-
『未来予想小説 “ミステイク”』 ... ジャンル:ファンタジー ショート*2
作者:高橋
-
あらすじ・作品紹介
時は、2700年…人類は、多大なる経済成長とともに、地球を破壊していた。鉄腕ア○ム製作を成功させ、まさに、夢でしかなかった未来を現実とした。しかし、人類はその夢を現実にさせた代償に決してもどれない域に達していた事を夢にまでも見なかった…ある1人の男以外は…。
123456789101112131415161718192021222324252627282930313233343536373839404142
「何度いったら気が済むんだ!」
義輝の声は会議室に響き渡った。
――ここは、“近未来セントラルドーム”。あの鉄腕ア○ム製作を成功させた現在の経済世界の中心部
といっていいだろう。それだけではなく医療、成育などの研究と、“世界的中心部”であった。
「我々人類は確かに、生活を豊かにした。今まで治療できなかった病を治すのもいまや
風邪を治すがごとく治療できる。しかし、私たちはそのために、地球を壊しすぎたんだ!
即刻手をうたなければ、大変なことになるんだぞ!」
義輝は、噛み付いてやるとでもいいたげな顔で、7部総長達をにらみつけた。
「しかし、義輝博士。あなたの、言ってることはどうも信じがたい。あと1年で地球が崩壊するとは……」
“医療総長”貴島が言う。それに続かんと、“環境総長”ポードアルが言った。
「ミスター義輝。あなたはどうして1年で地球が崩壊すると思いなのですかな?我々の調査では
山の大噴火おろか、大地震の起きる気配すらありません。」
「なら、言ってやる!これは、俺の研究所で調査した植物生存表だ!」
「植物生存表?……もしかして君は酸素でもなくなるとでも?はははこれは傑作だ」
“経済総長”ラスがあきれたように言う。
「ポードアル総長。植物についてどうなっているのかね?」
「ええ。確かに、経済成長と共に、森林伐採が格段に増えていますが、自動ロボット管理システムで
毎日100本の木が植えられてまた、成長を管理させておりますので、一時期は酸素が少なくなるかもしれませんが
それを越えれば、世界人口分など余裕で作れるでしょうな」
「だそうだよ。義輝博士。それでもあなたはまだ酸素がなくなるとでも?」
「ああ。そうだ!その証拠を今――」
「もうやめたまえ。酸素が不足?飽きれたものだ。万が一の可能性もない!」
「だから、――」
「警備員。そいつを追い出せ」
「は!」
2人の警備員が義輝の腕をつかんだ
「やめろ!はなせ!」
義輝の必死の抵抗もむなしく、会議室いやドームから追い払われた…。
――ここは、緑あふれる森のそのまた奥にある研究所“植物研究未来予想センター”である
「あ、おかえりなさいです。博士」
「ああ」
深くソファに座った義輝は、胸ポケットに手をいれてたばこを取り出す。
「どうでしたか?」
明美は義輝に聞く。明美はセンター唯一の女であり、また義輝の助手である。
そもそもこのセンターには4人しかいないので唯一といってもそれほどいいがたいものである。
「ま、あと1年で滅びることは伝えたものの、まともに取り合ってくれなかったよ。
予想通りもいいところだな。」
義輝はたばこをくわえてライターで火をつけた。といいたいが、義輝はたばこをくわえるだけだ。
自然を愛し、自ら自然を生き、自然によいことをして、悪いことは絶対にせず。
それが義輝の生きる道であった。
「だからいったんですよ、無駄だって。あははあは。そうだ。酸素を今のうちに大量にあつめて
なくなったときに、人にめっちゃ高い値段でうるってどうです?あはあは」
「コルク〜。また酒をのんだのか?あれほど飲むなっていったのに。」
「え?酒?ああこれね。水じゃなかったの?あはは〜」
コルクは、大の酒好きであり、酒にかなり弱く、一口でものめば、それこそ天国にいったかのような
気持ちになるらしい。
「それでさ。さっきの案どう?金持ちになれるよ〜あはあはははは」
「馬鹿ねえ。あなたは。」
「なんだよー明美ちゃ〜ん。つれないなあ〜」
「だいたい、人間死ぬんだから、金あったってしかたがないでしょ」
「あ、そっか〜あはははあは〜。さすが明美ちゃ〜ん。頭いい〜」
「はあ。それで博士。どうするんです?そんな感じじゃあ次行っても入ることするできないだろうし。」
「ああ。まったくだ」
義輝は吸ってもない、たばこを灰皿に押し付けた。
「このDVDを見せれれば少しは信用してもらえただろうが…」
「あはは。DVDっていえば、今マスコミが騒いでるウィルスDVDキャノンVSっていうやつがあってね。――」
「!おい、コルク」
「それで――」「おい、コルク!!!」
「んなんだい博士〜。おいしいもんでもくれんの?あはあは」
「今なんていった?」
「え?今?あはあは。博士ぼけたんですか?あはあは。だからおいしいもんでもくれるの?って」
「違うもっと前だ」
「んー。今マスコミが騒いでるウィルス――あれ?博士どこいくんですか〜?あははあは最後まできけよ〜」
「ああ。あとでな!」
義輝は、コートを着て、研究所を急いででていった。
「ねえ。明美ちゃーん。せっかく2人だけなんだし、いいことしな〜い?」
っといい終わるまえに、明美はコルクのあそこへ蹴りをぶちこんだ。
「oh----------…アンビリー…バボー…」
その後コルクは、30分も立てなかったという……。
「博士〜」
大分後ろの森林から、明美の声が聞こえた。
キーッと自転車にブレーキをかけて、義輝は後ろを振り向いた。
この時代に、自転車など、まずおめにかからないだろう。しかし、義輝はあくまでも自然をあいしているので
決して未来自転車の自然を壊すものは乗ろうとはしなかった。
「博士ー」
今度は近くから声が聞こえ、義輝の肉眼でも見えるところに明美がいた
「おう。どうしたんだ明美?」
それを言い終わることには明美は義輝のそばにきていた
「どうしたってそれはこっちの台詞ですよ。どうしたんですいきなり?」
「ああ。たまにはコルクも役に立つ。」
「え?」
「マスコミだよ。マスコミの力をつかうんだ。このDVDをマスコミにやれば
これ以上にない、力になるだろう。」
「なるほど!」
しかし、義輝の思い通りにはならなかった。
マスコミに例のDVDを提出して、具体的な説明を催し
その次の日、“酸素不足”“地球崩壊!?”などとマスコミが各地でだしたが、
実際、あのポードアルが緊急会見を行い
会議でいわれたこと以上に事細かく説明し、酸素不足はありえないとマスコミも報道し始めた。
しかし、2701年……人類はいや生物は突然にして絶滅した。
原因は 「酸素不足」
確かに、ポードアルの言ったとおり、自動ロボット管理システムにより、木々は植えられていった。
しかし、彼はこうもいった“一時期は酸素が少なくなるかもしれませんが…” と
そう。酸素は少なくなっていった。
彼は、義輝が会議で酸素不足をいった次の日、世界人口と植物の関係を調査し、ぎりぎり乗り越えられると
踏んでいた。しかし、彼はあるミステイクをしていた。
世界人口ではだめだったのだ。 世界生物で調査しなければ……
彼がそれに気づいたとき……それは生命が途絶えたときだった。
-
2007/10/30(Tue)19:58:20 公開 / 高橋
■この作品の著作権は高橋さんにあります。無断転載は禁止です。
-
■作者からのメッセージ
読んでくださり本当にありがとうございました。
いろいろ至らない部分があるとおもいますが、私のできる限りの
文章能力で書いたつもりです。
ついでといってはなんですが、もしよろしければご感想等よろしくお願いします
作品の感想については、登竜門:通常版(横書き)をご利用ください。
等幅フォント『ヒラギノ明朝体4等幅』かMS Office系『HGS明朝E』、Winデフォ『MS 明朝』で42文字折り返しの『文庫本的読書モード』。
CSS3により、MSIEとWebKit/Blink(Google Chrome系)ブラウザに対応(2013/11/25)。
MSIEではフォントサイズによってアンチエイリアス掛かるので、「拡大」して見ると読みやすいかも。
2020/03/28:Androidスマホにも対応。Noto Serif JPで表示します。