-
『昔話の真理』 ... ジャンル:童話 ショート*2
作者:神楽
-
あらすじ・作品紹介
これは本当にあった話です昔話と言えば桃太郎や浦島太郎などが有名ですね今回は桃太郎の物語を少しアレンジして小説にします
123456789101112131415161718192021222324252627282930313233343536373839404142
昔話の真理
ここは、とても平和で豊かな村である。この村には村一番の元気なお爺さんとお婆さんが仲良く住んでいました。今日もいつものように、お爺さんは山へ芝刈りにお婆さんは川へ洗濯をしに行きました。お婆さんは川へ着き洗濯を始めようとした、その時…川から大きな桃が、お婆さんの方へと流れ着きました。
「おやまぁ…こりゃまた、大きな桃が流れてきたものじゃのう…」
ちょうど板橋に大きな桃が、ぶつかり動きが止まり早速お婆さんは桃を持とうとしました。
しかし大きな桃なので、やはり重さも半端なく重かったので諦めようと考えていた時ちょうど近くを通った青年が困っているお婆さんを見て、どうやら桃を持ち上げようとしているが重くて持ち上げれないことに気付き一緒に持ち上げるのを手伝った。
「よいっしょ…っと」
青年は声を出し力一杯持ち上げると桃は、だんだん川から離れ茂みにドサッと置いた。
お婆さんは青年に御礼をして青年を家へと招待することにした。
その頃、お爺さんは芝刈りをしていた。周りの森の揺らぎの異変に気付き、お爺さんは只ならぬ気配を感じた。
「誰じゃ! 誰かおるのか!」
その時、森の奥から忍者らしい服装をした男性が、お爺さん目掛けて手裏剣を放った。
しかし逆の方向から、また忍者の服装をした女性が現れてクナイを投げ手裏剣に当てて間一髪のところで、お爺さんは助かった。
そして二人共、お爺さんの両側に現れて男性と女性が睨み合っている。
「何で邪魔したんだよ!」
「アンタ何度言ったらわかるの! 手裏剣やクナイを投げていい相手は悪人だけだっていつも言ってるでしょ!」
何やら二人が喧嘩を始め、どうやら知人ららしいことにお爺さんは気付いた。
こんなところで喧嘩されたら落ち着いて芝刈り出来ないと、お爺さんは困ったような表情をしてお爺さんは自分の家に招待することに決めた。
二人共、最初は拒んでいたのだが何とか納得させて二人を家へ連れて帰ることにした。
お婆さんは家に着き青年を中へ入れ、先程の桃を大きな板の上に置いた。
青年は、お婆さんから粗茶を渡されて飲み干すと心が安らぐような落ち着いた表情になった。
「さて、どうやって桃を料理しようかね…」
と考えていると、ちょうどお爺さんが帰ってきた。
「お〜い、今帰ったぞ〜! 今日は客人がおるからのぅ」
お婆さんも客人を連れて来ていたので今日は宴になるような感じだった。
青年は再び粗茶を貰って口に含みながら、お爺さんの連れてきた客人を見た瞬間ゴホゴホと蒸せてしまう。
「楽々森彦命(ささきもりひこのみこと)! それに留玉臣命(とめたまのおみのみこと)!? お、お前達どうして!」
「吉備津彦命(きびつひこのみこと)さん!?」
どうやら、またまた知人のようだった。3人が何か言い争っているようだが、お婆さんやお爺さんには何の話なのか全く理解できず、その間にお婆さんは桃で何か料理を作ろうとしていた。
お爺さんは粗茶を飲みながら外を眺めて一服していた。
お婆さんは桃を食べやすい形に切って水に浸しておき、次に生卵と小麦子で生地を作ろうとしていた。その生地の中に先程切った桃の汁を少量垂らして桃の香りを付けてこねる。
こねている内に、だんだん良い香りが漂い3人の言い争いが収まり、お婆さんの方を向く。
「良い香りがしますね〜…」
「うわぁ〜、良い香り〜♪」
「俺…腹減ってきたぜ…」
同時に言葉を出し3人共、笑い出す。
さっきの喧嘩が嘘のように楽しそうな笑顔で何か会話しているようだった。
「ところでさぁ…こんな時いつもなら香りに吊られて現れる馬鹿が一人いるんだけど流石にこんなところまでは来ないでしょ」
留玉臣命の言葉に二人は同時に頷く。
すると何処から叫び声が聞こえてきて、だんだんこちらへ近づいているような気配を感じた。
3人は形相を変え“来た…”と、いかにもそんな表情を表すかのような顔つきだった。
「この良い香りを漂わす元となる所は何処だぁぁぁぁっ!!」
扉が壊れる程、強く引いて耳に来るほどの大声を出し騒ぎ出す。
どうやら香りの元の場所がわかり“ここかぁ!!”と叫ぶ。
「ったく…毎度毎度うっせぇよ! この馬鹿犬養健命(いぬかいたけるのみこと)!」
「あぁ?! お前らどうしてこんなところにいやがんだよ! それに…吉備津彦命さんじゃねぇッスか! お久しぶりッス!」
皆、久しぶりの対面で騒ぎ出し何やら楽しそうな会話をし続けていた。
お婆さんは生地を丸めて団子のような形にして先程、水に浸していた桃を団子のくぼみの中に入れて、再び丸める。それを約120個作り、最後に炭火で軽く焼けば出来上がりだ。
「さぁ出来たぞ、どうぞ召し上がれ」
一斉に皆の手が団子に伸びて、それを口に頬張り食べる。
余りの美味しさに全員、涙が出てしまった。どうやら4人は、ここ最近何も食べてなかったようだった。そして、お婆さんは桃の団子を“吉備団子(きびだんご)”と名付けた。
〜つづく〜
-
2006/11/15(Wed)10:54:29 公開 / 神楽
■この作品の著作権は神楽さんにあります。無断転載は禁止です。
-
■作者からのメッセージ
どうして吉備団子と名付けられたのかが、これで解明されました。
改めて小説の総復習をすると、桃太郎は吉備津彦命、犬は犬養健命、猿は楽々森彦命、雉は留玉臣命と言うことになります。
犬が一番わかりやすい…(笑
まだまだ続きますが感想よろしくお願いします。
作品の感想については、登竜門:通常版(横書き)をご利用ください。
等幅フォント『ヒラギノ明朝体4等幅』かMS Office系『HGS明朝E』、Winデフォ『MS 明朝』で42文字折り返しの『文庫本的読書モード』。
CSS3により、MSIEとWebKit/Blink(Google Chrome系)ブラウザに対応(2013/11/25)。
MSIEではフォントサイズによってアンチエイリアス掛かるので、「拡大」して見ると読みやすいかも。
2020/03/28:Androidスマホにも対応。Noto Serif JPで表示します。