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『Destiny of Legend』 ... ジャンル:ファンタジー 異世界
作者:堀越祥太郎
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あらすじ・作品紹介
Destiny of Legend…それは主人公のヴェノが運命により伝説の英雄と人々に称えられる物語。という設定で書きました。それでは、どうぞ。
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時はF.G.2000年、世界は今、邪悪な炎に包まれ危険な状態に迫られている。
「くそっ奴らめ! これでもう消失惑星が5つ目だ! これ以上、奴らに消失はさせぬ!」
その世界を守ろうと邪悪な者達と戦い続けている“ジェファード”という老師は、対等に戦える力を持っているが対等では戦いは終わらず敵数の多い奴らの方が有利である。故にジェファードが戦っているボスはオトリで雑魚敵の奴らが惑星を滅ぼしている。戦いに集中するジェファードはソレに気付かずボスと戦い続ける。そして更に一つ惑星が消失した、残りの惑星は2つだった。
「くっ…残り2つ…こうなれば仕方が無い…」
その時ジェファードの身体が輝きだしボスは目が眩む、そして輝きがなくなった時には既にジェファードはいない。その瞬間、2つの惑星に強力な結界が張られた。2つの惑星にそれぞれ4つの玉が惑星を囲み光の柱で結界を張っているようだ。ボスは惑星に本気の力で攻撃するが全く歯が立たず、攻撃を弾かれボスも弾かれて吹き飛ぶ。どうやら攻撃を無効化する能力が混合していて、例え魔術を使われても結界により弾く。そして、もう攻撃しても無意味だと悟ったボスは一時撤退し距離何万光年と過ぎ去り、それから3000年の時を経た…。
時はF.G.5000年…2つの惑星には、それぞれ名前で呼ばれるようになった。宇宙には地球、火星、水星、木星、金星、土星、天王星、冥王星の8つの星が太陽を中心に円の形で囲んでいる。そして一つ目の惑星は地球という大地の星で自然を意味して“ジャスティ”と呼ばれている。コード0925JASTY、これがコード番号である。二つ目の惑星は冥王星という地球よりも小さな惑星で裏の世界とも呼ばれている。人々は裏の世界の存在を知らないため生きている世界は地球だけだと確信している、科学研究者も知らない秘密の惑星である。名は“ディスト”コード01158DIST、これがコード番号である。時が経つにつれて知らぬうちに世界は進化を遂げている、そして地球は今とても平和な世界である。だが、ジェファードは2つの惑星を保ちながら生きているため、何千年と経た今、結界の力も弱まりつつある。結界が完全に消えれば奴らはまた襲いに襲撃してくる、そう悟ったジェファードは勇敢なる戦士達を選ぶためあたかも運命のように見せかける術を施し8人の勇敢ある戦士達を集めることにした。
ここは「平和」を象徴として建てられた村“ヒルズベール”、この村の人々は優しく温厚で見知らぬ人や旅人が来ても村長の意思ですぐに歓迎際を行う。歓迎際は年に一度しか行われていないため新しい移住者は、それを狙ってうまく来ようとするが確立は少ない。どうやら歓迎際を、その日にやると決め村長はその日にうまく来た移住者、来客者を歓迎し行うという。まさに遊び呆け…。村長は昔からギャンブルや賭けが好きな人なので、こういうことには頭がよく回るらしい。
「参ったなぁ、迷っちまった…こんな森に入るんじゃなかったぜ」
1人の少年が、どうやら深く暗い森で迷っているらしい。少年が進めば進む程さらに道に迷い、そのうち混乱する始末。そして歩き疲れて眠くなった少年はマキを拾って、それを中心に集め火を付けて焚き火にする。食料は、散々森に迷い続けたため色々な動物と出会い、出会っては狩るの繰り返しで食料だけは豊富である。少年はこんがりと焼けた豚のような動物を貪り食い尽くすという食べ方は下品だが味付けは上手である。丸ごと食べたため腹は満腹で、少年はそのまま敷き布を芝生に敷いて眠りにつく…。さっきまで暗い紺色のような空だったのに今は、もう真っ黒な空で何か薄気味悪い。少年は恐怖感を知らないため、全く気にせず幸せそうな寝顔で寝ている。その時、森の奥の方から絶叫が聞こえ少年はびっくりして飛び起き目を覚ます。
「な、なんだなんだ今の叫び声は!?」
少年は辺りをきょろきょろと見て、とにかく声の聞こえた方向に向かって走る。方向音痴の少年ではあるが声などの音に関しては敏感で聞こえた方向が解かるという特殊な体質を持っている。素早い走りで少年は森を駆け抜けると月の光に照らされて木に縛り付けられて酷い仕打ちを受けた女性が見えた。血だらけで既に女性は気絶していた。少年は辺りを見渡すが敵の気配はもう無くなり、木が揺れて葉っぱが囁く音しか聞こえない。とりあえず焚き火に煙を気にして女性を担ぎ先ほど少年のいた寝床へ向かう。一体どうしてこんな酷いことを…
「ん…ん〜」
少年に担がれている女性は揺れで目が覚めた。
「よぉ目が覚めたみたいだな、大丈夫か?」
「!!」
その時、女性は少年の背中を叩き無理矢理逃げるという行動を取っていた。
「いてっ! オイ、暴れるなって! 落ちるだろうが!」
「嫌っ、離して! この獣!」
「はぁ? なんだそりゃ、俺は獣じゃねえよ! とりあえず落ち着けって!」
そう少年が言うと女性は、だんだん治まってきて静まり冷静に落ち着いた。少年は安堵をして女性を降ろして女性の方を向く。
「お前さっき、あそこで気絶してたから俺が助けてやったんだ」
その言葉を聞いて女性の表情は乱れ瞳から涙をポロポロ出して少年に抱きつく。
「う…うぅ…怖かった…私…もう死ぬのかと…だから…」
「礼なんて別にいらねえよ、人として当然のことをしたまでだしさ」
歩きながら泣き続ける女性は少ししてから泣き止む。
「…あの…あなたの名前は? 私は…リズナ・ヒルズベールっていうの」
と聞かれて少年は応える。
「俺はヴェノ・フィーデルだ、ヴェノって呼んでくれ」
「うん、よろしくねヴェノ!」
「こっちこそよろしくなリズナ!」
2人は互いに握手を交わして歩き出す。
「そうだ! ねぇヴェノ、今から私達の住んでいる村へ来ない? 夜中だから正門は閉まってるけど裏門なら開いてるからさ」
ヴェノは驚きながらも冷静に言葉を返す。
「いいのか急にそんな? 見ず知らずの俺を勝手に村へ連れ込むだなんて」
「いいのいいの! 私達の村は見知らぬ人、旅人さん達を歓迎する村だし!」
「へぇ〜…変わった村だなぁ…」
そうしてヴェノはリズナの後をついていき、この深く暗い森を易々と抜け出て辺りを照らす月の光が、さっき以上に明るく綺麗な夜空と絶景な海で落ち付く。村へ着いたがリズナの予想通り正門は閉まっていたが裏門が閉まっていなかった、例え裏門が閉まっていてもリズナは合鍵を持っているため、どの道入ることが可能だった。
ガチャッ
「ただいま〜…」
疲れ果てたようにタメ息を吐きながら言うリズナ、その声に気付いてリズナの父親ケント・ヒルズベールが現れる。
「お帰りリズナ…んぉ?!」
リズナの姿を見て父は驚いた。
「リ、リズナ!! どうしたんだ、その格好!? 傷だらけじゃないか!!」
「あ…え〜っと、それは…」
「むっ!! 貴様か!? 貴様がリズナにこんな仕打ちをしたんだな!!」
と怒鳴りヴェノの方を向く、父ケントはヴェノに近づきみぞうちを喰らわす。うっ、とヴェノは唸りドタッと倒れる。リズナが止めようとするが聞き入れず父ケントはヴェノを引きずり地下にある牢屋へぶち込んでしまった。
「ちょっとお父さん! 何てことするのよ! ヴェノは…」
「え〜い! 奴は悪者だ! 奴のことなど構うでない! 馬鹿者が!」
そう言って父ケントは自分の部屋に入り扉を強くバンと音を立てて鍵を閉める。リズナは急いでヴェノのいる地下へ行く。
「ん? あれ…ここは? 何か狭いぞ、それに臭い…お〜い!! 誰かぁ!!」
「ヴェノ!!」
大声に反応して階段から降りてきたリズナがヴェノの名を呼んだ。
「大丈夫ヴェノ?! 何処か痛むところとかない?!」
リズナが牢屋の鉄柱をつかみ出来る限りヴェノに近づいて心配そうな顔で言う。
「別に痛むとこはねえけどさ…ここ何だよ? 俺、確かリズナの家に入って」
必死で思い出そうと考え、ヴェノは思い出したという表情でリズナの方を向く。
「ごめんね…父さん、いつもはこんなじゃないんだけど多分、私が傷だらけで帰ってきたことに動揺して貴方を犯人と決め付けてしまったんだと思うの…」
そりゃそうだと言いたげな表情のヴェノは苦笑した。
「んで…どうやりゃ、ここから出れんだ? 一生ここにいろなんて嫌だぜ俺」
「私だって貴方を一生ここに置いておくなんて酷いこと出来ないわよ」
2人は石床に座り、どうやって出ようか話し合う。ヴェノが最初に言い出した合鍵で開けるという答えだが、それは無理だった。どうやら父ケントだけが、合鍵を持っているため他のスペアはないようだ。かと言って牢屋をぶち破るとそれこそ悪者扱いされ更に印象悪くさせるから、それもなし。そうして時間が経ち話し合いの結果、結局リズナが父ケントをどうにかして説得する、という方法に決まった。
「じゃぁ私お父さんを説得してみる、何とか努力して説得させるからそれまでは我慢して牢屋にいて。食事は私が持ってくるから」
リズナは笑顔でヴェノにそう言う。
「何から何まで悪いな…こんな俺のためにさ」
ヴェノはうつむきながら微笑する
「何言ってるのよ貴方は私の命の恩人なんだから、このぐらい当たり前よ」
落ち込んだヴェノをリズナが頭を手で撫でて慰める、そしてリズナは父を説得しに行く。
「はぁ…俺は一体この先どうなるんだろう…何とか頑張ってくれリズナ…」
それから何日か経って、ヴェノはそろそろ我慢の限界で倒れかけるヴェノ。
「ヴェノ! ヴェノ! ちょっとしっかりしてよヴェノ! ヴェノってば!」
必死でヴェノの名を呼びかけるリズナ、手を伸ばして触れる範囲で体を揺らしヴェノは、それに気が付いた。
「ぁぁ…リズナ…どうした…?」
「やっと解放できたのよ! 今鍵で開けるから待ってて!」
そうしてリズナは鍵を取り出して牢屋を開ける、リズナはヨロヨロしたヴェノの体を支えて地下を出る。そしてリズナの部屋まで運びベッドに横にさせて、一眠りさせる。
「いやぁ〜すまんかったなぁ若者よ! あの時の俺は少し混乱しとったわ」
「…」
父の言葉に返事をせずヴェノは、ただ睨む。
「本当にすまない…お主の姿が獣に見えたから見た目だけでつい決め付けちまったようで…」
「…」
軽口叩いている父の言葉に反応せず、ひたすら睨む。
「ちょっとお父さん! 何なのよその態度! 全く反省しているように思えないわ! ヴェノに睨まれてもしょうがないじゃない、自業自得よ!」
リズナも、そう言って父を睨みガミガミと父を説教する。そこへリズナの母、ジェシカ・ヒルズベールが現れる。
「あらあらリズナ、お父さんに向かってそんな口を叩いてはいけないわよ?」
まるで天使の微笑みのような癒される優しい表情、ヴェノはその表情に引かれ目を奪われた。リズナがヴェノの目の前で手をぶんぶん振っても全然気付かずボーっとジェシカを見つめていた。ガツンと音がしてリズナはヴェノの頭上に硬い物を落とした。思わず倒れたヴェノ、リズナは一部の変化を見て絶叫して手加減なく叩き続ける。
「ちょ…ヴェノ! 貴方、人の母見て何一部を成長させてんのよ! 最低!」
最後にバチン!と音が鳴りリズナはヴェノの頬を叩いて、そのまま自分の部屋へ去って行った。ヴェノも一部の成長に後から気付き咄嗟に辱める…。
「あらあら…ヴェノくん、一部が元気になっちゃって…オマセさんね…」
うふふ、と笑いながらそう言われてヴェノは頬をポリポリとかきうつむく。するとジェシカが手でヴェノの一部を擦り始めたがケントは、それを止める。
「ジェシカ! 待て落ち着け! 早まるな、それはいけないことだぞ!」
と言ってジェシカを止めてケントは背中を押してジェシカを奥の部屋へ入れた。
「さっきはすまんかったなヴェノくん…あれがジェシカの素、気を付けろ」
「は、はぁ…」
一瞬ビクッときた感じだったがケントが止めたので一瞬で終わった、ヴェノは本当のところ何で止めたんだよと思ったらしい。でも、さすがに人の親だからそれは無理だと認めたヴェノは空き部屋を借りて部屋へ入る。するとリズナが待っていた。ちょっとうつむいて傷ついた表情を見てヴェノは心が痛んだ…。だけどヴェノが真剣にリズナを慰めたので、すぐに仲を取り戻した。つづく
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2006/05/29(Mon)18:29:18 公開 / 堀越祥太郎
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■作者からのメッセージ
第一話は、これで終了です。主人公のヴェノに不幸が降り注ぐのは第二話からだと思って期待してください。
敬意難易な感想を、お待ちしております。
作品の感想については、登竜門:通常版(横書き)をご利用ください。
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