『Hi!We are friends!』 ... ジャンル:ファンタジー 恋愛小説
作者:ミキ                

     あらすじ・作品紹介
 気持ちいい空。輝く海。そんな日には、旅に出てみませんか ?

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  第1話

 ここはレイクル村から少し離れたバス停。
心地良いほどの日差しがバス停と、一人の少年ジャンの影をつくる。
少年の影は思いっきり背伸びしてベンチに座る。
「バス早く来ないかなぁ…」
そう言って、自分の着ている白いティーシャツを仰ぐ。
するとバスが来た。
「あっ、来た来た」
運転手に二百アイ渡してバスに乗り込む。
乗客は……三人居た。
 一人は12歳…ジャンと同年齢くらいの青髪の少年。
ジャンよりもカッコ良い。
荷物がランドセル程度の大きさのリュックだ。
 二人目はツバつきの帽子をかぶった眼鏡の黒髪少年。
この少年もジャンと同年齢くらい。顔はなんとなく女の子っぽい。
荷物は普通の大きさのリュック。
 三人目は十六歳くらいの青年。
男だと分るが、かなりの美形だった。茶髪で透き通るような瞳。
スーツを着ていたため仕事か何かであろう。会社員ほどのカバンもある。
 座っている所は皆バラバラだったので、黒髪の少年の前の席に座る。
ジャンの立っている位置に一番近かったということだてある。
またバスが走り出して二分。
誰も話しかけたり、話しかけられたりもない。
ジャンも暇だったし、後の眼鏡少年に話しかけた。
「よ ! 俺ジャン=ロシードっていうんだ。よろしく」
眼鏡少年は驚いた顔をしたが、再び表情を戻して言う。
「君、よく見ず知らずの僕に名前教えたね」
そして珍しいものでも見るような顔をする。
「ん ? 名前くらいいいじゃん。ここであったのは何かの縁ってことで ! 」
そしてニカッと笑う。
「名前だからこそさ。……君ってもしかして、旅の初心者 ? 」
おそるおそる訊いてきた。
「……よく分かったね ? 」
頭に疑問符を浮かべるジャンに対し、眼鏡少年は溜め息をつく。
「友達でもない僕に名前なんて教えて、悪用されたらどうするのさ ? 」
するとジャンは軽く笑った。
「そんなわけないじゃん ! 俺とお前は友達なんだから ! 」
その言葉に眼鏡少年は あんぐりする。
「あと俺の事は、ジャンで良いよ。」
自分は今まで、友達を作った事もなかった。
友達って、こんな簡単に作れるのかなと眼鏡少年は思った。
「う…うん」
軽々しく話すジャンに愛想が尽きたのか、面白く思ったのか。
眼鏡少年自身もよくわからなかった。
「僕の名前は…スイ=タトルだよ。…よろしく…」
おどおどしてしまったけど、なんとか言い切った。
「おうよ ! よろしく、スイ ! 」
そしてまた、ニカッと笑う。
そのやり取りを数秒、青髪の少年が見ていたのには気付かなかった。
茶髪の青年は、本を読んでいる。
「ところでジャンは何処に行くの ? 」
ジャンは少し考えると、
「いやぁー…それがさ、まだ決まってないんだよね」
その言葉にスイは落胆する。
「た…旅をするのに行き先が決まってないって、どういうこと… ? 」
ジャンは あははと苦笑いした。
「スイは何処行くの ? 」
良くぞ訊いてくれましたと言わんばかりの表情をしるスイ。
「フフフ…僕は世界各地のおいしい料理を食べ歩きする事なんだ ! 」
大迫力にジャンは椅子から落ちた。
「あっ、ごめんごめん…気合い入っちゃうんだよねー」
てへへと謝るスイ。
ジャンは いててと椅子に再び座る。
「……お前そんなに太ってないのにね」
ピクッとスイが反応して、喜んでいたのは気のせいだろうか… ?
そう思ったの同じに洞窟に入っていった。
「僕って、辛いものとかより甘いものが好きなんだよー」
「お前男のくせになー…」
そんな他愛のない会話をしていると、
「そんな事をしても無駄だ」
 誰かの声がした。
一番後の席に座っていた、茶髪の青年だ。
「この暗い洞窟で私達を襲う気であろうが…私の目はごまかせない」
すると続いて青髪の少年も言う。
「でもこのバス自体、あんたのペットかなんかだろ ? 」
少しも動じる様子もなく青髪の少年は言う。
「… ! これは…」
スイが下に目を向けると驚いた声を出した。
ジャンはなんのことかさっぱり分らなかった。
「くっくっく……御名答、良く気付いたな。コイツは俺のペット。」
運転手が低く笑った。
「これはバスなんかじゃねぇ ! ファルザークって言う虫だァ ! 俺が命じたことを冥土の土産に教えてやる ! 乗客が死ぬまで止まるなと ! 」
「じゃあ、こっから跳び降りるよ」
ジャンは あっさり言い切った。
「お前馬鹿か ? 時速 百キロで走ってるのに降りたら死ぬぜ ? 俺は大丈夫だけど」
表情を変えずに青髪の少年は言う。
「でも死ぬまで待ってられないよ」
少しジャンと青髪の少年と対立する。
「…その必要はないよ。僕が止めさせるから」
そう言って、運転手に近づいてゆく。

神秘の恩〜渦放出(リングポンプ)〜

ジャンは確かに見た。スイの手から渦のようなものが放出されたのを…
スイは運転手に当てるどころか、ブレーキを破壊。
「あ゛〜 ! ……スイ…」
ジャンの目がキラリと光る。
「あっ…ははは」
どうしようもなくスイは笑う。
「…コイツに吐かせればいいじゃん」
青髪の少年は運転手の胸元をガッと掴む。
「なるほど」
「なんだ、簡単だね」
ジャンとスイも納得。
「…私が手を出すまでもないな」
そう言うと、茶髪の青年は席に座った。
「ちぇっ、あんたやなヤツだな。まぁいいや…全部吐けよ」
青髪の少年の目が少し鋭くなる。
「あー分った ! 止める方法は…」
  4人、脱出。
「良かったー、生きて脱出できたね」
ジャンは胸をなでおろす。
「でも…置いてきてよかったのかな ? 運転手」
スイはちょっと眉をしかめる。
「良いだろべつにさ。アイツがしかけたことなんだし」
青髪の少年は表情を変えずに言った。
「ところで…こんな洞窟に置き去りにされたけど、どうする ? 」
スイは言う。
「……歩くしかないな、この洞窟の土壁の厚さは約1mはある」
茶髪の青年は歩き出した。
「…根拠は ? 」
青髪の少年は疑っているようだ。
「……」
「……」
何も喋っていないのに、以心伝心したように青髪の少年は納得した。
…青年の右手を見たからだった。
この長い道のりをひたすら共にする事になるのは、知るよしもない。

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創作小説を書かせていただいています、ミキです。
正しいパスワードを入力しても、間違ってると出まして。
パスは****です。新しいパスは****でお願いします。
それでは失礼しました。

というメールが。
>自分が打ったパスワードで合っているはずなのに合いません、と『投稿者名、作品名、希望パスワード』を添えメールしてください。
……作品名は?

2006/04/05(Wed)17:59:53 公開 / ミキ
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■作者からのメッセージ
 こんにちは、ミキです。
前回は間違いの指摘、ありがとうございました。
 もう一度、利用規則を読んで出直して来ました。
これからは間違えないよう気をつけます。
ちなみに『』は思った事です。

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