふたたび中に入る。
「このお皿ってお母さんの大事な皿じゃなかったっけ…」
一人で呟きながら入っていく。
キッチンへ行くと、まな板の上には包丁と魚がおいてある。
きっと、母はキッチンにいて父はソファーに座っていたのだろう。
「どうしちゃったの…」由美は泣き崩れる。だって、家族でおそろいのマグカップも
割れている。みんな大切に使っていたのに。
由美はポケットから携帯を出して電話をかけた。
プルルルル―ガチャ
「もしもーし」
「もしもし…お姉ちゃん?由美ぃ」泣いてるせいで声が震える。
「由美!?どうしたの!!」姉は由美の異変に気がついた。由美は今の状況を伝えた。
「それ本当!?待ってて!今すぐ帰るから!!」
「うん…」ガチャ 電話が切れた。姉がきてくれる。安心した。
それからしばらくたつと、玄関のドアが開いた。
ドタドタドタ「由美!!ってなにこれ!!」
姉が来てくれた。驚いている。
「お姉ちゃんーっ。」由美は泣きながら近付く。
姉は頭を撫でてくれて、携帯を出し電話をかけた。
「誰にかけてるの?」
「しーっ静かに。」
「もしもしお母さん?絢音。」母にかけていた。母の声は聞こえない。
「お母さん!?何があったの!?家の中すごいよ!」
「え?お父さん?いないよ??」
やっぱりケンカしたのかな…
「え?」姉が驚いた表情になった。そして座り込んで携帯を落とした。
「ど、どうしたの?」姉の顔を覗くと、涙を流していた。
由美は携帯をとり、「もしもし!?由美!」
『由美…。ごめんね。お母さん達―」
「え?最後聞こえなかった!」

            『離婚することになっちゃった』
母は泣いてるせいか声が震えている。由美もその場に座り込んでしまった。
この状況はなんか変だと思っていたが、まさか…
「離婚―?」
『っうん…』母はその後ずっと謝ってきた。
どうして?なんで?なんで!!
電話は切れて、姉とともに掃除を始めた。
破かれた、家族写真。写真の中では笑っている。皆。
幸せそうに笑っている。  幸せだった。
ある程度掃除をすると、そのまま眠りについた。
図書館であったことは忘れていた。


朝日がカーテンの隙間から入ってくる。
「朝か…」重い体を持ち上げて階段を降りてリビングへ向かう。
「おはよう」
誰もいない。静まりかえったリビング。母と父は帰ってきてない。
テーブルの上に置手紙がおいてあった。
               ≪由美へ≫
       一緒に朝ごはん食べれなくてごめんね。
       目玉焼きやいといたよ。パンはいつものとこにあるよ。
       帰りなるべく早く帰ってくるから、待っててね。
       何かあったら電話してね。
                      絢音

姉からだった。やっぱり帰ってきてなかったんだね
由美は着々と準備をして、学校へ向かった。
「学校サボりたかったなァ」と呟き、バスに乗った。
チャラリラリン♪着信 勇
勇!!昨日図書館で―。
「もしもし」「もしもし?由美か?」「うん」「今何処?」「バスの中」
「そか…。あのさ、今日学校さぼらねぇ?」「え??」
「今日遊ぼうぜ!」「う、うん!!」
電話は切れた。サボリ。勇と!!あーでも単位とかあるっけ。
じゃあ、一応学校には顔出して、途中から抜けることにしよっかな♪
少しぐらいいいよね?今日だけ。
バスから降りると勇がいた。
「おはよ!」「おう!行こうぜ」勇はチャリ通。自転車の後ろを指差す。
「うん♪」
やっぱり、今日はサボろう!学校なんていいや!!このまま。遊ぼう!遊びたいし!
「ねね!何処行くの―?」自転車の後ろにのる。
「ん?いい所!」勇はこぎ始めた。勇の背中にしがみ付く。暖かい…
大きい背中…。ふわっと香水の香りもするね。

 勇。何処行くの??いい所って??


ついたのは  海。良くここまでこれたね。
まだ、はるだから、肌寒いけど…ここに何しにきたのかな?
「…ここ気に入ってんだ、俺。」海を見ながら勇は言った。
勇、海がすきなんだ。うん、由美もね、好きだよ。
「波の音が落ち着くよね。由美も好き」
勇は微笑んで、砂浜を指差し「座ろうぜ。」といって歩き始めた。由美もついていく。
少し湿っている砂浜に腰を下ろした。
「ね、何しにきたの??」
勇は答えない。「?」
勇は突然立ち上がった。
「腹減ったな。レストランでも行く?近くにあるし。」
由美は頷く。
そして、すぐ近くのレストランに入って二人用のテーブルに座った。
「ここのみ放題だから。」
「うん。分かった。じゃ、撮ってくるね」由美が立ち上がろうとすると
「いや、俺が行くよ。何のみたい?」勇は飲み物のメニューを見せる。
「え?いいよー由美が行くし」
「バーカ。いいから、ほら選べ」頭をくしゃくしゃしてきた。
「分かったよぉーだ。じゃぁね…ココア!!アイスね!」
「おっけー。じゃ、待ってて」勇は歩いていった。
ねぇ、勇何しに来たの?ねぇ…緊張して話せないよ…?
「どーぞ」勇が帰ってきて、ストローもくれた。
「ごめ、ちょイ便所」勇はまたいなくなる。
飲み物を一口のむ。
「…ん??」
苦い。あれ?これってコーヒーじゃん!勇間違えたのかな。
由美が笑っていると勇が帰ってきて
「何笑ってんだ〜?」と顔を覗いていきた。
「勇!これコーヒだよぉーあはは!!」
「え!?まじ!!間違えた!?ワリィー」勇は由美とコップを変えて一口飲んだ。
え?それって―
「間接キス…しちゃった」勇はにやっとわらった。
「もしかしてわざとー??」
「なんか食べる?」 うわ!話しずらした!!
勇はにやけてる。
「ぁ、アイスたべる!!」
二人はアイスを注文して、くだらない話をしながら食べ終えた。
「―由美。アイスついてる」
「え―…」その瞬間唇のはじに何か柔らかいものがあたった。
勇の唇だった。
「え」
驚きのあまり、それしかいえなかった。
やっと落ち着いてきて、「ありがとう」といった。
二人は店を出てふたたび砂浜に座った。
ぼーっとして海を見つめる。もう夕方で海はきれいに光っている。
「きれいだなぁー」波の音に癒されていた。
「だな」横を見ると夕日にに染まった勇の顔。
男前だなァ。ますます好きになっちゃうよ
「そろそろかえろっか」由美から言う。
「そうだな」二人は立ち上がった。
由美が歩き始めると後ろから手をつかまれた。
「え?勇どうしたの?」勇はとても真剣な顔。
「由美」
「ん?」後ろにふりむく。




「好きだ。」



え??  

今なんて??



「俺と…付き合ってほしい。」





ザザーン       波の音が聞こえる。
勇が言った。好き、付き合ってほしい。嬉しい…でも遊びじゃないの??

「由美―」 勇は由美の体を勇に抱き寄せて耳元でささやいた。

【俺の一生をお前に奉げたい】

この一言で本気だと思った。軽い??でもね、勇はとても真剣な顔をしていてね―
寂しそうな顔をしていたの。

「うん…。由美もっ由美も好きだったよ…!」
突然涙が出てくる。嬉し涙??分からない。
勇は、由美の涙を優しく指でふき取り
由美と唇を重ねた。
嬉しかった。
やっと
やっと
勇の彼女になれたんだね。
由美嬉しいよ。由美頑張るね。


帰りに聞いてみた。
「由美でいいの??」
「あたりまえだろっ!」勇の背中に抱きつく。
「ありがとね」

でも、一生を奉げるって言い過ぎなんじゃないかな??と思いつつ、勇と分かれた。
明日から、楽しみだなぁ。


【一生を奉げる】    この意味を後々知ることになる。





2006/07/09(Sun)20:49:09 公開 /
■この作品の著作権は唯さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
はじめまして。恋愛小説に挑戦です。
初めてなので、未熟ですが頑張っていきます!
よろしくおねがいします!

作品の感想については、登竜門:通常版(横書き)をご利用ください。
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