『時という名の密室の中で』 ... ジャンル:ミステリ 未分類
作者:コーヒーCUP
あらすじ・作品紹介
喫茶店を経営する河野シンラは、友人二名とよもにアルバイト店員の実家に行く事になる。そこで知る、五年前のひき逃げ事件と二年前の殺人事件と一年前の未解決の密室殺人事件。そして、またしても密室殺人が―。
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―prologo―
二〇〇七年一月七日 午後十一時五〇分
店内は静まり返っていた。電気もつていないし、テレビ等の電化製品もつけていない。その店内に唯一音を立てているものといえば、時計だ。カチッカチッという秒針が時を刻む音だけがする。
その店の中で僕はカウンター席に座って、手紙を読んでいた。
喫茶店『TEMPO』というのがこの店の名前だ。もう十一時過ぎという事で、店は閉まっているが僕だけはここにいる事を許される。当然だ、僕はこの店の店長なのだから。
ここが喫茶店という事で、僕は友人たちから「マスター」なんて呼ばれることもあるけど、まだまだマスターと呼ばれる年齢ではない。何たって一年前まで高校生だったのだから。
店内を見渡してみた。ごく普通の喫茶店である。店の右半分に四人掛けの木製のテーブルが三つ、縦に並んでいる。そして左半分には『J』の形をしたカウンター席がある。店内には安物のシャンデリアがあったり、カウンターの向こうには大きな食器棚がある。その中にはカップなどが大量に丁寧に入れてある。
僕はそんな景色には見飽きているが、ここまで真っ暗な店内で改めてその見飽きた景色を見てみるといつもと違う感じがする。
いつもはカウンターの向こうで店の名前が書いてある緑のエプロンを着て、お客さんの注文した料理やコーヒーなどを作っている。しかし今はお客さんが座る席に座っている。特に理由ない。
僕はただ座って、彼らが来るのを待っていた。彼らとは、僕の友人二名のことだ。そろそろ、来るはずなのだ。
そんなことを考えていると、カランッカランッという乾いた音が静まり返っていた店内に響いた。僕は首を少しだけ曲げて、店の扉のほうを見た。人影が二つあった。それが誰なのかは分かっているので、特に驚きも何もしない。
彼らは扉を閉めると僕を挟むようにカウンター席についた。そして一人が僕の前に腕時計を差し出してきた。その腕時計は腕に巻くベルトの部分が黒皮でできていて、時計自体は針時計で、今も時を刻んでいる。
十一時五十三分。あと七分。
僕は腕時計をカウンター席にちょうど三人に見えるように綺麗に置いた。僕らはその時計の針をただ見つめる。
とても静かだ。いつもは違う。いつもはこの友人二名が騒ぎ立てて、この店内は騒がしい。なのに今はその彼らさえ、黙り込んでいる。
時計の秒針の音が空しく店内に響く。今ほど、この時計が、いや、時間が止まれば言いと思った事はない。
「ねえ、城崎さんはこないの?」
右側に座っている友人が小声で訊いて来た。いつもなら大声で話す彼女も今だけはそんな元気は無いらしい。いや、あってもらっては困る。
僕は彼女の質問に首を横に小さく振って返した。彼女は、そう、と残念そうにつぶやいた。
「……仕方ないだろう」
今度は左側に座っていた友人が言った。彼も日頃は大声を出すタイプではないが、どちらかというと喋るほうである。そんな彼は右側の彼女より元気が無い。ある方がおかしい。
また沈黙が流れる。三人とも、どう喋っていいのか分からないのだ。あと少しで、終わってしまう。その止められない時の流れに苛立ちさえ感じている。そしてまた同時に、何もできない自分たちの無力さをあらためて感じている。
「あと五分だ」
左側の友人が天井を見上げながら言った。彼は時計を見なくとも、時間がだいたい分かるのだ。それは彼が持っている特技の一つである。
あと五分……。もう無理だろうな。
「祈りましょうよ、最後の最後まで。あと五分しか無いって考えるから、ダメなのよ。あと五分もあるって考えたら良いじゃない」
いつも通りの明るい調子で喋ろうとしている左側の友人。彼女のその声は少しだけ裏返っていて、彼女ももう諦めている事を表していた。
「……もう、無理だ」
右側の友人が絶望的で、そして現実的な言葉を口にした。言い返せない。なぜなら、その言葉は事実だからだ。否定などできないんだ。
しかし、僕は彼を哀れに思う。五分もある、という彼女の言葉を一番信じたいのは、彼なのだから。彼が一番、希望を信じているからだ。
そもそも、何故僕らがこんなにも悲しい気分にならなければいけないかというと、全ては二週間目に起こった、ある事件のせいである。
僕は思い出す。その事件を。
全ては、二週間前の朝に始まったんだ。
第一章【語らないuomo】
二〇〇六年十二月二十四日 午前十一時十一分
「いいか、どう考えてもこの店のメニューはおかしい」
ついさっき帰った客の使ったガラスのコップを拭いていると、正面のカウンター席に座って、ミルクティーを飲んでいる友人が指摘した。
彼の名前は桐原ジリュウという少しばかり変わった名前だ。しかし、その名前の由来を聞けば、案外、納得できるものである。彼は金髪だが、染めたわけではない。地毛だ。彼のおじさんの方がイタリア人のなのだ。そのせいか朝食にはかなり厳しい。
「何がおかしいの? そりゃあ、他の店よりメニューは少ないと思うけどさ、それ以外は問題ないはずだよ」
「それが問題なんだ、馬鹿」
ムッときた。朝から失礼な奴だな、思う。まあ、朝という時間ではない。もう十一時を過ぎて、ランチタイムが迫ってきている。と言っても、この店でランチを食べる人間など、二人しかいないので大丈夫である。その二人とは目の前にいる彼と、僕と彼の友達の、サクヤという女の子だ。
「フルーツサンドが無い喫茶店なんて、ネタの無い寿司と同じだ」
ひどい言われようだ。たかがフルーツサンドが無いくらいで何でそこまで罵まれなきゃいけないんだか……納得できないや。納得しようともしないけどさ。
彼はフルーツサンドが大好きで、よくこの文句を言ってくる。今日でこの文句を言われたのは三度目だ。正直言うと、いやになる。だいたいパンにフルーツを挟むなんて、邪道だ。
「フルーツサンドで一日が始まると、その日は絶対に幸せな気分ですごせる」
「そんなのはお前だけだよ」
僕はそう言うと、彼の前に皿に乗せた普通のサンドイッチを差し出した。ミルクティーとサンドイッチ、計六百五十円である。彼がまともに料金を払ってくれた日など存在しないけど。
ジリュウはサンドイッチを掴むと、それを見つめながらため息をついた。そして再び言うのだ。
「ったく、フルーツサンドが食べたい……」
うるさいやつだな。文句があるなら、母さんと父さんに言ってくれ。
僕の母さんと父さんは、今は海外でこの『TEMPO』の第二支店で働いている。昔から海外で店を経営したかった両親は、つい四ヶ月前にアメリカのジョージア州に店を建てて、二人で仲良くアメリカに行った。元々後先を考えない人たちだったのだ。
もちろん二人がいない間は、息子である僕が店長である。というのも、この店には城崎さんというバイトの人しか働いていないのだ。バイトの人に流石に店長は無理なので、僕という事になった。そのせいで僕は十七歳で高校中退をした。近所じゃあ高校を中退しただけなのに、少しだけ迫害されている気がする。被害妄想だろうか。
まったく、いい迷惑である。まあ、元々勉強嫌いだった僕は、これはこれでいい、と考えている。それを前にジリュウに言うと、とんでもなく長いお説教を聞かされた。世界には勉強のできない子供が……などと、学校の先生のようだった。
ジリュウがサンドイッチを一口かじって、ミルクティーを飲み、ぷあっと息を吐いた。自慢じゃないが僕はミルクティーを入れされたら日本一だ。流石に外国にはかなわないけど。
ジリュウがカップを置いて、またサンドイッチをかじる。そして急に僕の方を見てきた。
「ところで、今日はサクヤの学校、終業式じゃないのか?」
「――ああ、そういえばそうだね」
思い出すのに少し時間がかかってしまった。しまったつい忘れていた。今日はサクヤの学校は終業式じゃないか。一昨日、サクヤに会ったとき言っていたのに忘れていた。
サクヤとは、僕たちの幼馴染の女の子だ。安藤サクヤ、というのが彼女のフルネーム。母親は二〇代で会社をたてた実業家。父親は……「安藤組」といわれている暴力団組長である。何故、そんな二人が結婚したかは知らないが、結構、ラヴラヴな夫婦である。
それとサクヤは僕たちの中で、唯一高校に通っている。僕は中退で、ジリュウにいたっては中卒である。
彼の場合、僕とは事情が少し違う。彼は七歳の時に両親をひき逃げで亡くしている。彼の両親は時計屋を経営していて、彼は中学校を卒業した途端に、その店を継いだのだ。これは彼なりの親孝行である。
「サクヤはいいよな。高校の勉強ができて」
ジリュウが愚痴った。少しほほえましい。彼はかなりの勉強好きである。それゆえ中学校でもかなりの好成績を修めていた。そんな彼が中卒すると知った同級生や先生は絶句していたのを覚えている。
彼が一番最初に中卒すると打ち明けてくれたのは僕とサクヤだ。もちろん僕たちは、止めなかった。彼の進む道に僕たちが否定する権利など無いのだ。僕たちは彼に一言だけ言った。がんばれよ、と。
僕はその時のことを思い出しながらコップを拭いていた。少しにやけていたが、ジリュウはその事に気づかなかった。吹き終えたコップを後ろにある食器棚に直して、まだ吹いていないコップを拭き始めた今これくらいしか、仕事が無いのだ。
その時、かなり勢いよく店の扉が開いた。勢いが良すぎるくらいだ。バーンッという音が鳴った。店を壊す気か。そして同時に冷たい風がせっかく暖房のきいている店内に吹き付けた。今日の風は一段と寒くて、急に入ってきた風のあまりの寒さに、僕とジリュウはビクッと震えた。
「ヤッホー! ジリュウもシンラも元気にしてた?」
そんな僕らを無視して、女の子が大声で叫んだ。誰なのか見なくても分かる。しかし、少しだけ気になったので店の扉のほうを見てみると、黒いセーラー服をきたおさげの女の子、サクヤが学生鞄を片手に立っていた。手には黒い手袋をしていて、全身黒色だ。流石は極道の娘。
「扉をしめろ、寒いから」
ジリュウがサクヤの方を見ずに外から吹き付けてきた風より冷たい声で言った。サクヤは彼に言われたとおり、扉を閉めて、すぐにジリュウの隣に座った。今日の彼女は上機嫌らしく、ずっと笑顔だ。そして学生鞄をカウンターてブールに載せて、そこからから、いきなり通知表を出した。そしてそれを僕に差し出してきた。
「みてみ!」
サクヤがそう叫んだので、僕は恐る恐る通知表を受け取り、開いて見てみた。すごい、始めてみたよ……オール1なんて。
僕がサクヤの成績でショックをうけていると、サクヤが笑顔で問い掛けてきた。
「すごいやろ?」
「すごくない」
僕じゃなくて、ジリュウが言った。僕は何も言わなかったけど、ジリュウの意見に同感である。サクヤは隣に座っていたジリュウの頭を思いっきり叩いた。バンッという音が店内に響き、ブフッというジリュウの悲鳴が店内をとどろかせた。相変わらず、この二人がそろうとうるさい。まあ、騒がしいのは嫌いじゃないからいいけど。
「ところで、私お昼ご飯まだなんだ。注文していい?」
サクヤがカウンターテーブルの上にあったメニューを手にとって、それをながめながら訊いてきた。
「金を払ってくれるんなら、どんな注文だって答えるよ」
僕は笑顔で彼女と隣で頭を抑えて痛がっているジリュウを見ながら言った。相当射たいのだろう。
「じゃあ……納豆定食」
「そんなメニューないよ。間違ってもここは喫茶店だよ」
そういうとサクヤは腕を組んで考え始めた。何を考える事があるのかは知らないが、じばらく放っておこう。 メニューのどこに納豆定職なんて物が書いてあったのか、と思う。それより、城崎さんはどうしんたんだろう?
「城崎さん、まだ来てないな」
急に元気になったジリュウが言って来た。人の心が読めるのか、と思った。ジリュウはたまに鋭い所があるから嫌だ。心臓に悪いというかなんと言うか……とにかくびっくりする。
城崎さんとは、ここでバイトをしている、とても人のいい女子大生だ。一年程前間から、ここの安い自給で働いてくれてて、僕から見れば救いの女神のようなものだ。彼女は今日の午前から仕事をいれていたんだけど、まだ来ていないのだ。
「城崎さんが遅刻だなんて、珍しい事もあるもんだな」
ジリュウがミルクティーを飲みながら呟いたが、僕は首を振った。これはちょっとした非常事態なのだ。
「彼女が店をサボるなんて、初めてなんだよ」
そう言った瞬間、ジリュウの表情が固まった。普通は店に遅刻したら電話を入れて呼び出すべきだろうが、それはしなかった。別に城崎さんがいなくても、この客の少ない店は僕一人でなんとかいける。
次の瞬間、店の扉が開いて、再び震えような冷たい風が店内に入ってきた。僕は城崎さんがきたのかと思い、少し期待して扉のほうを見た。しかしそこにいたのはわき腹から血を出し、激痛に耐える歪んだ表情をした城崎さんが立っていた。
時が止まったような感覚に陥った。いや実際に時が止まるはずが無し、止められるはずも無い。でも、すくなくと俺を含める『TEMPO』の店内にいた全員が、城崎さんの姿を見た瞬間に固まった。
サクヤは彼女を見た途端、目を見開いて硬直し、ジリュウは目を見開き口をあんぐりと開けて硬直し、僕はふいていたコップを床に落としてしまい、割ってしまった。バッリーンという音が点兄に響いたと同時に、僕ら三人は我に返った。
カウンター席に座っていたサクヤとジリュウが一気に立ち上がって、彼女に駆け寄る。僕はその二人を見た後、いそいでエプロンのポケットに入れていた携帯電話を取り出した。
「城崎さん、大丈夫?」
サクヤが大声で城崎さんに訊いていた。流石のサクヤも混乱しているのか、とてもあたふたしていた。その横でジリュウが血の出ているわき腹を抑えている城崎さんの脇に入り込み、そのまま店のテーブルに座らせた。
「シンラ、救急車だ!」
ジリュウが叫ぶ前から、すでに僕は携帯で救急車を呼ぼうとしていた。
しかし、
「やめでてください」
と、力の無い声で止められた。言ったのは苦しそうにわき腹を抑えている城崎さんだ。そのわき腹を抑えている手の指の隙間から血が流れているのを確認できる。僕はそれをみて、怖くなり、携帯を床に落としてしまった。
「……お願いです。何も……呼ばないで下さい」
彼女が苦しそうな声で、時々、うっという激痛に耐えた声を出しながら言った。無茶を言ってはいけないと思う。
床に落ちた携帯は、落ちた衝撃で、電源が切れていた。故障したかもしれない。
「城崎さん。どうしたの? なにがあったの?」
サクヤが椅子に座って苦しんでいる彼女の横でひざをついた姿勢で彼女を見上げながら訊いた。彼女は首を振るだけで、何も答えようとはしなかった。何か、深いわけでもあるのだろうか? 混乱する頭で必死に考えている僕に、ジリュウが一喝した。
「考えてる暇があるなら、救急箱でも、なんでもいいから持って来い!」
その声で僕は再び我に返って、いそいでエプロンをはずして、カウンターの向こう側にいるジリュウに投げて渡した。ジリュウは一瞬、何だ、という顔をしたが、すぐに僕の真意を理解してサクヤの隣に座って、エプロンを丸めて、城崎さんの傷口に当てた。止血だ。
僕は、カウンターの下にしゃがみこんで、床に置いてあった救急箱を手にして、カウンターをでて、城崎の座っているテーブルの上において、蓋を開けた。とりあえず……何がいいんだ? こんな大きな怪我の時には何をしなくちゃいけないんだ?
考えても無駄だと思う。なぜなら、救急箱にはガーゼと消毒液とマスクとばんそうこうと、シップしか入っていない。使い物にならないものばかりだ。
「ねえ……城崎さん、どうしても救急車呼んじゃダメ?」
僕が苦しそうにする彼女に尋ねると、彼女は小さく頷いた。しかし、僕らじゃどうしようもできない。
「あっ」
急にサクヤが声を出した。っそいて立ち上がって、カウンターテーブルに置いてあった鞄に駆け寄り、そこから黒い携帯電話を取り出した。そして少し安心したような顔で、城崎さんに訊いた。
「城崎さん。救急車を呼ばれたくないだけだよね? つまり、人に知られたくないだけだよね?」
あっ、そういうことか。城崎さんが何で救急車を呼んでほしくないか判らなかったけど、そういうことか。つまり事を大きくしたくない。もしくは、人に知られたくないんだ。けど、どうしてだ? それほど大きな傷をおっても、守りたい秘密でもあるのか?
城崎さんはサクヤの質問に対し、頷きで返した。サクヤには何かいい手があるのだろうか?
「じゃあ絶対に城崎さんが怪我したなんて、証拠を残らないようにしたらいいのよ」
サクヤは笑いながら、携帯のボタンを押し始めた。そして、こう言った。
「いい医者を呼んだあげる。ただし、無免許だかね」
僕とジリュウはこの時、こう思ったに違いない。
ああ、安藤組関係者ですか。
二〇〇六年十二月二十四日 午前二十四分
2007/01/08(Mon)01:31:46 公開 /
コーヒーCUP
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■作者からのメッセージ
皆様、遅くなりましたが、新年明けましておめでとうございます。今年度もご迷惑おかけするかもしれませんが、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
すこしだけ、急ぎすぎた作品になってしまいました。模写が少なくなって、少し作品自体が荒い感じになってしまいました。お許しください。
一月八日 更新&甘木さんの指摘をいただき訂正。
作品の感想については、
登竜門:通常版(横書き)
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42文字折り返し
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2020/03/28:Androidスマホにも対応。Noto Serif JPで表示します。