『私と妹のサンタさん』 ... ジャンル:リアル・現代 未分類
作者:白たんぽぽ                

     あらすじ・作品紹介
妹がまだサンタを信じているのか、をテーマにした話

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 私がサンタさんを信じなくなったのは、早かった。もしかしたら、物心着いた頃にはそんなものを信じていなかったような気がするほど、サンタを何か胡散臭い物だと感じていた。親には悪いけど、私はそんな冷めた子供だったのだ。
 そんな私ももう中学一年生。親父サンタが律儀に枕元にプレゼントを置かなくていい年になっているのだけど、下の妹がいるからそういうわけにはいかない。
 そう、妹は私なんかと違うようだった。妹は、幼稚園の年長になった今でもまだ、サンタさんを純粋に信じているように見えるのだ。

「今年もサンタさん来てくれるよね」
「ナナがちゃんといい子にしてたんなら、ちゃんと来てくれるよ」
 父がそう言った。いつになく優しげな声である。
「ナナいい子にしてたもん、ナナ、サンタさんにアイスつくれるおもちゃお願いしてるもん」
「あの、アンパンマンのだろ。わかってるって」
 おーい、親父殿。あなたはわざとサンタの正体をばらそうとしてるのかい。
「私、新しいPSP欲しいんだけど。サンタさんくれると思う」
「ばか、あれは高いだろう。サンタさんの懐事情を考えろ。まだお前のPSP壊れてないだろ。モンハンにしとけモンハンに」
 親父殿は、やはりあまりサンタさんのことを隠そうとする努力が少ないと思われる。まあ、私もそんなに気にしているわけではないけどね。
「えー、コントローラーのききが悪いから。新しいのサンタから貰って、自分でモンハン買おうかな、なんて思ってるんだけど」
 親父殿が盛大に顔をしかめて、私を見ている。
「サンタさんって貧乏なの」
 妹が素朴な疑問をぶつけてくる。親父殿は顔色をぱっと変えてその質問に答えた。
「いや、ハルカがいい子にしてなかったから。サンタさんもあんまり高いのはあげられないんだよ。きっと」
「そうなんだあ」
 妹のこの声に少しカチンときた。
「えー、この前の期末で十番以内に入ったときは、よくやったと褒めてくれたのになー。あれは嘘だったのかなー」
 ちょっと棒読みの風で言った。
 それを聞いた親父殿がもう顔を歪めるとかいう次元じゃなくて、もう睨みつけるまでに顔色を悪くしている。おいおいそんな顔をしたら、妹が泣いちゃうぜ。
「日頃の行いが良くなかったらそんなの意味ない。だいたい一回良かっただけでそんな期待するのは大間違いだ」
 怒気を含んだ声で親父殿はそう言った。
「はいはい」
 まあ、そう言うのも無理ないかもなあ。だっていつもは真ん中らへんをうろちょろしているのに、今回だけはやたらと成績いいんだもんなー。下心見え見えだと面白くないだろう。
 妹は、私と父を見まわし、不安そうな顔をしている。
「ナナ上行こ。一緒にゲームやろうよ」
「うん」
 妹が顔をぱー、と明るくさせて私についてくる。
 親父殿はそれ以上何も言ってこなかったが、まだ刺すような視線を送っているような気がする。だって背中がむずむずするもん。
 その間中、母上サンタはというと、台所で洗い物をしていた。換気扇を回しているからこのやりとりはほとんど聞こえていないだろう。あとでそっちの方にも根回ししておこう。クリスマスまで後一週間。早くしないと先にプレゼント買われちゃう。まあ、期待はできないけどね。

「ナナは、サンタさんがどこから来るか知ってる」
 二人でマリオカートをやりながら聞いた。妹とゲームするときは大体これをしている。他のゲームだと難しすぎて妹がべそをかくからだ。
「んー、どこから、うわ、なんでナナばっかり狙われるの〜」
 妹はゲームをしているとそれに集中しちゃってあんまり話しかけても答えてくれない。今もCPUに赤甲羅をぶつけられたせいで、何を話そうとしていたか忘れちゃっただろう。次話しかけるときは妹がゴールしてからにしよう。
 よし、余裕の一着。妹は……三着か。まあ、がんばったほうだよね。
「北のほうの寒いところから来るんだよ。そこにはトナカイがいっぱいて、そのトナカイにソリを引っ張らせて日本までやってくるんだって」
「雪が降るところだよね。そしてトナカイってあの角の生えてるのだよね。ナナ知ってるよ」
 すごいでしょ、て感じに妹が言う。
「そうそうよく知ってるじゃん。サンタさんはそこから世界中にプレゼントをくばってるんだよ」
「じゃあ、サンタさんっていっぱいいるんだよね」
「そうだよ、いっぱいいるんだよ。だから、サンタ協会みたいなもんまだあるんだってさ」
「へ〜」
 うちにもそのサンタ協会日本支部に属した親父サンタがいるんだけどね。それは妹には秘密だ。
「うちにもちゃんと来てくれるよね」
「当たり前じゃん。まあ、来なかったらお父さんをぶん殴るけどね」
「お父さんを?」
 や、やばい、気づかれたか。早くフォローしないと。
「お父さんがサンタさんにお手紙送ってるんだよ。それがちゃんとサンタさんのところまで届かないと、サンタさんもきてくれないんだよ」
「なるほど〜」
 ちょっと上ずった声になっちゃったけど、これで妹は納得してくれたみたいだ。ふー、なんとかなったぜ。
「じゃあ、次の面行くよ。次氷の面だけど、落ちても泣くんじゃないよ」
「ナナ落ちないし、泣かないもん。次はお姉ちゃんにも勝っちゃうからね」
 ゲームが始まる。この面は床が氷だからつるつる滑って操作がしづらい。まあ、私くらいのレベルになるとこんなの楽勝だけどね。けど、妹はやっぱり下手っぴで、どんどん障害物に当たって、水の中にも落ちちゃってる。こりゃあ、確実に順位落とすぞ。妹の泣き顔みたくないから、他のCPUの妨害工作がんばっちゃおうかな。
 まあ、こんな風にゲームをして、一緒に風呂はいって、今日は寝ちゃった。やっぱり妹はサンタさんを信じちゃってるみたいだ。お姉ちゃんとして、これをできるだけ長く信じさせるように努力してあげないといけない。それがお姉ちゃんとしての義務でしょ。しかし、お姉ちゃんもつらい立場だなあ。親父殿ほどじゃないけどさ。

 来るクリスマス。家では、ピザを焼いたり、ケーキをつくったりしていた。イベントの時の母上の料理は、特別気合が入っている。
「ケーキ、ケーキ」
 妹もはしゃいでいる。そんな妹と一緒に、ピザをつまみ食いしながら、私も精一杯楽しんだ。
 ケーキには、砂糖細工のサンタやトナカイのお菓子がのっている。妹はそれが大好きなので、私の分ものっけてあげる。断じて私がそれを、あんまり好きじゃないからじゃないんだからね。
 料理がいっぱいありすぎて、ケーキが半分残ってしまうのもいつものことで、それを次の日も食べるのが恒例となっている。そして、次の日食べるケーキは、今日のほど美味しく感じられないものだったりする。それは作りたてじゃないからというのもあるんだけど、そうじゃない理由というのも絶対ある。だって、クリスマスケーキだって売れ残ったら、値段が一気に安くなるじゃん、あんなのと一緒だよ。
 私は親父サンタのために、妹を早めに風呂に入れて一緒に寝ることにした。寝静まったら、親父サンタにその旨伝えるのが私の役目だ。ついでに、ちゃんとPSP買ってくれた、と念押ししておくのも忘れない。
「お前も、ナナくらいの頃はもっとかわいかったのになあ」
 はー、とため息をつかれる。
 悪かったね、かわいくない娘に育っちゃってさ。
 親父サンタは、母上にシャンパンをついでもらいながら、ほろ酔い気分になっていた。そのまま寝るなよ、と悪態をついたりしながら私もサイダーを飲んだ。この炭酸を飲んでいる感じが、クリスマスだな、という気分になる。このシュワシュワしている感じが、なんかクリスマスを思わせるんだよね、なんとなく。
 ちょっとテレビを見たりしてくつろいだら、私はまた上へ上がった。妹はちゃんと寝ている。この分なら、親父サンタの正体がバレるということはないだろう。いや、断じてあってはならない。
 深夜十二時くらいに、親父サンタは来て、私のプレゼントと、妹のプレゼントを枕元において行ったみたいだ。私は、ほとんど寝入っている状態でそれを見ていたのだけど、どうも私のプレゼントは、ちょっと薄すぎるようだった。PSPならもっと小さいし分厚いはずなのだが、これはもうモンハン決定のようだ。このケチんぼさんめ、と私は去りゆく父親を見ながら心のなかでつぶやいた。

 次の日、私より早起きしていた妹は、枕元に置いてあるプレゼントに大喜びしていた。私もそれを見ながら自分のプレゼントを開けてみるのだけど、やはりそれはどこからどう見てもモンハンだった。くそ、やっぱりか、とわかってはいたけど、がっかりする。
「お姉ちゃんモンハンだったんだ。PSPじゃなくて残念だね」
 自分のは希望通りのが来て、姉にはそうじゃなかったことを、心からかわいそうだ、と思っているのがわかる眼差しでこっちを見ながら言った。やめて、そんな目で見ないで、はじめから、ダメだってことはわかってたんだから。
「いいさ、お姉ちゃんのPSPは今年も満身創痍ながらがんばってもらうことにするさ」
 とほほ、という気持ちを込めながらそう言う。
 まあ、はじめから諦めてたんだから、いいんだよ、仕方ないんだよ。ちょっとは期待してなくはなかったけど。
 妹は、そのおもちゃを箱から出して、そのハンドルをぐるぐる回しながら遊びだした。すごくご機嫌の様子だった。
「早速つくってみる?」
 その姿を横目で見ながら、私は聞いてみた。
「うん、でもヒロちゃんも呼んで一緒に遊ぼう、て思ってる〜」
 なおもぐるぐる回しながら、妹は言った。
 もうその年で彼氏がいるなんてうらやましいなー、とか思いながら私はそれを見ていた。いや、本当はただの幼馴染同士なんだけどね。いや、実はそう思っているのは私だけだったりして……。
 妹はそれを下まで持って行って、親父殿にありがとうー、とお礼を言っていた。
 それを聞いた親父殿は、びっくりして私の方を見た。その目は、お前がばらしやがったのか、と言っている気がする
「ナナは、父さんがサンタさんに手紙を送ってくれたことについて、お礼を言ってんだよ」
「うん、サンタさんにお手紙書いてくれてありがとう〜」
 なおも機嫌よさそうに妹は言った。その胸には、おもちゃがしっかりだきかかえられている。
「ああ、当たり前じゃないか」
 はは、と少し汗をかきながら親父殿は答えた。
「私の方もちゃんとPSPを、て手紙書いてくれたのかな。なんかモンハンだったんだけど」
 ちょっといじめたくなったので、そんな風に言ってみた。しかし、
「俺はそうしたんだけどなー。サンタさんもハルカの素行の悪さから、PSPは無理だと考えたんだろうなー。サンタさんがそうだと思うんだから、次までにはもっといい子にしとくんだぞー」
 このやろう、棒読みでそんなこと言いくさりやがって。もう親父殿とは一緒にゲームしてやんないもん。
「いい子にしとくんだぞー」
 ナナもそんなはしたない言葉をまねするんじゃありません。いや、はしたなくはないか。親父殿が言うと、なんでもひどい言葉のように感じてしまうから不思議だ。なんでサボテンに刺が生えているのかぐらい、どうでもいいことだけど。
「ナナそのおもちゃで遊ぶときは、お姉ちゃんと一緒に遊ぶのよ。ね、ハルカ、今日は一緒にいてあげてね」
「へいへい」
 母上が、朝飯を持ってきながら、そう言った。
 言われなくてもそうするつもりですよ。母上はこれからパートと忙しいもんね。まったく、家事もして、仕事もするなんて、頭がさがるよ。
 私は、朝飯の目玉焼きを食べながら、そんなふうに思っていた。この目玉焼き一つにしても、家族ひとりひとり焼き加減が違ったりする。わたしは半熟が苦手なので固めだ。こういうところを毎回気にしてくれるところとか、本当にすごいと思う。親父殿にもこの何分の一でいいから、気配りがあったらいいと思うんだけどねー。
 そう思っている矢先から、親父殿はペチャペチャ音を食べながら飯を食べていた。それを見ていると、なんか食べ方だと妹のほうがきれいな気がする。幼稚園児より汚い食い方をする四十代男ってどうよ、と私は軽蔑のまなざしを父親に送りながらそう思った。
 親父殿はそんな目線に気づきもしなかったのだった。

「お姉ちゃん、私ストロベリー味ね。ヒロくんはどうする」
「俺、バニラ味にする。チョコレートいっぱいのっけてね」
「はいはい」
 私は、付属していたレシピとにらめっこしながら、アイスクリームをつくろうと一生懸命になっていた。なるほど、牛乳、卵黄、生クリーム、砂糖を混ぜたものをいれて、冷却ドラムに氷と水と塩を入れればいいんだな。これなら昨日母上がつかった材料でなんとかなるな。イチゴ味にするためには、いちごジャムを入れればいいのか。なるほど凝っているな。
 大体作り方が分かってきたので、材料を用意して、後はハンドルを回すだけの状態にした。ここからは妹の仕事だ。
 妹はハンドルを楽しそうに回していた。それを見て、ヒロくんが、俺も俺も、と言って一緒にハンドルを回し合ったりしている。なんだろう、すごくほほえましい。
 できあがった、いちごアイスを三人分に分ける。そうすると、少し少なめになってしまったけど、まあ、後一回つくるからいいだろう、と思うことにした。
 いただきます、とみんな一緒に食べ始める。なんだと、おいしいじゃないか。く、子供のおもちゃと思って正直なめていたぜ。今度は母上と親父殿とも一緒につくってみたいな、と思った。
「おいしい〜」
 妹も、すごくうれしそうな顔をして、そんな感想をもらしていた。あぁ、なんてかわいいんだ。
「はやくはやく、バニラ味のも作ってよ」
 こっちはちょっと、こ憎たらしいぞ、なんて思いながら私は次のアイス作成に移る。面倒くさいので、アイスの機械はちょっとキッチンペーパーでふけばいいや、て感じにいちごアイスの残骸を片付け、新しい材料をつぎたす。
 そういえば、バニラビーンズなんて、うちにあったっけ。まあ、入れなくてもバレやしないだろう。チョコいっぱい入れれば、なんとかなるさ、多分きっと。
 そんな良からぬ考えのもとに出来上がった、バニラアイスならぬただのアイス、チョコレート風味を三人で食べる。
「おいしいけど、なにか物足りない気がする」
 ぎく、君はなかなかするどいじゃないか。確かに私もそんな風に思ったけどさ。
「こっちもおいしい〜」
 本当に我が妹は、最高にいい子だよ。ヒロくんにはもったいないので、私のお嫁さんにすることにしよう。
 そんな感じに、アイスクリームを味わった後、みんなでゲームをすることにした。
「じゃあ、お姉ちゃん片付けやっとくから、二人でマリオカートでもやっときなよ」
 と言って、二人を上に行かせる。
 私は面倒臭いが、しっかりと後片付けの任務を遂行する。まあ、水につけるだけでもいいって母上は言うだろうけど、母上の手を煩わせたくなかったんだ。それに昨日はごちそうつくって疲れてるだろうし。

 片付けが終わって二階に上がると、なにやら妹とヒロくんの話し声が聞こえてきた。
「なっちゃん、あれお母さんに買ってもらったの」
 何言っちゃってんの、ヒロくん、そこはサンタさんからもらったの、て言うべきところでしょ。
「ううん、昨日サンタさんが私にくれたんだよー」
 さすが我が妹、模範的回答だよ。
「えー、お前まだサンタなんか信じてるの。おこちゃまだなー」
 お前だって、おこちゃまだろーが。
「信じてなくても、信じなくちゃいけないの。どうしてわからないの、ヒロくんは」
 ん? んん??
「なんだよ、それ。信じてないならそう言えばいいじゃないか」
「もう、ヒロくんのバカ」
「バカってなんだよ。バカって言う方がバカなんだぞ。バカ」
「バカじゃないもん」
「ばーか、ばーか」
 このやろう、人の妹をバカ呼ばわりしやがって。我慢しきれなくて、私は扉を開けて乱入する。
「なんか、バカて聞こえた気がしたけど、気のせいだよね」
 ヒロくんを睨みながら私は言った。
 ヒロくんは、あたふたしながら、言ってないもん、言ってないもん、と繰り返している。
「ゲームやろうよ、ね」
 妹がコントローラーを私とヒロくんに渡しながらそう言った。
 それを持って、私はヒロくんとマリオカートのレースをする。もちろん、集中狙いしてやったよ。大人げないだって、いやいや当然の報いさ。
「あー、ハルカ姉ちゃんずるいよ。狙い過ぎだよ」
「なんのことかわかんないなー」
 それを見て妹はやっぱりあわてていたのだった。

「また遊ぼーね」
 二人でヒロくんのお見送りをした。ヒロくんは少し元気なく歩いている。やばい、やりすぎてしまったか。
「お姉ちゃん、今日はありがとうね」
「ん」
「アイス作ったりしてくれて」
「ああ、お安い御用だよ。次はお母さんたちとも一緒にやろうね」
「うん」
 その顔は本当に屈託なくて、抱きしめたくなるほどかわいかった。
 でも、なんだかさっきのヒロくんとの会話が気になっていた私は、思わず言ってしまった。
「サンタさんはちゃんといるからね」
「え、そんなのわかってるよー。どうしたの急に」
 その顔はちょっとかげがさしているように見えた。
「ううん、なんでもないよ。ねえ、ちょっとモンハンやってみない。先にプレーさせてあげるから」
「ありがとうー、やってみる」
 私たちは二人で手をつなぎながら家へと戻っていった。

 あーあ、思い出しちゃったよ。私がサンタを信じられなくなった一番の理由は、幼稚園の友達とサンタがいるかどうか大激論したせいだった。私はサンタはいない、て方についちゃって、そのままその意見を変えられなかったのだった。そして親に、サンタさんはお父さんなの、て聞いちゃったんだよね。あれはまずかった、すこぶるまずかった。そのときの親の態度で、ああやっぱりね、と子供心に思ってしまったのだったなー。ああ、あんなことすんじゃなかったよ〜。戻れるものなら、やり直したいよう。私は、さっきの妹の対応を見て、ものすごい後悔をおぼえてしまったのだった。

「ナナは偉いね。かわいくってさ」
「ナナかわいい、本当」
「ああ、本当だよ〜」
 私はそんな妹を力いっぱい抱きしめた。それに妹は、くるしいよー、といってじたばたした。ああ、なんてかわいいんだ、かわいすぎるよ〜。
 来年のクリスマスは、もっともっとかわいがってあげよう。一緒にいっぱい、いっぱい遊んであげよう。

 私はいつまで、妹にサンタを信じさせてあげられるのだろうか。今もそれができているのだろうか。わからないけど、でもできるだけ、長く信じさせてあげたいと思う。だってこんなにかわいいんだもん。

2010/12/23(Thu)23:29:15 公開 / 白たんぽぽ
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■作者からのメッセージ
12/23
 みなさんが続々クリスマス話を書いているのを見て、自分も急に書きたくなって書いてしまいました。思いの外長くなってしまい自分にびっくりです。ここまで読んでいただいてありがとうございました。
 みなさんはいつまでサンタさんを信じていましたでしょうか。僕はこの主人公と同じ経緯で、サンタの中の人の存在を知ってしまいました。友達ってたまに残酷なことを言いやがりますよね。いや、それでも信じてあげるだけの気持ちを持てなかった自分が悪いんですけど。でも、そんな中でも家族はサンタさんのことでがんばってくれたのですよね。そんな気持ちについて書きたかったので、これを書きましたが、気持ちは伝わったでしょうか……。

 どうでもいい補足ですが、今年のクリスマスは、やっぱり家族と一緒にケーキとチキンを食べれる感じになりそうです。やったぜ暖かいクリスマス、さようなら切ないクリスマス、なんて言ったら、反感買うでしょうか、ごめんなさい。でも、やっぱりクリスマスは僕にとって温かいものでありたいのですよ〜。でも来年はそうじゃない気が今からしていて、戦々恐々としております。幸せなときに幸せを噛み締めなければ、と強く思う今日この頃です。

取り急ぎ、誤字と指摘部分を修正しました。もうこれでミスがなかったらいいのですが、まだ僕の気付いていない何かがありましたら、どしどし言ってくださいませ〜。よろしくお願いします。

作品の感想については、登竜門:通常版(横書き)をご利用ください。
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