『学校!改革!』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:ひかる                

     あらすじ・作品紹介
平等なんてこの世にはないかもしれない。でも同じ世代なら平等だって一つや二つはあると思う。いじめや奴隷なんて平等じゃない。誰かを苦しめて優位にたつだけ。それじゃむなしくないですか?

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「あらあら、まだこんな時間よ?もう行くの?」
お母さんが心配そうにアタシに問い掛ける。
「いいよ!全然へーき!」
そう言ってアタシは引っ越し祝いに貰った新品のローファーを履いて飛び出した。

「今日からここに入るのかぁ…!!」
期待と不安を胸にアタシは校舎を見上げた。
まだ人は誰も来ていないらしい。
「人が来てないのは当たり前か!9時までに登校すればいいのを、7時半だなんてなぁ!!」
アタシは独り言を言い、笑いながら校舎へと入っていった。

校舎の中に入ったアタシは、事務室の前に置いてあった学校のパンフレットの中の地図を見ながら職員室へ向かっていた。
「アタシ頭悪いからこういうの苦手なんだよなぁ…」
先生らしき人がこちらへ向かってきた。
「あの!!」
アタシはビクビクしながらも話し掛けた。
しかし先生らしき人はスルー。
アタシの顔を見ても顔色一つ変えず歩いていってしまった。
「何なんだ?この学校…?」
不思議に思いながらも地図を片手にアタシは歩を進めた。

「やっとたどり着いた!!職員室!!」
10分後ようやく職員室へたどり着いたアタシは職員室のドアをノックした。
コンコン
「失礼します…」
アタシが入ると先生達はアタシを睨んできた…。
アタシはそれに負けずに教頭先生に転入届を出した。
「あの、教頭先生でいらっしゃいますか?これ、転入届なんです。」
アタシをじろじろ見ながらも受け取ってくれた。
「あなたは1年B組です。」
冷たくそう言い放っていかにもアタシに「出てけ」というように、目で物をいわれた。
不信感を抱きながらも職員室に出たアタシは自分の教室、1年B組を探しに地図を片手にまた歩を進めた。

「着いた!」
今度は、すんなり教室へ着いた。
がやっぱり誰もいなかった。
やっぱ転入生のアタシがいきなり椅子に座ってたら引いてしまうよな…と思ったため廊下に出た。

キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴る。
それと同時にいろんな人が教室へ入っていった。
ホームルームの時間、アタシは冷たい言い方での紹介、冷たい視線の中での自己紹介をした。
今日はいい天気なのに、ここの教室だけとても寒い感じがした。
休み時間はアタシ一人だけ残して遊びに行ってしまい、前の学校での休み時間とどうしても比べてしまう。
こんなに一人って寂しいんだなぁ…と感じてたとき
「ねぇ…」
と話し掛けられた。
後ろを向くとそこにはどこか寂しげな顔をしている女の子が一人いた。
「どうしたの?」
とアタシが聞くとその女の子は
「ここの学校には来ない方がいいよ。そっちの方が身のため…」
「おい!美和子!!」
その女の子を脅すような声で誰かがその女の子の名前を呼んだ。
女の子はビクビクしている。無理やり連れて行こうとするがその女の子も反抗して机の脚につかまっていやいやと首を振る。
「やめなよ。いやがってるじゃん。」
アタシが声を掛けたが無視をして女の子を捕らえようとしている。
「やめろっていってるじゃん!!」
アタシが大きな声を張り上げるとようやくアタシの方を向いた。
「こいつはな、アタシの奴隷なんだよ。こいつの弱み握ってるからそれをばらすまで一生ね。だから邪魔すんなよ。」
その時クラスの人たちが帰ってきた。
そして女の子を捕らえようとしてた女の子がクラスの人たちに問い掛けるように言った。
「なぁ!美和子ってさ、アタシの奴隷だよな!使い物になんねーけど!!」
そういうといっせいにその捕らえようとしていた女の子の方を向いた。
「そうだよ。あんたの奴隷でしょ?美和子は。」
クラスの女子代表者みたいな女の子が言った。
「ちょっと!!おかしいんじゃないの?!」
アタシはとうとうキレてでかい声を張り上げてそう言った。
「まだあんたはここ(学校)に来たばっかりのくせに偉そうなこと言うなよ。」
代表者の女の子が睨みながら言った。
「来たばっかりずっといたカンケーねえよ!!みんな平等なんだよ!!」
「そんな奇麗事なんてない!!」
「そんなことねえよ!!みんな平等に生きてるんだよ!!誰かの下っ端だなんて同じ学年の中にあるかよ!!」
「あるわよ。」
言い争いが終わって代表者の女の子が捕らえられようとしている女の子を指さした。
「あいつが下っ端。この学校の。この世界の。」
アタシの唇が震えた。
あの苦しめられてる女の子の気持ちがなぜか伝わってきた。
アタシは一筋の涙を流した。
苦しめられてる女の子の足や腕を見てみると傷だらけで、毎日あういう風にいじめられてることを目で確かめてると、確かにアタシは綺麗事しか言ってなかった気がした。
でもそういうことは決してしてはいけないこととアタシは分かっていたから、一緒にいじめる気もないし、いじめをとめないわけでもない。
綺麗事だけ並べて解決しようじゃなくて奥深くまで入っていって解決していこう。そうアタシは決心した。

平等な世界がこの世に現れるまで、アタシは戦い続けてゆく。


2009/02/06(Fri)23:18:55 公開 / ひかる
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■作者からのメッセージ
あたしは使われてる方なんで勇気をもって解決できたらいいな…と思って書きました。

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