『鏡と隣り合わせ  −序章ー』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:みーな                

123456789101112131415161718192021222324252627282930313233343536373839404142

「行ってきます。」
そう元気よく言って家を飛び出した少女の名前は、近藤ありさ。
長い茶髪の髪の、高校一年生。

でも、見た目は普通の女の子なのに、普通の人とはちょっと違う。
それは、人と会っても、表情を一つも変えないこと。

   ありさはポーカーフェイスだった。


学校の門をくぐるときも、『無表情』で、過ぎ去るありさ。
みんながありさの方を向く。

「見てみて・・・表情一つ変えないなんて。」
     「ロボット?!」   「おかしいわ。」

皆が、小さな声でつぶやく。
ありさは、そんなのは、慣れっこだった。

中学三年生のときからそうだ。
いつも、「顔色一つ変えないロボット娘」と呼ばれていたのだから。
ありさは、別に気にしてはいなかったが。

HRが始まった。
「えー、今日は、転校生を紹介する。おーい、来なさい。」
ガラリと教室の戸を開けて入ってきた少年に、ありさは驚いた。
もちろん、内心だが。

その少年は、顔が、ありさそっくりなのだ。
いや、そのものと言ったほうが正しいかもしれない。
どちらかというと・・・「女顔」の少年だ。
髪型や、髪の色、背丈、服装などは似ていないが。

「えー、佐々木景一君だ。仲良くしなさい。」
何々?佐々木・・・ささき・・・佐々木けーいち・・佐々木・・・。
あー転校生なんて、面倒くさいな。

ありさは、内心そんなことを思い始めていた。
「佐々木は、近藤の隣だ。」
「はい。」
少年は、ありさの隣の席に着いた。
「よろしくね、近藤さん。」
ありさは、こちらに、満面の笑顔を見せてくる、景一に、むっとしたのか、
「よろしく・・・。」
と、怒ったように振舞った。

少年の声は、まるで、幼き日のありさの声のように透き通っていた。


「私、鏡と隣り合わせみたい・・・。」
授業中、ありさはそんなことをつぶやいていた・・・。

2003/11/09(Sun)20:42:20 公開 / みーな
■この作品の著作権はみーなさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
これ、漫画にしようかと考えていた私でした!
鏡と隣り合わせスタート!

このお話は、「鏡」が重要なキーワードになりますので、そこらへん、えーと鏡鏡・・と覚えていたほうが楽かと。(後のほうで使う予定なので。
では、改めてヨロシクです!

作品の感想については、登竜門:通常版(横書き)をご利用ください。
等幅フォント『ヒラギノ明朝体4等幅』かMS Office系『HGS明朝E』、Winデフォ『MS 明朝』で42文字折り返しの『文庫本的読書モード』。
CSS3により、MSIEとWebKit/Blink(Google Chrome系)ブラウザに対応(2013/11/25)。
MSIEではフォントサイズによってアンチエイリアス掛かるので、「拡大」して見ると読みやすいかも。
2020/03/28:Androidスマホにも対応。Noto Serif JPで表示します。