『1+1=2? プロローグ〜1話』 ... ジャンル:未分類
作者:空車@                

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プロローグ


 写真……誰もが使ったことのあるもの。
 たいてい写真には人間の笑顔の写真が撮られている。
 しかし、それは本当の笑顔なのだろうか?
 心の底から笑っている顔なのだろうか?
 悲しい顔をしている人間はいないのだろうか?
 笑顔だが、本当の気持ちは悲しい人間はいないのだろうか?


 その人の素顔を写しているだろうか……



1話―結成会

『えぇ、1年生の皆さん、部活動結成会は今日の16時からです。遅れないように』
 ここはとある都会のとある高校。日にちは4月20日。入学式の次の日だ。今日は高校の部活動の結成会のようだ。この高校は校則で1年生は強制的に部活動に参加しなければいけないようだ。しかしそんな校則に従えない高校生は大勢いる。その一人の[三咲 勇太]がここで大あくびをしている。
「あぁ、眠ぃ…」
 たった今放送があったばかりなのに動こうとしない。時刻は現在15時50分。この高校には、部活動に参加すれば単位がもらえるというよくわからないシステムがあるのだが、そんな大チャンスを今勇太は逃そうとしているのだ。これはまずい。

 スー…スー…

 寝てしまった。結成会の時刻は刻一刻とせまってくる。現在の時刻、15時55分。いよいよピンチだ。単位が手に入らないだけじゃない。校則に従わないのだから何か罰則があるに違いない。運よく起きるか…それとも寝たままなのか…そして……

『1年A組、三咲 勇太君。至急職員室の大蔵のところに来てください』

 ついに先生からの呼び出しだ。[大蔵]というのは[大蔵 毅]のことで1年の学年主任でもあり、写真クラブの顧問でもある。
「大蔵? なんであいつが?」
 起きたのはいいが状況が飲み込めていない。おそらく学年主任のことだ。「結成会に参加しないとうのはどういうことだ?」とかそんなことを言うに違いない。勇太はそんな予想をして職員室に向かった。しかし、向かったのはいいが、時間がかかりすぎている。校内から職員室までなら、どんなにかかっても5分でつくはずだ。が、勇太は職員室に向かってから8分が経過しているのにまだつかない。道に迷ったのだ。
「こりゃまいった。まさか校内で道に迷うとは思わなかったぞ…」
 勇太は不安になり、あたりを無意味に見回し、歩き始めた。しかしここは3階の理科室の前。他の生徒は結成会に行っていて、先生も顧問とか放課後の仕事とかでいないはずだ。と思いきや…
「どうしたの??」
 誰かが声をかけてきた。空耳だと勇太は思うことにし、また歩き続けた。
「もしかして、道に迷ったの?」
 おかしい。空耳が続く。不安になりすぎて頭がおかしくなったか? と勇太は思った。
「ねぇ、無視しないでよ。せっかく道案内してあげようと思ったのに…」
 空耳じゃない。明らかに誰かが喋っている。しかし姿が見えない…というのは勇太が周りを見なさすぎただけだ。声の主の身長が勇太よりも小さく、勇太の真後ろにいただけでずっと勇太の近くにいた。
「おわっ!? お前誰だよ? 道案内って…お前1年じゃないの?」
 この高校は1年の名表の文字が青、2年の名表の文字が緑、3年の文字の色が黄色と学年別に命表の色が分かれていた。その声の主がつけている名表には青い文字でしっかりと名前が書かれている。
「そうだけど、お姉ちゃんの文化祭とか、体験学習とかでここはよくきたし、校内には結構詳しいんだ!」
「ほぉ…んじゃ道案内頼むよ。職員室」
 さっそく道を尋ねる。すると声の主があきれた顔をした。
「ちょっとまって…職員室って…1階だよ?」
「え? 3階だった気がするんだけど…」
「いや1階です。まぁいいよ…ついてきて」
 そう言って2人は職員室に向かった。声の主の正体は[秋原 加住(あきはら かすみ]、女子だ。

 わかると思うが勇太が単独で移動した8分という時間よりあきらかに短く、加住の道案内は2分でついた。
「じゃ、がんばって!」
「何を?」
「大蔵先生に呼び出されたでしょ!」
「なんで知ってるの!? まぁいいや。サンキューな。名前なんだっけ??」
「秋原 加住。ヨロシク!!」
「おう! 俺は三咲 勇太。今日はどうもな! じゃ、また今度!」
「バイバイ」
 とかなんとか言っているが、こんなところで青春感じている場合じゃない。呼び出されてからすでに10分たっている。きっとカンカンに怒っているだろう。しかしそんなことも考えずに平然と職員室に入っていった。
「大蔵先生」
 まず最初に「遅れてすいません」がと言ったほうが正しいと思う。
「おぉ、三咲か。どうした? こんなに遅れて」
 たいして怒っているわけでもなさそうだ。
「いや、道に迷って…」
「そうか。それより…お前、部活決まってないんだろ??」
こりゃまいった。勇太のことは全てわかる…と大蔵の表情にはでている。
「えぇ…なので、入んなくていいですか??」
 ここでこう言うやつもそれはそれですごいが…決して良いとは言うことができない…
「いや、決まってないなら写真クラブ入れ。校則破った罰だ」
 いや、先生…それはないでしょう……と勇太の表情にはでている。
「でも、俺写真とか無理です」
「いやできる。というか、部員の名簿にもう書いたから遅い」
 なるほど…そういう手があったか…勇太は観念し、写真クラブに入部を決定。
「で、部長は? まさか俺より強いやつですよね??」
 部長は強さで決めるのではない。
「えぇと、秋原 加住だ。可愛いやつだけど、ガード厳しいらしいから、襲わないように」
「そんなことしませんよ!」
 と照れくさそうに言った…しかし、表情が変わった。
「秋原?? 秋原 加住? えぇ!? まじでぇ!??」
「まじで」
 と言ったのは大蔵ではない。加住だ。
「おぉ、秋原。新入部員だ。よろしくな」
「勇太君かぁ。あはっ! やっと2人めの部員か!」
 加住が言う。
「お前部長!? ってか2人って!?」
 驚いたように勇太が言った。
「なんだ知っていたのか。それじゃあ話が早い。早速明日から活動開始だ」
「ちょっとまってよぉ…」

ここから勇太の写真生活が始まるのだ。


1話完



2005/05/19(Thu)23:02:08 公開 / 空車@
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■作者からのメッセージ
どうも空車@です。ってか元DQM出現です!!覚えている人はいますかな??約1年ぶりに書いた小説です。俺が活動していたころにいた多くの作者様がいなくなってしまい、感想フォームのシステムも変わってしまいかなりぱにくってますww 1年ぶりなのでかなりおかしな小説になっています。指摘や感想どしどしください。まっています

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等幅フォント『ヒラギノ明朝体4等幅』かMS Office系『HGS明朝E』、Winデフォ『MS 明朝』で42文字折り返しの『文庫本的読書モード』。
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2020/03/28:Androidスマホにも対応。Noto Serif JPで表示します。