『ライフ・セレクター @』 ... ジャンル:リアル・現代 ミステリ
作者:犬猫                

     あらすじ・作品紹介
買い物から帰ってきた要藤 和輝はある遺書を見つけてしまい、それを読んでしまった。その後、和輝の見た光景は、自殺者の落ちていく姿だった!そしてそれを境に和輝の身にあることが起こる……

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一話 選択肢

とあるマンションの屋上。そこは陽炎のせいで景色が歪んでいた。
 そしてそこには誰かがいた。
 それはベンチに座っていて、下を向いているように見えた。


 俺は、なにかを見つけた。それは紙だった。
 俺は、親にこのくそ暑い中買い出しを頼まれ、家に帰る途中だった。今、俺はマンションの十四階の屋上へ続く階段の前にいる。そこはそれ以上いけなくなっていて、階段の前に鉄格子がついて
いる。そして鎖でドアの部分が巻かれ、その鎖を南京錠で固定されている。
 その状況は今も変わらない、見た目は。
 しかし今は違った。ドアの下に南京錠の鍵と、金、そして紙が置いてある。金はメモ帳の切れ端のようなものとクリップで
ついていた。そしてそのメモ帳の切れ端には、「このお金は自由に使ってください」と書いてあった。
 そして今、俺は紙を読もうとしていた。紙はクリップで閉じられ、中身が読めないようになっていた。そしてその紙の上には、書道で使う文鎮のようなもので押えられていた。
 俺の中では、迷っていた。
これを読んでしまったら何かが、絶対的な何かが変わってしまう、そんな気がしてならないのだ。
 しかし俺の中では7:3の割合で好奇心の方が勝っていた。
そして俺は読み始めた。
中にはこう書いてあった。
《これを読んだ人は警察に届けてほしい。自分でやろうと思ったがそれでは警察は信用してくれないと思う。
もしかしたら僕をとめてしまう。だからこれを読んでいるあなたに頼みたい。これを読んだ後、警察にこれを届けてほしい
その意味はもうすぐわかると思う。いやもしかしたらもうわかっているかもしれない。だけどここに書いておく。
僕は自殺します。

僕の名前は、佐藤 祐平 十五歳だ
僕は普通の家庭に生まれた
だけど僕の実母は、僕の生まれた後に死んでしまった
僕が一歳の時、父は再婚した
そして四歳の時、父の再婚相手の母は男を作り出て行った
そして僕は、弟と姉と父の祖母の家に行った。
僕は小学校に上がった時、誰も友達はいなかった
知っている人がいなかった
それは、弟も姉も同じだった
でも僕はいじめられはしなかった
僕は常に一人だった
誰かと話したりするときもあったが、どこかのグループに入るようなことは無かった
そのため先生からは普通の生徒と見られていた
外から見れば「仲のいい生徒」だろう
でも実際は完全に孤立していた
弟はいじめられていた
帰ってくるときはいつも泣いていた
そして僕が十歳、弟が八歳の時
弟はいじめられて川に落ちた
そのまま弟は帰ってくることは無かった
弟は事故死とされ、いじめていた奴はなにもされなかった
そしてどうして死んだのかは、僕だけが知っていた
だけど僕は話さなかった
話したところで家族は余計悲しむだろうと思ったからだ
それに事故死と思っていた方が、悲しみは抑えられるから
それから僕は中学に入った
中学の時も僕は一人だった
姉はいい生活をしていたのか、いつも帰ってくると笑顔だった
僕を除いた家族全体がいい雰囲気になっていった
そして十三の時
父と姉が買い物に出かけ、生きて帰ってこなかった
帰る途中にトラックと正面からぶつかったのだ
父、姉ともに即死だった
トラックの運転手も即死だった
原因はトラックの雨のためのスリップだった
その二年後、祖母は病気のため死んだ
そして僕は一人残された
母の下に行こうとしたが母は「私の子ではない」とだけ言って追い払われた
僕はその後、もうどうでも良くなった
ただ人には迷惑をかけたくなかった
そして先週、家のものを全て売り払った
それと同時に父達の墓を、共同墓地に移した
そして三日前、最低限必要とされる金以外は、募金した
それから僕はホテルで泊まり
今はきっと屋上にいるだろう
心残りになるようなことはもう全部した
そして僕は自殺します

これを読んだ人は必ずこれを、皆に知らせてほしい、せめてこのマンションに住む人にだけでも知らせてほしい。
僕は決して、誰かを恨んで死んだのではないとわかってほしい。
自殺理由は、存在する理由がなくなっただけです。
もはや誰も僕の事は知らないでしょう。これを読んだ人は同情してもかまいません、怒りを覚えても、悲しんでも、笑っても
かまいません。ただ、困らないでほしい。困惑しないでほしい。悩まないでほしい。
だから、警察は僕はただの自殺で終わらせてほしい。
弟の事故も、掘り返さないでほしい。
僕が自殺したからと言って、このマンションから引っ越さないでほしい。
僕は誰も恨みません。
決して。
ただ僕の人生の選択肢が悪かっただけです。
ただ簡単に映画を見ているような気持でいてもらいたい。
そしてこれを読んでいる人へ

人生は一つではない

あと南京錠は一つ壊してしまいました。
ので新しいのを付けました。鍵を置いておきます。
お金は僕のいらなくなった分ですので、ご自由にお使いください。》

と書いてあった。
俺は読み終わったと思ったが下の方に小さく何かが書いてあった。

《まだ終わってないよ》

 え?まだ何かあるのか?
俺はあたりを見渡した。そしてこの階段から見える空を見た。
 そこに映ったのは、逆さの人だった。それはこの遺書を書いた奴だろう。見た目は確かに一五歳ほどの少年で青色のT-シャツを着ていて、そして何かを呟いていた。その瞬間が俺には何時間にも感じられた。そして顔が見えなくなるとまた普通の瞬間に戻り、ドシャ!っと音がした。
 そして落ちていくものが呟いていたのは、
「頼んだよ」
とたしかに呟いていた。
 それをみとどけた直後したに新しい紙が落ちている事に気がついた。俺はそれを拾い上げると、そこには
《始まった。五》
とだけ書いてあった。

 あれから俺は家に帰り、警察に連絡し、あの遺書と鍵、金を警察に渡し帰ってきた。任意同行を求められたが今日は疲れていると話し家に戻ってきた。
 あれはなんだったんだ?遺書にしては遺書らしくなかった。遺書らしいということがそもそも間違っている。あれは遺書じゃない……じゃぁなんなんだ?
 俺は悩んでいた。警察とかはすぐに自殺としてかたずけてお終いだろう。だけどあれを初めて読み、あれと目が合い、この紙きれを持てば誰だって悩む。悩まないでください?初めて読んだやつはあんなもん読まされれば悩むに決まってんだろ。大体どうゆう意味だよ、この「始まった」って!
 俺はあの死んでいった奴に言ってやりたかった。叫んでやりたかった。
 あれから目を閉じるたびに、あの光景が映し出される。逆さに落ちてゆく人。そして目が合い、何かを呟く。あの目はなんとも言えない目だった。
 死んでもいない、生きてもいない、訴えてもいない、恨んでもいない、怒ってもいない、悲しんでもいない、喜んでもいない。
 なにも感じられない目、……まさにそれがピッタリあてはまる言葉だろう。
 だから余計忘れられない。
「あ〜もう、こんなこと考えてるからいけねんだ!」
忘れよう!あの紙に書いてる事のように悩んでるからいけないんだ!
 そんなことなかった、あそこでは何も起ってない!俺はエレベーターから降りてからここまで直線で帰ってきた!そう思えばいいんだ。
 そう自分に言い聞かせながら俺は部屋からでて冷蔵庫のアイスを取りに行った。
「おーい和輝!私のソーダぬるいー!」
 和輝とは俺のことだ。そしてこれを言っているのは、姉の琴音だ。
「うっさいなー大声出さないでも聞こえてますよ」
 ほんとにうるさい。こいつはこいつで俺を悩ませる。夏だってのにこの声のボリューム、どうにかしてほしい。
「冷やして!」
「自分でやれ!」
「ぬるくしたの、お前だろー」
「買いに行ってやっただけでもありがたく思え!」
 そういいながら俺は、アイスの袋を破き、アイスにかぶり付いた。
「あーいいなー私もほしい〜」
 ほんとにこいつが一番の悩みだよ。
「自分で取れって!ガキかお前は!」
 そういうとしぶしぶ自分で取りに行った、が
「それと同じやつがないー」
「ほかのがあるだろ」
「やだ、それがいい」
 何言ってんだこいつは?正直ここまできて苛立ってきた。
「じゃぁ自分で買ってこい」
「やだ、ちょうだい」
 ここまでくると俺の沸点に温度が近くなってくる。
「ふざけんなよ、これは俺の好物のひとつって知ってんだろ!」
 そのとうりこれは俺の中での好物のひとつなのだ。夏にこれがなければ生きていけない!というくらいのものだ。それなのにこいつは、それをくれと言ってきた。ふざけんな。
 そう思った時、
「知らん。えい」
 いつの間にここまで来たのだろう?俺の持っていたアイスが手から消えた。
「んーおいしい」
 俺の持っていたアイスは琴音の口にくわえられていた。そして俺の前で見せつけるかのように、見事な笑顔でアイスをほおばっている。
「てめぇ……喧嘩売ってんのか?」
「こんなか弱い可憐な美少女に暴力を振るうのか?」
 琴音は泣きそうな声を出して言った。
「お前のどこがか弱い可憐な美少女だ!」
「どこが美少女だ、だいたいお前もう少女じゃねーだろ!」
 そのとうり、琴音はもう高校三年生だ。
「姉にたいしてその口にお前とは、あー怖い怖い」
「貴様……絶対許さん」
 俺は確実に殺意を覚えた。
「まぁいいじゃん、それよりさーなんだろうね、この騒がしさー」
 琴音はのんきに元俺のアイスを食べながら言った。
 確かに騒がしかった。それは家の中ではなく、外からだった。俺にはその騒々しさが何によるものか、予想はついていた。きっと中学生自殺についてだろう。俺の見た子のことだろう。
 俺はさっき思い出さないと言ったのにな……。そう思いながら俺は、自分の部屋に戻った。
「どうしたー元気ないぞー」
 相変わらず俺の背中側からは、琴音ののんきな声が聞こえてきた。俺は琴音を無視しながら部屋に入ると、本棚からマンガを三冊ほど取り出し、ベットに飛びこんだ。そして、寝ながらマンガを読み始めた。
 俺は、要藤 和輝(ようどう かずき)ごく普通の高校一年生だ。今日は土曜日で、たまたま部活も無かったので家で休んでいた。だけどそれがあんなことになるなら、無理にでも外に行けばよかったと後悔している。
 さっきの陽気な女は、要藤 琴音(ようどう ことね)俺の姉であり高校三年生だ。
 親は実家に住んでいる。つまり、いま俺は上京中ということだ。もともとは俺一人で住んでいたのだが、姉が親離れしたい、とか意味のわからんこと言い始めた結果、こうやって共同生活している。しかし、姉はそれなりに負担をかけてしまったと思っているらしくバイトをして家賃を払ってくれたりもしてくれている。
もちろん俺もバイトをしている。が、やはり一人で払うのには無理があったため正直、姉が来てくれて助かっている。一部を除けば。
 姉はさっきの会話もそうだが能天気な奴だ。しかも、天然だ。そのため、家の掃除から食事まで全て俺がしている。まったくどっちが年上なのかわからない。しかし、もちろんいい面もある。
 姉はああ見えて、昔から心配性でもある。実際、この家に来る理由も親離れがしたいと本人は言っているが、本当は俺が心配だったから来たと親から言われている。
 今日の事を琴音に話してないのは、そのためだ。前に一度、俺が友達に殴られた時、琴音は俺を見ていじめと勘違いしたのか、学校まで来て大騒ぎになったことがある。ちなみにそれは、俺が中二で琴音が高一の時である。
 どうせ今日の事を言ったら、警察に言って散々な目に会うのは目に見えている。だから言わなかった。
 とりあえず明日ちょこっと警察に顔出して、ある程度言っておけばいいだろう。そう思い、俺は読んでいたマンガを閉じ、目も閉じた。そして眠りについた。

 ここは――エレベーターだ。俺のマンションのエレベーターだ。何階に向かっているのだろう?そう思い、階選択ボタンに目を向ける。十四階のボタンが光っていた。それは十四階に行くことを意味していた。
 なぜ向かっているのだろう?と考えているうちに、十四階についた。
 そして一歩前に踏み出す、そして足が地面についた瞬間画面が変わり、いつの間にか俺は紙を持っていた。
 俺は何が起こったのか分からずに周りに目をやってしまった。その瞬間思った、このシーンは――
 そこには俺の予想通り、落ちていく人の姿があった。しかし何かが違った。
 あの時の少年は、青色の半袖のT-シャツを着ていたが、今は違った。
 赤の半袖のシャツに、白と黒のT-シャツ………そのとき俺の頭に浮かんだ答えは、
「俺?」
 間違いなく、それは俺はだった。そして俺を見た瞬間、
「間違えるとこうなるんだよ」
 と不気味に微笑んだ。

「――!!」
 俺は、あのほほえみを見た瞬間、夢から覚めた。
「なんだったんだ?」
 気分の悪い夢だ、寝てれば少しは落ち着くと思ったが――間違いだったな。
 俺はベットの下に落ちている時計を手に取り時間を見た。
「なんだ、まだ五時か……」
 俺は立ち上がり、そのまま部屋を出た。
「あれ?琴音どこ行ったんだろ?」
 いつもならテレビを見ながら寝ころんでいるはずの琴音がいなかった。
「いつもなら一言言ってから行くはずなのに……」
 不思議に思ったが
「まぁ、いいか」
 よくよく考えれば普通の事だ。というよりあの歳になっていちいち言う方がおかしいか。
 そう思いながら蛇口に向かった。
「ん?まだあの騒ぎやってるのか」
 まだ外が騒がしかった。たっくどんだけ大きい声出してんだよここは十四階だってのに。
 そして俺は、――!
 その時止まった。
 動けない。なんで?まったく動かない。自分では動こうとしているのに動けない。これが金縛りなのか?そんなはずないだって俺は片足上げたままだぞ?
 不意に目だけを(と言っても目しか動かないが)正面に向けると、

《そのままコップを取り、蛇口から出てくる水を汲んだ。》

《騒ぎが気になりベランダへ出て手すりにつかまり下を見た。》

 なんだこれ?俺の目の前には二つの文章がうかんでいた。
 どうゆうことだ?なんで文字が浮かんでんだよ?俺は体を動かそうとしたが無駄に終わった。
 こんな状況ってありですか?声すら出ないのだ。いや正確にいえば声が出ないのではなく声帯を震わせることができないのだ。
 自分で呼吸しているのかすらもわからない。――たぶんしていないのだろう。
 だけど俺は生きている、しかも苦しくもなんともない。
 どうしろってんだ?目だけ動いてもどうしようもないぞ?とりあえず俺は今、目の前に浮かんでいる文字を見た。
 ……選ぶ?どっからそんなことが出てきたのだろう。でも今この状況からして選ぶ事しかないだろう。
 でもどうやって?う〜ん。とりあえず俺は、ベランダに出てみようと思った。
 するといきなり体が軽くなり、体が動いた。動いた?
 おかしな話だ。なぜ動く?普通なら前のめりに倒れてもおかしくないだろう。それがいきなり前に歩き始めたのだ。
 おい!待て!止まれ!なんでだ?なんで勝手に動くんだよ!?
 そのまま俺の体はベランダに行き手すりにつかまり下を見た。
 え?これってあの文章のままの行動?
 その瞬間、俺の体は軽くなり、手すりに倒れた。そして手すりも倒れた。
 あれ?俺が倒れていく?おかしいよな、普通だったら手すりが俺を支えてくれるはず……。
 しかし現実は支えてくれなかった。そのままどうする事も出来ず、俺は落ちて行った。そのとき俺が見たのは、あの少年だった。
 そして、
「間違えたね」
 そう微笑みながら答えた。そして俺は地面にたたきつけられた。

「――!!」
 俺は、あのほほえみを見た瞬間、夢から覚めた。
「なんだったんだ?」
 気分の悪い夢だ、寝てれば少しは落ち着くと思ったが――ってあれ?このシーンどこかで見なかった?いや見たというより体験した――!
そうだ!これは数分前の……俺?たしかその後、時間を見て、水のみに行って、それで止まったんだ。んで文章が出てきて、勝手に体が動いて、それで――死んだんだ。
 でもたかが夢だろう。ちょっとリアルな夢なんだきっと。正夢……じゃなければいいけど、たまたま夢と現実が重なっただけだろう。
 俺は自分に言い聞かせた後、俺はベットから降り、部屋を出た。
「あれ?琴音がいない……」
 そのとき俺はハッとした。夢でも琴音はいなかった……
「な、なにビビってんだよ、たまたま重なっただけだろ!」
 俺は自分にもう一度強く言い聞かせた。が、そこで思ったもしかしたら、あれは夢じゃなくて現実ではないのか、俺が死んでしまってただ現実がループしただけではないのだろうか、そう考えた。
「もしあれが現実なら、俺が蛇口に行くと……」
 俺はそういいながら蛇口へ向かった。すると、
「騒がしい……」
 さっきまで静かだったのにいきなり騒がしくなった。
 そして俺は――
 予想通りだった。ここで止まった。そしてさっきと同じように、目の前には文字が……
 見た目はまるで一緒だった。ただ浮かんでいる文字が少しさっきとは違った。

《あれは夢だったのか?確かめるためにもう一度、ベランダに向かった。》

《さっきと同じになってしまうのではないかと思い、ベランダの方をただ見つめた。》

 俺はとりあえず、下に書いてあるように、ただ見つめることにした。
 すると俺の体は軽くなり、まるで誰かに操られているかのように、窓へ向かった。
 そしてただベランダを見つめた。その数秒後、ベランダにある手すりが落ちていった。
「うそ……だろ?」
 そこでようやく、俺はあの夢だと思っていたものが現実だったと受け入れた。俺は一度死んだ、そして過去に戻り生き返った。
「でもなんで……」
 俺は何気なくポケットに手を入れた、
「……?」
 何かが手に触れた。そして取り出すと、
「……よん?」
 俺が見たのは紙で、そこには《四》と書いてあった。
「なんでこんなもんが……」
 その時、俺の脳裏にあることが浮かんだ、
「そういえば……遺書の近くに落ちていた紙には《五》って書いてあったな……」
 つい《始まった。》の方にばかり気が行ってしまい、気にしなかったが、これとあれが関係ないとは言い切れなだろう。
「でもどうゆう意味なんだ?五……四……」
 これはただ単にカウントダウンなのか?だとしたらなんの?
 どのみちこれは、今までの事と関係ないとは言い切れないな。
 俺はこの紙をまたポケットに戻した。その時、
「ただいまぁ!おねぇ様のおかえりだ〜!」
 のんきな大声が聞こえた。
「ん?どうしたどうした、浮かない顔して!」
「あんたが帰ってきたからだよ……」
「ひっどーい!それが血の繋がった姉弟に対する言葉か!」
 たっく人の気も知らずに……
 とっさにさっき起こった事を隠してしまったのは、琴音を巻き込みたくなかったからだ。
 俺はこれからどうなるのだろうか……
 無事に生き残れるのだろうか?
 そんな不安を思っていた……

2010/04/24(Sat)20:31:56 公開 / 犬猫
■この作品の著作権は犬猫さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
どうも犬猫です。人生初の連続ものです。書きあがるのにとても時間がかかりました。
だけどまだまだ未熟です。、←これの付ける場所などいろいろおかしなところがありましたら、注意して頂けると幸いです。
ここまで読んでくださった方々、本当に心から感謝しています。
ありがとうございました!(なんかもう終わりみたいになっちゃった(笑)

作品の感想については、登竜門:通常版(横書き)をご利用ください。
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