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『♯バイト』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:つるぼう
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♯1/4 タテノサトシ
仕事はフリーター。21歳。親は母親のみ。父親は事故で他界。他界したのはサトシが19歳の時だった。とても尊敬していた父親を亡くし希望を失いそれ以来何事にもやる気を起こさなくなってしまった。ある日趣味のパソコンをしていたサトシは奇妙なサイトを見つけた。やる気も無くそのサイトを開いた。飛ばされた先は背景は黒色あとは赤色でバイトと書かれていた。それ以外は何も無い。とても殺風景なサイトだった。マウスを動かして見るとバイトの文字がクリックできるようになっていた。バイトの文字をクリックすると名前、メールアドレスを書き込むページに飛ばされた。元々奇妙なサイトには興味があるサトシは面白半分で名前と携帯電話のアドレスを書き込み、送信ボタンをクリックした。すると黒色の背景に赤色の文字で『仕事が入り次第メールします。』というページに変わった。急にサトシは眠気が襲い眠りに入った。
翌朝の6時ちょうどにメールが届いた。重い目蓋を開きつつサトシはメールを開いた。送信者は知らないアドレスだった。
メール内容はサイトを張られているだけで何も無かった。すぐそのサイトをクリックした。飛ばされたページはアンケートページだった。欲しい金額、希望時間帯、それだけだった。時間帯は13時と書き込んだ。金額はふざけて100万と書き込み送信ボタンをクリックした。バカバカしく思えてきてサトシはまた眠りにつこうとした。しかし2分後にメールが届き仕事が決定したというメールが届いた。
仕事する日は翌々日。時間帯はその日の10時にメールを入れると書かれていた。
仕事の日はすぐにやってきた。その日は朝8時に起き、朝食を食べ、だらだらと過ごした。メールが入るといわれていた時間の10時ちょうどにメールがきた。仕事内容は自分の家からかなり離れている喫茶店に行けと書かれていた。
それ以外に注意事項が書かれていた。注意事項の内容は大きめのカバンを持ってくるようにと書かれていた。
服は白いTシャツ、ズボンは青のジーパンというシンプルな服を着て、靴はスニーカー、カバンは大きめのバッグを持って行く事にした。喫茶店は遠いので歩きではなくバスで行く事にした。10時30分に家を出て近くのバス停から喫茶店に向かった。
喫茶店に着いたのは11時15分。いきなりバイトからメールがきた。サトシは少々驚いたがすぐメールを見た。内容は『喫茶店に入って窓側の席に座り、メニュー表を見ろ』と書いてあった。サトシは指示された通り、まず喫茶店に入った。
土曜日だったので人は多いと思っていたが、2,3人程度しかいなかった。とりあえず窓側の席に座った。窓側の席は1つしかなかった。椅子に座りメニュー表を開いた。メニュー表を開くと、メモが挟まれていた。『ここから歩いて15分の駅に行きコインロッカー23番に鍵を入れろ。鍵はここの男子トイレの洗面所の下のゴミ箱の後ろを見るべし。この紙はすぐに燃やせ。期限は13時15分。』と書かれていた。サトシはメモを見てすぐにトイレに行った。書かれていた通りにゴミ箱の後ろを見ると鍵が落ちてあった。鍵は普通の鍵だった。しかし指定されているコインロッカーの鍵ではない。席に戻り、何も注文せず出るのは何か後ろめたさがあったので、アイスコーヒーを注文した。5分も立たずにアイスコーヒ−が運ばれてきたのでさっさと飲み干し、会計をすませて店から出た。11時45分。寄り道をせずに指定された駅に向かえば充分間に合う時間だった。
11時56分。すぐに向かったので15分もかからなかった。指定された駅は小さな駅だ。始めてきた場所なのでコインロッカーの場所に戸惑うと思っていたが、改札口の隣にあったことと、小さな駅だったので心配は無用だった。そもそもこんな小さな駅にコインロッカーがあるのが不思議なくらいだった。コインロッカーに喫茶店にあった鍵を入れるため23番のコインロッカーをあけた。すると1つ鍵が入ってあった。
その鍵を確認するとここのコインロッカーの14番の鍵だった。14番の鍵を取り、喫茶店にあった鍵を入れた。するとメールが入った。無論バイトからだった。『お仕事お疲れ様でした。14番のコインロッカーに報酬が入ってあります。取っておいて下さい。あと23番の鍵は桜アパートの201号室の郵便ポストに入れておいて下さい。』と書かれてあった。14番のコインロッカーを開けると白い袋が入ってあった。その袋を取り出しリュックに入れて桜アパートへ急いだ。12時09分。期限まであと1時間になっていた。
12時26分。桜アパートに着いた。辺りは昼だというのに木々に囲まれていて薄暗い。アパートは見た感じで建ってかなりたっているようで古くなっている。階は3階まである。よく見ると2階の窓ガラスに手形のようなものがついている。とても気味が悪くなってきた。早く仕事を終わらせようと思い、郵便ポストへ向かった。郵便ポストを見ると102号室以外名前が入っていない。ちなみに102号室は管理人の部屋らしい。奇妙だと思いつつもさっさと201号室のポストに鍵を入れた。
12時34分。サトシのすべての仕事が終了した。
サトシはすぐ家に帰って白い袋の中を見てみると札束が入ってあった。数えなくてもすぐに分かった。100万円である。
サトシは喜ぶべきなのかどうか迷ったが、疲れがどっと出てきたので喜ぶかどうかの前に仕事が終わった安心感からか眠りについた。
サトシが郵便ポストに入れた鍵。その鍵によって犯罪が起こる事はサトシはまだ知らない。
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2008/07/17(Thu)22:31:36 公開 / つるぼう
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■作者からのメッセージ
どうでしょうか。この作品は昔書いた書きかけの作品を書き上げたものです。
読んでくださった方で意味がわからない、ここをこうして欲しいなどあれば教えてください。できれば批評などもお願いします。
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