『激動新世紀【第一次連盟戦争】   第0〜第9話』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:10ドル                

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【序章】 


 人類は地球と言う名の星のもとで過ごし、
環境の変化と共に自分たちの周りを発展させてきた。
そして、ひとつの成果を果たしただ。
 地球の治安維持のために結成された「地球統一連盟」と言う団体は
軍事面での向上をはかり、『ホールドアーマー』と言う人間ほどの大きさの
機体を作りあげたのだ。
 それをきっかけに人類は「高度機械化世紀」へ突入した。 

 地球統一連盟、その団体は地球全土を支配している。
と言えるほどの、支配力を誇ることになった。なぜなら軍事面の向上を
はかった『ホールドアーマー』の機体は人が乗ることにより
銃撃戦では防御出来るほどの機体であり白兵戦をおこなっても身体に
危険を及ぼすことは、あまり無いのだ。
このことから軍事力も増さったこの連盟は支配力を高めることにつながったと言うことだ。 
 しかし「高度機械化世紀」を向かえ、あらゆる事が便利になっても反対に危険もあるということも言えるだろう。 
 高度機械化世紀、65年。
ホールドアーマーが開発されてから65年が経った。
軍事力が高まった人類は、戦火をあびることとなるのだ。
  



第1話『エリア3』 

 「よおし、突入まで後もう少しだ。気を引き締めて行けよー」
「了解!」
軍艦の中に響き渡る数人の声は緊迫としていた。 
 地球エリア3は地球全土を支配している『地球統一連盟』に対し、
ひとつの団体での支配は不可能だと述べ、独自に政治を出来るように表明した。
簡単に言えば、地球統一連盟政府に対しエリア3の独立を確立にして欲しいと訴えたのだ。
しかし連盟政府は急な訴えに不許可を出し、エリア3に弾圧を加えた。

「エリア3が宣戦布告したんじゃ、しょうがないな。あーあ忙しい」
「何を寝言を言っている。連盟政府もエリア3が独立をしてしまえば、
 政府の支配力は、弱まるのだぞ。お前も後もう少しで死ぬかも」
と一人の士官が言った所に寝言を言っていたもう一人の士官が叫んだ。
「俺は死なねぇ!ここで死んだら、お先真っ暗だ冗談じゃねぇ」
「はっはっは!そうだなベリズ少尉」
「おまえもな。ザッコ少尉」 

 ゴゴゴゴゴ!

自分たちの乗っていた戦艦の止まる音が聞こえ二人は下を向いた。
「上空を飛んでいても止まると音が鳴るとは大丈夫か。この軍艦」
冗談あまりに言うザッコに対しベリズは真剣な顔を浮かべていた。
そう、止まったと言うことはエリア3の上空に着いたと言うことだ。
「ザッコ、行くぞ。ホールドアーマーの装着に行く。早く行かないと
 艦長 がうるさいからな」
ベリズの真剣な顔に冗談も言えなくなったのかザッコは何も言わずベリズについて行った。 

 エリア3住宅地。
日常なら、この住宅地は近所の話し声が楽しそうに聞こえるが今日は違う。
「ライトー!出るわよー!」
「分かったー!母さん!父さんは?」
「もう、車に乗ってるわー!」
親子の声だろうか?エリア3が宣戦布告した以上は、この家からも逃げなければならない状態だ。 

 「出るぞ!ベリズ」
「ああ、さーて戦争突入だ」
緑色の頑丈な、そのホールドアーマーは、怖くもあり切ない戦争を意味していた。
戦艦のハッチが開きザッコとベリズの二人と五、六人の兵は、戦艦から降りだした。
地上が迫ると同時にベリズ質はホールドアーマーの背中に装着されている
ブースターの横にあるレバーの様な物を身体の前に出しレバーに着いているボタンを押した。
ブースターからは炎が噴出し、重力によって降下されている身体に
ブレーキをかけ徐々に地上に降りた。
「エリア3独自に作った基地と言うのはどこだ〜」
「あそこだ。ベリズ」
ザッコは指をさし基地の場所をさした。
「あそこか…」 

 「車が駄目だ。パンクだ」
「父さん。他のタイヤは無いの」
「駄目よ。時間が無いわ。二人ともみんな逃げてるから、もう逃げましょ」「そうだな」
「うん」
少し逃げ遅れたこの親子は次に恐ろしい事になるとは予想もしていなかっただろう。
武力を用いて自分たちの欲を満たし、その犠牲として人々が死ぬ。
そんな悲劇は無意味なのだ。 

 「ザッコ、発見した住民はどうする」
「…用無しだろう?子供ぐらいは見逃してやれ」
「あー」


  

第2話『さようなら』 

 エリア3の独立の指揮をとったのが、なんと連盟政府の一員である
ラグルス・ガーンと言う者だった。
ラグルスは地球統一連盟の中でも勘の良い優れた素質を持っていた。
その証拠にラグルスは連盟政府が各地の治安維持のために設置した
治安維持局の総司令官をつとめていた。 
なぜ、連盟政府の一員がエリア3の独立のリーダーとなり連盟に
宣戦布告をしたのだろうか…… 
『地球統一連盟』は世界各地の治安を守るために結成された。
しかし、高度機械化世紀に入りホールドアーマーが開発されるに従い、
連盟及び、連盟軍は支配力を高めていった。
それにより各国は連盟に加盟するようになったのだ。
なぜなら国の支配力や軍事力を高める欲望を持っていたからだろう。 
連盟の支配力は各国の加盟より支配力を倍増し、地球全土を一つの組織で
支配するようになった。
それが各地を『エリア』と呼ぶようになる仕組みにつながった。
どんな支配力でも一つの組織では治安を維持することが出来ないだろう。
それがエリア3。通称、南アメリカの独立指揮者となったラグルスの考えであった。 

 「この近くなら避難するところは、サントス軍事基地…」
「だな、軍事基地だが非難するところはあそこしかないな」
ライトと父は走りながら息をきらせ、非難場所を確認しあう。
軍事基地といってもエリア3の独立のために戦争の準備をしていた未完成な基地だ。
戦艦や連盟軍のホールドアーマーは、あまり無い。
「あともう少しだわ。しっかり……」
ライトの母は夫と子に安心させれるようやさしい声を出した。
しかし、そんな一言で緊迫した空気からは抜け出せなかった。 
「おー、良い標的を発見したぜ。ベリズ」
ザッコは指を指し、ライトとその両親を指した。
ベリズは、微妙にニヤけてザッコに顔を向けた。
「撃てよ。ザッコ…少し遠いがお前も少尉の地位をもってんだから…」
ザッコは小型のビームガンを右側の腰から取り出し標準を合わせた。 

 ギュビュー! ギュビュー!
その音は二発たて続けで鳴り、二人の大きな悲鳴がライトをきずかせた。
ライトは倒れこんだ両親を見て、こぶしを握った。




第3話『巡洋艦デザイア出発』

 雲ひとつ無い空の下で倒れこんでいる二人の大人。
そして、それを見つめる一人の少年。
少年を見ている何人もの兵。
晴天の日に大きな音をたて空一面に響くビームの音。
 その風景は一つの悲劇に過ぎなかった。

 「なんて事…してくれるんだ…」
「戦争を開戦させたのはエリア3、お前たちだろ」
ライトは敵兵にもかかわらず、こぶしを握ったまま下を向き言葉を発した。
それにベリズは動揺せず応答した。
「だが、お前は運が良い…少し前に子供だけは殺さないようにしよう。と、
 決めたところだ」
ライトはそこで初めて顔をあげた。
「…武器を持っていないのに一方的な攻撃は…良いわけがないだろ!!」
ベリズはその言葉に不愉快感を感じ歯を食いしばったがライトの言っている
言葉は正しかった。そこに後ろの兵が口を開けた。
「アイゾ軍の兵が来ます。さっきのビームの音にきずいたかもしれません」
「そうだな。俺たちの任務はサントス基地の調査だからな…」
アイゾ軍と言うのは、宣戦布告をしたエリア3の軍隊の名前である。
アイゾ軍の由来は『エリア3独立支持組織』の頭文字をとってA.i.s.o
と名前をつけ、元連盟政府軍の支持者によって構成されているのだ。

 「敵の数は?」
「だいたい10名ほどかと…攻撃しますか…ロング中尉」
「よし、次の合図でビームガンを連射しろ。子供には当てるな」
「了解」
数人の兵が一斉に、そしてベリズ達には聞こえない小さな声で了解、と言った。
そして、その後沈黙が漂った……。

「今だ!射撃開始!」
と、部下達に命令すると兵達は一斉にビームガンを構えベリズ達の足元に、
ビームを撃った。ベリズとザッコ、敵兵はアイゾ兵士に驚き即座にビームガンを構えた。
「ちっ…もう来たか」
「黙れ!ビームガンを捨てろ。そして両手をあげろ」
ロングが言うとベリズ達はビームガンを捨てて両手をあげた。
「アイゾ軍か…良くやるな。だが、甘い!」
「なに!」
と、瞬間にベリズとザッコは腰につけて置いた煙幕爆弾をアイゾ兵の足元に投げた。
爆弾は白い煙を出しロング達を混乱させた。
「俺もまだ甘いか…」
その後、敵兵は逃げロングはライトの救出に成功した。

 サントス基地。場所は旧南アメリカの下部に位置する海に面したアイゾ軍の基地である。
「君の名前は?」
「ライトです。ライト・アークス。先ほどはありがとうございます」
「ああ、俺の名前はロング・シェーレス。階級は中尉だ。
 少し話が飛ぶが、この後、君には戦闘飛行艦に乗ってもらう。
 さっき気ずいたように敵兵がエリア3に来ている。
 多分サントス基地の襲撃だろう。
 そのため君も戦闘飛行艦に乗ることになる……どうした。
 両親が殺されて悲しいのは分かるが、もう終わった事だぞ」
「分かってます。だけど…」
「大丈夫だ。飛行艦でここを離れ大規模な基地アマゾン基地に向かう。
 あそこなら防衛が整備してあるからゆっくりできるはずだ」
そう言って二人が話す中、ライト達は二人が乗る飛行艦の前に来た。
その飛行艦は白く大きな体をしていて、つやが良かった。
なにより、前についている大きなビーム砲にライトは目が行った。
艦長や司令を送る兵が乗るデッキは艦の上にあり側面にはビームライフル砲
が設置してあった。
「かなりでかいですね。この戦艦。名前は何ですか?」
「この戦いに希望があるようにと願いの意味でデザイアと名がついている。
 機動性を重視しているが少し攻撃性が無いのが欠点だが…。
 もう、そろそろ出発する。乗るぞ」

そしてデザイア艦はボビル・ジグ艦長の指示によりサントス基地から
旅立った。栄光に向け……。




第4話『目覚め』

 サントス基地から離れた巡洋艦デザイアはクルーの補給のため一時、
軍事施設の整ったアマゾン基地へと向かっていた。
アマゾン基地はエリア3の指導者ラグルス・ガーンのもとで、
エリア3の独立のための戦いのために初期に建設された大規模な基地である。
アイゾ軍が誇りを賭けて開発されたデザイア艦の出身基地であるサントス基地は
アマゾン基地に比べ小規模で兵士が不足していた。そのためデザイア艦の
乗組員の不足したいたのだ。

 「ライト君、君は一旦居住室にいたまえ、エリア3の避難民も一緒だ」
「デザイアにも乗っているんですか?」
「ああ」
ロングの言葉通りライトは居住室に連れて行かれた。
居住室はデザイア艦の後ろ部分に設置されていた。
ライトが避難民と一緒の部屋に入ってから少し経過してからマイク放送が鳴り出した。
『私はボビル・ジグ艦長だ。艦内の全クルーに伝える。
 デザイア艦は約10で目的地アマゾン基地付近上空に到着する。
 艦内のクルーは着陸前に乗組員補給人数報告書をまとめ、ボビル艦長に渡すように…』
その声はデザイアの艦長の声であった。
どこからともなく聞こえたマイク放送はライトのいる居住室にも
マイク放送スピーカーが壁に設置してあった。
「って事は俺達どうするんだ…アマゾン基地につけば、いつ戦闘に入るか分かった事じゃない」
ライトが口ずさむとライトの周りの避難民が一斉にため口を吐いた。
「アマゾン基地だって軍事施設が整っていても襲撃は遭うんだ!v
「そうよ!死んだら元も子もないわ!」
周りの避難民の叫びと共にライトは正座をし、顔を下に向けていた。
「(大人が勝手に起こした戦争じゃないか…。だから大人って奴は嫌いだ…)」

 「ボビル艦長。乗組員の補給計算整いました」
「ご苦労」
一人のクルーが報告書を艦長に手渡すと敬礼をしてデッキから出て行った。
「アマゾン基地。デザイア艦隊管轄に突入。艦長、基地に着陸信号出しますか」
 と、艦長の前に座っている一人の情報員が言う。
デッキには、前部には大きなモニターが三つ程設置され、
情報員や操縦員の前には小さなモニターも設置されてあった。
「よし、アマゾン基地にデザイア艦隊の着陸信号を出せ。それと、他の艦にも
 着陸する報告をしておけ」

 その頃、ライトは居住室を出て艦内の通路にいた。
何か考えた事があるのか、ホールドアーマーの装着デッキのドアの前にいた。
「これがホールドアーマーか。子供用のアーマーなんて無いよな…当たり前か。
 だけど、着れそうなのはあるよな…………多分」
ライトはドアを開け素早くアーマーの置いてある所へ走った。
ホールドアーマーデッキは他の部屋より大きく設計され、横には大きなハッチがあった。
「あれって、アーマーが出る所か…。それよりどうやって着るんだ?」
ライトは自分に合いそうなアーマーを探し足を通し、そして腕を通し、
頭部のヘルメットをかぶった。
「(少し重いな)」
「おい!何をしている!誰だ!アーマー部隊の出撃許可は無いはずだ!」
何人かのクルーがドアを開けた直後、ライトにきずき走ってきた。
ライトは驚き、さっき見たハッチの前に来て、あるレバーを下げた。
そうするとハッチは上に開きライトに突風が吹きこむ。

「艦長、一番ハッチ開いています。アーマーデッキのクルーが報告しました」
「何!モニターを映せ」
情報員は何回かスイッチを押し、大型モニターに映した。
「避難民の子供か…。すぐに捕らえろ」
艦長は艦長席の横にある連絡受話器を取り、アーマーデッキのクルーに知らせた。
しかし、遅かった。
「ブースターのスイッチはどこだ。これか?」
ライトはブースターの横にあるブースターレバーを前に出し、スイッチを押した。
ブースターの火は燃え上がり、ライトはハッチから外に出た。
外はアマゾン基地付近の熱帯林だった。
ライトは着陸し、熱帯林の中に溶け込んだ。
「アマゾンシティーに行ってやる。……………ん?…誰だ…」
ライトの見つめる先には怪しげな男がアマゾン基地を見つめていた。
「……アマゾン基地捜索が俺の任務だ。成功したら特進するかな?」




第5話『地下要塞』

 「(おい、誰だよアイツ…。あの様子じゃあ連盟軍兵だよな?
  アマゾン基地捜索ってなんだよ…?)」
ライトは様々な思いを頭の中で回転させ、男を見ていた。
「(あ、武器を持ってくれば良かったな……ん?これは剣か?)」
ホールドアーマーの、右足部分についている剣のようなものを取り出した。
持つと、少し重く良く見ると持つところにスイッチがついていた。
「(スイッチがついてる。押すのか……大丈夫か俺……)」
スイッチを親指でゆっくり少しずつ押すと、またたくまに剣は赤くなった。
赤くなった剣で近くの木の葉を切ってみると、軽く、力が抜けそうなぐらいに速く斬れた。
「(この剣、熱を発しているのか……これが高度機械化世紀なのか…)」
そんな事を言っている間にも連盟軍兵のような男は、アマゾン基地めざして走っていた。
ライトは我に戻り、男を見た。そしてこんな状況になってしまった自分に
悔やみ、デザイア艦に居れば良かったと心底思っていた。
「くっそ!俺も運が無いな〜〜。やっぱ俺の住んでるエリア3の戦争
 なんだよなー。この戦争でエリア3が負けたら連盟政府から重い
 仕打ちが待ってる……。賠償金…そして、
 不平等条約なんかも結んじゃったりするかも……そんな事させねーよ!」
ホールドアーマーの重装甲のスーツ型装着アーマーに身を包みライトは男を追った。
そのころ、アマゾン基地に向かった男は大きな叫びで基地内に入った。
「おーい!  アイゾ軍のみなさーん! 連盟軍が来たよーー!」
「おい、お前、勝手に基地に入るな!聞いてるのか!民間人!」
基地内に勝手に入った男はアイゾ兵の言葉に耳を傾けず、どんどん中に入っていった。
「すいません。さっきの男どこにいった!」
「お前誰だ。なんでアーマーを着てるんだ」
ライトの急な質問にアイゾ兵は耳を貸さず、アーマーの事を聞いた。
「だから、アーマーはどうだっていいんだ。男だよ!」
「え?男は…あっちに行ったけど…」
「分かった。ありがとう!」
ライトはお礼を言い、アイゾ兵の指した方向に向かった。
中に入るほど、アイゾ兵の数が多くなり男を見失いかけたが、ようやく見つかった。
なぜなら男はデザイア艦の艦長に止められていたからだ。
「なぜ民間人がここにいる。外に出てください。ここは危ないですよ」
「だから。連盟軍が…来たって…」
「連盟軍が?」
デザイアの艦長、ボビル・ジグと基地内に来た男は懸命に説得するが、
その二人を見過ごしていなかったライト・アークスがいた。
ホールドアーマーで突進してくるライトにボビルは気ずきライトに問いかけた。
「君!さっき逃げ出した民間人の子供か!止まりたまえ!」
「その男!連盟兵のスパイだよ!」
「(なんで、あんな子供が知ってるんだ…)」
基地内のまわりのクルーがライトの言葉に驚き、男をにらんだ。
「俺はスパイなんかじゃないぜ」
男の言葉にライトは即、答えた。
「ちがうな…俺はさっき基地の外にいるお前を見たんだよ……。
 捜索するとか言ってたぜ」
「では、すみませんが……事情聴取をさせてもらいます」
ボビルはライトの言葉に急に真剣になり真面目な一言を口から出した。

 アマゾン基地内、捕獲室。
アマゾン基地の内部に建設された言わば事情聴取室とも言える部屋だ。
部屋のドアは頑丈に出来ていてカードキーでロックされている。
「スパイというのは本当だ。ここで嘘ついてもしょうがないから先に言っとく」
「連盟軍はアマゾン基地捜索で何が目的だ?」
少し考え込み男は再度、口を開いた。
「連盟軍はエリア1のアイダホに地下基地を建設しているだろ……。
 そのこ基地からアマゾンを倒そうとしてるんだ。そのためには情報収集が先決だ」
「地下基地?」
捕獲室にはライトも事情聴取のためボビルと入れられていて、
地下基地について不思議に思った。
そして、ボビルもあごに手を当て不思議に思う。
地下基地建設情報はアイゾ軍にはまだ入っていなかったのだ。
「ん?……あ! アイゾ軍には、まだその情報は入ってきてないのか……いらない事話しちまった」
「アイゾ軍は連盟軍のように顔が広いわけじゃないからな……」
連盟兵の男とボビルはアイゾ軍の顔のせまさに納得していた。




第6話【前編】 『ライトの炎』

 「はい、そう言う事です」
ボビルはスパイの事、そして連盟軍地下基地の事。
二つをアマゾン基地総司令官エゴス・パーリスに伝えた。

 「そこの坊主。忘れてないか? スパイがいるってことは連盟軍も
  この近くにいるって事を……」
捕獲室で男は、見張り役に使わされているライトに言った。
「そ、そうか………って、やばいじゃないか! 艦長さんに知らせなと…」
と、言うと捕獲室にある連絡通信受話器を取って、
回線スイッチを『基地内全体』と押した。
『えー。こちらアマゾン基地一階捕獲室Aで〜す。皆さん聞いて下さい。
 スパイさんによると、この近くに連盟軍が隠れているようです。
 基地近辺を探してくださーい。以上』
「これで、良かったのか…?」

 「この放送…ライトとか言う子供の声か…しかし、
  嘘にも聞こえないが……」
ボビルはライトの放送に戸惑ったが次の放送で迷いが消えた。
『基地内のクルーに連絡する。今の放送どおり基地付近の熱帯林から
 連盟軍らしき戦艦が一隻、こちらに向かってきた。
 基地内のクルーはA型戦闘配備に移るように……又、デザイア艦は
 アマゾン基地防衛に関わるように……以上』
「この声はエゴス司令官の放送…。デザイア出発準備…」
ボビルはデザイアを収納してある所へと走った。

 「戦闘が始まる……俺も行った方が良いのか。行った方が良いよな…」
ライトは捕獲室から飛び出した。
「いってらっしゃーい。坊ちゃーーん。よし監視の坊主がいなくなった。
 これで逃げれるな」

 デザイア艦、収納地下庫。
「A型戦闘配備!デザイア艦は収納庫から離脱し、
 アマゾン基地防衛に移る!」
「了解!」
ボビル・ジグ艦長は艦長席に飛び乗り、指令をくだした。
デザイア艦は基地から離脱するためクルーの出入り口を閉めようとした。
「待ってくれー! ドアを閉めるなー!」
叫びながらライトがドアが閉まる直前にデザイアに入る。
疲れたライトは床にひざを付き、しゃがんだ。
「フー。間に合った…。アーマーじゃ重いから疲れるぜ」
アーマーを装着しているライトに驚き艦内にいたクルーが近くの
連絡通信電話の受話器をとり艦長や情報員、操縦員のいる指揮デッキに連絡した。
「艦長、アーマーを着た子供がいるのですが、子供もデザイアのクルーでしょうか?」
『アーマーを着た子供………あ! ライトとか言う坊主か! 
 そいつは指揮デッキに連れて来い』
受話器を壁に設置されている連絡通信電話に戻しクルーは
ライトの方を向いた。
しゃがみこんでいるアーマーの前に行き一人のクルーは一言、言った。
「君が、理由も無く戦艦に乗り込んだわけではなさそうだな。
 艦長がお呼びだ」
ひざを付いていたライトは顔だけをクルーに見せた。
「艦長さんが? って、あんた誰?」
「私はデザイア艦のアーマー隊所属ロング・シェーレス中尉だ。君は?」
ライトは立ち上がりロングと共に指揮デッキへと向かおうとした。
アーマーのヘルメットをかぶっていたら喋りにくいと思いヘルメットを外した。
「俺の名前はライト・アークスだ。ロングさん。俺は決心したぜ。
 戦うよ。俺!」
「なんで急に……君は子供だろ。これは大人の戦争だ」
「そういう考え方が嫌なんだよ。勝手に戦争を起こして大人だけの
 問題だってすぐに言う。そういう考えだから解決しないんだよ。
 エリア3は政治の中の人間だけが独立を訴えてるじゃないんだよ。
 エリア3のみんなが連盟の政治体制に嫌気がさしてるんだ。
 無理やりかもしれないけど、俺は戦うぜ」
「君は……そうか、ライト君。私は君が気に入った。
 死ぬかもしれない戦いだ。それでも君は一人の人間として戦争に
 加わるのか?」
「そうさ。地球統一連盟政府は自分達の事しか考えていない。
 権力しか考えていない。欲にまみれた大人がいるから世界は
 変わらないんだ。だから俺は渇を入れてやる」
ライトの言葉にロングは言葉を返さなかった。
ロングは心の中で思った。
「(時代は変わっている。こんな子供でさえもこんな考えを持っている。
 今の時代は遅れているのだ。大人だけの時代ではない事を……)」
二人は、話している間にも通路を通り、二段構造になっている艦内を
二階に行き、ようやく指揮デッキへと入ろうとした。
「ライト君、君はここで待っていてくれ。入っても、皆に迷惑かもしれん」
「分かりました」
ライトは了解しロング中尉、ただ一人で指揮デッキへと入っていった。

 ロングはボビル艦長にライトの決心と志[ココロザシ]を語った。 
「ロング中尉。そういう事か、あの子はそんな事を…。
 分かった。その話は興味深い話だ。ライトは戦争を遊びとは
 思っていないようだな。子供だとは思えんよ。
 よし、あの子を一人の人間としてデザイア艦クルーとして働いてもらう。
 だが、戦闘は抜きで加わってもらう。……………中尉。
 中尉がライトの顧問になってくれ」
「はい。了解しました」
「中尉、中尉はアーマーデッキに待機してくれ他のクルーにも伝えてくれ」
「分かりました」
ロングはデッキから出て、ライトに一言もらした。
「ライト! 君は今からデザイア艦のクルーに任命された。
 私が顧問をするように艦長から指示されている。
 ライト、まずアイゾ軍服を着るんだ。アーマーデッキにあるはずだ」
「はい。ロング中尉!」
アマゾン基地を防衛するため前進しているデザイア艦。
そして揺れる艦内をアーマーデッキへと行く二人。
 旅は今、ここからなのだ。




第6話【後編】 『ライトの炎』

 『敵艦は連盟軍の量産型ルイズだ。
 アーマーデッキ、クルー! 戦闘準備! 
 敵艦の白兵戦発光弾が打たれた。デザイアは今からアーマー戦に
 突入する!』
ボビル艦長の通信連絡は艦内全体に響き渡り、アーマーデッキにいる
ライトも認識した。
「中尉、白兵戦発光弾とは一体なんですか?」
アーマーを装着しながらもロングは答えた。
「両軍どちらかが、あの発光弾を打てば両軍どちらもアーマー戦に
 突入しないといけないという事だ。
 ちなみに発光弾の色は赤、撤退信号の発光弾は白だ」
アーマーを装着し終わったロングは、他のアーマークルーに呼びかけた。
「ルイ、指揮デッキの情報員をしなくても良いのか?」
ロングがアーマークルー部隊の一員であるルイ・マッシル曹長に念を
押した。
ルイ・マッシル曹長は情報員でもありアーマー隊にも所属しているのだ。
「ロング中尉。デザイア艦はまだクルーの補給をしていませんから、
 私が出ないと…」
「そうか。頼むぞ。ルイ曹長」
その時だ。艦内にボビル・ジグ艦長の通信連絡が聞こえた。
ライトは放送機に目を移した。
『アーマークルー隊は出撃準備完了しだい、敵アーマー部隊を
 撃退してくれ』
「よし、もう行かねばな…ライト! ハッチが開くと突風が来る。
 さがっていろ!」
「はい……」
ライトに呼びかけ、そしてロング率いるアーマー隊はハッチから出撃した。
「俺だって…戦えるんだ……」
アーマーデッキにいるライトはハッチを閉め、一人デッキにいる自分を
みじめに思った。

 デザイア艦、指揮デッキ。
「艦長! アイゾ軍勢力、そして敵ルイズ艦勢力、どちらも互角状態です」
一人の情報員が艦長に叫んだ。
「アマゾン基地勢力もまだまだか……」
「艦長!! 撤退発光弾だしますか?」
情報員は艦長に撤退命令を聞いた。撤退発光弾とは文字通り
友軍の撤退信号の事だ。
「まだ良い。もう少し状況を見る……大丈夫か。ロング中尉……」

 アマゾン基地付近陸地。アーマー戦。
「ルイ曹長、そっちにまわってくれ。アーマー隊、A部隊は私に、
 B部隊ルイ曹長についていってくれ。ふたてに分かれる」
ロングの言ったことは正しかった。なぜなら、この熱帯林の中、
一つにかたまっていたら狙い撃ちされるからだ。

 ギュビュー ギュビュー ギュビュー!
敵部隊がロング達に3発ほど撃ってきた。
幸運にもロング達には当たらなかった。
「くっ! 敵部隊は初心者か。闇雲に撃てばいいって事ではないぞ」
 ギュビュー!
「ぐわ!」
「どうした! 大丈夫か!」
ロング中尉率いるA部隊の一人が打たれ、ひざをついた。
「大丈夫です。肩を一発打たれただけです。気にせずに……」
「おまえは、デザイアに戻れ。人は足りている」
「ありがとうございます。中尉」
ロングに敬礼し手で肩を押さえながら重い足取りでデザイアに戻った。

 そのころルイ曹長率いるB部隊は敵と戦闘していた。
「連盟軍は戦力がありすぎる…だから装甲も頑丈に開発されているな。
 アイゾは装甲が甘いんだよ!」
ルイは敵にビームを3発撃ってやっとの事で一人倒した。
『ルイ曹長、そっちはどうか?』
ロングの通信だ。アーマー内部には友軍と連絡をとるため、通信連絡機が
そなえつけられている。
「どうもこうも、やつらは装甲が固いですよ」
『しょうがないな。健闘を祈るよ。曹長』
「ありがとうございます」

 デザイア艦、アーマーデッキ。
「おいおい、俺が行った方が良いんじゃないのかなー。
 勢力が連盟軍の方に行ってるんじゃないのかなー。
 アマゾン基地のアーマー部隊が少数だけど…なぜだ?
 そうかアマゾン基地は部隊が少ないかわりに基地の攻撃力があるんだ。
 そして、連盟軍のルイズ艦はアーマー部隊が多いから白兵戦に
 持ち込んだ…だとすれば撤退命令を出して基地とデザイアの攻撃で
 倒せるはずだ」
ライトのひらめきは正しいとは、はっきりとは言えないが、
事ひらめきが後に良い方向に示すのだ。
ライトはアーマーデッキの通信連絡機を使い指揮デッキの艦長に
つないだ。
『ボビル艦長! 撤退発光弾を打ってください!」
「なぜだ」
『いいから!』
「分かった。撤退発光弾を打て!」
なぜ艦長は素直にライトの事を受け止めたのだろうか?
ボビ汲ヘ燃え上がるライトの炎に気持ちを動かしたのだろう。
「撤退発光弾打ちます」

 ……ヒューーー ……ドドドド!
発光弾は白く輝いた。
 「撤退命令だと? 艦対戦をやると言うのか?」
ロングは半信半疑の気持ちだが、デザイア艦に撤退していった。

 「艦対戦突入! デザイア艦、主砲! 出力全開!」
「了解! 主砲出力70%!」
「よし、カウントダウン5秒前」
ボビル艦長のカウントダウン命令が掛かり、情報員はかぞえていった。
「4…3…2…1……0!」
デザイアの本体の左右に取り付けてある二つの主砲は黄色の
ビームをだして、敵艦ルイズに向かった。
「当たったのか?」
ライトはアーマーデッキの窓から見つめた。

 ドドドドドドド!!! ガガガガ!
敵艦は主砲の一つに直撃し、崩れていった。

 そして、デザイアは防衛を成功させ
連盟軍アイダホ地下基地を調査するためエリア1
(旧北アメリカ)へと向かった。




第8話『闘いの中』【前編】

 世界を大陸別にエリアに分けて、一つの組織でまとめて政治をする。
『連盟制』と言われる政治体制である地球統一連盟は、
その政治体制を使い、エリア1、エリア2、エリア3、エリア4、エリア5、と
分けてきた。
 エリア1とは連盟政府と軍隊の本部をかかえる。言わば、地球の権力の
中心であり、昔は北アメリカとして世界のトップを君臨(クンリン)して来た。
 エリア2は、ユーラシア大陸の北部のロシア連邦である。 
 エリア3は、連盟制を批判し独立をしようとしている。
昔は南アメリカとして栄えた。
 エリア4は、ロシア連邦を抜いた他のユーラシア大陸国である。
 エリア5は、アフリカ。エリア6は、オーストラリアとその他の島である。
今、戦争状態のエリアはエリア1とエリア3であるが、この戦争で、
エリア3が独立を確立できれば他のエリア国は、どんな影響を受けるのだろうか?
戦争の行方は今のところ、戦力について言うと連盟が勝利する可能性の
方が大きいだろう。

 「中尉、連盟軍が建設している中部に位置するアイダホ地下基地の
 建設規模はどのくらいだろうか?」
艦長席に座っているボビル・ジグが、ななめ左に立っているロングに聞いた。
「ん〜……戦争開戦が予想していたならば開戦前から建設を始まって
 いたかと思いますが、地下に建設するとなれば規模は分かりません」
「そうか……そういえばデザイア艦隊に所属する事になっているバービル艦の事
 なのだが、まだ近くに来ていないのか?」
語尾を上げ調子に言いボビルは情報員達に言った。
答えを返したのは元連盟軍のケス・ビル少尉だ。
「…はい、そうです。バービル艦はまだ付近には来ていません」
「困ったなー。デザイア艦とデザイア艦隊所属の艦艇(カンテイ)、バッシュ二隻では
 連盟軍の戦力に勝てるか?」
ボビルの弱音に後押しをかけるようにロングが口を開いた。
「あちらは戦力なら、こちらは知恵を使って戦いましょう。艦長」
連盟軍の規模を照らし合わせ戦力も高い事はお見通しだ。
 では、なぜ連盟軍は戦力があるもののアイゾ軍、及びエリア3を全力をかけて
倒さないのか? それは、戦力と規模がありすぎる高度機械化世紀の
背景といえるだろう。
連盟軍が全力投球してしまうとエリア3の全面破壊になりかねないからだ。
そうしてしまうと他のエリア国から連盟の乱暴な戦争で終結してしまったと、
嫌なイメージになってしまうため、連盟政府や軍は慎重に戦争をしている。

 「艦長! 予定通り目標地点、アイダホ付近上空に到着! 方向、
 丁度12時の方向!」
こう言ったのは情報員のケス・ビル少尉だ。
「予定通りだ。敵艦はどうだ!」
「敵艦は、捕捉(ホソク)していません」
デザイアの周囲は風も無く、敵艦らしき戦艦は見えなかった。
「艦長、静か過ぎる」
「しかし中尉、ここからアイダホ基地まで遠いいぞ」
「いや、もしや敵兵が林にひそんでいるかもしれん。調査隊はここから行きます」
「そうか、分かった。調査隊出撃許可する」
ボビル艦長の出撃許可が出たものロングはボビルの前で静止している。
ふと、ロングがボビルに視線を合わせる。
「艦長……ライト・アークスの出撃許可をとりたいのですが……」
「…! ライトの? あいつはアーマー戦が出来るのか?」
艦長は即座に不許可を出さなかった。それはロング中尉の実績と、勘の
するどさを知っていたからだ。
「ライトはアマゾン基地出発直後、私にアーマーの練習をしたいと言い出し、
 練習をさせてみたところ、するどい動きをしているのです。
 この作戦は困難かもしれませんが、ライト自体、作戦に参加したいと言っているのです」
ボビルは少し悩みロングを再度みつめた。
「よし、ロング中尉がいるのなら安心だが……ライトがしくじれば連帯責任になるぞ」
「分かっています」
ここまでロングがライトのことを特別に扱っているのには、ボビルも理解できなかった。
ロングは真剣な顔をして指揮デッキから降りてアーマーデッキへと移動した。
そこにライトがアーマーを装着したまま走り込んできた。
「ロング中尉! 俺の出撃許可どうでしたか?」
「許可はおりた。しかし、この作戦でしくじれば死ぬことになるかもしれん。
 心を緩めるなよ……」

 『アイダホ地下基地調査隊。出撃許可を下す』
ボビル艦長の通信連絡放送がかかった。ロングとライトはアーマーを装着し、
作戦参加兵のルイ・マッシル少尉とデザイア艦ただ一人の女性アーマークルーの
パカリス・パカ准尉と、4人でアイダホ基地に向かった。
 
 
 連盟軍建設中、アイダホ地下基地。
アイダホという名の地域は街が無く、まわりは温帯林に囲まれ、
アマゾン基地のようなところである。しかし違うところはアイダホの方が、
高い所に基地が建設されている事。
高い所だと、地下に大規模な基地を建設できるからだ。
 「ザッコ、これが地下基地か…」
エリア3のサントス基地調査に参加していた連盟軍兵のベリズ・ベガ中尉が
地下内をみわたしザッコに喋る。
「俺も初めて地下の中を見るが建設中とはいえ三分の二以上は完成しているな」
ザッコ・ザビロ中尉が口を開く。
地下内は、地上の基地とおなじくいたって変わらない通路で出来ていて、
地下の土などは見えないようにできている。
「そういえばザッコ……アマゾン基地に行ったスパイ兵がしくじったて言う話だぜ。
 なんでも、アマゾン基地からデザイアって言う戦艦が来てるみたいだ。
 戦闘になれば面白いんだが……」
ベリズがにこにこしながらザッコを見つめ、ザッコもベリズと目を合わせうなずいた。

 アイダホ地下基地付近地上。アイゾ軍調査隊。
その後、デザイアは敵にばれるのを恐れ、近くの山の陰に隠れた。
ライト達はアイダホまで少しという距離にいた。
「パカリス准尉、疲れたか?」
ロングは長い距離を歩いてきた道のりを考え、ただ一人の女性クルーである
パカリス・パカに言った。
「中尉、私を女扱いしないで下さい。任務中は油断は禁物ですよ」
「そうだな」
「そういえば中尉、基地には、どうやって侵入するのですか?」
ルイ・マッシル曹長が口を開いた。
「……艦長から聞いていないのか? 特攻だ……」
「…!!」
全員が驚きロングの顔を見つめた。

 「確か、この基地で新型のアーマーを開発しているはずだが…」
地上基地の休憩ルームでザッコはコーヒーカップを右手に持って
ベルズに話した。
「ん? あー、あの事か……噂じゃあアイゾ軍型のアーマーの二倍ほど性能が
 高まるらしい…ん?」
ベリズの視線の先には、紳士のようにすらっとした背の高い男がいた。
その男はベリズの視線に気ずいて、ベリズ達の座っているイスへと足を運ぶ。
「君がベリズ・ベガ中尉か?」
ベリズは男の事を知らなかった。が、男の背中に記してある階級を見た。
そこには、大佐の階級があった。ベリズは自分より上の階級に驚きイスから即、立ち敬礼をした。
「は、は、はい! 私がアイダホ基地アーマー隊所属ベリズ・ベガであります」
突然の質問に対応できずベリズの舌はからまった。
「私はオレゴン基地総司令官チェコロス・ルーベンだ。君の事は聞いている。
 ぜひ、オレゴン基地に所属して欲しいのだが……不満はあるかな?」
ベリズは今中尉である。しかしそれも実績と進級のためザッコと苦労してきたことだ。
「はい、ありません。しかし……私と同世代であり友人であるザッコ・ザビロも
 連れて行きたいのです」
「あー良いだろう。その前に…ねずみを捕まえてきて欲しい」
「??」
ベリズとザッコはねずみの意味が分からなかった。




第9話『闘いの中』【後編】
 
 緑の温帯林の中を通り、アーマーを装着しビームガンを両手で
にぎりしめ、緊張しながらも歯をくいしばっているライトが急に静止する。
「どうした? ライト」
ロングが聞く。
「誰かに見られているような気がする」
「敵兵か? もうばれたって事なら驚きだ」
ルイ曹長が嫌そうな顔をして話した。
 そう、チェコロス・ルーベン大佐が言っていたねずみというのは
このことだ。そうだとすれば、ライトの言っているように連盟兵の
アーマー隊はライト達を探し、来ているはずだ。
 ライト達に気ずいたのは、このアイダホ地下基地の隣の基地である
オレゴン基地から、ここの基地に来るのに小型飛行機をつかい
上空からチェコロスがライト達を発見したのだ。

 「しさしぶりの戦闘だ。殺すなよザッコ」
ベリズ達は、もうライト達のすぐそばまで来ていた。
「俺より、こっちの奴を気にしたほうが良いぞ」
ザッコは隣にいるアーマークルーを見て言った。
ベリズはザッコの言葉に目をまるくして小声で喋った。
「なに言ってる…! 忘れたのか? その女はチェコロス大佐の娘だぞ…! 
 一応、軍の中は階級で比較するが、『奴』と、呼ぶ言い方はやめろ」
「あ…! そうか…! でもよベリズ。俺は女とチーム組むのは嫌だって言っただろ」
「大佐がどうしても、娘のレイン・ルーベンをアーマー戦に参加させたいって言うから
 断れ切れなかったんだよ。しかたないだろ」
その時、突然大佐の娘のレイン・ルーベン曹長が話した。
「ベリズ中尉、あそこのアーマー兵はアイゾ軍のスパイではないでしょうか?」
レイン曹長の見つめた先にはライト、ロング、ルイ、パカリスの四人が歩いていた。
「でかしたぞ。レイン曹長…よし、二人とも特攻をかける。
 いきなりビームを連発したら相手は混乱するだろう」
そしてベリズの合図と共に三人は飛び出した。
約20メートルほどぐらい走り、近くなってきたと思ったころに
ベリズの口笛の合図でビームを連発した。

 ギュビュー! ギュビュー! ギュビュー!
何発か撃ったが当たらなかった。
ライト達はビームに気づいて後ろの林へと隠れた。
 「ライト、大丈夫か? ビームガンの打ち方は教えたとおりだ」
「大丈夫です。中尉」
ロングとライトは確かめ合い、銃撃戦へと突入した。

 ベリズ達は同様、相手が隠れたため、こちらも木の陰に隠れた。
ギュビュー、ギュビュー、ギュビュー!
ライト達のビーム音だ。
「負けてられるか!」
ザッコが叫び木の陰からビームガンを突き出し撃った。
しかし、当たらなかった。そこへチェコロスの娘、レイン・ルーベン曹長が
木の陰から飛び出しライトの隠れている木へとビームが発射された。
ビームは木を貫通《カンツウ》して、ライトの頭の横を通った。
偶然にもライトには当たらなかったが、連盟軍のビームガンの出力は大きいと
いうことがロングには分かった。
「(連盟のビームガンは新型か?)」
「おー、曹長! 凄いなー。やっぱ新型のアーマーは違うなー」
ベリズが高い声を出しレインに話しかけた。
そう、レインの装着しているアーマーは今、アイダホ地下基地で開発している
新型ホールドアーマーの試作品なのだ。
「試作品とはいえ、出力が違う。木を貫通させたぞ」
ザッコも驚くが、レインだけがゆとりがない。
初めての戦闘で緊張しているのだ。

 「いつまで、ここに隠れてるんだ。ヒートソードで一気に行くぜ」
こう言ったのはライトである。ヒートソードとは初期型のホールドアーマーの
刀のことだ。ごく普通の刀に見えるが中には熱を凝縮《ギョウシュク》し、
刀を高温にして、熱を利用して攻撃するというしくみである。
 そこに、ルイ曹長が口止めする。
「今、ソードで特攻すると高出力のビームの餌食《エジキ》だぞ」
「大丈夫だって、ルイ曹長!」
一言いうとライトはヒートソードを抜いた。
ソードは、例えると忍者のように背中に付いていてブースターの中にななめに
入れてある。ブースターはソードに熱エネルギーを溜め込むためブースターの
中にソードを入れてあり、自分の利き手《ききて》に合わせて取り付けてある。
ライトの場合、利き手が右なのでソードは、ななめ右に取り付けてあるということだ。
 そして、そんなヒートソードを抜いたライトは木の陰から出て、
ベリズ達が隠れていると思われる木の前まで走った。
そして、ソードで木を切った。木はまたたくまにへし折れ、ライトの横に倒れた。
木が倒れライトの前にはベリズ・ベガ中尉が立ってビームガンをライトに向けていた。

「お前…! エリア3で会った坊主じゃねえか。なんで子供が戦っているんだ!
 アイゾの大人もなめられたものだな…」
ヘルメットの中でにやけてライトに目線を向ける。
「お前って言うなよ。俺だってライト・アークスって言う名前が付いてるんだよ。
 お前に親を殺されて、こうなったんじゃねえか!」
「俺が人殺し? よく言うよ。お前達エリア3が宣戦布告をしたんだろ!
 しょうがない。子供は殺したくないが…ライト君……
 名前を教えてもらってうれしいが…君はここで親の元に行くぜ」
その直後だった。ライトは怒りくるいソードのもっている腕を素早く
動かした。ベリズの持っているビームガンは半分に斬れベリズの足元に落ちた。
「いや、違うな。エリア3を宣戦布告させたのはお前達の方だ。
 欲にまみれ世界を一つの手で支配しようと無茶なことをするからこんなことになるだ」
その言葉に連盟軍であるレイン・ルーベン曹長が心を動かした。
「だから、人は名誉や自分の事しか考えてないんだ…そうか」

2005/02/26(Sat)17:47:24 公開 / 10ドル
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