『春の陽、儚き君』 ... ジャンル:ショート*2 リアル・現代
作者:陸                

     あらすじ・作品紹介
     -----君は覚えているだろうか        -----僕のことを…

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「ずっと、私はあなただけが好きだから。愛してる…」

それが君の最後の言葉。

あれからもう8年もたったけど、僕はずっと忘れていない。

暖かい光が差し込む病室のベットで、君は言ったね。

優香……。

ずっと忘れない懐かしい名前。

だから、僕も君以外の人を好きになっていないよ…。


              
                    *****
「蓮、私ね、白血病だって…」

それは暖かい春の日のことだった。

「え…?」

「大丈夫だよ、こんな病気!ホラ、今だってこんなに元気だし。」

そう言った君は愕然としている僕を安心させようとして、無理した笑顔でそんなことを言っていたよね。

僕があの時、無理しないでって言ってあげれば、君が悲しそうにする必要も無かったかもしれないのに…

でも、好きな人も守ることができなかった弱い僕を、君はいつも笑顔で慰めてくれた。

「蓮がそんな顔しちゃったら意味ないよ。だって私が笑顔で居られるのも、蓮が居るおかげなんだよ。」

満面の笑みで言う君…。

僕は涙が出そうになったよ。

だから僕はそんな君のために、精一杯努力した。

そんな陰で、君は髪のことをすごく心配していたんだ。

隠してたみたいでも僕にはすべて分かるよ。

すごく悲しくて、苦しいってことが。

僕は君の笑みのお礼を精一杯の言葉で返すよ。

「優香の髪が長くても短くても、俺が好きなのは優香の中身だから。」

そして君は凄く嬉しそうに笑って言ったね。

「ありがとう」って…。
 
それがずっと忘れられない君の一言。

いつも笑っていた君は、とても綺麗だった。

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でも、やっぱり人間って儚くて脆いものだから。

暖かい日射しの差し込むベットで、君は幸せな夢を見に行ったね。

「ずっと、私はあなただけが好きだから。愛してる…」

最後にたった一言、いつもと全く変わりのない笑みを浮かべながら…。






2006/01/30(Mon)21:51:38 公開 /
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■作者からのメッセージ
いやー、どうもこんにちは。陸です。
今回もまた意味不明な文を書いてしまいました。
なんか感動純愛モノが書きたくなったので…。
誰か、心優しい親切な人がいたら読んでやって下さい。

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