『RPG』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:ねやふみ                

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 夜が明けた。
 タカユキはベッドから降りた。HPは全回復している。
 タカユキはタンスを調べた。制服を手に入れた。タカユキは制服を装備する。防御力が五上がった。
 タカユキは玄関へと向かった。扉を開け、学校へ行った。
 ケイスケに話しかけられた。
「お前、数学の宿題やった?」
「ああ、やったよ」
「マジ? 見せて」
 ◎見せる
 ・見せない
「もうすぐ、先生くるぞ。間に合うか?」
「平気平気。任せとけって」
 タカユキはケイスケに数学のプリントを渡した。ケイスケの好感度が二上がった。

 一時間目、数学。授業中の居眠りが見つかって、先生に怒られた。先生の好感度が四下がった。
 三時間目、体育。サッカーで一点決めた。クラスメート全員の好感度が一上がった。
 六時間目、英語。授業中、真横の席にいるアキコの質問に答えられなかった。アキコの好感度が三下がった。

 放課後。タカユキはサッカー部の午後練に出た。部室にはタカオがいた。
「お前、アキコ知らない? マネージャーの」
「え? いないのか? あいつ」
「ああ。監督からの練習メニューはあいつ経由だろ? だからアキコがこない限り、俺たち永遠に練習できないぜ」
 ・「まったくだ。なにやってんだ? あのバカ」
 ◎「アキコを責めたって仕方ないだろ? 俺たちで練習しようぜ」
「アキコを責めたって仕方ないだろ? 俺たちで練習しようぜ」
「かっこいい! 頼れるねぇ」
 タカオの好感度が一上がった。アキコの好感度が五上がった。
 練習が始まった。
 ・基礎体力をつくる
 ・技術を磨く
 ◎フォーメーションを確認する
 ・ミニゲーム
 ・自主練習
「おらー、そっちだ!」
「こっちにまわせ!」
「右サイドががら空きだ!」
 HPが二五下がった。チームレベルが三に上がった。チームメイトの好感度が四上がった。

 練習が終わった。
 部室をノックする音がした。アキコだ。
「鈴木君? ちょっといいかな?」
「え? うん、いいけど」
「わーお! 絶対ラブコールだぜ。間違いない!」
 タカオはニヤニヤしている。他人の出来事を面白がっているようだ。
「タカオうるさい」
 タカユキは部室の外に連れ出された。
「話って何?」
 タカユキは言った。
「うーん。ちょっと言いにくいんだけど……」
「え? 何?」
 もしかしてタカオの言うとおり、そういう話なんだろうか。
「監督が試合前にその頭をなんとかしろって」
「…………」
「そのままだと試合欠場も考えるって。鈴木君がいないと、ウチのサッカー部は成り立たないから出来るだけ早くに散髪してね。それじゃ」
 アキコは立ち去った。タカユキは立ちすくんだまま動けなかった。
 タカユキのHPが九九下がった。

 タカユキは帰宅した。晩ご飯を食べ、お風呂に入った。
 ・数学
 ・古文
 ◎英語
 タカユキの学力が二上がった。
 タカユキの携帯が鳴った。タカオからメールが来ている。
「アキコの告白が、ラブコールでなくって残念だったな。まぁ、そんなこともあるさ。はっはっはっはっ」
 ◎うるさい。意味もないメールすんな。と、返信する。
 ・残念です。でも、次があるさ。はっはっはっはっ。と、返信する。
 タカオからメールは返ってこなかった。
 タカオの好感度が一下がった。

 翌日。
 夜が明けた。
 タカユキはベッドから降りた。HPは全回復している。
 タカユキはタンスを調べた。ジャージを手に入れた。ジャージを装備する。防御力が三上がった。
 タカユキは机を調べた。ナイフを手に入れた。
「今日、部室のいらない練習着整理するんだっけな。でもなんでナイフがいるんだ?」
 タカユキは玄関を開け、学校へ向かった。

 タカユキは部室に入ろうとした。鍵がかかっている。
「おかしいな。今日は練習があるはず。自主練習だけど」
 タカユキはタカオにメールを送った。しばらくして、返事が返ってきた。
「今日、練習ないぞ」
 タカユキは帰ることにした。
 ◎コンビニに立ち寄る。
 ・まっすぐ帰る。

 タカユキはコンビニにいた。今日は欲しかった単行本の発売日だ。
 運が悪いことに、タカユキは財布を忘れていた。だが、なんとしてもその単行本が欲しかった。
 ・財布を取ってくる。お金はきちんと払おう。
 ◎万引きする。四百円がなんだ。取りに帰るのも面倒くさい。
 タカユキは単行本をジャージの下にそっと入れた。店員は誰も気づいていない。単行本を手に入れた。
 タカユキは落ち着いたそぶりで店を出た。が、突然背後から怒声が響いた。
「泥棒!!」
 店員が追いかけてくる。
「ちっ……しゃあねぇな」 
 ・逃げる。
 ◎戦う。
 タカユキは身構えた。
 若いコンビニ店員が襲いかかってきた。
 タカユキの攻撃。店員に十二のダメージ。
 店員の攻撃。タカユキは回避した。
 タカユキはナイフを装備した。攻撃力が二三八上がった。
 店員はたじろいでいる。
 タカユキの攻撃。店員に三二九六のダメージ。
 店員を倒した。五四九の経験値を手に入れた。タカユキはレベルが上がった。

「どうですか?彼は何かいいましたか?」
 一人の男性が貴之の自供に関わっている弁護士に問いかけた。
「ええ。おおかた殺人未遂と、窃盗に関しては容疑を認めています」
「しかし、最近こういう事件がおおいですな」
 男性が言うと、弁護士はため息をついた。
「ええ。これは貴之君に限った例ではないのですが、どうやら彼はこの世界を自分が主人公のゲームの世界と妄想してしまったようです。実際、彼は家にたくさんのテレビゲームがあるそうですし……」


2004/05/05(Wed)01:27:14 公開 / ねやふみ
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■作者からのメッセージ
二作目の投稿です。またもショートショートです。今回は少し読みにくくなってしまいました。あはは(^^;)/
本当はゲームということで、台詞のまえに登場人物名を書きたかったのですが、規約違反にあたるため止めにしました。
あまり点数は期待できない出来ですが、一言でもいいので感想をお願いいたします。

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