『タイムリミット〜番外編〜』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:紫陽花                

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 冷たい風が頬にふきつける中、俺の心は沈んでいた。まるで、自分の心がここにないようだった。俺は自分の部屋に行くと思いっきり泣いた。今までおさえていた感情があふれてきた。きのう彼女が死んだ。遊園地で急に倒れ、原因不明の死・・・そう診断されて終わった。きのうまでおさえていた涙が次から次へとあふれてくる。
 あれから、1週間俺の心は沈んだままだった。ふと、顔をあげると机の上に遊園地でもらった。彼女からのプレゼントがあった。まだ、包みも開けていない状態・・・。俺は無造作に置いていたプレゼントを開けた。そこには、俺と彼女の思い出のつまったアルバムだった。
「あ、これ初デートのじゃん。あぁ、俺変な顔だなぁ。」
俺は最後のページを開くとそこに1つの封筒がはいっていた。
「なんだこれ?」
開けてみるとたくさんの便せんがはいっていた。そこにはたくさんの思い出がかかれている。そして、最後の便せん・・・
 
 純、この名前ももう呼べなくなるね。私が急に倒れて驚いたでしょ。自分では、わかってたんだ。命はもうないって・・・。純には最後の最後まで迷惑かけたね。でも、最後のデートは遊園地に行けてよかった。だって、最初と最後は同じ場所にしたかったんだ。
 純がこれを読んでるときには、もう私はここにいないはず。純、泣かないでね。純には幸せになってほしいから。今までの純でいてね。それが、わたしからの最後のわがままです。
 アルバムは大切にとっといてね。じゃぁね&ありがとう 
                                由衣
 
 俺の頬に涙が流れていた。でも、泣くのは今日で最後だと思う。明日からは思いっきり笑える気がする。俺も言いたかったな・・・、由衣にありがとう・・・って。
  


2003/12/25(Thu)16:39:28 公開 / 紫陽花
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■作者からのメッセージ
番外編なので少し短い話になっています。
元の話を知らない人はタイムリミットも読んでみて下さい。
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