『それは”親友”合言葉』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:NOKONOKOリース                

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それはとっても暑いものすごく暑い日だった。
猛暑のごとく太陽は荒れ果てた。
雲一つない空は枯れてみえるのだったのだ。

「あづい・・・・」

1人机の上でダラリとした少女がいた。

彼女の名は友華。

数学のノートには落書きが、しかも少女漫画風。

それは上手いとは言えないモノであった。

「どうして描けないんだろ。」

ボソッと言った。が、風にながされてしまった。

「友華〜!・・・ん?何かいてんの?」

そういって飛び込んで来たのは、親友の蛍だった。

友華はいそいでノートを腕の中に隠した。

「な、なんでもない!!!」

慌てて別のノートを取り出した。

「わ、新しいノートじゃん!絵、かこうよ!!」

蛍は早速ペンを取り出した。

友華も買ったばかりのノートと、新品のコピックペンをずらりと並べた。

蛍は早速つらつらと絵をかきはじめた。

やはり少女だったが、どこか繊細で細やかな優しい曲線が強調されていた。

輪郭から、身体の曲線までプロの漫画家そのものだった。

一方友華は、先程描いてあった少女のような漫画ではなく、デフォルメしたキャラ

を描き始めた。

活き活きとした一つ一つのそのデフォルメキャラは、落書きしていた少女とはちが

う、可愛らしさがどこかにあった。

「蛍はスゴイな〜。本当に漫画家みたい・・・。」

友華は笑っていった。

「友華だってすごいよ!デフォルメキャラの愛らしさとか。強調されてて。」

蛍は自分の絵に集中しながらも言った。

「あは。そう思う?」

「うん。そうだよ。」

二人は笑い合いながら絵に集中した。

時間が流れるのがとても早くかんじた。

一分が10秒のように・・・。

もう少し、あと少し、もうすぐ完成するから・・・。

二人だけの秘密の世界。

きっと素敵な魔法が描けるよ。

楽しい魔法が、おとぎばなしが・・・。

「でぇきた!」

友華が最初にガッツポーズをきめた。

しかし蛍はまだ絵に熱中にている。

友華はそれを遠いものを見るように目を細めた。

(私には・・・・
  ―描けない―
      きっと・・・・)

頭の中にある絵への思いがまだまだ、とかたっていた。

自分の絵なんてかなわないと。

友華にとって蛍は親友でもあり・・・

仲間でもあり・・・

ライバルでもあった・・・・

ただ、叶うはずのない夢をおいかけているんだと思い始めた今では・・・

「終わった〜〜〜〜!」

蛍が大きく背伸びをした。

その勢いで椅子が後ろに倒れそうになった。

「あはははははは。」

友華が大声で笑った。

蛍も笑った。



きっと追い付けないよ。

だって努力してきた蛍だもん。

私は遊びでやってきただけだもん。

でも追い付きたいと思ってる。

二人だけの漫画も作りたいし、

イラストも、

ポスターも、

たくさんたくさん。

二人だけの夢を叶えて行きたいと思ってる。

それがいつかなうかさえ分からない願い。

だからやり甲斐があるんだね、きっと。

忘れないで、蛍。

ずっと、ずっと、二人で一つの夢をかなえるって。

忘れないでね・・・。

2004/09/19(Sun)20:45:05 公開 / NOKONOKOリース
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