『ジェルシャ オブ エクトシスア』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:とろ                

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冷たく降り注ぐ雨に立ち向かう勇気もなく、ただ窓から外を眺めていた。
淡い色のカーテンに縋り、背を縮めながら・・・・・・誰かの帰りを待っていた。
「すぐに帰るから」と言って家を飛び出した記憶の中の誰かを 待ち続けていた。
もうあやふやにしか思い出せないその誰かの面影が、今にも暗闇から笑顔で飛び出してくる
そう願いながら 祈りながら    降り止む事を知らない愚かな雨を眺め続けていた。


ジェルシャ オブ エクトシスア

第一幕 始まりの鐘


青々とした並木が、風に揺れ音を奏でる。朱や紫の色をした小さな実が、時折枝から旅立っていった。
遠くを見渡せば広がる山々の紅葉景色、近くで聞こえる水のせせらぎ。
のどかな広野が当たり一面に広がり、木が立ち並ぶ一本道の先には小さな村が聳え立つ。
その村の高い見張り台から辺りを見回している、一人の少年がいた。
 

 「ヒュ―――ッ!着てみろよミネシア、ナラクナ山脈が真っ赤だ。ミツの実が沢山取れるぞっ!」
連なる山を指しはしゃぎ立てる少年は、見た目16歳程の変った服装。鮮やかな赤髪が風に靡いている。
梯子を上ってやってきた小さな少年が、先に立っていた彼の隣に身を投げ出した。

「すっごいね、今年は。気候のせいかな・・・・・?リフロードも、もう完璧に染まっているよ。」
「おう、そうだな!今年は収穫祭も一足早くやるそうだぜ。楽しみだな、喰い放題だもんな!」
「あのさあ、今年は試験があるのを忘れてない?勉強したの、アラン。」
アランと呼ばれた少年は、ぎくりと友を振り返った。手にしていた双眼鏡を放り投げ、頭を抱える。
その様子を見たミネシアと呼ばれている少年は、やれやれと肩をすくめた。

次にアラン(赤髪の背が高い少年)がふと視線を上げると、空にぽっかりと浮かぶ黒い無数の点があった。
その点は、次第に近づいてくる。近づいてくるにつれ、それは黒い巨鳥の集団だと分かった。
「見て、伝達だ・・・」ミネシア(肩まで届く長い髪の幼い少年)は、嬉しそうに笑顔を見せる。
六匹の巨鳥が、見張り台の柵前で羽を広げた。上下しながら、口に加えた包みを投げ渡す。
アランとミネシアが六つの包みを受け取ると、鳥達は満足そうに翼を広げ、地上へ降りていった。

 「何だろう、この大きな包み。重たいよ・・・・・・?それに、固いみたい。」
「取り敢えず村長に届けようぜ。もしかしたら食べ物かもなぁ?」
「・・・・・・・・・・そ、それはないと思うよ・・・・」

二人の少年は柵を跨ぎ、勢いを撞けて下の屋根へ飛び降りた。
軽い足取りで次々と屋根へ移動していきながら、最終的に村の奥へと進んでいく。
途中、アランとミネシアは試験の事について語り合い、危うくアランが包みの一つを落とそうになったが
例年と同じく、まったく支障はなかった。

二人は 村奥の家へとたどり着く。








続く

2004/12/04(Sat)16:07:21 公開 / とろ
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■作者からのメッセージ
初めまして、とろと申す者です!
今日から長編の物語を書かせてもらいます。
まだ小説に関しては初心者なので、
アドバイスなど求めまス〜><
序章なのでとても短くなりました。
これからも頑張っていきたいので、
みなさんヨロシクお願いします!

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