『The Unforgiven』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:クレイドル                

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 俺達は、新天地を求め、海を渡り、ある大陸についた。
 大陸の住民達は、俺達を歓迎し、受け入れてくれた。すべての始まりを感じさせる、記念すべき第一歩だった。
 言葉こそ通じなかったが、すぐに分かり合うことができた。意志の疎通という奴なのだろうか。
 そして、俺達と彼等との共同生活が始まった。お互い、初めて経験することが多かった。馴染めない物もあったが、それは、お互い様だ。カルチャーショックをお互い楽しんでいた。
 異文化によるコミュニケーション。。。お互い気があえば、、楽しい物なのかもしれない。。
 やがて、俺達はここに家族や仲間を呼び、本格的な生活を始めた。彼等は喜んで受け入れた。
 彼等との共同生活が続く中、つまらない争いもあったが、仲直りは早かった。昨日、喧嘩していた者同士が、明日には友達になっている。そんな感じだった。
 だだ、お互いを良くないと思っていた者もいたかもしれない。。。当たり前だ、肌の色も、言葉も、生活習慣も、文化も、、、全てが違うのだから、お互いが人間であることを、除いて。。。
 しかし、そんな事を考えてる連中なんて、物の数ではない。。。誰もがそう思っていた。。。今の段階では。。。
 やがて、お互いの血が交じり合う時を迎えた。歴史的な一瞬を誰もが祝福した。そう、まるで新しい時代の幕開けのような。。。美しいひと時であり、多くの者が、愛を語った。
 楽しい日々の連続だったのかもしれない。新しい土地を開拓していく事の喜びを、お互いで分かち合った日々。素晴らしい日々だった。
 誰もが、汗水垂らして、働くことに喜びを感じていた。
 しかし、そんな日々もいつまでは、続かなかった。突然、この大陸に疫病が流行り出した。疫病は瞬く間に広がり、彼等は次々と倒れていった。我々は必死になって、彼等の看病をしたが、犠牲者は増える一方だった。やがて、彼等は神に祈りを捧げ始めたが、効果はなかった。又一人、又一人と誰かが、死んでいく。やってられない日々が続いた。
 そんな日々が続く中、彼等の中で、俺達に敵意を抱く者達が現れた。今、考えてみれば、当然のことだったのかもしれない。我々だけは、その疫病に冒されていなかったのだから。。。何故だ、それも今になって分かったことだが、俺達が持ち込んだ、病原菌によるものだ。俺達には、免疫があっても、彼等には免疫がなかった。ただ、それだけのことだった。
 しかし、彼等にそれを理解させることなど、当時の俺達には不可能だった。彼等は、俺達に敵意を抱く者に先導された。これは、「神の怒り」だと。。。
 他の血と交わった事に対する、神の怒りであると。。。
 彼等は、手に武器を握り、俺達を襲撃した。何て単純なんだ。話し合うということを、忘れてしまった彼等は、止まることを忘れた。
 俺達の仲間がやられた。俺達の中から、犠牲者がでた。
 俺達だって、命は欲しい。。当然のことだ。俺達も武器を手に取った。そして、反撃を開始した。
 俺達の近代的な武器と戦法は、あっという間に彼等を鎮圧した。原始的な武器と戦い方しか、知らない彼等を倒すことなど簡単なことだ。。
 彼等は、二度と俺達に手をあげたりしないと誓ったものの、俺達は信用できなかった。彼等に対する監視を、続けることにした。不信な動きをした者については、情け容赦なく抹殺した。
 やがて、俺達と彼等の間には、透明な壁ができた。決して破壊されることのない壁が出来た。そして、俺達の行いは、監視から支配へと変わって行った。
 支配。。。そう、いつのまにか俺達は、彼等を支配するようになっていた。彼等を奴隷のように扱うようになっていた。彼等は、俺達の言いなりだった。もはや、俺達に逆らうことはありえない。この大陸に初めて、社会という物が誕生した瞬間だった。そう、支配する者とされる者。。身分の誕生だ。そして、身分の階層が出来上がれば、社会の構造は一気に近代化していく。支配している俺達が、近代社会で育った人間だからだ。おそらくこの大陸は、これから大きな成長を遂げるに違いない。そう、近代社会が生み出すもの、それは、巨大な富だ。。。
 今、俺達は汗水垂らして働くことを、すっかり止めてしまった。それは、彼等やることだからだ。俺達は彼等を監視し、彼等が生産した物を盗んでいればいいだけだ。
 やがて、彼等は呪いの石版に、間違いなく刻むだろう。俺達の名前を、俺達の子供達を、そして、俺達の末裔も……許されざる者として。。



2003/11/30(Sun)19:39:47 公開 / クレイドル
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■作者からのメッセージ
 2作目の投稿です。
 実は、同タイトルの映画を見た時、主人公のかっこよさに感動しました。このタイトルを使って、違うスケールで物語が書けないかと思い、書いてみました。
 皆さん、よろしくお願いします。

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