『逃し屋(読みきり)』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:ラック                

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プロローグ

「助けてくれ、い、命だけ・・・・・・・・・」
暗い部屋で、太った男の首が、落ち、血の海を作った。その部屋には、年端も行かない少女が一人、死体を睨みつけていた。どうやら、男を殺したのはこの少女らしい。
「お前が行った非道の数々を死もって軽減しよう」
少女は、少女らしくない口調で、死体に一言吐き捨てるように、決まり文句のように言った。

その後、この少女は、何年もの間恐れられてきたが、その名声も今や忘れられようとしていた。それだけの間少女は、誰にも見つけられることはなかった。例外的に見つけられるとしたら、狩られる対象のみ。それだけの腕を持った暗殺者だった。

この少女の暗殺者は、その可憐な容姿と首を狩り、殺すことから、闇の世界で可憐と呼ばれるようになり都市伝説となった。


時は流れ、今にいたる


「暇だ」
「なら、宣伝でもしてくればいいだろ?」
「このくそ暑いのに、街頭に立ってのビラ配りなんて俺はイヤだぜ」
「そうか、なら暇を持て余していればいい」
広くも、狭くも無い部屋――どうやら何かの事務所らしいが居るのは彼ら二人だけ。長身の無駄な贅肉が一切ない堀の深い顔立ちをした男と何やらノートパソコンに打ち込んでいる文化系のきゃしゃな一見しただけでは少女のように整った顔立ちをしている男の二人がいた。
「だいたい、逃がし屋なんて利用する物好きなやつなんて居ないだろ?」
長身の男が愚痴るように言った。それに対して文化系の男は
「だったら、雅桜、お前も別な仕事を見つけてきたらどうだ?」
雅桜と呼ばれた長身の男は、さも嫌そうな顔をして
「俺が、勉強できないのわかってて、言ってんのか? カレン」
カレンと呼ばれた文化系の男は何がうれしいのか、微笑んでいる。
それにしても、少女のような顔でさらには名前まで少女然としているとこの男の性別が疑わしくなってくる。
「何がおかしい!」
「いや、ただ、その名前で呼ぶのは、雅桜だけだなと思ってさ」
「そういや、この名を知ってるやつらはもう・・・・・・」
たった一言交わしただけで、空気が一気に重くなった。この重い空気を打ち破ったのは、他でもない、カレンだった。
「気にするな。もう、済んだ事だ。それに今はこれでも楽しくやっている。そうだろ?」
「確かに、仕事がくればイヤでも楽しくなるからな」

「・・・・・・・・・・・・やはり、暇だ・・・・・・」
「なら、本でも読んだらどうです?」
「俺は、本の目次で諦める男だぜ? この俺に本を薦めるのか?」
自慢するように、大きく胸を張って雅桜が答えた。
「なら、あなたの部屋にあった本はどう説明してもらえますか?」
この時、カレンは目次で諦める雅桜がなぜあの本だけは読んでいられるのかと聞いたつもりだが雅桜は、何か勘違いしたらしい
「なっ!――あ、あれを見たのか?」
雅桜の表情は、驚きと恥ずかしさが奇妙にブレンドされ面白い形に歪がませていた。
「ええ、この前掃除していたら偶然見つけました。」
「まさか、内容もか?」
恐る恐る、聞く雅桜とは対照的にあっさりとカレンから答えが返ってきた。
「ええ、自称小説家としては多くの作品を読んで勉強したいですから。しかしあれは・・・・・・幾らなんでも・・・・・・」
な、なぜだ。あれだけ巧妙に隠しておいたのになぜ、たかが部屋を掃除されたくらいで見つかるんだ−。雅桜は、パニックを起こしながらも極めて冷静を装い
「この話はもうこれで終わり。そう終わりだ。終わり」
「せめて、最後まで語らせてもらいたいんですけど」
「だめだ」
「そうですか」
強制的に会話を打ち切れて、安堵のため息をひっそりとつく雅桜であった。
「あのーすみません。お取り込み中悪いんですけど・・・・・・」
事務所の扉のところに、高校生くらいのセーラー服に身を包んだ少女が立って、恐る恐るといった感じで、カノンたちの会話に割り込んだ。
「そう思うなら、後にしてくれ」
状況をわきまえずに雅桜が客をぞんざいに扱ったのに対して、カノンは
「いえ、お構いなく、立ち話もなんですからどうぞお座りください」
そう言って、事務所にあるソファを進める。その際、目の前に座っている雅桜をソファから蹴り落として、場所を空けることを忘れずに行った。その行為に対して少女は苦笑しつつ、ソファへと腰をおろした。
「本日はどのようなご用件で?」
即座に接客モードにカノンが入ったが、雅桜は床に頭を打ち付けて転がっていた。
「え、あっはい。単刀直入にお願いします。私の友達を友達の家族の元から逃げ出させてあげてください」
「家出くらいなら、自分ひとりの力で何とかならないのか? お前の家に泊めるなりなんなりして」
「こら、雅桜、お客様に失礼だぞ! いい加減、接客くらい覚えたらどうだ」
「いや、そんなこと言われても・・・・・・」
雅桜は、ばつが悪そうに口ごもり、そっぽを向いた。
「確かに、こいつのいうのも一理ありますね。その辺のことも詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「ええ、とゆうことは・・・・・・」
「もちろん、あなたの依頼お受けします」
少女の言葉を遮り、カレンが言った
今まで、緊張していたのか少女は依頼を引き受けてもらえるとわかった瞬間、肩から一気に力が抜け脱力した。
「訳、でしたよね。実は、私の友達は、家族からは、人として扱われてないんです。欲望を吐き出すためのていのいい玩具としてしか・・・・・・それだけなら、まだしも・・・・・・」
そこで、言葉を区切り、何か覚悟を決めるように大きく息を吸ってから言い出した
「友達は売られる! とまで言ってきたんです。もう、私はこれ以上見ていられなくなり、友達に逃げることを提案して、友達はそれを了承しました。それでも、すぐに連れ戻され、監禁されていましたが、なんとか隙をみてやっと逃げ出せたんです。今は私の家に居ますが、限界があります」
少女は、友達の身上の後半を一気に言った。そうしなければ、言えないかのように
「ひでー親もいたもんだぜ。娘を生きたダッチワイフにするなんてよ」
雅桜は、忌々しい過去を乗り切るかのようにはき捨てた。
「確かに、これは酷いですね。私たちが全力を持ってあなたを逃します。約束しましょう」
丁寧な口調で、カレンは少女を安心させるかのように言った
「よろしくお願いします!」
「ああ、任せとけ」
「依頼料の事なんですが・・・・・・」
言いずらそうに、少女は口ごもった
「それなら、我々が、頂くのは成功報酬だけですのでご安心を」
「いえ、そうじゃなくて、私お金が無いんです・・・・・・・・・」
「おいおい、金も無いのに依頼する気だったのかよ・・・・・・」
雅桜が呆れたように、言った
「す、すみません。お金は後で何とかして払いますから」
「私は構いませんが、雅桜は」
「飯さえ、食えれば問題ない」
「だそうです」
「あ、ありがとうございます」
それに対して、少女は恐縮し、頭を下げたのはいいが、テーブルに頭をぶつける始末。もう少し、体を大事にした方がいいと思うが
「そう、かしこまるなって、俺たちの立場はヒフティヒフティ、同じ立場なんだからな」
「そうですよ。えっと・・・・・・失礼ですけど名前の方を教えてもらえますか?」
「えっ? あ、はい! 私は、御風といいます。お二人は?」
「俺は、雅桜、んでこの女みたいなのがカレンだ。名前も女みたいだろ?」
「雅桜、死にたいのですか? それならそうと言ってくれれば、苦しまずに殺りますよ」
懐から、ナイフを取り出しながら恐ろしいセリフをいとも簡単に言う。
「俺が、悪かった。ほんの冗談なんだ! 本当だ! 赦してくれ!」
雅桜は、もう、必死にソファから、ずり落ちながら謝りまくっていた。
「ええ、私のも冗談ですから。できれば突っ込んで欲しかったのですが」
なんてことをナイフを懐にしまいながら、のたまった。
少女は、訳がわからずおろおろするばかりだった。
「さて、自己紹介もすんだことだし、仕事の話でもするか?」
「そうですね。一番らくなプランは国外逃亡ですね」
「国外逃亡ですか!?」
驚きと戸惑いを隠そうともせずに御風は聞き返した。
「ああ、そうだ。国外ってのは発見される恐れが少ないからな。まあ、指名手配されてるとなれば、国外逃亡は止めた方がいいけどな」
冗談で言った雅桜の言葉に対して、
「あの、私の友達、国外では指名手配されているんですけど・・・・・・」
とんでもない答えが返ってきた。
「本当ですか? いったい何をやったんです?」
「いえ、何もやってません・・・・・・友達の父があちこちに圧力をかけて友達が国外に逃げられないようにしたんです。その見ええる形として、指名手配されることに・・・・・・」
御風の言葉はどんどん小さくなっていった。
「その親はいったい何者なんですか? 圧力をかけられるような人物となると政治家か何かですか?」
「いえ、裏社会では名の知れたブローカーです。『戦争の武器商人』って聞いたことありませんか?」
なぜ、こんな少女が裏社会のことを知っているのかと考えたカレンだが、この考えはひとまず保留にしておくことにしたらしい
「だれだそれ?」
「ん? 雅桜お前が知らないとは珍しいな」
「で、誰なんだよ? そいつは?」
「『戦争の武器商人』ってのは、最近活動し始めたブローカーで、たしかあちこちで、戦争の火種になるような兵器を国に売ったり、置いてきたりして、戦争を誘発しその戦争中の国相手に、兵器を売ることによって莫大な富を築いたやつです。たしか、アメリカも彼に踊らされていたはずですが」
「とんでもないこと考えるぜ! 自分で戦争を起こして、兵器を売りさばこうなんて正気の沙汰じゃねー。しかしそんな奴が相手だとすると厄介なことになるぜ」
「ええ、厄介ですめばいいのですが」
「なんとか、なりますか?」
御風は、すがるような目で、カレンと雅桜の二人を見つめた
「なんとかするのが、俺たちの役目だろ?」
「雅桜の言うとおりです。我々は、御風さんの友達を安全なところまで逃すのが仕事ですから安心してください」
カレンのやさしい言葉に安心したかのように、御風の表情は和らいでいった。
ピンポーン
間の抜けたチャイムの音が響き渡たったかと思うといきなり5人の銃で武装した覆面の男たちが、ドアを蹴破りなだれ込んできた。その時間およそ2秒。その動きは訓練により統制が取れたものだった。
「こりゃ、礼儀知らずなお客様もいたものですね」
カレンは、苦笑を浮かべながらも御風を守るように立ち位置を換えた。
「そうだな。そうゆう客には、きっちりと礼儀を叩き込まないとな!」
これから起こるであろう戦闘を楽しむかの様な口調で雅桜雅言った。
「接客もろくにできないあなたが、礼儀作法など教えられるのですか?」
ぼそっと、カレンが言った言葉がどうやら雅桜にも聞こえてたらしく
「善処してみる・・・・・・・・・」
カレンは、全身の力が抜け脱力したのをしっかりと感じてから、戦闘態勢をとった。
「その女を渡せ!」
単刀直入に覆面のリーダーらしき男が威圧感たっぷりに言ってきた
「ここまで、話がわかりやすいのも珍しいんじゃないか?」
雅桜は、苦笑混じりにつぶやいた。
「たしかに、わかりやすいですね。では、我々も彼らに習ってわかりやすい返事を一つ・・・・・・」
カレンの言葉を雅桜受け継いで、
「くたばりやがれ! さもなくばしっぽを巻いて逃げ出しな!」
カレンは内心、セリフを取られたと緊張感の欠片もないことを思っていた
雅桜の言葉が開戦の合図になり、事務所内に銃弾が飛び交う中、カレンは御風をソファの後ろに移動させ弾が当たりにくいようにした。雅桜は、三節根を振り回し敵の銃弾を確実に叩き落しながら間合を測り、間合に入った敵を打ち倒していき、倒した敵の数は既に二人。
「では、私も」
カレンは懐から、チャクラム――ドーナツ状の丸い鉄の刃を取り出し、敵に向かって投げた。すると綺麗な弧を描き、残りの敵ののど笛を切り裂き、刺客は悲鳴を上げる間もなく倒れていった。チャクラムは、カレンの手元に戻ってきた。
 戻ってきたチャクラムに着いた血をハンカチで綺麗にふき取ってから懐にしまった。そして、ソファの影で震えてる御風に、終わったことを伝え安心させやさしく立たせた。
「カレン、行くぞ」
そう言って、雅桜は、事務所の端の方にあったロッカーへと入っていった。
「え? あの何で、雅桜さんはロッカーの中に?」
雅桜の奇妙な行動に目を奪われ先ほどの恐怖を忘れたように目を丸くして聞いてきた
「あのロッカーは地下駐車場への直通ルートなんです。ここが襲撃されたとなると、あなたの友達にも同じようなことが起きている可能性がありますから迎えに行くんですよ。道案内お願いしますよ」
「わかりました」
御風の案内で、御風の友達――緋色の元にたどりつき、すぐさま車に戻り、また移動を開始した

車内には、雅桜が車を運転し、その横に御風が座り、かわいらしい寝息をたて眠っていた。後部座席にカレンと緋色が座っていた。緋色は一切話さずに、ただ虚ろな目で前を見ているだけだった。御風が乗っている理由は、依頼主である御風にも被害が及んだときに被害を最小限に止めるためである。
「これからどうするよ?」
「どうしましょう?」
雅桜の問いに対して返ってきた答えは疑問系だった。
「とりあえず、あてもなくぶらぶらと逃亡生活でもおくるか」
「そうですね。今は、作戦も立てられない状況ですから、それがいいと思いますよ」
「じゃあ、大阪にでも行くか」
「私は、べつにいいですが。それから何で大阪なんですか?」
「俺が、お好み焼きを食いたいからだ」
「ただの食欲ですか」
苦笑しながらも警戒を怠らない。というか、カレンは普段から警戒を怠ったことがない

キキーーッ
突然、運転していた雅桜が急ブレーキをかけ車から降りていく。今の衝撃でどうやら、御風も目を覚ましたらしく、きょろきょろと辺りを見渡し、雅桜が隣にいないことを確認すると今の状況がどうなっているのかをカレンに聞いてくる。その問いに対して、カレンは、人を安心さえる微笑を浮かべながら、
「今は、雅桜の馬鹿が無配慮にも急ブレーキをかけまして、地元の暴走族に喧嘩を売られてとか何とかで外で交渉してるはずですよ」
「交渉ですか・・・・・・」
御風の視線の先には、窓から見える外の風景が――雅桜が暴走族と喧嘩している光景が間違いなく見えていた。御風の視線に気づいたカレンが
「時に男は、言葉ではなく拳の方で語り合う時があるものなんですよ」
そうゆう、意味不明な説明をする。
「はあぁ」
御風も微妙な返事を返した。
「ちっなんだよこれだけの数がいて、もう終わりかよ。張り合いがないぜ。まったく」
雅桜の周りには、瀕死状態の暴走族の山ができていた。
雅桜は、とっさにバックステップを踏み、どこからともなく飛んできた矢を交わした。
「新手の刺客か!!」
道路わきの林から、弓をもった袴姿の女と日本刀を持った男が出てきた。
「外れたようだが、次は当てる」
それだけ言うと女は、弓を引き分け、会に入りしっかり狙いを定めてから離れた。
矢は、狙いたがわず雅桜のこめかみに当たる軌道で飛んでいったが、雅桜は、間一髪のところで、身を低くしてかわしたが、そこへ男が斬りつけてきたのを体勢が崩れながらもよけ、迎撃態勢に入ろうとしたところに、矢が飛んできてまた体勢を崩されたところに、男が斬りかかってくるとゆう、単純だが中々の連続攻撃で、雅桜は苦戦を強いられると思ったが、突如、襲撃者は、身を引いて出てきた林に戻っていった。
「なんだったんだ。今のは・・・・・・」
車に、戻ろうとした雅桜の元に御風が走りよってきて、
「大変です!カレンさんが、さらわれました!!」
一息に言い切った。
「なに? すまないがもう一回言ってくれ」
雅桜は確認のために聞き返した
「ですから、カレンさんがさらわれたんです!」
「はぁー」
雅桜は深いため息をつき、頭を抱えた。
「仕方ない、一端事務所に戻って体制を立て直すか」
それだけ言って、雅桜は、車に乗り込んだ。その後に続くように御風も慌てて車に乗った。

「御風、父さんに逆らったらどうなるか教えたはずだが、まだ教えたりなかったようだな」
暗い、部屋に男のいやらしい品のない声が反響する
「何のことです? 私は今日始めてあなたにあったんですよ」
カレンは、状況を考えていないような明るい声で言い変装をといた
実は、カレンは緋色に緋色はカレンに変装して刺客の目を欺いていたのだった
男が驚愕と驚きの声を上げたが、カレンの顔を見るなり
「なっなに!? まあいい、あれにも飽きてきたところだ。新しいのが欲しいと思っていたところだ」
そう言って、男はカレンを新たな欲望のはけ口となる玩具にしようとカレンを乱暴に扱おうとしたが、急に動かなくなり、脂汗を異常なほど掻き始めた。
「解せませんね。あなたのその考えは。それから、言っておきますけど私は男ですよ」
カレンは、一歩、また一歩と男――戦争の武器商人に歩み寄る。殺気を放ちながら
「ひぃっ」
戦争の武器商人は、引きつった悲鳴を上げ、後ずさり何かのスイッチを押した。すると警報が鳴り、最新型の武器で武装した男たちがなだれ込んできた。その中の隊長格らしき男が
「隆人様、ゴミの処理はお任せを!」
どうやら、カレンに喧嘩を売るらしかったが、カレンが無言でチャクラムをなだれ込んできた男たちにも放つと、男たちは、一瞬のうちに死体となった。隊長格らしき男は何とか避けたが致命傷をおい、動くこともやっとという状態だった。それを見た武器商人は、
「た、助けてくれ・・・・・・なんでも好きなものをくれるだから・・・・・・」
無様にも命乞いをした
「なら、緋色さんの親権をください。法的手続きに則ってね」
「わ、わかった。今すぐに手続きを済ませる。」
そう言って、震えながら、部屋に在ったパソコンで親権譲渡の手続きを済ませる。本当なら、いろいろと面倒な手続きだが、さすが戦争の武器商人と言った所か、法曹界のコネを利用して瞬く間に手続きを終わらせ後は、譲渡者の名前を記入するだけとなった。それを見たカレンはその欄に、可憐とだけ入力し、送信した。
その文字を見た武器商人は、思い出したかのように口をぱくぱくと開けたり閉めりして、何かを言おうとするが、無常にもカレンの放ったチャクラムが首を切り落し、二度とその言葉がつむがれることはなかった。
「あなたが行った非道の数々をあなたの死によって、その罪を軽減させましょう」
カレンは、歌っているようだが、抑揚のない不思議な声色で言いい。その場を後にした。
その後
何とか、一命を取り留めた隊長格らしき男は、カレンが伝説の可憐であることを悟り、恐慌状態に陥り、自ら舌を噛み切り自決した。
後には、血のにおいが立ち込めていた。




エピローグ

「お! カレン無事だったか」
「ええ、おかげさまで」
カレンと雅桜は、何事もなかったかのような口調だった
「忘れる前に、緋色さんに言っておく事があります。お時間頂いてもいいですか?」
カレンは自愛に満ちた微笑を浮かべていた
「・・・・・・・・・・・・」
無言だった
「緋色さんあなたは、私の子供になりました。つまり、養子ということです」
「あの、それじゃあ、もう父さんのところには戻らなくていいんですね?」
始めは、困惑した緋色だったが次第に、現状を理解し始めていった。
「ええ、そういうことになります」
二人の会話に、雅桜はまったくついていけず困惑するばかりだった。
「おい、俺にも、わかるように説明してくれ」
すがるように雅桜は、カレンを見た。
「簡単に言いますと依頼達成とゆうことですよ」
本当に、簡単にカレンは言った。
「それならそうと、早く言えこのやろう」
御風は何かに気づいたような表情になり、カレンを見ながら、
「あの・・・・・・依頼料はいつ払えばいいんですか?」
「え、ああ、それなら、しっかりと払ってもらいますよ。緋色さんのことしっかり面倒見てあげてくださいよ。人並みの生活が送れるようになるまでは」
いたずらが成功した子供のような笑顔でカレンは御風に言った。
「え? あっはい! 頑張ります!」
その会話を耳にし状況を考えていた緋色は完全に自分の置かれた状況を理解し、初めて明るく笑った。

カレンは相手もいないのに父親になったがために、微妙に近所から後ろ指を指されることになる。
これは、また別の話

2004/10/17(Sun)10:28:33 公開 / ラック
■この作品の著作権はラックさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
頑張って書いたので多くの人に読んでいただけたら幸いです

皆様のご意見をもとに訂正をしていますが、まだまだ、未熟なためご意見を生かしきれていないですが、よろしくお願いします
ご意見ご感想待っています

作品の感想については、登竜門:通常版(横書き)をご利用ください。
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