『カオス』 ... ジャンル:リアル・現代 未分類
作者:kisukun                

     あらすじ・作品紹介
私と彼。日本人の私と韓国人の彼についての実話です。

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「彼のことが好きですか?」

そう聞かれると、言葉に詰まる。

「彼のことを愛していますか?」

そう聞かれても、言葉に詰まる。



私と彼の関係は、言葉に表すことのできない感情で作られている。




私が彼と出会ったのは、共通の友人の電話がきっかけだ。
 

「私の友達と一緒にタンゴ弾いてくれない?」


タンゴの大好きな私は、2つ返事で引き受けた。


それが韓国人ピアニストの彼、きす、日本人バイオリンニストの私、圭子が出会ったきっかけだった。

私は、現在もドイツのH音大で勉強している。
きすとはドイツ語で会話している。


当時、私には忘れられない彼がいた。


そして、私は忘れられない彼を忘れるために韓国人ピアニストの彼を誘い、付き合うことにしたのだった。



その2日後、彼の母親がドイツに来て、2ヶ月もの間滞在した。

その間に、私はきすと別れた。


なぜなら、きすにとって私は遊びだったからだ。

彼にも、私と同じように忘れられない人がいたからだった。


ここで終わりにすればよかった…。



でも、私は彼とタンゴを弾かないといけなかった。



弾く、弾かない。

彼ともめにもめた。

だけど、私は彼と一緒に弾くことにした。


しばらくして、私はポーランドの講習会に行った。


ポーランドで、私は、考えていた。



彼と付き合いたい、と。



そして、ポーランドから帰って、私は彼と付き合うことになった。



当時、私の体重は、彼よりも20キロ上回っていた…。


彼は、私に言った。
痩せるように努力しろ、と…。



それから3ヶ月経って、私は10キロ痩せることに成功した。
そして、彼と別れた。


きっかけは、彼の嘘だった。


彼と別れて、私はとても楽しい生活を送った。
体重は5キロ増えていた。



でも、ある日、韓国に帰っていて音沙汰のなかった彼から2ヶ月ぶりに電話があった。


その電話がきっかけで、私は、彼とよりを戻すことになった。



そして、私はさらにスポーツとダイエットに励んで、彼と正式に付き合ったときから、約9ヶ月間での16キロダイエットに成功した。


20キロの体重差は、きすの努力の成果もあり、彼のほうが私よりも2キロ上回ることに成功した。


現在も努力を続けて、私はあと4キロのダイエットに励んでいる。



私と彼が付き合ってきた中で、色々とつらいことがあった。


彼は付き合った当初、常に言っていた。


「韓国人の全員が俺と圭子が付き合うことに反対してる。」
と…。


いつも彼はとても色々なことを私に言った。
でも、私は、耐えた。
耐えぬいていた。


当時、私の心には別の人、きすの心には別の人がいた…。

でも、私は決めていた。

世界中で一番好きな彼のことを忘れよう、と。
そしてきすが彼女のことを忘れられるように努力しよう、と。



私は、誰よりも努力して、ダイエットに成功した。
そして、尽くし続けた。

愛情を持って。


それは、きっと母性愛だっただろう。


きすは傷ついた野良猫のようだった。

それは、私も同じようだった。

前の恋愛で私もきすも相当な傷を負っていた。




だからこそ、私は、彼と2人で互いの傷を乗り越えられたのかもしれない。


ものすごいののしりあいをした。
彼に彼の問題点を見せつけたりもした。
とても長い喧嘩をしたりもした。

でも、いつも手をつないで眠っていた。
喧嘩しても、必ず仲直りした。



彼と知り合って1年。

お互いの心をぶつけあった結果、私は彼と深い絆で結ばれている。
普通ではありえないくらい激しい喧嘩をしたりしたし、誰よりも仲良くなったりもした。

だからこそ、私はただ一言、彼を好きだ、とか、愛してる、とか私は答えることができない。

誰よりも彼が特別な存在だからだ…。


「あなたにとって、きすという存在は、どういった存在ですか?」


この質問をされたとき、私はきっとこう答えるだろう。


「誰よりも大事な存在です。」

2011/01/09(Sun)00:50:20 公開 / kisukun
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