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『天界書記・猛虎が吼える-炎鬼虎昌伝-』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:巌流丸
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「序章」
時は一九九(南滝三七)年、南滝太守・虎恐頼俊が天界を治めて三〇七年たつ今も、各地
で戦は起こり続けていた。その中でも桜華の備趙だとか、閲唐の武槍、延忠の龍鉄や、朔
州の浄秦が大国として権力をもっていた。特に武槍と龍鉄は閲延同盟を結び他国よりも強
大な軍事力をもっていた。しかし、昨年の春に延中の龍鉄は病床につき五〇一歳で病死し、
その嫡男の龍晃が後を継いだ。龍鉄の死後も閲延同盟はつづき、周辺諸国の戦を抑え
ていた。が、今年、夏、龍晃軍が突然、大軍を引き連れ南下し閲唐へと向かってきた。そ
れを斥候で知った武槍はまだ四歳の嫡男・武堅時勝に護衛をつけ、自らは武将たちと共に
戦の体勢につき裏切り者の龍晃を待ち受けた。
そして、四刻(今の二時間)たったとき龍晃の軍勢が一斉に火矢を放ち、松明を投げみ、
火攻めを仕掛けてきたそれ武軍は混乱し城門を崩され龍晃軍は一気に城内に傾込み、武軍
の兵は焼討ちにされ首を斬られていった。
一面が火の海、その中に一人の武将がいた、その姓を炎、名を鬼、字が虎昌という漢だ
った。炎鬼はいま戦の真只中であった。またその戦は天界の名勝負ともいわれる龍晃皐月
一夜攻めであった。この戦は龍鉄の後継ぎで北方の大国、延忠の国主・龍晃隆継が、閲唐
の国主・武槍時政の居城・皐月城を一夜にして火の海とした戦だった。この龍晃皐月一夜
攻めでは勿論、龍晃が大勝利をおさめたが、この戦で一騎当千した猛将がいた、それがこ
の炎鬼虎昌であった。
「敗走」
炎中で次々と龍晃の雑兵達は斬り伏せられ、血繋吹きをあげ、悲鳴を上げ、大地に倒れ
ていった。
「雑魚に用は無い、敵将・龍晃はどこにいる、我こそは炎鬼虎昌、一戦願いたい」
炎鬼が名乗り上げるが龍晃は出てこず、一人の武将がでてきた
「はっはっはっ!笑止、炎鬼ごときの一将が龍晃殿に刀を交えようとは戯言であろう貴様
の相手はこの徐角で十分」
と罵り炎鬼と一合二合と槍と槍を交えたが徐角は炎鬼の名槍・黒燕風丸の一突きに落馬し
首をあげられた。
「くっ龍晃は正に小心な漢だ我に斬り落とされるのを恐れ我との一戦を逃れたのか」
と今度は炎鬼のほうが罵る声をあげた。するとまた龍晃でない武将が乱軍の中から出てき
て。
「我が将を罵るのは鬼将軍ではないか、いくら鬼将軍でもそれは許しがたい事、貴公を我
が刀の錆にせん!」
「ぬぅ凌策殿か、敵として不足無し」そういうとまた炎鬼は駒を進め一突きした、その後、
凌策と四十合、五十合、そして八十合もした。こうなると二人も疲労をみせたが何より馬
が疲れだした。
すると凌策は駒を退き、また乱軍の中へもどっていった。すると武家の将・亜冠長益が
馬を走らせてきた
「鬼将軍!武槍将軍と武堅若の血路を開かねば全滅も危ういです」
「承知したすぐに駆けつける」
そういうと炎鬼は馬首を西に向け西門に向かった炎鬼が正門に駆けつけると其処も既に火
の海となっていた。すると後方から亜冠が駆けつけてきた。
「鬼将軍、若君を連れて来ました、若君の護衛をお願いします。それと・・・」
急に亜冠の声が詰まった
「どうしたのだ、それと何があった」
炎鬼が亜冠に聞くと
「申し訳ありません、槍帝君は先程、敵将・竺砕の一刀のもとに御首を討ち取られてしま
いました」
と亜冠は落涙し答えた。炎鬼は急に顔を曇らせ、呆然とした面持ちで絶叫した
「己、龍晃、そして竺砕めっ、必ず彼奴等の首は俺が討ち取ってみせます、時政公」
炎鬼までもが落涙し拳を握りしめた。そして亜冠に云った
「時政公の為にも堅若を護衛せねばならん堅若を連れて参れ」
承知しました」
亜冠の兵卒は、まだ四歳の武堅を馬に乗せ炎鬼の基へ連れてきた。
「よしっ若君の護衛は任せてくれ、長益殿は西門の守護をして龍晃の軍を食い止めてくれ
ぬか」
「確と聞きいれた、では、門の守護は任せてください。どうか若君を護り切って下さい」
亜冠が頼むと、すぐに炎鬼は武堅をつれて暗闇の中に疾走していった。
続く
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2005/07/10(Sun)14:04:25 公開 / 巌流丸
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■作者からのメッセージ
難しい漢字があってすみません
それと、これは空想世界の合戦とかの話です
まぁ中国てきなものとして呼んでください
まだ続きがあるんでよろしくお願いします
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