『悪魔のメール 』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:白い悪魔                

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☆プロローグ:悲劇は唐突に




 悲劇は唐突にやってくる。
 この世に非現実的という言葉が存在するなら今の俺はなんなんだ…。
 悲劇は唐突にやってきて俺は非現実的という言葉を信じないようになるのだった。

 1/1新年の今日は大量のメールが届いた。内容は決まって

本文:あけましておめでとう

 でもその日俺はあるメールを受信してしまったのだ。

「(送信者不明…なんだこのメール。)」

 今の時代、迷惑メールなんてネットにメルアド公開しないかぎり99%来ない。そんな時代にあて先不明のメール。おかしなことにメルアドも表示されない。ただ

送信者:不明
件名:なし
本文:悪魔のメールです。

 そんな内容、返信しようにもエラーが出て送れない。しかたなく消去しようにもなぜだか消去できない。

「(まさに悪魔のメールってわけか…。てか、携帯が壊れたのか?もしかして新種のウィルス?)」

 違った。午前一時を回った自分の部屋にはソレはすでに存在していた。驚愕というのだろうか…俺は自分の目を疑った。悪魔のメールを受信してしまった俺の世界は、世間一般に考えられない非現実的な世界に変わったのだった。





☆第一話前編:悪魔光臨、さようならサブキャラ



 1/1、俺は非現実的な世界に迷い込んだ。というかなんなんだ…なんで俺がこんな、こんな…、こんなことにならなきゃいけないんだぁー!!!

「ねぇー!聞こえてるんでしょ〜!!ねぇーってば!!!」
「あぁ〜あぁ〜あぁ〜〜、俺には何も聞こえない!見えない!信じな〜〜い!!」

 耳をふさぎ目を瞑る。そんな俺にねぇねぇと呼び続けてる女。そいつの隣にいる丸くて黄色くて、そーゆー系な話ででてくるマスコットキャラにでもなりそうなへんてこな奴を俺は絶対に信じない。

「あたしは、大悪魔のアクアちゃん!!こっちは私の使い魔のアポ!よろしくね♪…って、ねぇ〜!聞いてってば〜!!!」
「アポォ〜〜(聞けよゴラァ!)」
「せ〜かいは、せ〜まい、せ〜かいは」

 とにかく歌え!歌って忘れるんだ!そうだ、そうだよ!夢だ、夢に違いない!よくある夢落ちってやつだ!俺はその夢を見てるんだ…そうだよな〜、12/31からずっと起き続けてるんだから…寝不足なんだ!そうだ、絶対!!

「間違いない」
「へ?何か言った???」
「アポ?(テメー!誰かの芸にんぱくってんじゃねぇー!!)」

 そう思い、手探りでベットの中に入り布団を頭からかぶった。かぶった…?いや、今おれは寝るのか?いや…待てよ…。だって今寝るってコトはやっぱ起きてる?あれ?あれれ?現実なのか?これは?去年両親が離婚した時俺は夢なら良いのにと思った。そして俺を引き取った母さんは今病院…父さんは行方不明…。今現在家にいるのは俺一人…しかも悪魔のメールとか言って、一応は一人身の俺の前に悪魔とか言う女が出てきて…かわいいペットも出てきて…ってあれ、待てよ、これってつまりは、よくあるちょーベターな!!

「むふふ漫画の主人公なのかぁー!俺は〜!!!」
 
 俺は喜びのあまり飛び上がり全ての光景を受け止めようとした。そして目の前にいる大悪魔とか名乗った女とペットを改めてみるのだった。いや、見ようと思ったのだ…でも

「あぁー!ようやく起きたねぇ!あんた今日バイトに遅刻するよ?」
「はぁ?母さん?なんでここにいるの?ってあれ?悪魔ちゃんは?」
「何言ってんだい、とにかく朝飯だから早く起きてきなさいよ。それとお父さんラスベガスで億万長者になったから戻ってくるって」

 …え…つまりは、全部夢落ち?って、なんで母さんいるの?というか父さん?はぁ?
俺の理解する範囲はハルカに超えていた。さっきまで俺を期待させまくった悪魔はどこに?

 そして気付くのだった、俺はただのサブキャラ…。悪魔はどこかへ行ってしまったみたいだ…。いやどっかへ行ったのか本当にいたのかも…不明だった。ただ今わかるのは携帯に悪魔のメールは残っていて、病院のはずの母さんと行方不明の父さんがいることだけだった…。

「って!父さんラスベガスにいたの!?」

 俺は夢を見てるのかと思ったのだった…。





☆第一話後編:主人公の元へ

 一人と呼ぶのかもわからないが、背中に黒い小さな羽を生やした、黒髪のショートヘアーでかなりのかわいい顔をした女の子が空を飛んでいた。その隣には黄色く丸いみるからにかわいいマスコットキャラになりそうなモノが飛んでいた

「もぉー!また失敗しちゃったじゃなぁーい。せっかく地獄に落ちるよりも怖い完全なる恐怖を植えつけようと思ったのに〜〜!」
「アパァ〜(まったく、アクアはまだまだ半人前やな!あのヤローがせっかく寝たところで悪夢どころか良い夢見させちまって!!おまえは天使か!!あほが!)」
「だってぇ〜」
「アパー(次こそ、悪夢を見せるんだ!今度はこの家の奴に悪魔メール送ったから!!)」
「はぁーい」

 大悪魔アクアちゃんの奮闘記はまだまだ続くのだった。

「絶対大悪魔になってやる〜〜〜」









☆第二話:主人公の元で

 

 1/1のAM2時…眠くはないが夢のような話だ。

「…っで…」
「いやぁ〜だから、寝てくれないかなぁ?」
「なんで…」
「悪魔見せてあげるからさ☆」
「アパアパァー(馬鹿ぁー!さっきもそうだったけど、アクア!おまえは何無茶言ってんだよ!!てか、悪夢見せてやるからねろ、なんて言うやつあぁ〜いねぇーよ!もっとコソコソとするもんだろうが!!悪魔メールを受信したやつにしかテメーの魔力じゃ眠らすことできネェーんだから!効率あげる努力しろ!!)」

 さて、問題です。ここに俺…つまり雨宮タクトがいます。その前には自分を大悪魔とか言う女と黄色くまるっこいキュートなマスコットキャラらしき生物がいます。しかもこいつらは俺に悪夢を見せてやるから寝ろとか言ってます。広くもない一人部屋の俺の部屋にいきなり現れた彼女達を俺はどうしたらいいんでしょうか…。

「…てか、なんだよあんたら…」
「だ・か・ら☆大悪魔アクアちゃん!」
「そのコスプレ好きアクアちゃんはなんなんだよ?」
「だ・い・あ・く・ま!!」

 そうだ、冷静に考えよう。俺は確かにこのわけわからん物語の主人公なのかもしれない。でもここで眠ったら話は進まないだろう…俺が眠れば…

「さて、成功♪」
「アパ〜(やったじゃねぇーか)」

 なんてある意味ハッピーエンドを迎えるに違いない…。って違う違う。そんな悪夢とか意味不明な話が現実にあってたまるか…とにかく俺は今のこの状況を冷静に対処しなければならない。しかも今日の昼には彼女とデートもする予定で、今日こそ自分の家に連れ込み……。そんな俺の生活に土足でズタズタと入ってきたこの一人と一匹に巻き込まれるのは正直ごめんなんだ…。
 一月の寒い部屋の中、今にも消えそうなストーブ…灯油がさっきから切れそうで足すか消そうか迷い、外は寒いし面倒だし…やっぱ消そう、と思ったとき彼女達が現れた。ついでに悪魔のメールとかいうへんなメールを受信もして…。
 一瞬のひらめき、発想。全ての歯車を回す解決法。お約束にはお約束。一か八かの賭けに出よう…。なんて思いついたので言ってみた。

「…ヨシ、わかった。アクアちゃん」
「アクアで良いってば」
「アクア、俺と一緒に住まないか?」
「アパ?(なにぬかしとんじゃぼけぇ〜!!)」

 一瞬の間、俺は言っちまった〜!つまりだ、彼女とデートしてここまでたどり着くよりも、このアクアと一緒に住むことになれば…なんて思ってないぞ〜!ただ俺はアクアがかわいそうに思って…、とにかく彼女のことはちょっと忘れて、冷静に考えてみよう。
 第一俺は仮にも主人公だしこいつはよく言うヒロイン…そして、愛くるしいマスコットキャラなんだから、こうでもするのが一番だ。

「アパアパパパ(アクアぁー!何を迷っているんじゃ〜!己は仮にも悪魔界の大悪魔ベルフェゴート様の孫娘!!早くこいつに悪夢見させるため寝かさんかい!!)」
「ほら?このキュートでマスコットキャラ君もOKだっていってるしさ!」
「アパ(いってねぇーよ!)」
「うぅ〜〜ん…そだねぇー!そうしよう!」
「アパ(なにいてんじゃ〜〜!!)」
「じゃぁ〜〜待ってて♪今じいちゃんに聞き行って来る!!」

 そいうと、俺の目の前から彼女はどこかへ飛び去った。残された俺は一人アクアとマスコットキャラ君を待つことになったのだった。
 ホント、勝手に主人公になる俺のみにもなれよな…。

「さて、ラブラブ生活するためにも部屋を片付けるか〜」









☆第二話後編:世話係りアポではなくすでにアパ



 どこの世界にもいるもんで、なにがいるかっていうと爺さん婆さんは孫に弱いって言う奴のこと…。俺様は昔バ・ソリーと呼ばれ様々な能力を持つ虫を使いこなす虫使いだった…だったのに、こいつアクアの爺さん、つまり大魔王ベルフェゴート様によってこんな黄色く丸っこい姿に変えられたのだ。
 しかも今じゃ孫娘、アクアの世話係…俺様の言葉はベルフェゴート一族以外には聞こえず、他から聞くと…

「アポ」

 なんて聞こえるらしくいつのまにかアクアが『アポ』と名づけた…。だがそんな俺様でもプライドはあった。どんな世界になろうとも…今の俺様はこの孫娘、アクアを一人前にすることだけを考えていた。だから人間界に存在するもう一つの世界、ネットワークという場所から俺様の魔力を込めたメールを送り、受け取った相手に魔力にかかりやすくしたのだ…。

「おじぃ〜ちゃぁ〜ん、おねがぁ〜い」
「そうだな…人間界を知る上でも必要かもしれん。おまえの父にはちゃんと話しておく、心配するではない。それより立派な大魔王になるのだぞ」
「はぁーい!」
「それとな、これ少ないけどお小遣いじゃ…パパとママに内緒だぞ」

 仮にも大悪魔…俺をこんな姿に変えたやつが何を良いじいちゃんぶってんだよ。しかもそんなお金魔界のお金だろうが!なんて突っ込みいれたかったが…言ったら言ったで何されるか…。第一、こいつの好きな芸人の真似をした男に突っ込みいれた時、俺はベルフェゴート様にアポからアパに変えられた…。みんなの記憶操作までしやがって…。
 そんなこんなで、俺様はアクアとともに奴の家に住むことになったのだ。でも悪夢を見せたりするとそいつは一生起き上がることはなくなる…つまり奴を眠らしたら終わる。そう、めんどくさくなればアクアじゃなく俺様が眠らしちまえば良いだけのことだ。

「じゃぁー行こう♪アパ」
「アパ(しょうがねぇ〜な)」

 大魔王ベルフェゴート様よぉー、安心しなぁー!こいつは大悪魔にさせてやるぜぇ〜!
 そんなことも思いながらあの部屋に再び向かうのだった。








☆第三話前編:悩む種は大量に


 改めて見るとやっぱ不思議なもので、アクアは黒髪で羽が生えている。そしてこいつどうやらアパっていうマスコットキャラは黄色で丸っこく小さな羽をもっている。どっちも空を自由に飛びまわっている。
 AM5時、まだ夜も明けず真っ暗闇の中、彼女達は帰ってきた。でもそうだ、問題はここにあった。まずどうやってばれずに生活をするか、ついでに俺には家族を養う…というか俺は現在声優志望の大学生で日中はほぼバイトで週に一日声優養成所に通っている。それにバイト代も生活費にほぼ消えていく…。仕送りを増やしてもらうわけにも行かないし…。

「じゃぁー!これからよろしくね♪えぇーっと、何だっけ名前?」
「俺?俺は雨宮タクト。よろしく」
「アパ(だっせぇ〜名前、俺様はバ・ソリー、今ではアパと呼ばれている。よろしくな、人間)」
「何言ってるのかわからないけど、よろしくアパ」
「アパ(す、すくえぇねぇ〜〜…)」

 とにかく、これで主人公、ヒロイン、マスコットキャラが集まったわけだ。まだまだキャラは少ないがまぁーいいとしても、とにかくこれからのことをきめなければ…。
 一番注目すべきは羽をどうにかすること。それさえどうにかなれば世間で暮らしていける…。

「あのさ、羽はしまえるの?」
「ん?できるよ」

 やっぱ言うもんだぁー!これで、俺の問題は解決された。とにかく、すごすにあたっての問題点はやっぱあとは金だろうか…。そんなこといえないよな…。

「アパもあたし以外に見えないよう姿を消したりできるし♪結構便利だよぉ〜」

 意味違うけど、確かに便利だ。問題は金なんだよ…。これ以上切り詰めたら俺はあと何日生きていられるか…ってほどでもないが、やっぱここは聞くか…だがそんなはずないしな…。

「アパ(そうだぜ。アクア、大魔王になるために人間界で魔力を高めるってのもありじゃねぇーか)」
「そうだねぇー!」
「え?何?どうした?」

 何がそうだね?…と、とにかくだ。金をどうにか…うぅ〜〜ん…いや、まて、今日は彼女とのデートも…しかもじゃなく周りにこれをどう言い訳するか…。とくに俺の部屋の隣に住む巣鴨さんのおばさんだけにはしられたくないもんだ…。
 巣鴨ヨヨ。通称うわさの発信元。彼女は今年喜寿にして光の速さよりも早くうわさをはやらす伝説のおばあさん…例え小さなうわさでもいっきに全世界へ配信してるんじゃないかと思うほどで、こんなばあさんに知られたら…。里の両親にまで知られてしまうかもしれない…というか、彼女に知られたら終焉だし…。

「アパ(おい、人間!お前の知ってる悪の心に満ちただれかをしらないか?悪魔というものは憎悪などを吸収することで魔力がアップするんだが…。アクア通訳ヨロシク)」
「タクト〜、タクトの知り合いで悪魔いるか?」
「アパ!!(悪魔じゃねーよ)」
「悪魔?って、アクアだけでしょ?」
「あ、そうだねぇー」
「アパ(や、やってらんねぇー…)」

 そう、彼女…でも良いんだ…。少し忘れて考えれば…。後で…どうにかすれば…。とにかく今はお金と巣鴨のばあさんをどうするか…。
 俺は、悩み、悩み、悩み続けるのだった。



☆第三話後編:アクアは悪魔

 あたしは、大悪魔のアクア♪今日からこの雨宮タクトの家で住むことになったけど…なんかタクトはずっとなんか考えてるし、アパはアパで落ち込んでるし今めちゃくちゃ暇してまっす!人間界は初めてだから遊ぶ場所とかしらないし…。早く案内してもらいたいのに〜〜〜!!
 
「ねぇータクト?さっきからなに悩んでるの?」
「ん?あ、アクアたちには関係ないよ、あ、安心して!」

 何かあるね♪なんだろう?一緒に住むための規則でも?悪魔だから何食べるとか?ん〜〜悩むとしたらなんだろう…。

「なぁ…アクア」
「ん?何々???」
「ちょっと聞くんだけど…お金持ってる?」
「あるよ?」

 もしかしてお金のこと!?水臭いな〜、っと思いながら私は自らのバックの中に入った通帳を見せた。

「…イチ、ジュウ、ヒャク、セン、マン…オク、チョウ、ケイ、ガイ…。な、何この額…」
「ん?あたしの貯金」
「こ、これなら億万長者!!」
「だって、20歳の頃からためてたんだもん」
「あれ…20ってそういえば今何歳?」
「え?あたしは今年でちょうど2万歳だよ?」

 レディーの歳を聞くとタクトはなんでか固まった。ついでに言うと悪魔界の平均寿命は∞。つまり悪魔に死は存在しないの。タクトはなんか驚きながらも自分の中で解釈したようで、通帳を持っていっきにどこかへ消えてしまった…。
 アパはアパでなんか言ってるし、やっぱ暇ぁ!!
 それにあたしは悪魔なのにぃー、誰にも悪夢見せてない…はぁ、いつになったら悪夢をみせる話になるのやら…。そうあたしは大悪魔アクア!!

「つまりは悪魔界って言うところだけしか使えないと?」
「そうみたぁ〜い」
「はははは…」

 タクトの言うセブンイレブンっていうコンビニとか言う場所にあるATMをやりにいって帰ってきたタクトはあたしの通帳を持ちながら、いっきに落胆するのでした!!って、なんであたしがナレーターしてるんだろう。あはは。まぁーいっか。
 大悪魔に絶対なってやるんだから!!そして、タクトは再び悩むのでした。終わり♪






☆第四話前編:アクアの朝食

 悪魔がいるのなら天使…つまり神様はこの世に存在するのか…。俺、雨宮タクトは今までの流れを読者の皆様に簡潔に説明しなければならない状況だった。とにかく早い話が、俺の家に大悪魔のアクアとキュートでラブリーなアパという黄色く丸っこい生物がすむことになったのだ。
 AM7時、朝食を取る俺とその俺を見つめるアクアとアパ。そういえば悪魔って何を食べるんだろうか…。

「アクアは何をたべるんだ?」
「あたし?あたしは〜ヒキガエルとかぁ〜トカゲとか〜イモリとか〜それでもなんとか羊も食べれるし、なんでも大丈夫!あたし好き嫌いしないほうだから!!」

 そりゃぁーヒキガエル食べれるならなんでも来いって感じだよね。なんて言うに言えないから心の中でつぶやいとこう…。というか羊はまだいいとしてもそれ以外は…。もしかして

「アパは?」

 もしかして、アパもそんなゲテモノ趣味なのか…。
「アパぁ!(俺様かぁ!俺様ぁはなぁー!)」
「アパは草で十分だよ!だって悪魔界でも草だったし」

 おぉー!まさに便利な漫画…じゃなくって物語。第一マスコットキャラの扱いが困る主人公なんて嫌だしね〜喋るのがアパとしかいえないみたいで楽なもんだ。

「へぇー食にも便利なやつだねぇ〜〜」
「アパー!!(んなわけねぇーだろう!あの時は悪魔界の魔力維持草っていう、そのまんまの効力で俺様の魔力を保つために食ってたんだよ!!誰が草なんてくぅかぁー!)」
「はい、アパのえさ。これ食べないと魔力なくなっちゃうよ〜〜」
「アパ(えさゆうなー!てかいい加減アクアは聞こえているのか!?)」

 アクアが取り出した草で良いなんて便利なマスコットキャラだ…。そんなことも思いながら朝食を作ることにした。冷蔵庫に昨日の残りの…ボイルしたウィンナーと納豆と卵があった。さて久しぶりに問題です。悪魔が食べそうなのはどれでしょうか。
 正解はわからないので早速アクアに聞いてみましょう。

「アクアぁ?ウィンナーと納豆と…」
「納豆が良い!!たしかおじいちゃんの生きてる間に絶対食べたいランキングの4位が納豆だった気がするし!!」
「な、なんだそれは…ま、まぁ良いや。じゃぁー納豆とご飯で良いな?」

 というかそれ以外納豆をどう料理すればいいっていうんだ。という自分で自分に突っ込みを最近入れ始めて気付くことがある…。相方ほしいな…(←声優志望だろうが/作者より)

「ご・は・ん?おぉー!そのごはんってのを早く作ってぇー!」
「じゃぁーちょっとそこで待ってて」

 こうして、朝食作りがはじまるのだった…
 





☆第四話後編:納豆奮闘記

 今日の納豆はカップが丸い…。そして『小粒』と書かれたビニールのふたで覆われていた。
 納豆は古来より日本伝統料理の一つである。腐った豆を食べるということはまさに食べた本人を腐った人間にするのだ…なんてことはないが、とにかく今納豆ごはん作りの火蓋が切って落とされたのだった!!!

 ふたをビリっとはがす。しかしここで力を抜いてはいけない。思いっきりやらなければ中途半端にビニールが残ってこべりっ付くのだ。だからといって力いっぱいにやるのも正解ではない。ここで重要なのは経験と勘なのだ。

「あ」

 ま、まぁー慣れててもこいうことはある…。そして次に納豆の上にかぶさるビニール…こいつは強敵で、ねばねばしこの上なくいやみなものだ。そしてここで誰かさん家の裏技を紹介しよう。まずつまんでビニールを上に上げその場で小さな円をすばやく何回も描くのだ。そうすれば…。

「あ」

 失敗は誰にでもあるもんだ。いくらネバネバしたのが手についてもそれは成功への第一歩となっていくのだ。
 …ごほん…。続きだ。そしたら今度はしょうゆとからしを入れなくてはならない…これは微妙なところで、しょうゆは人によってはこの量が妙に少なかったりもする。だが今回は悪魔に食べさせるのだからこの際気にしないで行こう…。
 しょうゆを入れるとつぎはからしだ。俺自身からしを入れて食べるのは外道だと思っているからからしは入れないことにしよう。しかぁし!ちょっと待ってほしい。からしをいれなきゃこのからしをどこで使うんだ!?からしなら別にチュ〜〜〜ブが冷蔵庫、あるいはどこかにあるはずだぁ〜!別にとっておく必要もなぁ〜〜い!ついでに言えば、これを食べるのはアクア、つまり悪魔なのだ!!悪魔は昔から辛いものが大好物なのだ!多分!20%ぐらいの確立で!っということはだ…からしはいれなければなるまぁ〜い

「いひひひひ」
「ん?タクト?何をひひひなんて笑ってるんだ〜〜?」
「い、いやなんでもないよぉー」
「変なタクト。」

 そう、悪魔なんか俺にしてみれば犬みたいなもの…つまりペット!!初期の俺では考えられない発想だ〜〜〜。つまりだ、金に巣鴨のばあさんにその他モロモロ考えていくうちに頭の回路が壊れたのだ〜〜!悩みの種をどうにかしない限り…ひひひひ。
 おぉー!納豆を忘れちまうとこだったぜベイビィー♪…って何を言っているんだ。冷静に…冷静になれ俺。負けるな俺!

「さぁー完成だ〜これが納豆だよ〜」
「わぁー…に、におうな」

 もちろん納豆はにおうもの!何か入れたりは絶対にぁ〜〜無い

「じゃ、じゃぁーだべでみぶ」

 アクアは鼻をつまみながら初めての納豆ご飯を食べ始めた。その姿は嫌々ピーマンやナスを食べる子供のように…子供のように純粋な…。
 そのとき俺は思った、悪魔も人間も変わりないんだと…今まで作ってる最中悪魔だしという偏見を持った自分はなんていやな人間なんだと…。そうだ、アクアも生きているんだ!俺と同じこの地球で生きているんだ、と。
 その時俺の目から感動の涙が…

「ま、まずいぃ〜〜〜〜」

 こぼれそうでこぼれなかった。

「どうした?」
「おじいちゃんの言った納豆まずぃー!もういらなぁい!!」
「アクア?何を言ってるんだ?」
「それに悪魔は食事なんて7日に一回でいいし!昨日食べてきたばっかりだもぉ〜ん」
「そ、そうなのか!?」

 って待てよ、なんて都合の良い、いや便利な体なんだ。つまりは一週間に一度ゲテモノあげれば良いだけのことなのか。そっか〜〜〜…ってじゃぁーこの納豆どうすんねん!!からしいれたの俺食えないよ…!?残飯!?も、もったいない…。
 そして俺はひらめいた。ペットにあげようと

「アパ!(食えるぁ!!こんなくせぇーもん!!)」
「あはは、喜んでるよ〜〜」
「アパ!!!(喜んでネェ〜〜よ!クソ人間!!近づけるなよ!無理やり食べさせようとするなぁー!その手をはなせ〜〜〜!!やめぇ〜〜〜、やめてぇ〜〜〜〜〜……)」

 その後アパは一時間ぐらいゆっくり眠っていたのだった。

「ア〜パ〜〜(も、も、も、も〜うかえりぃてぇ〜〜〜………グハッ!←吐血)」









第五話前編:時すでに遅し


「新年明けましておめでとうございます。今年からよろしくお願いします。」

 俺は新年の挨拶をアクアとアパにした。気が付けばしてなかったからだ。AM8時、そろそろ動かないと…。新年最初の日、俺はバイトを休みを入れていた。それは、彼女と遊ぶため…というか1/1は彼女の誕生日でもあった。
「誕生日おめでとう、今夜はずっと一緒にいてあげるよ」
 なんて言って!!くぅ〜〜!…ってラブラブな生活のはずだったのに…アクアのせいでいっきにやばくなりそうだ…。
 アクアは人間界のものが珍しいやすくあたりのものを物色していた。

「タクト〜これなにぃ〜〜??カチカチ音がしてるけどぉ〜〜??」

 そいうと、アクアは時計を持ち出し俺に聞いた。悪魔界には時間はないのだろうか?あれ?これは俺の予想だけど悪魔界はやっぱ一日中闇なのか???
「アクア達の世界っていっつも夜なのか?」
「そんなわけないじゃぁ〜〜〜ん」
 だよなぁー、っと俺は思いながらさっき入れたお茶を飲んで
「朝は太陽が気持ちいいんだよぉー」

 吹き出した。

「なんだって?悪魔界って夜ばっかで暗い場所じゃないの?しかも、太陽なんてあるのか?」
 そりゃそうだ。一般常識並みの話でありそうな感じでしょうが。良く考えてみろ、闇の中でしか生きられないから悪魔は夜でてきたんだろうが。
「アパアパ〜(決まってるだろう!!ネットワークとかと同じじゃボケぇー!悪魔界も人間界も同じ地球に存在する違う次元なんだよ!あぁーもぉー!俺様活躍してよぉー!てか俺の知識すごいだろう〜!!)」
 というか、アパは最初からずっと、これからもなのかアパだけでキャラはなりたっているのだろうか…。せめてアクアに理解されるぐらいいいんじゃないのか?まぁーどうでもいいけど。

「うん!だって人間界にネットワークがある感じに、悪魔界も地球にあるんだよ。次元が違うとか良く言うでしょ?そーゆー感じなのよ」
「へぇ〜〜…アクアは物知りなんだね〜〜。アパはただアパしかいえない役に立ってないけど、一応は女性支持率を上げるためのマスコットキャラでしかすぎないけど。」
「アパ!!(違げぇー!そのアクアの言葉は俺の知恵だぁー!くそぉー!俺様は女性支持率アップのために存在してるわけじゃねぇー!!!!)」
 悪魔界に太陽があるのは驚いたが…。いやまてよ、太陽があるてことはこいつらは進化した人間?いや…悪魔、っか。
「タクトぉー!!これなぁーに?」
 次にアクアが示したのは、テレビだった。そいやぁ新年の特番もやってるはずなのに俺はそんなん見るのを忘れていた。毎年恒例の『新年夜の水着ギャル〜ぽろりもあるかも〜SP』を見逃したぐらいに忙しいというか驚いていたというか…。
 そんなことを思っているとアクアがテレビの電源をつけた。そして…。
「それじゃぁー小泉さんはイラクを…」
「あぱー!(な、なんだぁ!?箱に人間がいるぞぉー!!)」
「すっごぉーい!!なにこれぇー」

 説明する前につけたアクアとアパは驚いた。なんたって箱に人間が入っているようにみえるのだから。

「なぁ〜んてねぇ〜テレビだよ〜ね?悪魔界にもあるもん♪あたし黒キッド様が大ファンなのぉー〜〜〜!」
「あぱあぱ〜(なんてなぁ!少年!!だまされただろぉー!仕返しだばきゃろぉーめぇー!)」
「…悪魔界にもあるの…?」

 なんてこったぁー!これからテレビのことをいやになるほど説明し!人間界のすばらしさを教えていこうと思ったのに!!ガッテムゥー〜〜!!!
「うん!黒キッド様って俳優でね〜!すごいかっこいいぃーの!!」
 しかも俳優ときたもんだ。一体どんなドラマとかやってるんだろうか…
「この間のミステリーのような『嫉妬の悪魔』ってのもおもしろかったんだよぉー!!だってさぁー!…」
 なぜだろう…テレビの話を俺はそれから数時間聞かされ続けた。別に興味があったわけでもない。ただ…なんで魔界に?なんて思いで聞き入っていた。そんで俺は気付いていなかったのだ。時計が12時を過ぎているのを…。





第五話後編:華麗なる悪魔


私の名は黒キッド。
悪魔界一の美男子。
悪魔達は私をこう言う…
『華麗なる悪魔』
っと。

先週から始った新作連続ドラマ
『悪魔悲恋会』
これの取材で私は悪魔デーモン一丁目に行くことになった。
そこで私は愚悪魔(ファン)どもと握手をした。
そこで私は彼女に出会った。

「…あ、あれ?君は…白マドンナちゃん?」
「…今日ここに来るって聞いて…着ちゃった…。なんてね。」

彼女の名は白マドンナ。
私の学生時代の同級生で元彼女だ。
話によるともうすでに子供もいるようだ。
でも今目の前にいる白マドンナは悲しい顔をしていた。

撮影終了し、飲みに行くことになった。
外は雨が降り出していた。
そんな私は町の中で白マドンナを見つけた。

「…何をしているのだろう」

私はちかづいた。
近づきすぎた。
見ると彼女の顔は雨で美人の顔がしわくちゃになっていた。
というかどうみても老婆じゃん。
そんな彼女は電話をしていた。

「うん。見事に黒キッドは私のとりこになったみたい。」
なんだ?一体だれと話しているのだ???
「それでね、私思ったの…このまま化粧で偽造して黒キッドと…結婚しようかなって」
はい?
「だって、彼、私にめろめろよ?白マドンナなんていう名前で整形して学生となりがんばったんだから」
うそぉー!
「あいつのじじぃーさんに復讐するため!!がんばったの!!」
なんでじいちゃん。
というか無理があるでしょう!!
「なんたって私は嫉妬の上級悪魔リヴァアタンの子供なんだから!!」
そのとき私は死んだのかもしれない。
嫉妬の上級悪魔。
そのと嫉妬心…。
愛による復讐は私の自由を奪った。

以降私は洗脳されたようにその老婆と婚約をした。
永遠の生き地獄に私ははまってしまったのだ…。

「はい!カットぉー!」
「おつかれさまぁ〜」
「おつかれぇ!いやー良かった良かったよ黒キッド!!さいこうの演技だ!!」

拍手喝さい。
収録は終了したのだった。











第六話: 男と悪魔と女と金髪



 部屋に鳴り響くインターホンの音。時計を見ると13:30になっていた。ずいぶんと長い間アクアの黒キッドさま話を聞かされたもんだ…。一瞬そのとき一瞬だけ忘れていた。彼女とのデートを…アクアがこの部屋にいることを…。

「はぁーい、いまあけま〜〜っす」
「ハロォー!」
「はいはい、ハロォー…はぼぉ〜〜ん」
 そこにいたのは紛れもなく彼女だった。ちょいまて!なんで彼女が俺んち知っているんだぁ!?そんなの教えた覚え…

過去回想〜( ̄〜 ̄〜)
「これが俺の住むとこだよ」
「そうなのぉー!?じゃぁー今度行ってもいい?」
「あぁ〜もちろんさぁ〜ハニー」
「きゃぁー!うれしぃ〜〜ダーリン」
終了(〜 ̄〜 ̄)〜

 はい!?なんじゃ今のは!!つーかなんで顔文字入ってるんだ!?てかそんなおいしい場面だったら即誘ってるって!?ちょ、ちょいまて変な過去回想はほっといて冷静になれ自分!!つまりだ、今日は彼女とデートするつもりでバイト休みにしたのに、部屋には悪魔いるし
「アパは何も食べないの?」
「アパパ!!(また変なもの食わされるより草食ってたほうがましだってのぉー!!)」
 やばいぞ…やばいぞ!!ピンチじゃないかぁー!!

「…や、やぁ…」
「てへへ、着ちゃった」
 な、なんてここで良いせりふをつかうんだ〜〜(涙)俺にどうしろと?これ以上先に進んだ時点で、アクアの姿は見れちまうし…だからって彼女…つまりは目の前にいる、瀬田縷々(せたるる)を追い返すわけにも行かないし…。
 正直、このまま中に入れて全てを話し納得してくれるとは思えないし…。いや、彼女を信じてないわけじゃない。ただ…ただ俺は!!ハッピーライフを楽しみたいだけなのだ〜〜!!…。 
「おい、縷々何故止まるのだ?早く入らないと私が風邪を引いてしまうであろう?」
「そうだったね!ねぇー!入っても良い??タクト君?」
 え…ちょっと待って…説明何もなしでなんだ?このるるの後ろにいる白服に金髪の超が無限に付きそうなイケメンは!?
「タクトォ〜!これなにぃー!!!」
 困惑する俺。そしてついに現れたアクア。そして彼女と鉢合わせ…しかも謎の男…

「あれ?これだれだぁ?タクト?」
「わぁー!かわいい娘!…ってあれ?誰?タクト君??この人は?」

 最悪のアクアと縷々の鉢合わせ。

「おい、いい加減中に入れてくれ。私が風邪を引いてしまうではないか?そこの男、早く我々を入れさせたまえ。」

 謎の男登場。しかもなんか口調が頭にくる…。

「あぁーもぉー!こいつは誰で!この状況をどうすればいいんだぁー!!!」

 あまりのことで思いは言葉となって発していたのだった。








第六話 後編: 天使のメール



 天使のメールが届いたのは1/1の午前0時。

送信者:不明
件名:なし
本文:私は天使だ。助けてほしいなら返信してみたまえ。

 わけもわからず面白がって返信してみたあたしの前には今自称天使がいた。白い翼を羽ばたかせ、ついでに長くもない金髪をなびかせたその男は超がどれくらいつくかわからないほどのイケメンだった。

 私の名前は瀬田ルル。でも外見は縷々。何言ってんの?って感じでしょうが、私は一人の体に二つの人格が存在する二重人格。しかも二つの人格は互いにちゃんと存在していてまるっきりってわけでもないけどかなり違う人間。虐待とかそういうわけでもないが何故だか二人存在しているのだ。
 それでも縷々はとんでもなく天然だった。だから今こいつはとんでもなくダサい男と付き合っている。私の人格が出て違う男と付き合おうとするとそれを頭の中で阻止しようとするのだ。そんな一途な縷々を見て私は何故だか誰とも付き合わないようにした。
 そんな恋を忘れた私ではあったが…。

(ちょっと!縷々!!何ナノ!!このイケメンはぁー!!)
(ほえぇ???よくわからないよぉー)
(もしかしてさっきの天使のメールとか!?まさか天使!?)
(ちょっとチェンジしなさい!!)
(えぇ!?)
 頭の中でのバトルを制したの私だった。つまりはこの瞬間から体は私瀬田ルルのものになったのだ。
「あ、あのぉ…お聞きしますがぁ〜あなたは…そのぉー、天使様ですかぁ〜?」
「いかにも私は天使だ。」
(んなあほな!?マジかよ!?)
(ルルゥもっと言葉使い気をつけなよぉー)
(うるさいわねぇーあんたは!)
 …?あぁ、今あたしがナレーターなのかぁ。その天使っていってる男の人は、何を思ったかルルの手をいきなり握ったのです!…って!せくはらですぅー!!

「私は見習いの天使だ。今度地球とか言う場所で修行しろといわれ父上からメールを人間界に送られ返信したものの場所で精進するべしといわれたのだ。これからよろしくおねがいされよう。」
「…。あ、あぁー!うぅん、うんうん!!ヨロシクね!!天使の…」
「ゼフィル」
「ゼフィル!」
「ゼフィル様」
「はい?」
「ゼフィル様。私はこう呼ばれておるのだ。おぬしも早くそう呼べ。」
「はぃぃー!?」
 どうでもいいけどこの天使さんはずうずうしいというかなんというか、とにかくこの天使さんはずかずかと私の部屋に入ってきた。タクト君も入れたことないのにぃー。

 そんなこんなでルルは質問攻めになっています。

「ここは地球のどこなのだ?君はだれだ?何だこの部屋は、もっと高級な部屋に移動してもらえぬか?まさかこんなぼろい部屋だけはないだろう?高級料理を早く振舞え、早く私の肩をもめ」
 なんとも言えないしつもんばっかりですぅー!しかもドンドン質問じゃなく要求になってます!!

 それから五時間もの時間がたった。私は面倒になったんでとっくの前に縷々と入れ替わった。

(ひどいよぉー!!)
(あんたが弱いからわるいのよぉ〜〜)

 せっかくのイケメンだったが性格上却下。しかも五時間もの間こいつは延々と自慢話となんでここに着たかを喋り続けていた。
 簡単に言うと、父親が人間界で修行しろって言ったから、この次元の入り口であるネットワークからメールを使いそこにゲートを開きやってきたという。ついでにここでの修行は、人を幸せにすることだと…こいつが…ねぇー。
 ついでになんでかそんな御伽噺みたいな話を聞いた縷々はさっきまでの怒りは消えいつまにか強力するなんて言いだしたし…私の出番はもうないのかなぁー…。

 っとまぁー、そして今に至る。というかタクトの部屋にいるこの女はなんなんだ?ついでになんで縷々はゼフィルをつれてきたんだよ…。
 そんなわけで妙な空気は以前続いているのだった。








第七話前編 ライバル? 

 現状を話すと、今なぜか俺の部屋でお茶をみんなして飲んでいる。
「っで?これが…天使?」
「そうだ。私は天使だ、何か文句があるかね?不男」
 ぶ、ぶおとこ!?…こ、これでも結構かっこいいと評判だった俺に…ぶおとこ!!それが天使のげんどぉーかぁごらぁー!!
「へぇー、これが悪魔なのぉ〜〜?」
「そうだよ!あたしは、大悪魔アクア!!ヨロシクね!縷々」
「うん!よろしくぅー!」
 なんだかんだ言って、あの緊迫状態をどうにかしたのはアクアだった。

「ねぇー!もしかして人間の女の子!?ねぇーねぇー!この世界の女の子の子と教えてよぉー!!タクトとは知り合いなの!?ねぇー!」

 アクアのその言葉により、俺の部屋に入った縷々と天使とかいう奴…。説明なしでいきなり
「私は天使、ゼフィル様だ。よろしくな」
 なんていきなり言いだし、アパはアパで
「アパパぁぁ!!(くそぉー!にっくき天使族がぁー!我々悪魔界を勝手に闇と決め付け、正義面しやがって〜〜!!ここであったが10000000000000000年目(100京)!!積年のうらみはらしてやろぉーぞぉー!!!!!)」
 っと、なんかいきなり騒ぎ出すのでややっこしくならぬよう押入れに待機
「あぱ〜〜〜〜(んなあほなぁーーー、だせぇー!!)」
 そして俺は、ここまでのいきさつを誰でも簡単お手軽三分間クッキング並な説明をした。そうすると縷々は目を昔の少女アニメのごとく輝かせ、こう言った。
「すっごぉー!私天使と悪魔とお友達になっちゃった〜〜〜!!」
 当初の目的は忘れ(デート)縷々はアクアと意気投合した。そんなアクアと縷々はどんどん話が盛り上がっていた。そして残った俺の前には白で固めた服に金髪を短いのになびかせ、超が無限につきそうなぐらいのイケメンが座っていた。

「おい、不男、これはなんだ?」
「へ?あ、お、お茶だけど?」
「お茶…これは、人間にはかかせないものか?」
「さぁー」
「はっきりしろ!私が聞いているのだ!簡潔に答えたまえ!!」
「…」
 なんなんだよ、こいつはよぉー…。隣を見ればアクアと縷々のなんともいえない微笑ましき光景。目の前の奴がいなければ三人でも…なんて、何を考えているのだ俺はぁー〜〜!でもまぁーアクアとは一緒にこれから住むんだし、きっと機会はあるはず!!がんばろう、俺!!!!!え?

 ちょっとまてぇー、気付いてみればこいつは天使とか言ったよな?今更悪魔もいるんだし否定はしないどいてやるが…というわけはだ!縷々の部屋に…
「同居だと〜〜〜!!!!!」
 
 再び思いは言葉に代わった。叫び続ける俺に明日は存在するのか!?悪魔のアクア、天使のゼフィル、彼女の縷々、マスコットキャラのアパ、そして主人公の俺の新生活はまだまだ始ったばかりなのだった。





第七話 天使

 悪魔という言葉を人々は闇の存在と思うだろう。
 天使という言葉を人々は光の存在と思うだろう。
 この世に生まれながらつけられたその固定概念は、後に悲惨な世界を見せることになる。
「大天使ミカエル。今日はどのようなご用件で?」
「うむ。われの息子ゼフィルも人間界へ向かった。寂しくなるな、と思い貴公を呼んだのだ。神の炎を持つ厳格な天使、大天使ラファエル」
「そうですか、ところで私の名前はガブリエルですぞ。大天使の指導者、人気ナンバー1のミカエル」

 ここで話している二人は天使界でもものすごい地位の二人だった。全身白で覆われた体に白い翼そして金髪を持つ二人の天使の顔はものすごく安らかな顔をしていた。
 どうやらゼフィルの父親はミカエルの息子のようだ。

「では、ミカエル、人間界に行ったゼフィルのことが心配であろう」
 ガブリエルはミカエルに優しく微笑み声をかける。
 シズカな時の流れ。
 そんなミカエルも優しく微笑み言葉を返す。

「あぁ。早く人間界をぶっつぶしてくれればいいなぁ〜」

 二人はいつまでも優しく微笑んでいるのでした。
 




第八話前編 男は二人 



「なんだ不男、いきなり騒ぎおって」
「認めない、認めないからな!!おまえと縷々との同居!!」
「何を言っておる。あやつは私の下僕とかすのだ。何せ私の下僕となればさぞうれしかろう」
 何を言いだすかこいつわ〜〜!!俺は縷々に問い詰めた
「縷々。俺とこいつどっちを取る」
「へ?取るって?」
 だめだ…縷々にはそーいうのはだめだぁ〜〜…純粋だもんな…。とにかくこれじゃぁー縷々の身が心配だし…どうすればいいのやら…。いやまて、アクアと似非天使を交換…いや、それじゃぁー俺の身が持たない…。かといってこのまま…。
 そうだ!
「似非天使!!おまえ、人を幸せにするためにきたんだよなぁ!」
「似非とは失礼だぞ。不細工。でもその通りだ」
 ぶ、ぶさいくだとぉー!?…いい、ここは落ち着け…。冷静に考えれば簡単だ。こいつを追い出す方法など…。
「俺がおまえに真の幸せをおしえてやるぅー!」

 こうして俺はアクアと縷々とは別にこの似非天使と行動するのだった。


第八話後編 幸せその1

「ここは…人間界の街か…」
「てか、おまえ羽しまえないのか…」
「不細工、この私をなんだと思っている。」
 似非天使
「特と見るが良い!」
 いや早くしまえって
「この羽を!!」
 いや、もう見飽きました
「華麗に優雅に!!これをしまうなど、不可能!!」
 つかえねぇー!
「私のこの姿に美女はメロメロなのだよ。まぁー不細工がとなりにいて私の高感度を-200しようと」
 おれはそんなに不細工か
「足してみれば無量大数!」
 よくそんな単位を知っているな…
「安心して行くが良い」
 いや、だからしまえってば…。つくづく使えないキャラだなこいつは…。とにかく俺はこいつに人間の幸せを教えることにした。

「おい、似非天使」
「さっきから…私はゼフィル、ゼフィル様だ!」
「似非天使、よく見ろよ。あの鉄橋を登ろうとしているおじいさん。あのおじいさんの荷物の量…あれではお年寄りには大変だ」
「き、貴様!私を無視しているのかヵ!?…だ、だが確かにあれは大変だな…」
「そこでだ、あのおじいさんを幸せにする方法を教えてやろう」
「あまく見られたものだな…。私に不細工が教えるだと?1000億光年早い!!こうすればいい!!」
「なに!?」
 そいうと、似非天使はその荷物を指先からいきなり出てきた光でかき消した。…っておいおい
「何してるんだよ!!」
「あの荷物が邪魔なのだ。これでよい」
「いいわけねぇーだろう!!」
 だめだ…こいつにはもっと基礎から教えなければ…。こうしてなんでか俺と似非天使の幸せ運動は始るのだった…
 本当にこいつは大丈夫なのか…。



 

第九話前編 なんでもかんでも消せば良い

「なんだと」
 ゼフィルが今言った俺の言葉に疑問を感じていた。俺が何を言ったかというと
「良いか、良く聞けよ。似非天使が俺たちにどうやっても人間を幸せにすることはできないんだよ。」
 そう、今の段階でこいつに人間の幸せは絶対!理解できない。だれがみてもそうだ…。というかなんで俺がこいつと…。とにかくだ、基本を教えなければ…世界が崩壊しそうだ…。
「まずは、この電車に乗る!!」
「電車…良いだろう」
 っというわけで、俺たちは電車に乗った。とくに当てなくただ乗り続ければ必ずこの場所ではだれかが困るはず…そうたとえばあの老人のように…
「あそこの老人を見てどう思う」
「興味ない」
「そうじゃねぇーっての!あそで立ってるのに目の前の若者は席を譲らない!それを見てどうだって聞いてるんだよ!」
 まったく物分りの悪いやつめ…。とにかくここは老人を座らすこと!それができきゃこいつには無理だ…。
「老人…か…。ふむ、あの目の前が邪魔だな」
 お?座らす方向なのか!?
「邪魔者は消すか」
「はい?」
 というと、さきほど老人の荷物を燃やした光が老人の目の前の高校生ぐらいでガヤガヤ騒いでいた奴らを消し去ったのだ…
「ちょ、ちょっとまてぇー!似非天使!!何を思ってそんなことしたんだよぉー!!!」
「老人の顔色が優れぬ…つまりは目の前の汚い顔を見続けたためだろう…だから消し去ったのだ。」
 ・・・おい
「…おまえ…あきらめろ…お前じゃ無理だ。絶対」
「なんだと!?何を言うかどこが違うのだ!!」
 俺はこの似非天使にどうしたらいいのか教えてやった。まったくホント世話のかかるやつだ…っていうかむしろなんでこんな奴が人間を幸せにできるのだ!?どう考えても無理だって。
「…だからどうした。」
「は?」
「見ろ!老人は座ってほっとしているではないか!!」
 っちょっと待てぇー!さっきの消えた奴は無視ですか!?しかもほんとに老人座れて幸せそうな顔してるし、さわやかな笑顔だし!!
 結果よければこんなんでいいのかぁ〜〜〜!?


第九話後編 幸せ

 その後、電話をかける高校生、他人の迷惑を考えないおばはんと色々な問題がでたが奴は消していった…しかもその周りには幸せそうな笑顔を作るひとばっかり…。っていうか消えた人はどこにいったかさえ気にされてねぇーよ…。
「これでどうだ…。」
「良いわけ…良いわけ…良いわけねぇーよぉ〜〜〜〜〜」
 俺の声はコダマする。コダマしてもすぐに街の中の人々のせいで声はかき消される…。なんて俺はちっぽけなんだろうか…。いや違う。そんなことどうでもいい!ここまで消えた奴はどうなってんだ!?
 そんなこんなで、俺たちは鉄橋の上にいた。
「心地よい風だ。」
「だなぁ〜」
「そうだ、不男」
「なんだ似非天使ぃ〜」
「さきほど父上からテレパシーによる交信が来てな」
「もうなんでもありなんだねぇ〜」
「この地球の最高の幸せを見つけたとのコトで父上たちが来るようだ」
「へぇ〜〜、で?」
「全人類に神を見せることだそうだ」
「それって何するの〜〜?」
 やる気なしの俺にはどうでも良い話…だった。でも…それはつまりは…たちってことは…天使が…しかもこいつのような天使がもっと来る…ってことですか…そうですか…。
 だから何?ということで今日は家に帰るのだった。

――天使界――
「ではラファエル。我々はそろそろ行こうではないか。人間界へ」
「えぇ。ですが私の名前はガブリエルですぞ。」
 二人の天使は微笑んでいた。その手には紙が握られている。そして紙には『地球侵略計画』と書かれていたのだが…タクトどころか人間界のだれもがそんな危機がせまっているのをしらないのであった。





第十話 地球侵略計画

 家に向かうために歩いていた俺の知らない場所でそれはすでに動いていた。

「ラファエル、準備は整ったぞ」
 笑顔のミカエルの周りには、大量の天使兵がいた。そして笑顔の耐えない彼らは笑顔のまま
「えいえい、おぉー!」
 なんていうから、周りからみればさわやかな笑顔でこんなんやるから爆笑ものだった。ちょび髭のやつなんてものすごく…

「ミカエル様…いい加減に覚えてください私は…」
 そんなこんなでお約束もして、異世界への入り口へやってくる…。そして
「門番入り口の準備はできていおるか?」
 これまた笑顔で言う。門番の顔はごっつい顔でゴブリンのような顔だったが不気味な笑顔を浮かべ
「はい」
 なんていうからこれまた爆笑ものである。そんな爆笑モノを普通に笑顔で
「よし」
 なんていうからなんなんだろうと思う。といかく彼らの地球侵略は動き始めた。ラファエルとミカエルが先頭を進む。一人ぐらいしか入れないスペースに大量の天使軍団が押しよせる。しかしやはり詰まった。
「こらこら、オスでない」
 なんてまたまた笑顔で言うんだから爆笑ものだ。上下左右どこを見ても笑顔で叫び続ける天使たち、なんとか入るがすごいギュウギュウ詰め。そして移転スイッチを押した門番は
「いってらっしゃいませ」
 んあんてゴブリン笑顔を見せるが
「間違えた」
 なんて言って悪魔界に間違えて送ってしまった。しかし笑顔ですみせんなんていうから反省の色はなく。ついでにだれもその場にはいなくなった。
 天使界第三番地区、首領ミカエル。第五番地区、首領ガブリエルの場所はゴブリン笑顔の奴によって破壊されたのだった。

「だって俺本物のゴブリンだもん」
 なんて言いながら懇望振り回しなぜか笑顔で建物を壊していた。ついでに言えば逃げ惑う天使たちはみな笑顔で
「やめてぇ〜」
「きゃぁ〜〜」
 なんて言ってるから喜んでいるようにも見えたのだった。

 天使地球侵略計画…失敗


※続きま〜〜〜すお楽しみに!!




2004/05/01(Sat)09:08:49 公開 / 白い悪魔
■この作品の著作権は白い悪魔さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
主人公=タクト 大悪魔=アクア 天使=ゼフィル 彼女=縷々(ルル) マスコットキャラ=アパ 出演中♪

あわれ天使たち!?でもでもまだまだ続きます〜〜〜!


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