『Anger☆star』 ... ジャンル:ファンタジー ファンタジー
作者:ところてん                

     あらすじ・作品紹介
 天使って、本当にいるんですね。 悪魔って、本当にいるんですね。 もし、僕が天使なら。 もし、僕が悪魔なら。 僕は、世界を守る。 僕は、世界を破壊する。 話しに特に関係のないこの文と、 話しに関係のない一つ目の区切り 作者の友人から、「設定がいろいろまずいな」と言われた、中二設定満載な作品をあなたに

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(1)

 天使って、本当にいるんですね。
 悪魔って、本当にいるんですね。
 もし、僕が天使なら。
 もし、僕が悪魔なら。
 僕は、世界を守る。
 僕は、世界を破壊する。
 
(2)

数時間前

 僕は今、学校の中にいます。放課後で職員室に行くところです、なぜ職員室に行かなければならないのかというとですね、今回のテストが大変いけなかったんですね。帰ってきた答案用紙見たときは、周りの温度が氷点下を超えた気がしました。
今僕の気分はブラックです。そんな時、声がしました。
「賢くん、一緒に帰ろう。」
 ブラックな時でも構わず、元気に話しかけて来るのは、一人しかいません。僕の幼馴染の小百合ちゃんです、フルネームは雨崎小百合、彼女が元気じゃない姿は見たことが有りません。
「えっ! 今から?」
「どうしたの?」
 彼女は心配そうに僕を見ました、円らで綺麗な瞳が僕をじっと見ているんです。星が見えてきました。
「先生に呼び出されているんだよね、多分成績のことだと思うんだけどさ…。」
「へぇ、大変だね。」
「大変だって…小百合ちゃんは何ともないの?」
「うん、先生に『あんたは、このまま行けば何処でもいけるぞ』って言われたの」
 僕は彼女をじっと見た。小百合ちゃんってこんなに賢かったっけ?と、思っていたら
「その目…『ありえな〜い』って目だよ。」
 少し違っていたけど、当たっていた。そしたら、今度は
「ああっ! その目は『当たり』って目だ!…酷いよ、賢君。」
 って彼女が言って、泣き始めたからさあ大変。頑張って泣き止ませないと…。
「ち…違うよ!僕そんなこと思っていないから。ねっ、泣き泣き止んで。」
 といっても泣き止みません。そうしていると、先生がやってきました。僕を見て状況を判断すると凄い剣幕で
「コラッ! なに女子を泣かせているんだ!」
 僕のほうへやってきました。
「ち…ちがいます、泣かせていません!」
「嘘をつくな! こっちへ来い!」
「ちょっと、小百合ちゃん!小百合ちゃんからも何か言って!」
 僕は、泣いている彼女に助けを求めました。すると、彼女は立ち上がって僕のほうを見てベーッ、とやってきました。小百合ちゃんは…泣いていませんでした。
(嘘泣きだったんだ…)
                   
(3)

 あれから約四十分が経ちました。先生に怒られて、今度は担任の先生に怒られて、最後は成績のことについて怒られて…、散々です。
 当の本人は何をしているかというと、
「お帰り! どうだった?」
 と、何も無かったように話しかけてきました。少し怒りがこみ上げてきましたけども僕は負けません。これくらいで泣いていたら彼女の友達は務まりませんから。
「分かるでしょう?散々だったよ。あの先生の説教の後は、担任の説教で、そこから、更に勉強でのことで説教だからさ。」
「うあっ、…ごめん」
「まぁ、いいけどさ。」
 僕は鞄を持って、校門を抜けました。説明が遅れましたが、僕たちは中学校に通っています。中学校の名前は「聖南城中学校」といって、別にキリスト教の学校とかそういうのではなく。歴代の校長先生が格好付けでつけたのがこの名前の由来だと、朝礼で聞きました。この学校は変人がよくいますね…。
                   
(4)

 ヒュウッ、と、冷たい風が吹いています。今日の夕方は寒いです。朝、「こんなに暖かいから薄着でも大丈夫かも」と、思って薄着にしたら、この様に、我慢大会のような感じを強いられていると言うことに。
「だ…大丈夫?」
 小百合ちゃんは元気です。コートを着ているから、凄く元気です。元気っ子の彼女には寒さは通用しないのでしょうか?それとも、馬鹿は風邪をひかないとかでも言うのでしょうか?しかし、彼女は馬鹿と言おうにも言えない子なんですね。学校での会話から思うに。
「う…うん。」
 本当は、大丈夫では有りません。寒いです、凍えそうです。凍え死にしてしまいそうです。
 ビュゥゥゥゥ!と凍てつく風が再び僕を襲います、だ、誰か助けてください、ヘルプミー。
「そんなに寒いなら、コート貸してあげるけど…どう?」
 そういうと、彼女はコートを脱いで僕に手渡してくれました。僕は、「いいの?風邪ひくよ」といって、断りましたが、
「いいって!いいって!私は丈夫だから風邪なんかに負けはしないよ!」
 って、言ったので、着ることにしました。小百合ちゃん、有難う!
                   
(5)

「ただいま」
 家に帰りました。此処で問題です、僕が、今!これからしなければいけないことは何でしょうか!うがい?手洗い?ノー!正解は。
                   
(6)

 チャポン
「ふぅ〜」
 そう、正解はお風呂です。幾らコートを借りたといえ、体温が下がって、色々大変なことになっているので体温を上げないといけません。そんな事より、40℃なのに冷たく感じてしまうのはなぜでしょう?不思議です。
「賢、此処にタオルと着替え置いとくから」
「は〜い」
 肩まで浸かって、結構時間がかかりました。さて、十分上がったので上がるとします。
「うあっ!」
 水分を切って、外に出た時に急に立ちくらみが僕を襲いました。一瞬、ほんの一瞬だけ、意識が途切れました。
 着替えを済まして、二階に上がって、本を読み始めました。
そのとき……
                   
(7)


 そして、現れたのが、今僕の目の前にいる天使です。ちょこんと正座で座っています。銀色の髪と青い目、綺麗な肌色の肌に白い翼。そして、周りに散らばっているのはその翼についていた羽です。そして頭の上にある黄色の輪は漫画でも良くある天使の証明となるものです。
「あら、天使だからといって必ず輪っかがあるとは限りませんよ。」
 その天使は、優しく僕に言った。綺麗な声だった、楽器の音色に例えるならハープです。ずっと聞いていると癒されそうです。静かな声で、優しい言葉遣いで、…あれ?そういえば、なぜ天使が此処にいるのか。なぜ天使が僕の家にいるのか。それを聞いてみよう。
「あの…」
「はい、お知りになりたいことは分かっております。それには色々説明をしなければならないと思います」
「どれくらい時間掛かりますか?」
「分かりません」
                   
(8)


 天使は、立ち上がって、窓を開けて説明を始めました。
「さて…何から説明をすればいいものか。とりあえず、私のことについて話さしてもらいます。私の名前はルナ、スペイン語で月(Luna)です。私は天使機関【エンジェルスター】に所属しております。」
「天使機関?」
 僕は、天使機関とか意味の分からない単語が現れたので、聞き返してみました。すると、ルナさんは、付け足して説明しました。
「あっ、ご存知でないのですね、わかりました。説明いたします。天使機関は主にこの銀河の秩序を守っております。宇宙は膨張しているとあなたたちの人間の理論ではありますが、そうではございません。宇宙はまた、別の球体です。」
「えっ! いきなり論理を無視していい…ですか?」
「はい、【事実を事実のまま話す】これがエンジェルスター、我々、天使機関のモットーです。」
 はっきりとした口調で説明をするルナさんは、月明かりに照らされていた。そして、ルナさんは、窓を閉めた。それでも月明かりが、ルナさんを照らしています。
「何で閉めたんですか?」
「それは、天使機関からの情報がもう入ってきたからです。私たちは時間になると、必要なものを月の光で情報を受け取ります。そして、それを情報源に任務などをこなしていきます。」
「と、言うことは、今がその時間ということですね。」
「いいえ、今のはただの報告です。」
「報告?」
「つまり、私たちの情報をあなたに伝えた、ということを報告したのです。なんというか、こういう情報を逐一報告しなければならないのが、私の性格なので。」
 ルナさんは手をグッ、と握った後、笑顔で僕を見ました。綺麗でした。今の自分では表現が上手くできません。銀色の髪が光に照らされ、綺麗な肌が綺麗に反射する。
「……」
「どうしましたか?」
「あ…いえ。」
 僕は、ずっと見とれていました。自分でも気付いていませんでしたが、ルナさんに呼ばれて我に返りました。
「で…此処に来た目的は何ですか?」
「あ、それがまだでしたね。」
 そういって、ルナさんは僕のベッドに座った。
「此処に来た目的は、あなた、【宮城賢の保護】です。」
「えっ、何故ですか。」
 僕はビックリしました、いきなり現れた天使に、「あなたを保護します」って言われて、びっくりしない人はその場で挙手をして下さい。
「驚くのも承知の上です、説明をするので聞いてください。まず、あなたは普通の人間とは違うのです。普通の人間と波長が違い、乱れる時の波長が人間のレベルを超えているんです。」
「それが違うとどういうことに?」
「あなたは、人間ながらにして。【私たち天使と同等の存在、若しくはそれ以上の存在になる】可能性です。」
「…それってすごいんですか?」
「凄い! のレベルが良く分かりません。人間より上の存在って事でいいのですかね? 少し自信が有りませんけど。」
「それでいいです、解釈としてはそれで。」
「で、何でそれで監視対象になるの?」
「私たち、天使機関は人間がそのような領域に達するという事実はこれまで見られませんでした。もしかしたら、新たなる領域の人間の可能性か、もしくは人間の領域ではなく、未知異色生物(アンノウン)の可能性もあると、言う話が出て、もし、私が先に言った新たなる領域の人間であれば。宇宙全土が変わりますが。もし、後者であれば、私たちは全力であなたを排除しなければならなくなります。」
「……嘘でしょう。」
「信じたくなければ信じなくても結構です。」
「で…でも」
 事実を事実のまま話す、その言葉が頭から離れません。ショックが頭から胸へ、そして遂には、体全体に圧しかかって来ます。
「これは、個人としての問題では有りません。」
「じゃあ、どうすればいいの?」
 こわいです。もし、僕がアンノウンだったら、排除される。殺される…ころされる…コロサレル…ころさ…。
「事件を未然にふぐというのも、天使の役目の一つです。だから、私がこれからあなたと一緒に生活するのですよ。」
 ニッコリ顔で、ルナさんは言いました。その笑顔が今は怖いと感じます、もうちょっと…タイミングがよければ。あれ?ところで、今、一緒に暮らすという言葉が聞こえましたが?
「はい、何か?」
 も…もしかして、嘘じゃなくて、本当に…一緒に暮らすことになるのかな…?
「はい、そうですけど。」
「ええええええええええええええええええええっ!」

(9)


 お母さんは、なぜか理解してくれた。天使って言っても理解されないが山の如しなので、頑張って、偽の家族の人たち(ルナさん曰く天使機関の天使)を使って、居候みたいな感じでいることになりました。お母さんは、女の子が家に来て嬉しいようです。今度、家族で買い物に行く約束をしました。
「賢さん、これからよろしくお願いしますね。」
 変わらない笑顔で僕に話しかけてきました。月明かりが、何時もより明るく思えます。
「よ…宜しくお願いしますルナさん」
「うふふっ、ルナで良いですよ。」
 その天使は、僕に微笑んだ。
 ああ、生きているって凄いな。
 月が、僕達の頭上で輝いていました。

(10)


休日、そう、それは僕にとって至福の一時。学校での小百合ちゃんの暴走から離れ、ベッドでゴロゴロ出来る、素晴らしいことでは有りませんか。
 しかし、そんな僕の生活は、彼女によって潰されたのです。
「賢さん、何時まで寝ているのですか!起きてください」
そう、僕と監視する為にやってきた天使機関に所属する天使ルナちゃんです。前は「さん」付けだったよね?と、質問をしたい人がいると思います。それにはちゃんとわけがあります。簡単な話、呼び捨てが嫌いなので「ちゃん付けで良い?」と聞いた所。「いいですよ」と、笑顔での返事が返ってきたので、ちゃん付けにしました。
 大人しい声でありながら、癒される彼女のボイスは。僕の眠っている脳を目覚めさせました。何でこんなことで目覚めるのでしょうかね?
「ふふふっ、『お母様が朝ご飯出来たよ!』って、賢さんに知らせてくださいといわれましたので起こしに来ました。」
「ああ、そうなの。有難うルナちゃん」
「はい、」
 ルナちゃんが、僕の部屋を出て、一階へと降りていきました。足音があまりしなかったです。それに、心なしか嬉しそうに降りていったきがします。
                    
(11)

「ああ、そうそう。」
 母さんが、食事後の食休み中に何かを思い出したようです。ルナさんはやっぱり他楽しそうにしていました。
「今日、家族で買い物に行くわよ、もちろんルナちゃんもね。」
 なるほど、と、僕は思いました。朝の嬉しそうにしていた理由はそれか、と、気付きました。
「何処に買い物行くの?」
 とりあえず場所を聞いてみることにします。すると帰ってきたのは、デパートでした。特にビックリはしなかったけれども、普通すぎるなー、と思った僕です。でも、天使機関の服装では、怪しいこと山の如しです。機関の服装は、綺麗な軍服っぽい服装ですが、傍から見たら、「何のコスプレ?」というレベルの服装ですので、買い物に賛成しました。
 食休みが過ぎ、車に乗ろうとした時です。ルナちゃんが車をじっと見ていました、
「どうしたのルナちゃん?」
「えっ! あ…その…、これ、なんですか?」
 ルナちゃんの発言からして、ルナちゃんは車の存在を知りませんね。でも、それじゃあ行動は一体どうしてるんでしょうか。
「天使は、基本的天使機関から支給されるワープアイテムで行動しています。それ以外は、徒歩か飛行です。」
 飛行、天使だから別に問題はないと思いますがね…。あ、でも、僕とルナさんが初めて出合った時は翼がありましたね。と、言うことはあの時は飛行で僕のところまで来たんですね。
「ちょっと、惜しいですね。ワープの指定位置はこの街の公園だったので、途中から飛行で賢さんの家へ行きましたよ。」
 と、いうことらしいです。天使って不思議だな。あれ?翼が生えてない…。
「今は必要ないので体内にしまってあります。」
「そ…そうなんだ。まあ、そういうのはいいとして早く車に乗ろう。」
「はい。」
 ルナちゃんはおずおずしながら車の中に入っていきました。僕たちは、家を出ました。行き先はこの町で一番大きい店、EONです。爪楊枝から、途轍もない位大きな物まで売ってあるというこの店は、三年前にできました。ゲームセンターが大きかったのでみんなで走り回って店員さんに怒られた記憶があります。
 車のBGMを聞きながら、いま、ルナちゃんを見ています。彼女はまだ怖がっていて、目に涙が溜まっています。僕は「大丈夫?」って行って彼女の手を握りました。別に、そっちの気が有るわけじゃなくて、安心させる為に取った行動です。
「あ…ありがと…う…ご…ござ…いま…す…?」
 混乱しながらも、笑顔か恐怖か分からない表情で僕を見ています。ああ、色々まずいな…。とか言っている間に、店が近くなってきました。
「ほら、あれだよルナちゃん。」
「うあ…大きいです。」
 設定としては、彼女は他の県から転校してきたクラスメイトということで、学校とか色々手続きとか、天使なのに色々現実的なことをして現在に至るわけですので。彼女が天使でなくても、このデパートの大きさに驚くわけです。
 さあ、デパートに着きました。僕は車を降りて、ルナちゃんを下ろし、二人で店の中へ入っていきました。
「迷子になっちゃ駄目よ!」
「は〜い!」
 僕はルナちゃんを連れたまま、店の中へ入って行きました。同時刻、このデパートの上に恐怖が忍び込んできたことに気付かずに…。
                    
(12)


 僕は蚊帳の外でした。状況を説明しますと、僕達(母を入れた)はまず、ルナちゃんの下着を選ぶというシチュへ行ったのですが、母が「あんたがいるとルナちゃんが恥ずかしがるわ」とか、何とか言って僕に500円渡して遊んで来いと言って来ました。仕方ないから、ゲーセンで遊ぶことにしました。
 此処のゲームセンターのコインゲームのコインは安いです100円で20枚です、家の近くのゲームセンターなんて100円で6枚ですから凄く安いと感じます。500枚で150枚です…。すごい、何でも出来そうな気がします。
 僕は近くのコインを落とすゲームを始めました。「空物語」というゲームなのですが、パチンコの奴をコインゲーム化した奴で。パチンコをやった事のない僕としてはこんな感じでスロットがされるのかと思うわけです。近くのパチンココーナーを見る限り違うけど…。
「あの…」
 小声で誰かが僕に話しかけてきた。その子は赤い目、青い髪をした小さい女の子でした。頬を赤らめて、「一緒にやらして下さい…」と、言ってきました。
 何故でしょう、僕は断る気にはなりませんでした。別に、僕はそっちの気があるわけじゃ有りません。僕の心、そう、意思が彼女を受け入れたということになると思います。
「別にいいよ」
「ホント…じゃなくて、本当ですか?有難うございます。」
 彼女は無垢な笑顔を僕に見せてきました。ああ、いい事をするといいことが帰って来るんだなぁ…、と。いえ、別にそっちの気が有る訳じゃあ有りませんよ。そ…そんな変な目で僕を見ないで下さい。
 僕はイスの端っこに座りました。僕の座っているイスは、長椅子ですので、二人分は普通にいけますが。危ない目で見られにくいようにこうしました。
「えへへへへへ」
 と、笑いながら少女はコインを入れてきました。そのコインは上手い具合に入っていって…、ルーレットの回るところにコインが行って…、ルーレットが回って…あれ?何かの戦闘機が横切ったぞ?
「ああ、それはF―15だよ」
 ひょいと話しかけてきたのは…、えっと…どちら様でしょうか?変な帽子を被った男の人でした。
「おい…忘れたか!俺だよ俺!お・れ!」
 えっと…新手のオレオレ詐欺でしょうか。僕に息子はいませんよ。キョトンとした目で僕を見ています、丁度◎←これの外側の線を黒く塗ったような感じの目で、僕をじっと見ています。
「え…知らない?覚えていないと。…どうせあれだろ?お前今オレオレ詐欺とかと勘違いしたんじゃねぇの?」
 少なくても読者には分からないと思います。今現在の登場人物は、僕・ルナちゃん・小百合ちゃん・隣の少女・お母さんですよ。男の登場なんて…。あ、先生がいました。
「そうか……俺って、一回も登場していないんだよな…。というか、まだ区切りとしては一話だもんな…」
 ショボーン…、としてしまった黎也君…。あ、そうだ!彼の名前は嵯峨根黎也です。さがねれいやですよ。
「やっと思い出したか?お前…悲しかったぞ。」
 ところで、黎也君は、何故僕に話しかけたのでしょうか?
「そんな事より…コイン入れなくて大丈夫か?」
 ふと、僕が見ると。戦闘機同士で戦っています。
「おお!零戦だぞ!当たったじゃないか。」
「えっ、なに、どういうこと?」
 コインをゲーム機に入れながら、話を聞いています。ところで敵機が零戦って…
「零戦が出ると100%勝利だよ!」
「何でこういうこと知ってるの。」
「やりこんだからね…。」
 と、ウンウン、と頷きながら何か行っています。あああっ、うざい。誰か彼を一発殴ってください。と、そのとき。
『YOU WIN』
 と、画面に文字が出てきました。
「よし、発展しろ」
 と、また後ろで何か行ってきます。あれ?いつの間にかコインがカップいっぱいになってる…。
「……」
 そういえば忘れていました。隣には少女がいたのです。
「あれ、誰だよ。もしかしてあんた誘拐してきたのか?」
「違うよ、何がどう発展したらこうなるんだよ?」
「いやぁ、あんたはやらないと信じていたんだが…。」
「変な事言うなよ!ホラ、見てみろ、警備員さん来たじゃないか。いえ、違いますよ。誘拐では有りません。あれ?君、何で警備員さんのところへ涙目で行ってるの?あ、そうか。もう完璧に僕は怪しい人だ。あ、おい! お前逃げるな!」
                       
(13)

「ゴメンネお兄ちゃん。」
「ふぅ…」
 さっきの少女、芽愛(めお)ちゃんは、何度も何度も謝ってきました。別に起こる気がなかったのですがね。
「なんだよ!お前、違うならちゃんと言ってくれよ!」
 ……(プチリ)、少し頭にきそうでした。此処は忍耐で何とかいけるので大丈夫です、小百合ちゃんのに比べたらこっちはスライムの攻撃ですよ。あっちは、べギラゴンにマヒャドにイオナズンですよ、三つ合わせてべヒャナズン、体力が持ちません。一ターンに三回も攻撃してくるような子ですからね。しかも、べヒャナズン。「きゃああ」、と言っている間にHP0で棺桶の中です。ザオリクでも生き返らなさそうです。
 そういうことより、何故今日、黎也君がいるのでしょうか。軍人らしき服装で帽子をかぶってバッグを持って…。彼は僕の目線の先を見て。
「ああ、これか。今日はな、広告にジャックナイフが数量限定で安くってあったからこの服装で来たんだよ。」
「ふ…ふ〜ん」
 ジャ…ジャックナイフ……。恐ろしいものを買おうとしています。誰か、彼を止めて下さい。
「ふはは、甘いぞ!我が波動を止められるものは存在せぬ!」
 曹○みたいな事を言い始めました。あ、言うのを忘れていましたが。彼は色々オタクです。いろんなネタを言ってきて、稀に18歳未満禁止の領域にまで行く人です。
「俺をそういうキャラに仕立て上げるな」
「え…、でも本当の事なんだけど。」
「本当のことでも行っていい事と悪い事があるだろう!全く、最近の若者は…。何かあると、『妹○は俺の嫁』とか意味の分からないことを…」
「それ、思いっきり自分の事を言ってるよね?」
「馬鹿を言うんじゃない!俺はチ○ノ派だ!」
「どっちでもいいよ!この会話でほとんどに人が置き去りにされてる感が…」
「大丈夫だ! これを読む人はいないと思うし。東○くらい知っているだろう。」
「うゎ、最悪だよ、しかも『くらい』って。」
「ふふっ、それが人間だよ!」
 悪びれもなしに、彼はそういうことを言うのです。否定が出来ないというのも人間ですね。
「そういえば。あんた、同人誌買いたいとか言ってなかったっけ?」
「言ったことないよ、それあんたの希望でしょ?」
「確かに、聞いた覚えがある。確か18禁の同人がほしいとか何とか…」
「なにそれ?自分知っているの、限界で To H○A○Tだよ」
「とか、言いながら本当は ダ・○ーポとかやってるんでしょう? 何? PCゲーの方? 何? プ○スコ○ュニケーション? サマーバケーション? リ○ル○ス○ーズ? エク○タシー? EXATED!?」
「なんか、色々混ざってる気がする。あと、同一視されたくないから無印の方で」
「馬鹿野郎!ドラ○ン○ールだってな!無印のときと、Zの時とじゃあ、凄い違いだっただろう? GTは覚えてないけど。」
 ワード1ページ分、会和文で終わりました。なんと言うことでしょう、この小説がそっち系へ行こうとしています。何とか軌道修正しなければ…。
「おまえ、軌道修正しようという腹だな! そうはいかねぇ。」
 もう駄目だ。僕は、芽愛ちゃんの手を掴んで走り出しました。
「お…おにいちゃん」
 芽愛チャンは戸惑っているようでしたが、とまる時間は有りません。一メートルでも秒速をあげる。今の僕に課せられた試練です。僕は、体力が続く限り走り続けます。
「燃えろ! 僕の小○宙!」
「萌えろ! 俺の○宇○!」
「ちゃんと隠そうよ! あと、『燃える』の字が違う!」
「そんな事より、待てェ! この誘拐犯!」
 わお、大声で叫び始めました。もう僕が見られる目は、100パーセント危ない人です。なんか、警備員の人まで来ました。
「ちょっと、何言ってるの? 僕、もうただの危ない人じゃない。」
「危ない人に仕立て上げてるんだよおおおおお!」
 きやあああああ、もう最低だよ。この人。第一話からの登場で、もう嫌がらせですか。最悪だー!
「げはははは。賢、こういうときの俺は通常の三倍早く走れるのだっ! 見せてもらおうか、宮城賢の性能とやらをっ。」
 うわっ、いつの間にか体が赤くなってる、しかも角付きで。ほんとに三倍早く走っている気がしまますし。
「あの赤い人間シャ○か。」
 もう、小説として成り立っていません。どうすれば…。と、言う事を考えながら逃げています。もう逃げる目的が何かさえ忘れてしまいました。えっと、目的は何でしたっけ。
 僕はいっぺん立ち止まりました、
「やっと観念したか? 誘拐犯。」
「ちょっと待って、今考え事。」
「何だ、身代金か。」
「違うよ。一回殴っていい。」
「いや、やめてくれ」
 僕はシンキングタイムに入りました。えっと、たしか…芽愛ちゃんと、コインゲームして、誘拐犯に勘違いされて。ジャック……
「ジャックナイフだ」
「ああ、そうだった……。ああっ、時間が無い! 急ぐぞ。」
「僕も?」
「あったりまえだ!間に合ってくれぇ。ライズ発動!」
 迅い、3倍以上の速さで走っています。黎也くんの能力ってもしかしたらP○Yより凄かったりするかもしれません。
 僕は、ペースを遅めにして、彼についていきました。


2009/09/17(Thu)20:23:53 公開 / ところてん
■この作品の著作権はところてんさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
 誤字脱字があるかもしれません。(注意:作者はうっかりやさんです、国語は4です)アドバイスなど、大歓迎です。

 「設定がいろいろまずい」は本当に言われましたが、反省はしていません(と、いうか何故色々まずいか分かりません)

最後に、名前はところてんです

 

作品の感想については、登竜門:通常版(横書き)をご利用ください。
等幅フォント『ヒラギノ明朝体4等幅』かMS Office系『HGS明朝E』、Winデフォ『MS 明朝』で42文字折り返しの『文庫本的読書モード』。
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2020/03/28:Androidスマホにも対応。Noto Serif JPで表示します。