『小さな一日の大きな出来事』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:投稿者B                

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今日も時は過ぎていく、ぼくはそんな自分が嫌いだ。
人生の中で一日なんて、ほんの小さな時間に過ぎない、ぼくはそう思うと、頑張るなんてばかばかしく感じる。
けど、頑張れる自信がないから頑張れないのかもしれない、そんな僕を変えた出来事がある。
今日は、小さな一日の大きな出来事を話そうと思う。


ここは小さな島の小さな村の小さな学校の教室、ぼくは中学三年生、受験生なんだけど、なんだか同じ毎日が嫌で授業中も窓の外ばかり見ている。
そんなぼくって特別なのかなぁ、毎日僕はそんなことを考える、今日が始まり、今日が終わる。
受験でぼくが落ちたら、ぼくには大変なことだけど、みんなにとったら、さほど凄い事じゃない、逆にぼくにとって、みんなが落ちても「ふ〜ん、そうなんだ」で終わってしまうだろう。
そう考えると、なんだか馬鹿らしくなる。
今日もそんなことを考えていたら学校も終わってしっまった、そんな日の帰り道に公園で一人の6歳くらいの女の子が泣いていた。
どうせこんなの助けても意味がないと思いつつも、話しかける自分。
「どうしたの?」
「……あのねっ、大切な小瓶をなくしちちゃったの」
やっかいなことに手を出した、ただの迷子だと思ったのに。
「…何処でなくしたの?」
「……それがねっ、わからないの」
その女の子の話を聞いたら、大切な人に貰った、小瓶をこの公園に来る途中になくしたらしい、僕はその女の子の来た道をたどることにした。
しかし、その女の子の家を訪ねても、名前を聞いても、答えてくれなかった、ホントは迷子何じゃないのかと思う。
最初の頃は人見知りしていた、女の子もなれてきて、手をつないでくれた、これがかなり嬉しかった。
ぼくは最初の頃はやっかいごとだと思っていたけど、なんだか妹ができたみたいでうれしかったって言うのが正直な感想だ。
けど、その小瓶は夕方になっても見つからなかった。
「ねえ、ホントにこの道を来たの?」
「うん、きたよっ」
今まで探してきた道のりを歩くのには一時間小はかかる、そんなにあるいてこの子はなにをしてたんだろう?
しかし、無情にも時間は過ぎていく、あたりを見回したらもう真っ暗だった、今の時間に探しても無駄だろう。
「ごめんね、もうあきらめよ?」
女の子にそう言うと泣きそうになる、さすがにここで泣かれては困る。
「明日は土曜日だし、明日もまた探してあげるよ」
とっさに出た言葉がこれだ。
「ほんとっ?」
「あっ、うん、ホントだよ」
とっさにいってしっまった言葉で明日もつきあうことになった。
厄介ごとが増えた、と言う気持ちと少し嬉しい気持ち、無駄な時間だったけど、僕は結構楽しかった。
そして、女の子に笑ってバイバイを言って家に帰ることにした家に帰ることにした。
家に着く、「ただいま」、かえってくるはずのない「おかえり」それが我が家の常識だ、なぜかというと僕の家は父子家庭だからだ、父親は休日しか家に帰って来ない。
だからもう、「おかえり」は期待しなかった。
制服から私服に着替えると、晩飯を買いにコンビニにいく、コンビニに行く途中公園を通りすぎようとした時だった。
公園のベンチで一人寒そうにうずくまる、一人の女の子が見えた、一瞬我が目を疑った、しかし、次の瞬間にはかけだしていた。
「お〜い、何しているんだ!」
やっぱり家出だったのだろうか?
「家は?」
しかし、女の子は答えてくれない。
「じゃあ、お兄ちゃんの家に来るか?」
ぼくの率直な意見だった、ぼくは女の子を自分の家に招いた。
よくよく考えたら、晩飯を買いにいったのに帰ってきてどうするんだ、女の子を家に待たせて、走って晩飯を買いに行った。
いそいで、来たのでぼくはコンビニに着いた頃には汗をかいていた、あの女の子の好きそうな物を選んで、駆け足でコンビニを後にした。
家を出て十分たたないうちに家に帰ってきた、僕は何を焦っていたんだろう?家に帰ってそう思う。
「ただいま」
もう期待してないはずなのに言ってしまった。
「おかえり」
かえってこないと思ってた「おかえり」がかえってきた、それはかなり予想外だった。
「おかえり、おにいちゃん」
そうだ、この子を待たしていたんだ、今頃気がついた、「ただいま」なぜかまた言ってしまった、嬉しかったのだろうか?自分に質問する。
「おかえり」とまたいってくれた、涙が頬を滴り落ちるのが解った、何年ぶりだろう?いやっ、生まれてから一度も言われてない気がする、悲しくないのに、涙が次から次へと落ちる、でも女の子はまた、優しく頭をなでてくれた、この女の子には僕が泣いてる意味がわかっているんだろうか?
しかし、ぼくが泣きやむまで女の子は何分も何時間も優しくなでてくれた。

次の日の朝

朝の九時くらい、いつもより早めに起きた。
女の子は客間で寝かせていた、小さいとはいえ女の子と一緒に寝るのはやはり恥ずかしい。
昼ご飯を食べたら探しに行くことにした、今日は昨日と同じ道を行くのではなく、逆の道の海岸線の方に行くことにした。
海岸を一時間ほど歩いていくと、女の子がすこしつかれたみたいだ、そこで、ぼくはおんぶすることにしたにした。
浜辺を数分間歩くと、青く光る何かが見えた、いそいで駆け寄るとそこには15センチくらいの青く綺麗な瓶があった。
「おーい、あったぞー」
しかし、女の子の重みは消えていた、それで辺りを見回しても、女の子の影はない。
「はっ、ははっ…うそだろ?」
しかし無情にも波の音しかきこえない、そして、ぼくは無我夢中で探し回った、今日来た道、昨日行った道、思うとこすべて行った。
しかし、何処にもいない、気がつけばもう8時だったあと行ってない場所、一つ思い当たるところがあった。
そこに着いたそう、あの公園、最初に会った場所、しかしそこにもいなかった、…ぼくは家に戻った。
「ただいま」
「おかえり」
えっ?今「おかえり」っていった?急いで家にあがると、そこには父親が居た。
「なんだ、父さんか」
声にならないほど小さい声で言った。
「何だとは何だせっかく帰ってきたのに…ん?おまえ、それを何処で」
いきなり父さんが言った。
「えっ?」
最初は何のことか解らなかった、父さんが指さした先にはあの海岸で拾った小瓶があった。
「この瓶?拾ったんだ」
父さんは何かおどおどしている。
「その瓶の持ち主を知ってるか?」
「えっ?」
「持ち主って言ったら、あの女の子じゃないのか?」
なぜかくちごもる父さん。
「えっ、だれのなの?」
父さんが重い口を開いた。
「それは、おまえの妹のだ」
頭の中が真っ白になるのがわかる、あのこがぼくのいもうと?
「はっ?おれの…いもうと?」
「………」
「嘘だよね、ねっ、」
「……」
「ほら、うそって言ってよ」
「…」
「嘘って言えよ!!」
泣きながら言った。
「父さんはそんなこと一度も言ったことないじゃないか!」
「…」
「で?どうしてるんだ、女の子は?」
「………死んだよ、だいぶ前に、交通事故で」
「…うそっ…だろ?」

それから父さんは全て話してくれた。
あの女の子は僕の本当の妹で僕とあの子は一つ違いだったけどあの子が6歳の時に交通事故で…。
なぜ僕は知らないのかというと僕が二歳の時に離婚して僕が父さんの方へ行って、あの子は母親に引き取られた、だから実際に一緒に居たのは1年しかない。
あと、あの小瓶は僕が2歳の時に大事にしていた小瓶を別れるときにプレゼントしたものらしい。

それからぼくはあの子の墓に行った、そのときもぼくは泣いたが誰も頭をなでてくれなかった。
たぶん、あのときあの女の子が探していたのはぼくだろう会いたかった、ひとに会えて、成仏したと信じたい。
それからの僕は全てに関して頑張ることは怠らない、きっとあの子は僕が頑張らないから来てくれたんだと思うそんなあの子を悲しませたくないから。


人生で見たら小さな一日、だけど僕にしたら大きな大きな出来事でした。

2004/01/05(Mon)11:32:28 公開 / 投稿者B
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