『 Princes’ heart 〜さばいぶ☆OF☆ごーすとたうん〜』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:raiu                

123456789101112131415161718192021222324252627282930313233343536373839404142
夕日が沈みゆく中、ぼくはガニメドにつれられて、そのゴーストタウンについた・・・。
「きょうはとりあえずあしょこの食堂で夕飯をすましましょう!」
なんか体が異様に重い・・・、ガニメドがいうには魔法をつかったせいだと言うが腰がイタいのは地獄に落ちたときの衝撃だとおもう。
「・・・・・・・。」
もう体は重いやら頭が痛いやらでなきたくなってきたのでうつむいていると、ガニメドがそんなぼくに気付いた。
「?どうしたんでしゅか・・・?あとすこしでしゅよ!あしょこでしゅよ!」
ガニメドが指差す食堂を見た瞬間その食堂から。
ぼふっ
と爆発音がしてその食堂のドアから青白い閃光とともに何人かの人間がすっとんできた。


   Princes’ heart 〜さばいぶ☆OF☆ごーすとたうん〜
     Presented by raiu



登場人物・・・井上ユウキ。13歳で手術ミスにより死亡。地獄に落とされ今に至る。称号は太陽で得意魔法タイプは謎。来世の予定はアリクイ。
        ガニメド。ユウキの冥界案内人(ヘルバイバー)。生前は神話に出るほどの美少年で月の称号をもってた。得意魔法タイプは閃光系。
        アストレア。正義の神で地獄の王様の娘。趣味はネットサーフィン。
        アフロディテ。愛の神。結婚願望が強く短気で低血圧で料理はできない。惚れっぽくて時間にルーズ。
        ケストル(男)。今回出てくる人@。虚言症でナルシスト。称号は水で剣士。地獄暦は長い。
        ティアス(女)。今回出てくる人A。ケストルのパートナー。現実主義者でキツイ。S。称号は紅で精霊使い。
        カシス(男)。今回出てくる人B。おっさんくさいてかおっさんだけどいいヤツ。ムキムキで称号は円で闘士。今回はさわり程度。
        バド(男)。今回出てくる人C。ゴーストタウンで最強&最狂といわれてる男。称号は闇で魔法剣士。得意魔法タイプは爆破系。
忘れてる人のための(raiuも含む)いままでのあらすじ・・・井上ユウキ(13)は、簡単な手術に失敗して13歳で死亡。そしてなんやかんやで地獄に落とされて、地獄のなかでの生活がはじまった!地獄から抜け出すには、地獄の王様サタン様のムスメの心をゲッツ!しなければならない!
しかも早い者勝ちで何をしてもOKなサバイバルデスレース!そしてユウキは冥界案内人ガニメドと出会い、太陽の称号を得た・・・と思ったら空の上から不思議な美少女が落ちてきたではないですか。なんとその少女がその当本人のお姫様、アストレアだという。もうこんな生活飽きたとゆうアストレアにユウキはぼくがたすけたるぜ!とここぞとばかりに主人公ダマシイを発揮。アストレアはあたしの代わりになるヤツ(アフロディテ)をつれてきな…!と意味深なセリフいいのこしておうちにかえってしまいました!そんで仕方ないからガニメドとユウキはチェックポイントを通ってアフロディテを探しにいく旅にでましたとさ!んでまず最初のチェックポイント→ゴーストタウン!!本編スタート!!↓


「……、あそこはやめようね…。」
ポツリと吐いたぼくのことばにたいしてガニメドは
「じゃぁ晩御飯は抜きになりましゅよ?ゴーストタウンには食堂は一つしかありましぇんし。酒場ならありましゅが。」
「買い物するところはないの…?」
「…水や食料より麻薬とか拳銃とかの方がこの町では手に入りやすいでしゅ…。」
どーゆー町だよ。
……てことは…。
「次の町に行くのがいちばんだNE☆」
「べつにぼくはかまいましぇんけド5日はかかりましゅよ。あ・モンスターとか鬼や悪魔もでましゅから。地獄だし。」
「……わかりましたよ…。あの食堂にいけばいいんでしょ…。」
「まぁあんな魔法たいした事ないでしゅよ!なんてったってユウキしゃんは太陽の魔法使いでしゅから。」
その自信はどこからくるのだろう・・・。魔法…頭イタいから使えそうにないし…。
「あ!お金もってないや!ぼく」
「ん?ユウキしゃんは地獄ライフカードもってるじゃないでしゅか。それがつかえましゅよ。」
そうだった。さっきポケットに入ってるのを発見したんだった。まさかこんなものに助けられるなんて…。
「んじゃ、心の準備はいいでしゅか!?いくでしゅよ!?」
「う・・・、うん・・・。とりあえずあそこで倒れてる人に何があったかを聞いてみない…?」


ぼく達が倒れてる人のそばに駆け寄るとその人がぼく達に向かって
「う・・・。いまその店に・・・、入らないほうがいい・・・。殺される…。ば・・・バドのヤツがいる・・・。」
「そ・・・そんなことより大丈夫ですか・・・?いったいなにが・・・?」
ぼくは倒れてる人の頭から流れる血にちょっと動揺しつつもきいてみた。
バドってのがさっきの青白い爆発を放った本人なのだろーか。
「く…すまないな。ボウズ。おれは大丈夫だ…。そこに倒れてるヤツもおこしてやってくれ・・・。話はそれからだ…。」
 そういわれてぼくはとなりに倒れているおじさんを起こしてやると、改めて事情をきいてみた。
「・・・・・・、あぁ。バドにやられたんだ…。おれたちが普通に飯をくってたらいきなりおれの相棒・・・、ヘルバイバーのボコをおれの目の前で爆発させたんだ!!!どうやらボコがバドのヤツにあたったらしいが・・・。クソ・・・!!」
「そのときの爆発でおじさんたちも吹っ飛ばされたんですか・・・?」
「いや・・・、そのあとおれがなにすんだっつったらきれて呪文を唱えて椅子ごとおれをフッ飛ばしたんだよ…。そのときたまたまドアから入ってきたこの人も巻き添えをくらったってワケさ…。」
「なるほど・・・・。爆破系の魔法使いでしゅか。バドってひとは。」
「いや・・・、バドはこのゴーストタウンで最強の男だ。すげぇのは魔法だけじゃねぇ・・・。あいつは剣も使う…。狂ってるぜ…、ヤツは危ない…。バドが出てくる前に逃げたほうがいいぜ・・・?」
「ちなみに称号は・・・?」
「・・・闇だ・・・。」
闇・・・。
「・・・どうなの?ガニメド。」
「ぼくの月の称号より一つ下でしゅ。・・・、でもおかしいでしゅ。そんな冷酷な人間に闇なんて高レベルな称号をあたえるなんて・・・。しかも魔法だけでなく剣もつかう魔法剣士…。」
ぼくたちが話しているとおじさんはもう一人のおじさんを助け起こしてたちあがった。
「わるかったな・・・。バドに気をつけろよ…。ボウズ…。」
「坊主じゃなくてユウキです・・・。ボコくんの仇は任せてください。」
「は!!?ナニいってんだ、殺されるぞ・・・!!?ヤツは異常だ…。無茶だ。」
殺されるかもしれないという言葉。生きているときはなぜか異常に怖がっていた。
いざ死んでみると何故かそんなに怖くない。消えてしまうとしても。
「大丈夫でしゅよ。ユウキしゃんはこう見えても太陽の魔法使いでしゅから。」
「な・・・!?た…、太陽かよ・・・。人は見かけによらないとはゆうがなぁ。だけどやっぱり助けてもらったヤツに礼もしないで危険な目にあわせるのも性にあわねぇ…。食いモンが欲しいなら分けてやるから今は止めとけ・・・。」
ぼくは黙って首を振って少し笑った。
そして食堂の方に向かって歩き出す。
「お・・、おい・・!?」
「ちょ・・・!ユウキしゃん!?いくんでしゅか!?」
うしろからガニメドと傷だらけのおじさんが止めようとしてくるケドぼくの足は何故か止まらなかった。
――内心、ぼくもじぶんがやろうとしてることに疑問を感じていた。
生きている頃のぼくは危ない事からはすべて逃げていて、安全な場所に隠れていた。
なのにぼくは自ら突っ込んでいる。足はとまらないし、なぜか胸の、心の奥のほうが熱い。
命を消して偉そうにするヤツへの怒り。
とにかくぼくはたたかうことを選んだ。
――ここにきてからぼくは変わったのかな・・・?


「ここに・・・バドっつーバカはいないかな!!?」
……。これはぼくじゃない。
――ぼくが入り口に入ろうとした瞬間ぼくの後ろから一つの影がすごいスピードで割り込んできたんだ!
その影はなにやら水色のマントに水色の軽鎧を装備して黒いバンダナを装備した淡い水色の髪の長い男だった。結構ルックスはいい。
そして大きな声でさっきのようにさけんだ。おんなじようなことしようとはしてたケド…バカだな。この人。
「……。おれの事だが…。死にたいようだな…。」
奥のほうのカウンターでかなり人から避けられてる形で食事をしていた男が立ち上がった。
この男が……バド…。
闇ってカンジのする人。雰囲気がある。
なんか狼ぽいし…。黒い鎧と焦げ茶のマント。腰にささった黒光りしてる剣。
――――つよい……。乱暴な強さというか、冷酷な強さってカンジ。素人目に見てもそんなイメージが浮かぶ。
怖い…。
そんなアブナイ男を前に水色の男の人はつかつかと大きな声でちかよってく。
「キミがこの町でどんな悪事をしているかはしっているよ!そんな君にこのぼく、天の騎士・・・・!?」
そこで水色男の言葉がとまる。
バドが剣をぬいて呪文をつぶやいた。
そして!!
「キルグランダ!!!」
剣を振りかぶるとその瞬間剣の先から黒い塊が吹き出てきてそれは水色男に飛んでいった。
水色男に触れた瞬間!!!
こうっ
とゆう音と青白い光を発して爆発した!
――やられた!
ぼくはそう思ったが意外にも水色男はその場に立っていた。
「あせらないでくれたまえ…。びっくりしたじゃないか…。」
「貴様…!どうやって・・・!?」
「闇の力と相反する力を生み出したまでさ…。天の騎士にそのくらいのことは容易い…。さぁ!本気できたまえ!」
その言葉を拍車にまわりの客がどんどん逃げ出す!
「ばかやろう!キルグランダぐらいちょっと腕の立つやつなら防げんだよ!あんた!なんてことしてくれたんだ!」
「ボウヤも早く逃げたほうがいいわよ!」
どんどんと逃げ出す客たち。どーやらヤバイらしい…。店の店主でさえ逃げる支度をはじめてる。
「え・・・!?ちょ・・・、ま・・・!」
そんなことをみている間にバドは次の呪文を詠唱し始めた。
ぼくもボーっと水色男の後ろに突っ立ってたケド、ここはやっぱアブナイ。
「きみ!!そっちににげないでくれ!!」
ぼくとバドと水色男の3人しか残ってない今、キミ、とはやはりぼくをさすのだろーか。・・・、やっぱ天の騎士て嘘だな…。
そんなやり取りをしているとバドの詠唱が終わってしまったらしく、こっち(水色男)を向く!
「おれを怒らせて生きて帰れるとはおもうなよ!いくぞ!デスグランダ!!!!!」
大きく振りかぶった剣を振り下ろすとさっきとは比べ物にならない闇の塊がぎゅんっとおとをたてて水色男にぶつかってく!
「ひ〜〜〜〜ぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!」
コレがこの人の最後の言葉か・・・、覚えておくよ!ゴメン!役に立てなくて!
ぎゅっと目をつぶっていたので何が起きたか良くわからないがこのあと爆発したおとがきこえてくるんだろう…。
しかし。
「ナイトライトミスト!」
後ろから聞こえてくる女の人の声にぼくは驚いて目を開ける。
ふしゅぅぅ
すると目の前では爆発しようとしていた闇の塊が、光っている霧のようなものに包まれ・・・、消えていった。
「なにいまの・・・・。」
ぼくはおもわずつぶやいていた。
バドもいきなりの光景に驚いている。
しかしこの状況に水色男だけはついていけていた。
「ティアス!!!遅かったじゃないか!」
すでに腰が抜けているこの男は首だけ後ろに向けている。
「……、あんたが勝手に消えたんでしょ・・・・。あとで処刑よ。」
さらりと述べた結構コワイ言葉とは裏腹にティアスと呼ばれた女の人は綺麗だった。
綺麗な赤茶色い髪のセミロングに結構大胆な服を着ている。スカートは長くていわゆるスリットってやつだ。
手には何故か鞭…。
「死にたいヤツが…3人…。」
3人…。・・・。
「おもしろいじゃないの。やってみな。」
「おもいしろいじゃん。やってみな。」
ぼくのセリフとティアスさんのセリフが重なる。
「・・・!ぼうや、ユウキくんだね!太陽の称号を持つんでしょ?あんたのパートナーに聞いたよ。あたしはティアス。あっちはケストル!補助たのむよ!」
「・・・。ぼくのあしを引っ張らないように頼むよ、少年!」
ケストル…。自分の名前が出てきたとたんに立ち上がってぼくにそういった。
ま・いーけどサ。
「それより・・・、ガニメドは!?」
「後から来るよ!今はあの男を殺せばいいんでしょ?いくわよ!ケストル!」
「あぁ!天の騎士にかかればあんなヤツ・・・っと」
「キルグランダ!!」
ぼうっ
ケストルの言葉をさえぎるようにして闇の爆炎があたりを埋め尽くす。
「あんたは水の剣士でしょ!!?…じゃなくてあたしが炎を弱める術を使うからその間にユウキとアンタでなんとかして!」
というとティアスさんは呪文の詠唱をはじめた。
―・・・。ぼく、どうすりゃいいんだろ。
「OKわかった!ユウキくん!いけっ!」
「えぇっ!そんな!」
「キミッつよいんだろ!?さぁほら!」
「ぼく攻撃呪文知らないし!」
「はぁッ!?なにいってんだい!?こんなときにジョーダンは・・・とぅッわぁ!!」
こんなことを話している間にひゅんっとバドの剣がぼくとケストルを切り離す!
「・・・まずは・・・、貴様からだ・・・!!」
「・・・!っく!!仕方ない!!いくぞ!ぼくがじかんを稼ぐからその間になんとかかんがえていてくれ!」
またバドがひゅんっと剣を振り下ろす!しかし意外にもケストルはその剣を腰に刺さっていた剣を抜いてきぃんッととめた!
―・・・、意外にやるじゃん…。
なんか・・・、ちょっとやる気になってきたぞ!
ぼくは頭の中にうかんだ言葉をすこしずつ声にしてみる。

ちからはやみとひかり
うみだすは無
やみをしりひかりをしる
やみをもってひかりをけし ひかりをもってやみをけせ
悪しきやみにはきえぬひかりよ・・・!


するとてにしていたほうきからすごくまぶしい光の塊…、太陽が生まれる。
「く・・・、ユウキくん・・・!すごい・・・!」
「な・・・、なん・・だ?」
そしてそのたいようはふわふわういて・・・・きえた。
「ええええええぇぇぇぇぇ・・・・・!?!?!?そんだけ!!!?」
ぼくはおもわず叫んでしまった。
しかし・・・・。
「いえ・・・、今のは力の源となるひかり。」
「え・・・?ティアスさん?」
「多分いまの光りを浴びた者は力をもらえたみたいよ?そうじゃない?ケストル?」
たしかに・・・、ちからは沸いてきたケドさ・・・。それって・・・・まさか。
「たしかにぼくにもちからは沸いてきた気がするケド、とゆーことは・・・!」
「おれにも力は与えらえた・・・ッみたいだな!!」
剣で押し合っていた2人は一回はなれて間合いを取るために大きくはなれた。
「呪文の連発で疲れてたところだ。大技・・・、いくぜ!!」
「やばっ・・・!」
ケストルもなにか呪文を唱えていたみたいだけど、いきなり場の雰囲気がかわったのに気付き、詠唱を中断した。
「ダークフェイド!!!!!!」
バドがそう叫ぶとあたりがすこしずつ暗くなってゆく。
「な・・・、なに!!?」
「くくく・・・、おれの術でも少し特殊な技をつかってやった。この闇の範囲にいるおれ以外の生物はすべて闇とともに体が動かなくなっていく。どうだ・・?きいてきたか・・・?」
「・・・う・・・、なんだ・・・手が・・・しびれる・・・。」
そういってケストルは手から剣をカランと落としてしまった。
ぼくは別にいまんとこそこまできいてないけどやっぱり動きづらい。
兎に角ここはなんとかしたほうがいいよね・・・。
ティアスさんもヒザをついている。
バドはゆっくりとケストルにちかよっていき・・。
「・・・、あばよ・・・。そんなによわくもなかったぜ・・・?」
と、剣をふりかぶった。
「それは・・・どうも・・。でも・・・」
「なっ・・・!?」
「まだぼくは死ねないよ。・・・スプラッシュ!!」
ぱしゅんっ
っとケストルはバドにむかって手のひらをかざし、そこから勢いよく水の塊を発射させた。
「ぐぁッ!!!」
不意を衝かれたせいか、バドは5m程吹っ飛ばされ、壁にどんっとうちつけられた。
「ナイスっ、マイ相棒。ウィスプ召喚!」
ティアスさんの手のひらから光の小さな塊みたいなものがうかぶ。
「この闇を打ち消して!」
とティアスさんはその光に問い掛けた。
しかし光は一瞬だけ輝きを増したがあとは爆発していくようにきえてしまった。
「なっ・・・!?」
「・・・くぅッ!油断したぜ・・・、手はしびれて使えないとおもってたんだが・・・。その程度の光じゃこの闇は消せない。・・・?どうやらさっきの呪文が最後っ屁だった見たいだな…。ホラ吹き剣士さんよ・・・。」
「・・・ふう・・・。ここまでか・・・。」
ん・・・・?さっきからきになってんだけど・・・。ぼくにこの闇はきいてない・・・?
しかもバド、ぼくのことわすれてない?
ティアスさんのほうを見るとティアスさんも少し笑ってウインクで合図をする。
ぼくも少し笑う。
OK。いくよ。

紅き焔はいかりをうみだす

ぼくが声をあげて呪文を唱えだすとバドはやっとぼくの存在に気付いたらしく。
「な・・・!?貴様・・・ガキ!まだうごけたのか・・・!?」

蒼き焔はよろこびをもやす

バドはあせってケストルを一瞥すると今度はぼくの方をにらみつけた。
そしてこっちにあるきだす。
「く・・・。なめやがって・・・・!」
さっきのケストルのダメージがのこっているのか、すこし動きが鈍い。

白き焔はかなしみをいやす

今度は剣を振りかざしてぼくに突進してくる。
ぼくはほうきをかまえ直しまえを見つめた。けっこーきつい。たってんのもきつい。
ポタリ、と汗が床に落ちる。

黒き焔はなみだをあたえる

あたまんなかがごちゃごちゃだ・・・。
もうバドは直前まできてる。


統べての焔よ太陽となりて我に解き放て  集え!!

バドはぼくに向かって頭から切り裂くような一撃をふりおろそうとした。
その一撃がほんとに、ほんとにあたる瞬間に。
「フォース」
ぼくが最後の一言を唱えるとほうきのさきから一つの熱と光のカタマリが咲いた。
それはすごく綺麗な色で、なんていっていいかわかんないケド、その光を生み出したのがぼくだってことがなんかもう、すごくうれしかったんだ。
「な・・・?なん・・こ・・・!!!!!!!!!!」
カァァァッっとだんだん強くなってくる熱と光は、輝きを増して一気に開放した。

色んな力がぼく達を取巻いてる。



――気付くとぼくは、どこかのベッドの上で寝ていた。
「あ!ユウキしゃんおきたでしゅね!?」
まぶたから差し込む光がまぶしくて鬱陶しい。
しかしいきなり記憶がよみがえってきた。
……、結局かったんだ…。
「・・・ん・・・。」
ぼくはおもい腰を持ち上げて体を起こすとあたりを見回した。
あたりが明るい事に気付く。
「もぅおきていいんでしゅか?ムリしないでくだしゃい。あんな大魔法つかったんでしゅから。」
「いま、朝?」
「いや、昼でしゅ。半日ねてたでしゅよ。」
「ふ〜ん…。バド…は…?」
「消滅しちゃいました。しゅごいでしゅ・・・。イッパチュで消滅させちゃうなんて…。」
「それって・・・・。」
コロシタってこと・・?
「心配する事はないでしゅ。いいわしゅれてましたが消滅した魂は植物として生まれ変わる事になってるんでしゅ。」
「…。それでいいのかなぁ…?」
そのとき誰かがドアをノックしてきた。
「ちょいといいかな?」
「・・・?どなた?」
ぼくが聞く。だれだっけ?
カチャリとドアを開けた人物はあの時たおれていたおじさんだった。
「あァ・・・、気分はどうだ?」
「うん…。おかげさまで。ココまで運んでくれたの?」
「ん・・・?あァ。まァな。あのティアスっつーねーちゃんにも治癒の魔法をかけてもらってたんだ。んで体力が回復しててな。ここまで運んでこれたんだよ。」
「そぅなんだ・・・。あ・あの2人は?」
「あぁ。あそこの酒場でまってる。話がしたいそうだ。それと・・・。」
「ん?」
「おれはカシスっつーんだ。こーみえても闘士だ。名前まだ名乗ってなかったろ?」
「ああうん。ぼくはユウキ。魔法使い。」
「しってる。魔法、すげェんだな。太陽の称号だって?」
「うん…。でもぼくは…。」
「力はないよりあった方がいいンだ。おれなんか魔法は全然使えねぇし。・・・それとそんなに気にするこたないとおもうぜ、おれはな。」
「え?」
「気にしてんだろ?さっきから元気がねぇとおもってよ。バドを殺したこと。」
「・・・・・・・・・。」
「おれは・・・、おまえが強いとおもう。」
「な・・・なんで?人を、殺せるから・・・?太陽の称号だから?」
「あのなぁ、おれをバカにすんなよ…。違ェよ。おまえは心がつよいって意味だよ。」
「は・・・?」
いきなりナニを言い出すんだこの人は・・・。さっきから・・・。だけどつぎの言葉はもっと唐突だった。
「おれはオマエについてくぜ。」
「・・・・はァ!?」
なんか微妙な発言。ちょっとの沈黙にカシスは気付いたのか少し照れて咳払いをする。
「言っとくけどヘンな意味じゃねぇぞ・・・。イヤとは言わせねェ。オマエは一人だと危なすぎる。今回みたいに無茶な相手に一人で突っ込んでって…、まぁ結局助かったみたいだが・・・。とにかく!止めるヤツが必要なんだよ!おまえには!だからおれがおまえの保護者になるぜ。いいな。わかったか?」
「・・・保護者って・・・なんで・・?」
「ぼくも保護者のつもりだったんでしゅが・・・。」
「オマエにユウキが止められるとは思えん。こう見えてもおれはそんな弱くねェぞ。多分。」
「いや、弱い強いの問題じゃなくてなんでぼくが止められなきゃいけないのかって話!」
「おまえ、おれが口でバドんとこにいくのを止めたのにきかなかったろ?だからもっとしっかりと止められるヤツがいないとオマエは危なっかしいってことだよ!それに・・・。」
「それに?」
「ボコを…、よみがえらせてくれたしな…。」
「…あぁ…、そのことね…・・・・・・・・・!?よみがえらせた?」
「ん?あぁガニメド、おまえあの魔法がもたらした力いってなかったのか?」
「あ!わしゅれてました。そう。あの魔法はなんとしんだはずのヘルバイバーのボコをよみがえらせたのでしゅ!」
「……。ヘー…。そんで、そのボコは?」
「いまは記憶がなくなってしまったためもう一度ヘルバイバー学校に通う事になったみたいでしゅ。」
「んじゃぁカシスのヘルバイバーは?」
「ぼくでしゅ。一緒に行くことはさっき寝てる間にはなしあってたでしゅ。」
「あぁ。アフロディテを探しに行くことになってるのも知ってる。全部きいたからな。」
「そぅ…。ガニメドがいいなら別にぼくはいいや。一緒にいこう。」
「お!なんだよそれ。」
「ふふん。んでカシスの称号は?」
「円だ。」
「すごいの?それ。」
「けっこーつよいんじゃないでしゅか?」
「・……。ふーん。」
「なんだよ・・・。」



その頃ゴーストタウンの一部ではバドが倒された事が話題になっていた。
「・・・・・・。バドのやつ、そんなガキにやられたんでしょ?所詮あいつも口だけね・・。」
「イヤ…。他に仲間がいたらしい。あと、イコ、そのガキのヘルバイバーだけど、ガニメドだったらしい。」
「ガニメド…。月の称号を持つヘルバイバー……。あたしの、むかしのヘルバイバー・・・。」
「どうする?」
「おもしろいわ。そのガキと仲間とガニメド。あたしが全員撃ち殺してあげるの。」
「私は構わない。そんでパル。ドコにいるんだ?そのガキは。」
「西…。」
「OK。いくよ…、パル、ナイツ。」
TO BE CONTINEUD

2003/08/15(Fri)18:04:43 公開 / raiu
■この作品の著作権はraiuさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
あとがき

第4話目です。
すごくつかれました。中途半端な終わりとか。結構バトルとかかくの難しいし。
カシスとかいってなんにもしてねークセにえらそうだし。これってどーよ…(死
そんなに中身無い話になったなぁ。これでいいのか…。
あとケストル&ティアスが我ながら気に入った。あんま動いてね―ケド。
〜Princes’ heartの1〜4話は全部友達のHPに載せていただいてたものをコピーしてはったものなんで、いろいろ間違ってるとことかヘンなトコとかあるとおもいますがすみません。優しい目で見てやってください…。〜

作品の感想については、登竜門:通常版(横書き)をご利用ください。
等幅フォント『ヒラギノ明朝体4等幅』かMS Office系『HGS明朝E』、Winデフォ『MS 明朝』で42文字折り返しの『文庫本的読書モード』。
CSS3により、MSIEとWebKit/Blink(Google Chrome系)ブラウザに対応(2013/11/25)。
MSIEではフォントサイズによってアンチエイリアス掛かるので、「拡大」して見ると読みやすいかも。
2020/03/28:Androidスマホにも対応。Noto Serif JPで表示します。