『再会』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:冬扇                

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キッキキーーーーーーーードン!!そして全てが始まった…・・

何があったのかよく憶えていない。たしか、彼と「隆也」と横断歩道を歩いているときだった気がする。むこうから、軽自動車が来て二人とも事故にあって…・「隆也!!」私は、病室を飛び出た。部屋を出たら、母に会った。母は泣きついて何度も「大丈夫?大丈夫?」
としつこく言っていた。私は、「お母さん隆也の病室教えてくれない
?」と言った。すると母は黙ってポケットの中から手紙を出してこう言った。「落ち着いてこれを読みなさい。隆也君からよ。」そう言って手紙を渡してくれた。私は手紙の封を切った。
「奈菜へ。まずはゴメン俺のせいでこんなめに遭わせちまって。ま、 奈菜は丈夫だし、先生も問題なしって言ってたし大丈夫だろう。
 でも、寝すぎだぞお前はよ。問題ないのに、俺より寝るなんてホン ット奈菜らしいよ。多分三日は寝てるだろうな。……・・ なんか悲しくなってきた。あと、手紙でゴメンな。これしか奈菜に 伝える方法がなかったから仕方なかったんだ。そろそろ、書くこと がなくなってきた。最後に…・最後はよくないな。それじゃ、 俺はもう一度奈菜に会いに行くから。ちゃんと、奈菜を迎えに行く から待っていてくれ。それじゃ、また後で。じゃあな奈菜。
                           隆也」
……「何これ。嘘だよね、ねぇ隆也の病室ってどこ?」ずうっと、言ってた。隆也は必ず会いに来てくれる。たった一つの私の支えだった。それから4年……

私は17歳になった。今日、転校生が来るらしい。噂によれば男子らしい。女子は浮かれ気味、まだ美形って決まったわけじゃないのにおめでたいね。
「奈菜はどっちに賭ける?美形かブス。」
「知らないよ、どっちでもいいじゃん?」
「乗り悪ーい。」
「はいはい」
「あ、そろそろ来るよ。」
ガラガラガラ
「今日は転校生を紹介する。おい入れ。」
私は自分を疑った。涙がこみ上げてくる。
「転校生の、森下隆也君だ。」
「よろしく。隆也です。あと、ただいま奈菜。」


2005/08/03(Wed)01:42:11 公開 / 冬扇
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