『ファンタジーな出来事 〜空間転移装置〜』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:大和                

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 もしも…… 空を飛べたら…… 

 もしも…… 怪力であったら……

 もしも…… 金持ちだったら…… 

 もしも…… 宇宙人が居たら……

 もしも…… 幽霊が見えたら……

 もしも…… 魔法が使えたら……


 そんなことを思ったことはありませんか?
 子供の頃一度ぐらいはそう思ったことがあるでしょう?
 え? そんなことない?
 そんなことはないはずですよ。どこかのお姫様や王子様で、アニメや漫画を見たことがない限り、一度はそういった非現実的なものに憧れた経験があるはずです。
 え? 自分はどうなのかって?
 ええ。もちろんありますよ。アホか?ってぐらいたくさんそう言った思いを抱きました。今でもそう言った思いを少しは抱いていますよ。
 でもだからといって、夢ばかりを抱いているわけではありませんよ?そんなヒッキーみたいな性格はしていませんよ。
 しかし可能性が全くないわけではありません。魔法だの空を飛ぶだのそこまで非現実的なものは0に近いと言っても良いですが、宇宙人や幽霊ぐらい吐いてもおかしくありません。宇宙人はどこか別の宇宙に我々が分からないだけで実在して、我々を見ながら「なんと低文明なのか」と笑っているのかも知れません。幽霊だって我々の科学力では分からないだけで別次元に存在してたまにこちらに来るのかも知れません。

 ね? こう考えてみると可能性の1つ位は見えてくるでしょう?
 ああ確かに。 と、私の考えに共感出来た人は子供の頃そういった夢を抱いているはずです。

 ああ。そうでした。私の自己紹介がまだでしたね。
 私の名前は大草凍矢(おおくさとうや)34歳 小説家。
 小説の内容は主にファンタジーです。ファンタジー小説を書いている理由は2つあります。
 1つ目は、私がまだ13歳の頃そういった、つまりはファンタジーな体験をしているのです。
 2つ目は、私が体験したファンタジーな出来事を今の子供達に伝え、夢を描いて欲しいからです。

 さて、これから私が体験したファンタジーな出来事の一部を皆さんにお聞かせしましょう。
 共感して貰えるかな?不安いっぱいに話します。

 まずはどの体験から話しましょうか?
 そうですね……宇宙人についてなんてどうでしょう?
 これなら大人の方々にも共感を抱いていただけると思います。

 題名をつけるとしたら?……う〜ん、

 「宇宙人はタコじゃない?」

 って感じですね。
 それではお聞かせしましょう。
 大草凍矢で「宇宙人はタコじゃない」
 最後までご清聴願います。




「始めの説明」

 あれは私が13歳の頃です。13歳と言えば大抵は中学1年ですね。私は6月生まれなので、中1でした。両親はとある宇宙に関することを研究している機関で、母親は研究員、父親はエンジニアでした。
 ある日、両親がとんでもない発明をしました。それは、宇宙服を着てその機械の上に立つと、登録した場所へ移動出来る、つまりは空間転移というものですね。それほ発明したのです。もちろん、これを学会で発表すれば我が家は億万長者間違い無しですよ。+αでノーベル賞もんですよ。だって、空間転移ですよ?空間転移。某アニメ。ドラ○もんのどこ○もドアと同じですよ?この道具に夢を抱いた人が何万人いることか。それを市販出来たらバカ売れレベルじゃ済まされませんよ。
 しかし、あろうことか、我が両親は発表しなかったのです。それどころか極秘に開発していたためにつとめていた機関にすら知られていなかったのです。完成した時点で我が家にそれを持ち帰ってきたので僕はその存在を知っていました。ですから、発表しないと聞かされたときは猛烈に反対しましたよ。当然でしょう?むざむざと億万長者を逃す13歳がどこにいましょうか?そりゃあ、何人かは何かのために逃す人はいるでしょう。例えば、何億人もの命がかかっていて自分1人が幸せを逃せばそれらが助かると言うのなら僕でも逃しましょう。でも僕にはそんなことはありません。僕がたとえ億万長者を逃そうとつかもうと誰かが死ぬわけでも何でもありません。むしろ存在すら知られていないのですから落胆する者も居ないでしょう。だから僕はこう言います。
「なんで発表しないんだ!? 父さん達はアホですか!?」
と。しかし、すかさず両親も反撃をします。
「アホじゃない。考えがあるんだ」
「そうよ。考えがあるの」
と。
 考えとはなんだ? と聞いても答えてくれませんでした。

 億万長者の夢をあっさりと断たれた僕は怒り心頭し、自分の部屋に引きこもったんです。そして、ベットにうつむきに、どさりと倒れ込み自分の両親のバカさ加減を恨みました。最初はこれ以上ないぐらい怒りが溢れていたのですが、時間が経つにつれ怒りは失せていき最終的にはそのまま寝てしまったんです。


 さて、ここらで一息。
 このとき僕は怒り疲れたのでしょうか、爆睡してしまったんですね。
 それはもう、ものすごい爆睡でゴジラが来て目の前を通り過ぎようともぴくりともしなかったんです。その爆睡は心身共に疲れを取り去ってくれたんですけど、それがファンタジーな出来事を引き起こす発端になったんです。
 さて、話を続けましょう。


「壱話 where am I now? 〜ここはどこ?〜」

 ……夢?
 これが僕の思った第一の感想。だって、おかしいでしょう?朝起きたら森に居るんですから。しかも辺りの植物は見たことのない物ばかりだったのです。普段そこら辺にはえていそうな雑草が巨大化し、色が微妙に違う植物が視界を埋めていました。必死に記憶を掘り返してもここへ来た経路は浮かばない。出てくるのは昨日のアホな親達のことばかり。仕方なしに、そこらを探索してみることにした。普通の13歳ならここで、見知らぬ土地で、いかにも「キケンです」的な外見をしている植物に囲まれた状況にある中、探索を始めようなどという考えは浮かばず、泣きわめくか、じっとして動かないのが普通でしょう。しかし、普段親が家にいなく、1人の状況になれている凍矢にとっては大したことありません。いや、ここがどこだか分からないという意味では怖いという感情は生まれてきます。凍矢だって普通の13歳ですから。でもまぁ、じっとしていても何も始まらない、思い立ったが先、が信条なとってもポジティブな思考を持っている凍矢が動かないわけが無く、とりあえず探索を始めようと言うわけだ。
 しかし、探索を始めようにも自分に向いて牙?をむく植物と言い難い植物を何とかしない事には始めらなかった。
 さて、どうしようか。と考えたその時。
 ――……矢…………。
 と、ノイズとともに人の声らしき物が頭の中に直接流れてきた。
 ――と…………こ……る?
 まるであと数日で壊れそうなラジオで、聞き取りづらいAMを聞いているような感覚だ。
 ――……う……き……え……――――。
 そこでプッツリとノイズとともに人の声らしき物は聞こえなくなった。
 凍矢には今のがなんだか全く持って分からなかった。ただ、分かることは一つ。あの声は――
「あンのクソオヤジどもめ。あの二人の仕業か……」
 そう。今の声は父親の物だった。朝起きたら見知らぬ場所にいて、頭の中にクソオヤジの声が聞こえたとなれば、それはもうオヤジの仕業に大決定。昨日の恨みに続き凍矢の堪忍袋は破裂寸前。今両親が目の前に現れよう物なら数分後の二人の顔は原形をとどめていないだろう。そして、
 ――とう…………える……。
 またノイズとともに、今度は母親の声が聞こえてきた。今度はさっきよりもノイズは少なく、少しだけ聞き取れた。
 ――凍矢………………る?
 ――凍矢聞こえ…………。
 ――凍矢聞こえる?
 ようやくして声が鮮明になってきた。その声は本当に頭に直接たたき込まれてきて、少しめまいがした。
 ――凍矢。聞こえたら返事してちょうだい。
 何ともえばりくさった声で言ってくる母親に更に怒りがたまるがあえてここは返事しておくことにした。下手に刺激してまた変な事されてはたまったものではない。
 しかしどうやって返事をしたものか。向こうの声は頭に直接来るが、自分の声をどうやって相手に伝えよう?
そんなことを考えていたら親が勝手にその疑問の答えを言ってくれた。
 ――頭の中でしゃべるだけでいいから。
 ――あっそ……。
 それって考えるだけで向こうには分かるんだから、プライバシーの侵害もいいとこなんじゃないかと思いつつも返事をしてみる。
 ――聞こえるよ。
 返事はすぐに帰ってきた。
 ――聞こえるのね? ああ、よかった。どうやら成功のようね。
 ――成功って……なにをしたんだよ?
 ――なにって、この間発明した空間転移装置の実験。
 ――ハッキリ言い放ちやがったなコイツ。失敗したらどうしてたんだよ……。
 ――失敗なんてあり得ないから。
 自信満々。自意識過剰。
 ――…………目的は?
 これ以上無駄な会話はしたくなく、本題に無理矢理持って行くことにした。
 ――空間転移装置の実験。
 ――そのまんまかよ……。んじゃ、成功したって事で早く戻せよ。
 ――ああ、それはムリ。
 ――ふざけろ? こっちに送れたんなら戻せるだろ?
 ――それがねぇ……。エネルギー切れ。
 頭の中で母親がこれ以上ないくらい済ました顔でにっこりしていることがハッキリと浮かぶ。
 ――充電すりゃあいいじゃねぇか。
 ――充電に7日かかるわ。それまで生き延びて。そこがどんな場所か知らないけど、食べ物と水ぐらいはあるでしょ? それを探してじっとしている事ね。
 ――無責任にも程があるぞコラ。大体なぁ――
 ――あぁ。もう。男のくせにゴチャゴチャ五月蠅いこといわないの。いいから、とにかく生き延びなさい。充電完了したらまた連絡するから。
 ――んな! てめっ!
 ――……………………。
 沈黙。
 ――……最低だなあのアマ。普通、実の息子を何が起こるか分からない、発明したばっかの装置の実験に使うか? それこそありえねぇだろ。
 難しいことをゴチャゴチャ考えるのもばかばかしく、性にも会わないのでそういうことは頭から排除。
「生き延びろて……。どうすりゃあいいんだよ……
 
 凍矢の遙か上空で見たことのない鳥が人間には分からない言葉を発していた。



 いやはや……。考えてみると僕の親って最低最悪もいいとこですねぇ。っていうか、最低最悪じゃ済まされませんよマジで。
 でも、今考えてみると僕の親は最悪でしたがすこしばかり、感謝していますよ。なにせ、あんな事がなければ僕がこうして話しているファンタジーな出来事なんて体験出来なかったんですから。さてさて、休憩時間を挟みましてお次は僕がどうやって生き延びたのかをお話ししましょう。
 

2005/02/27(Sun)09:38:13 公開 / 大和
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■作者からのメッセージ
お初です!!
ん〜。短いですねぇ……。でもでも、一生懸命書かせていただきました。ご感想お待ちしています!!

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