『時の旅人』 ... ジャンル:ファンタジー 恋愛小説
作者:甘夏蜜柑                

     あらすじ・作品紹介
この物語はフィクションですが、この物語で起きたことはこの物語で出てくる人達にとっては、真実と同じです。異世界と時の均衡に立ち向かうのは、記憶を無くした姫を救うべく旅にでた桜国の巫女の麗鈴、王子の渉と渉の双子の妹であり時の均衡を変える力を持つ記憶を無くした翠だけだ。記憶の無い翠に戸惑い命がけで守る麗鈴に渉は惹かれていくが・・・・?!

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 第一話時の旅の始まり
 全てがひとつの世界でまとまっていない。
 こんな事を知ったのは巫女になった時だったかな?
 桜国の王妃様が教えて下さった事だもの……
 だからこそ私は、この国の時期王位継続者である双子の渉と翠を守る。
 このみが朽ちても私は、王子と姫を守る。
 これが、巫女としての呪いを受けた時に決めた事。
 全部の不安は、巫女の私が消すと……
 それが私の決意。
 呪いなんて消えてしまうまで守り続ける。
 例え……
 姫が世界の時の均衡を変える力を持っていても私は唯、王子と姫を守る。どんなに周りに血が流れて人が倒れて死に掛けても私は、決して死なない。死ねないんだ。巫女としての呪いを持つ限り私は死ぬわけには行かないんだ。死ねば神の掟を破り墜落者の巫女になってしまい天国ではなく時刻の狭間に封印されてしまう。そんなのは無茶に聞こえても私は、巫女として二人の命と未来を守る。
 それが、私・麗鈴自身の運命。
 しかし、そんなのは簡単じゃなかった。
 それを知ったのは某日に起こった事件がきっかけだ。
 その日は、二人の誕生日で祭事が遺跡で行われた日だった。
 二人とも幸せそうで、楽しそうだった。巫女である私だって嬉しかった。二人が、桜国では成人年齢である15歳になった事に心から祝った。そんなのは、束の間。突然、翠の前に翡翠色の水晶玉が現れてその水晶玉から翡翠色の水が翠を包み込み始めた。
「翠!」
「姫様!」
 私より渉が早く翠を水晶玉から離れさせた為包み込まれる事はなく済んだが……
 パァンと水晶玉から破裂音が聞こえて見事に天に飛び散った。
 まるで、翡翠色の宝石の欠片が散らばっていくように……
「翠?翠!」
「ちょっと待って。
 今すぐ翠を診るから」
 現神官である王妃様が翠のおでこに手をのせる。
「まさか……」
「母様?」
「翠の中には記憶がありません。
 生まれた日の記憶があっても、今日までの記憶が全て消えてます」
「それって……」
「異世界に一刻でも早く旅に出る必要があります。
 責は、全て私と国王で負います。
 なので……麗鈴」
「は、はい!」
「貴女は、異世界で二人を守ってください」
「分かりました」
 それが私と二人の時の旅の始まりだった。
 異世界と言う言葉に違和感を感じ始めたのは……
 あの万屋を知ったときだった。
 二十分後。
「時よ……
 今汝の力が必要とする。
 我魔方陣の上にいる者を異世界へと万屋へと導け!」
 魔方陣から液体状みたいな奴に包み込まれて私と渉王子と翠姫が次元の狭間に吸い込まれる。これが異世界への移動なのか?もし、そうならば私に使命が出来た。異世界で二人を守り、翠姫の記憶の欠片である、翡翠色の宝石を見つける事。そして、無事に二人を届ける事だ。もし出来なかったら……私は……居場所も生きる資格も無くしてしまう。そんなのは、絶対に嫌だ。巫女は、次期王位継続者を守るもの。国を守るもの。未来を視て王族に未来を伝えるもの。物ではなく者。もし出来なかったらその巫女には……呪いを逆らった償い。それは死しかない。

2009/09/08(Tue)20:42:42 公開 / 甘夏蜜柑
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