『may be綴り』 ... ジャンル:リアル・現代 ショート*2
作者:Town Goose                

     あらすじ・作品紹介
あなたを、試させて戴く

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自分は深夜、インターネットを付け、お気に入りから登竜門を開いているのやも知れぬ。
 そして新規投稿なるボタンを押して、新たなる「if」を書くのだ、と思い立つのやも知れぬ。
 自己満足に過ぎぬと分かりつつも、自分の思案する「if」を書き綴るのやも知れぬ。

 ―――フゥァ〜ン、カタカタ、カタ……

 ふふふ……はてさて、どのように話を綴ればよいのやら。唯一つの疑問。きっとそれを永遠に自分に理解することなど出来ぬのやも知れぬ。ただ、最近自分は思うのである。人間同士が分かり合える等と言う綺麗ごとはこの人生の中にあり得ないのではないか、などと戯言ならぬ戯事のようなものを。
 なに、人生を語れるほど大きく、長く生きてはおらぬが、このような背伸びした偉そうな事を書いてみるのは自分にとって面白いものである。気付くは前回の「if綴り」のこと
 前回に続くこの思いたち「if」を自分は書くことになるのだろう。
 しかし、はてさて、今回の物事を考えようとも我が稚拙なる文法の前に理解してもらえるものであろうか?それが一番の疑問であるとともに不安である。
 今回自分の考えた「if」は難解であり、自分自身なんどこの思い立ちを書くことを断念したことか。もともとこの不明で迷宮な「if」に突き当たったのは何時のことであろうか?
 この自分の人生履歴の中で既に抹消されてしまった歴史……いや、もしや今日思い立ったことなのやも知れぬ。よく思い出せぬ。それでもただその「考え」に強く残響する気分を形容し創造するならば、

「不信」 

 この単語が的を十全に射ているのではなかろうか。
 はてさて、何時の「if」か、など小説においてどうでもよいことではあるのだろう。自己万属にして自己満足、一万通りの自由の中、自分は自分の思うままを書けばよい。


 それでは綴ろう、……もしも、

―――もしも、人間が違ってしまったら


【もしも、人間が違ってしまったら】

 このような抽象で解り難い題名を付けた事に間を置かず謝罪した方が良いのやも知れぬ。だが、それよりも前に、自分の言うこの話はどこぞの「SF」や「ファンタジー」の話では無い事を先に語っておかねばならぬのやも知れぬ。
 ふむ、そうさな、この作品を投稿するにあたり、ジャンル1を「現代/リアル」と定義した時点でこれは今、そのものの、この現在における、もしや「あり得ている」のかもしれない、等と言う先入観を持っていただきたい。つまり、この綴りは架空ではなく、「現実の延長」であると。
 さて、それではまず、人間の視覚、の話からして行きたい。
 まず、自分は「if」を書くにあたり、人間の視覚情報は、果たして同一なのであろうか?などという戯れ事をときめいたのである。
 果たして、人間の視覚情報は統合されているのであろうか?……いや、自分でこのジャンルを「現代/リアル」と定義した時点で「統合されていない」などと戯言を吐くことはあるまいて。しかし滑稽なことに、自分の疑問は此処からの派生なのだ。
 まず、色は、果たして、人の見る赤と自分の見る赤は同一の色をしているのであろうか?
 たとえば田中さんと佐藤さん、田中さんの語る青と、佐藤さんの語る青は、果たして同じ色をしているのであろうか?
 佐藤さんの語る「青」は、田中さんの見る「赤」なのやも知れぬ
 田中さんの語る「青」は、佐藤さんの見る「緑」なのやも知れぬ
 ふふふ……このようなことは無い、と言い切れるだろうか?
 つまり、田中さんの見た信号は佐藤さんが田中さんの眼を通し、その信号を語るならば左から順に「赤」「紫」「橙」等と言う世にも奇妙な物語があり得るのやも知れぬ。
 田中さんは佐藤さんの眼を通し、街を歩くと、白に色がつき黒と思っていたものが明るい色であり、喩えるものを出すならば。病院の中が「からふる」なのやも知れぬ。田中さんの「黒髪の純情そうな女の子」が、佐藤さんの眼を通すと「金髪の純情そうな女の子」となるのやも知れぬ。そして、金髪の女の子に純粋などありはしない、とハンカチを振り回しながら欺瞞と偏見に満ちた言葉を吐き捨てるのやも知れぬ。
 ふふっ、考えただけで五臓六腑ひっくり返すような十全に釈然としない気持ち悪さである。だが自分、「現代/リアル」と定義した以上、その様な事はあり得ないと断言し、決断しよう。ふふ、「色を認知する目の検査」なるものを万人共有で受ける以上それは確実に「現実の延長」では無い。それはファンタジーであるやも知れぬ。……だが、どうであろうか?もう少し自分の追いつかぬ程の広大で難解に考えてみると、このようなことも考えられてしまうのである。
 もしや、目に映る、触覚で感じる「姿かたち」は、……いやいや、そんな物ではない、その五臓六腑かき集め、その人間の共有するもの片っ端から根こそぎ吊るし上げ、肉団子のように纏め上げ、全体を舐め回す様に考察すると、「人間」は果たして、同じ人間と言う存在であるのだろうか?などという戯れ事を戯言で表すような「if」を考えてしまうのである。人間と人間は分からないのは必然で、なるほど、その人間と言う存在の括り事態が不正的であり、その世界自体が、既に違っていて、単に人間という常に別世界のものが形としてそこに一緒にあるだけではないのだろうか?
 とある「人間1」の世界では「人間2」の世界を通すと人殺しが人を生かしていてそれが悪とみなされ逮捕されているような概念、つまりそれは、人殺しに罪は有るが、ただし、「人間1」では「人間2」の概念で言う《生かす》という、そう言った矛盾なのやも知れぬ。100人殺した殺人犯が居て、ほかの世界では100人生かした殺人犯が居る訳か。いやはや人数という概念さえ別やも知れぬが……。
 とある「人間3」の世界では「人間4」の世界を通すと球体が転がるという概念が正方形がただそこに存在しているだけという概念、つまりそれは球体という言葉がつく存在が違い「人間3」の「球体」「転がる」と言う概念が「人間4」でいう「正方形」「止まる」というそういった矛盾なのやも知れぬ。
 

――――つまり「人間が違ってしまっているのではなかろうか?」

 ふふふ、げに恐ろしき、人間と人間が分かり合えぬ道理。分かり合えていようとも分かり合えている意味が言葉の上でしか成り立たず、つまりその言葉の意味は違うのやもしれぬ。それは今自分に「ありえない」と胸を張れる道理はなく、この「綴り」を読んでいただいた皆様にも「ありえない」とは言わせない。……つまり、このif綴りに結論を加えるなら……否



「もしも」ではなく、「もしかしたら」、つまりこれは今既にあり得る可能性であり今現在も自分の友達が人を殺して讃えられていたり、今現在も母親がご飯を食べないでどんどん太ってゆくそんな「maybe綴り」なのやも知れぬ……


 ……カタ、カタカタ、カタ

 作品について作品上部に表示される作品説明(510Bytes以上はエラーが出ます)
文庫・ノベルスの背表紙や折り返しなどに書いてある『250字程度の作品説明』のようなものを書いてください。
『がんばって書きました』や『書き終える事ができました』など『まえがき』系は却下。それは『投稿者からのメッセージ』へどうぞ。
擬似タグは使用不可です。前作のURLはここに記述しないでください。

…………カタカタ


 あなたを、

………カタ、カタカタ


 試させて戴く




……ファン! 





                  完

2005/10/21(Fri)21:50:09 公開 / Town Goose
■この作品の著作権はTown Gooseさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
いやぁ……コレって紅堂さんに怒られないよなぁ……うん、大丈夫でしょう。(マテ
 はてさて、最後まで読んでいただけたなら幸いです。挑戦作品というか息抜きと言うか、本当に自分の思うことを書くので理解していただけたかどうか……あとがきで何か書くと言い訳みたいに聞こえるのでこれ以上何も言いません

ご感想よろしくお願いいたします。

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