『アイツは兎で俺は亀』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:霜
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アイツは兎で俺は亀
こんな話を知っているだろうか?
ある日、兎と亀が競争した。当たり前のように速かった兎は、調子に乗って途中で居眠りをしてしまう。ぐーすか寝ている間に亀はゴールに辿り着き、見事勝利するという話。
現実でも、こんな例は頻繁に起こっている。中学二年生が良く言われる「なかだるみの季節」というものでも、怠けることでいつの間にか抜かされてしまうことがある。
だけど……だけど、そうじゃないこともある。兎といってもいろんな種類がいる。たとえ速い足を持っていようとも、努力を怠らずにゴールを目指す者。途中で怠けたとしても、ちょうどギリギリのところで気づいて、人並みならぬ努力で巻き返す者。
要するに何が言いたいのか。俺は亀であいつは兎だったんだ。凡才と天才ってやつだ。さらに、あいつは努力することを怠らない兎だった。そんな兎に、亀はどうやって勝てばいいのだろう? 三倍努力するか。それとも卑怯な手でも使ってみるか。どんな方法で勝とうとも、亀は亀だ。
俺は努力したほうだと思う。あいつに勝ちたくて、せめて足元に及ぶほどの腕が欲しくて努力を惜しまなかった。
それでも、兎と亀には、埋めようのない壁があったんだ……。
俺の名前は柊真琴。高校二年生だ。結構特殊な名前だと良く言われる。名前といってもそれは名字のほうで自分の名前のほうではない。そんな時俺は、いつも無愛想に答えていた。
「だから何?」
そんなわけで、俺は友達がいない。皆無というわけではないけれど、少なくとも学校にはいないんだ。そこそこの進学校であるここは、文武両道を重んじていて部活動にも力を入れている。けれど、俺は帰宅部。クラスでは無愛想なせいで遠ざけられ、部活のようなものに入っていないため、同じ趣味を持つ友達などというのはいなかった。まあ、でも別に不満があるわけじゃないからいいんだ。一日の半分近くを学校で過ごしているけれど、俺が本当に動き始めるのはその後。無駄な労力を使う必要はない。だから俺は甲羅に閉じこもった亀のように、誰とも話さなかった。
ぼんやりとした頭で、俺はいつも窓の外を見ている。晴れの日もあれば、曇りの日もあり、雨の日もある。どんなときでも、俺はこうして窓から見える空を眺めていた。考えていることはいつも一緒。学校が終わったら何をしようか。やることは決まっているのだけれど、いつもいつも飽きずにそんなことを考えている。他の人が訊いたらよほどの暇人だと思うだろう。確かに、暇なのかもしれない。でも、他の娯楽を楽しんでいるような暇はないのだ。
一日が始まって、十四度目のチャイムが鳴る。それは、学校が終わったという合図だ。黒板をせわしくチョークで叩いていた教師も、その音と共に去っていく。俺も、そのBGMとともに学校を後にする用意をする。基本的に、担任は朝しか来ない。一回でその日の連絡事項を済ませる。明日の連絡事項もその一回に含まれていた。だから、後は掃除をして帰るだけ。
俺は、無言で埃を掃いて、机を並べて。一目散に学校の外へと飛び出した。
俺の一日はここから始まる。急いで自宅に戻り、自分の部屋へと駆け上がる。ベッドの上に鞄を放り投げ、俺はそれを掴み取った。
それは、ギターだった――。
家の近くにある、騒音の激しい駅の下。俺はかなりラフな格好でそこを歩いていた。右肩には黒いケースに入ったギターを担いでいる。都心に近い場所でもあるため、別に珍しがられることはない。持っているだけの人間なんて腐るほどいる。
歩いていくうちに、人気が段々減っていった。駅から少し遠ざかって行っているからだ。人に見せるのが目的ではないので、人気のない適当な場所を俺はいつも選んでいた。
ガタンガタンと、やかましい音が辺りに響き渡っている。ここなら、どんなやかましい演奏をしたとしても、咎められる事はない。練習をするにはもってこいの場所だった。
俺は、その場所であいつを見つけた。辻野隼人という、俺と同年齢のヤツだ。すでにギターとアンプ(音を大きくする道具)、その他の細々とした機材を広げて熱心に練習している。まだ春先で寒いというのに、隼人の顔は汗ばんでいた。汗っかきでもあるらしいが、そうとう練習はしていたはずだ。隼人の学校は俺よりレベルの低い学校らしく、単位もそこそこ取っていれば問題ないらしい。だから暇さえあれば、隼人はいつもここで練習していた。
俺と隼人の出会いは単純。まだほとんど弾けない状態で練習場所を探していたとき、ここで偶然出会ったのだ。人当たりの良い隼人は、一緒に練習しないか、と声をかけてくれた。俺はまた無愛想に、わざと嫌そうな顔をしながら答えたのを覚えている――かれこれ一年前のことだ。
隼人は、俺が近くに来ても気づいていないようだ。俺は、近くに転がっている石を隼人に向かって投げつけた――正確には、当たらないけれど否が応でも気づく場所に投げた。
カツンと、コンクリートの地面に当たって石が跳ねる。そこでやっと隼人は俺の存在に気が付いた。愛想のいい笑顔を隼人は俺に見せた。
「今日はいつから?」
「えーと……時計ないや。今何時?」
そう言って、隼人は俺の左腕を覗き込んだ。けれど、俺は時計を付けていない。何かを腕につけるのが嫌いなのだ。基本的に自分のことをべらべら喋ったりしないので、隼人はそのことを知らない。だから毎日会っているのにこんなことを度々している。一方、隼人は単純にあまり必要としない性格なので、特別な事情がない限りつけないらしい。
「俺は付けてねえって。携帯見ろよ」
「あ〜、それもないや」
ポケットを裏返してみせる隼人。コイツは天然ボケなんじゃないかと思わせられるような行動だ。ついでに隼人は機械音痴なので、あまり携帯を持とうとしない。必要のない人間にとっては携帯なんて邪魔でしかない。俺は一応持っているが、連絡を取るような友達がいないのでアドレス帳には両親のアドレスしか登録していない。俺にとって携帯はちょっと寂寥感を覚えるものだった。
それでも、腕につける時計よりは遥かにマシなので、今のところは時計代わりとして持ち歩いている。それを、俺は隼人に放り投げた。
「ほれ」
「危ないって」
抗議しながら、携帯を見て時間を確認している隼人。その口から出てきた数字は、
「三時間……かな?」
うわあ。俺は素直に驚いた。時間で考えれば午後からずっと練習しているということだ。これからさらに日が暮れるまで練習するというのに、よくそこまで身体がもつものだ。好きなものに対して熱中するというのはこういうことなのだろうか。
手渡しで携帯を返してもらった俺は、ケースの中からギターを取り出し、アンプやらなにやらに接続する。準備が整ったと同時に練習を開始した。
それを見て、隼人もまた練習を再開する。
俺らはそれぞれ違う曲を弾いている。けれど、俺らはそんなこと全く気にならないほど弾くことに集中していた。俺はギターが好きだ。唯一の生きがいといってもいい。これを楽しむために、学校の生活を我慢して過ごしているんだ。
ただ、最近よく思うことがある。こんなことを比べてもしょうがないことだけど、隼人のギターは凄く上手かった。すでに聞き慣れているせいで今はそれ程凄いとは思わないが、一番最初に聴いたときは、背筋がゾクリとするほどの感動があった。なんていえばいいんだろう……。音が生きている、とでもいうのか。隼人の演奏は凄く音が生きている感覚があった。曲というのは一つ一つの音の集まりで、それが繋がり、重なることではじめて音楽と呼べるものになる。隼人の演奏は、そこからさらに一歩踏み出してそれに生命を吹き込むようなものだった。俺には、霜言い表すことしかできないが、とにかく隼人は天才だった。
それに対して、俺は……。具体的に何が悪いのか、と問われても答えようがない。しかし、隼人と俺の演奏では明らかな差があった。隼人は俺より努力しているから。そんな理由も脳裏を掠めたが、それだけではない。才能とも呼べる何かを隼人から感じることができる。
正直、俺は隼人に勝てる気がしない。
勝負、というような事はしたことがない。しようがないというのもある。それぞれ技術の向上を求めているわけで、勝つ負けるなどというのはどうでもいい話だ。それに、誰かに勝っても負けても嬉しくないし。
「柊……どうかした?」
考えに没頭していたためか、手が疎かになっていた。心配そうに隼人が俺の顔を覗き込んでいる。その隼人の顔と、どうしてか兎の顔が重なり合ったのが見えた。
「いや、なんでもない」
「なんか悩みでもあるの?」
「問題ないって。何でもないから」
いかにも何かあるように、焦りながら何でもないと主張する俺。自分の考えが、外に漏れてしまいそうで怖かった。これ以上何も考えないようにしようと頭の中で釘をさす。
俺は改めて練習を再開した。何も考えないように、と頭の中で反芻しながら練習する。
太陽が見えなくなり、完全に暗くなったところで俺たちは練習を終えた。どうせ家でも練習するのだから、まだここにいても問題ないじゃないかと思うことは何度かあった。けれど、昼も夜もほっつき歩くような息子に見られたくないので、俺らは帰路につく。
「またね」
「おう」
隼人がそう言って去って行く。俺は無愛想に返事を返した。隼人の後姿を見ながらさっきの出来事を考えた。隼人が兎なら、俺は亀なのかもしれない。どんなに頑張っても、兎に追いつくことのできない――。
隼人に対する劣等感。そんなもの必要ないのに。捨ててしまいたいくらいなのに、どうしても俺の頭から離れることはなかった。
ある日、学校を出ていつもの場所へと辿り着いた俺は、いつも通り先に練習していた隼人を見つけた。ただ、隼人はいつものように練習はしていなかった。何かのチラシのようなものを、食入るように見ている。たかだか紙切れにどうしてそんなに集中できるのだろう。俺はそう思いながら、隼人の背後に忍び寄り、それを無造作に取り上げた。
「あっ、来てたの?」
不満など全く漏らさずに訊く隼人。たまにどうして自分のような人間と一緒にいられるのかと思ってしまう。俺はこんな性格だから。でも、違うからこそ合うという場合もある。俺らは多分それなんだろうと思う。それほど仲がいいという感じは持っていないけど。
「今来たとこだよ……なんだ? 大会の参加者募集……お前これに出るの?」
「いや、ただ見てただけだよ。出ることなんてまだまだ無理だし。予選落ちが関の山だって」
弁解するように隼人はいい訳じみた事を言っている。要するに、出るほどの自信がないわけだ。隼人の腕は俺が一番知っている。上には上がいるけれど、隼人だってそれなりの腕はあるのだ。この一年間で、隼人はかなりの曲を弾けるようになっている。有名なギターリストの曲だっていくつか弾けるほどだ。
俺は、どちらかというと出てみたかった。自分の腕がどのくらいあるのか試したかったんだ。いつもいつも二人で練習しているけれど、実のところ自分たちがどの程度のレベルかが分かっていない。まさに井の中の蛙状態だ。
俺は、隼人にこの大会に参加することを提案してみた。
「優勝とかはできないと思うけど、結構いいところまではいくと思うぞ? 多分」
「まだ始めて二年だよ? ほかの人たちなんてもっと練習してるかもしれないじゃん」
「別に構わないだろ。優勝狙ってるんなら、そういう気持ちになるのも分かるけど、純粋に自分の力を試すってだけでもいい機会だと思うけどね」
「でもねえ……」
優柔不断なヤツだ。
隼人のこういうところを見ていると、何故か俺はイライラしてくる。はっきりとしないことが嫌いなんだ。
「出たいのか? 出たくないのか? どっちだ」
俺は結局究極的な質問に出た。一番分かりやすくて手っ取り早い。その後色々と理由を述べるだろうがそんなものどうだっていい。
「出たい……けどねえ」
「だっらそれでいいだろ」
そのチラシの文字を一つも見逃さないようにして読んでいく。日時は四月六日。ちょうど二週間後だ。場所は近くの駅の駐車場だった。そういえば、何か色々と金属の板とかが置かれていたような気がする。電話で登録するらしいので俺は速攻でその電話番号を携帯に打ち込んだ。
「あ〜、参加者募集のやつ読んだんですけど」
相手は律儀に名前と年齢と電話番号を訊いてきた。
「名前は柊真琴で、十七歳です。電話番号は――。あと、もう一人いるんですけど――」
「ちょっと柊!」
慌てた様子で隼人は俺の手から携帯をとろうとした。だが、俺のほうが二十センチほど大きいので、無理矢理取ることは不可能だ。手を出しても振り払って続けた。
そんなことをしているうちに、登録は完了し、
「お前も出ることになったぞ。良かったな」
適当にそう言ってやった。こういう人にとっては、俺のようなタイプは迷惑でしかないかもしれない。不意にそんなことを思った。
「そんな勝手に決めないでよ……」
がっくりと肩を落とす隼人。そんなにしょげるものでもなないだろうに。
「出たいって言ったからには当然だろう。嫌なら出たくないって言えば良かったんだ。自分の気持ちを押さえ込むな。時には必要かもしれないが、年中しまいっぱなしじゃ楽しくないだろう」
「いやまあ、そうだけど」
それ以上は何も言わず、俺は自分のギターを手に取った。残り二週間。基本的には既存の曲でも自作でもいいらしいので、俺は弾きなれた曲にアレンジを加えて、自分のレベルに合った曲を弾こうと決めた。考えることは隼人も同じらしく、何やら思案しながら聞いたことのある曲をゆっくりと弾いている。
どんな結果になろうとも、自分の実力が分かるに越したことはない。そんな前向きな想いで自分の胸はいっぱいだった。
このとき、俺は自分が亀であることを完全に忘れていた。どんな差もなく、努力をすれば必ずそれが実ると信じていた。だからそれを壊されたとき、俺は再び兎と亀の存在を知る事となった――。
大会当日。俺はあらかじめ隼人と待ち合わせをしてこの場所へと来た。待ち合わせの理由は、先に少し練習しておきたかったからだ。いきなり弾くのとあらかじめ練習しておくのとではやっぱり違うと思う。隼人もそれに承諾して、早めに俺らは集まった。
段々気温も上がってきて手もあまり冷たくならない。ギターリストにとって手は凄く重要(どんな楽器でも重要だろうけど)なので、この気温はありがたい。
「柊、昨日良く眠れた?」
隼人がそんなことを訊いて来た。言いたいことは分かる。良く眠れなかったんだろう。まったく、小学生じゃあるまいし。
「今日は遠足じゃねーぞ」
からかい半分でそう言ってやった。すると、
「そうだよね……でも緊張しちゃってだめなんだよね」
かなり本気でそんなことを言っている。まあ、大会は初めてなんだししょうがないのかもしれない。俺もギターの大会は初めてだ。
「どうして、柊は緊張していないの?」
「それが普通なんじゃないの?」
そっけなく返す俺。当たり前だが、そんな適当な理由で隼人が納得するはずもない。
「普通って何が普通なのさ」
「一般的な方が普通なんだろ」
「じゃあ、一般的って何さ」
なんだか話が変な方向に行こうとしている。俺は面倒になってそれを止める。
「この状態で緊張してるヤツとしてないやつが一人ずついるんだ。半分半分なんだからよりありえる状況として考えるんならどっちも普通って事だろ」
「何が言いたいのか良くわかんないんだけど」
俺もわかんねえよ。何が言いたかったのか、本気で脳みそを搾り出して言いたかったことを探し出した。
「人は人ってことだよ。自分と他人が違うからどうしてって聞くな。他人がどうであれ自分は自分なんだ。緊張しないことに疑問を持つ前に、自分でその緊張を何とかしろ」
結局のところ、緊張なんて慣れるしかない。自分でどうにかするしかないのだ。と言いたかったんだけど、ちゃんと伝わっているんだろうか。聞くわけにも行かないので、俺はギターをケースにしまい始めた。もうそろそろ始まる時間だ。もたもたしていたら遅れてしまう。
「行くぞ」
俺はそっけなくそう言った。
隼人は、慌てて片付け始めて俺の後を追ってくる。なんだか弟のような存在に思えた。
「頑張ろうね」
隼人がポツリと言葉を漏らした。何というか、やっぱ天然じゃないのか? と思ってしまう。よくこんな状況でそんなクサイことを言える。ある意味良い点ではあるんだろうけど。
「それなりにな」
あいまいな言葉で返す俺。
そんなこんなで、俺たちは会場へと脚を運んだ。
以前までは鉄の板きれだったものも、今は立派なステージになっている。ただ、本当のアーティストたちが上るような照明がたくさんついているものではないので、ちょっと寂しい。
人の数も、なんだか寂しいものだった。そんなに少ないわけではないけれど、せいぜい五十人いるかいないか。この中で参加している人を探すのは簡単だった。だってギター持参だからだ。ぱっと見ると、半分くらいが持っている。残りは多分その知り合いなんだろう。
昼下がりのちょうど良い時間帯。数十人の人々がステージを見ている中、参加者たちの演奏が始まる。
「一番の方――」
そのアナウンスの声を聞いて、ステージの脇に座っている人が立ち上がり、その上に立った。ギターとその他の機材を接続して、音を調節する。かなり慣れた手つきだった。ギターというものはそれ自体で音を出すわけではない。色々な機材の微妙な調節で自分独自の音を作り上げる。こういうこともギターリストとしては日々研究しておかなければいけないことだ。
だから、この一番の人間がどんなに研究不足だったかはすぐに分かった。演奏が始まってすぐに、ひどく不快な音が俺の耳に入った。コイツは、音を歪ませすぎている。盛り上げたいがために音をギャンギャン唸らせすぎたのだ。大抵、弾いている側と聞いている側の音の聞こえ具合というのは違っている。勝手な予想だけど、コイツは自分の演奏に酔うタイプだ。現にステージに立っている人間は満面の笑みで、この五月蝿いだけの曲を引き続けている。曲自体、やかましいだけで何でもないもののような気がする。
ヒャッホウ! という叫び声とともに彼の演奏は終わった。それとともに俺の感想も、終わったな、だった。
「なんか、イッちゃってるんじゃないの?」
隼人が隣でそんなことを言ってくる。いいたい気持ちも分からなくはないけれど、もうちょっと人の内面を見てやれよ。などと思った。でも、これは同情なのかもしれない。そう思うほど、この一番は哀れだった。
参加人数は二十五人いるらしい。暇だったので数えてみた。そのrで、三番目までがステージの脇のほうで待機している。
「四番目の方――」
すぐに補充のアナウンスが流れる。どうじに、二番目の参加者がステージに上がっていく――。
一通り聞いた所、それほど優れた人はいなかった。隼人といる時間が長いため、耳が肥えているのかもしれない。まともな演奏はちゃんとあった。でも、隼人のような生きた演奏というのはなかなか難しいようだ。多分、俺も生かすことができない部類に入るんだろう……。
俺の番号は二十番。そして、隼人の番号は二十一番。同時に登録したからその順番になったらしい。俺は、緊張を振り払いながらアナウンスを聞いていた。
俺がステージに立つとき、
「二十三番の方、ステージ脇の控え席に来てください」
これと同時に俺は進まなければならない。足が段々震えてくる。緊張しないなんて言っていたけど、そんなの嘘だ。人よりは緊張していないだろうなあ、程度のものだ。大体、全く緊張しないヤツなんていやしない。俺は中学校のときサッカー部に入っていたから、ある程度の緊張感を味わっているだけだ。ちなみに今の緊張の度合いは、みんなで駆け回ったフィールドよりも強かった。
「柊、頑張って」
かすれて消えそうな隼人の声が耳に入る。隼人は俺よりも緊張しているようだ。ちょっと不安になってきた。隼人はちゃんと演奏できるだろうか。そんなことを考えながら、俺はステージを登っていく。
見える光景は、素晴らしかった。高い山から下の景色を見下ろしている感じ。教卓に立っている教師は、生徒が思っているよりもかなり生徒の手先が見えるらしい。今の俺も似たような感じだ。人が集まっている光景に俺は驚き、下の一人一人が注目しているのを俺は見ることができた。緊張よりも、高揚感が強い。イッちゃっていると言われた一番の人も、こんな光景に当てられてしまったのだろう。この感じは、悪くはない。
俺は、ぶら下げているギターと機材をつなぎ始めた。自分の、ありったけの演奏をここにいるみんなにぶっつけてやる。
手を揉み解してギターを構える俺。
こうして、俺の演奏は始まった。
こんなことを言うのもなんだが、結構普通だった。聞いている側としては結構良かったのか、今までの人の演奏よりは反応がいい。その様子に、俺はますます興奮し、ギターを引っ掻き回すように引き続けた。失敗することはなかった。弾きなれた曲だからということもある。だが、俺には何か強いものが、背中を押してくれているような気がしてならなかった。
俺が演奏を終えたとき、汗だくになってギターを強く握り締めていた。今まで、こんな大勢に聞いてもらったことがないこともあってか、その歓声は凄く大きく聞こえた。
俺が終わってステージから降りるとき、
「今までで一番良かったよ!」
隼人がそう言ってくれた。次は自分の番だということを忘れて、俺の演奏に喜んでいる。どうしてか、俺は笑みがとまらなかった。
「次はお前だ。頑張れよ」
「あ、そうか」
思い出すと同時に緊張が沸いてきたらしい。俺は笑みを崩さずにこう言った。
「なかなかこれはハマリそうだ。かなりいいぞ」
どういう意味だか理解していない様子で、隼人は首をかしげている。まあ、上がれば分かることだ。背中をポンと押して、俺はその場を後にした。
ここに連れてきたことを俺は後悔していない。それを選んだのは俺だったのだから。俺はあいつが腕を発揮できる機会を作ってやりたかったから。でも、それと同時に、俺は自分とあいつの埋めようのない差を思い知ることになる。
亀にとって、兎の進むスピードはあっという間だ。一瞬にして、目の前からいなくなってしまう。それを見て、諦めずに努力できる亀はどれほどいるんだろうか。絶望を覚える者は決してすくなくないはず。
俺も、例えその先で兎が寝転んでいたとしても、そんな都合の良い願望を抱きながら必死に歩き続けられるほど強くはなかった……。
正直な話、凄いとしか言いようがなかった。
緊張しながらも、指慣らしをして演奏を始める隼人。その最初の瞬間から、俺はその演奏の虜になっていた。隼人のそれは、指慣らしとは思えないほどレベルの高いものだった。明らかに俺らとは異なっている。格が違うとかそんなもんじゃない。次元が違っている。
いつも聞いていたはずなのに、どうしても今までのものとは違うような気がする。何かが変わった訳ではないんだ。でも、初めて聞いたような驚きが俺の心にはあった。
たかだか指慣らしで、周りは静寂に包まれた。みんなが驚いているのが手に取るようにわかる。隼人の凄さをその時点で理解したのだ。
隼人の演奏が始まった。
波一つない水面に一つの震源がポツリと現れる。その震源は、段々水面を揺らし始め、同心円状の波を造り続ける。
クラシックに近い。とても澄んでいて、清清しい演奏だ。まるで森の泉にでもいるような。多分、他の連中はこれだけで驚いているだろう。ギターをやっているからといって、クラシックなどという古臭い(失礼だけど)ものを聞く人間はそういない。理論にこだわらず、自分の、現在の流行を見ただけで、音楽の世界に飛び込む者は少なくないのだ。もちろん、そんな人間は長続きしない。クラシックは現在も行き続ける、これからも行き続ける永遠の音楽の集大成だ。時代の流れにとらわれるヤツラにとっては理解できないかもしれないが。俺も昔はそんなヤツラの一人だった。俺がクラシックの素晴らしさが分かるのは、隼人が色々と教えてくれたから。
だから俺には分かる。この曲は、隼人が一番好きだった曲に、できる限りのアレンジを加えたのだ。名前は分からないが、この曲は耳に残りやすい印象がある。自分の記憶が正しければ、この後段々壮大になっていくはずだ。――たくさんの楽器が使えれば。
隼人は、そこさえも難なくこなしていた。ここからの距離ではほとんど見えないけれど、左手がかなりせわしく動いている。限界までパートを絞って弾けるようにしたんだろう。既存の曲よりは劣ってしまうけれど、それを十分補えていると俺は思う。隼人の並外れた才能と練習量があってこそ成せる技だ。そもそも、クラシックの曲をアレンジするなんて俺には想像できなかった。俺にはどう頑張ったって弾けそうにないくらい、凄い……。
壮大になる部分のテーマは、森の最深部。この曲は、森に迷い込んだ青年が妖精に出会い、森の中を探検するというストーリがついている。時間の都合上隼人はところどころを省き、最後まで弾けるように尽くしたもの。木漏れ日を浴びて壮大に立っている木々を見て感動する青年の心情が何となくわかるような気がする。俺は隼人の演奏に感動を感じていた。泣きたくなるほど、曲が生きていた。
気が付いたとき、隼人の演奏はすでに終わっていた。自分だけ別の世界に飛んでしまっていたような気がして、慌てて周りを見回した。そう感じていたのは自分だけじゃなかったらしい。演奏が終わったというのに、拍手も何も起こらない。周りのみんなは動揺しているだけだった。
俺はそこで拍手をした。パチパチという、静かで軽快な音。しかし、時間が経つに連れてその音はどんどん重なり、大きくなっていった。今まで以上の拍手と歓声がステージを降りて行く隼人に贈られる。誰もが思っただろう。コイツは天才だ、と。
不意に、俺は再び嫌な感覚を覚えた。同時に、周りの音がだんだん小さくなっていくような気がした。
結局、隼人は自分の才能を見せ付けることができた。でも、俺は凡才にしてはそれなりに上かもしれない。けれど、それだけだ。隼人の演奏はとても凄かったと思える。悪いところなんてどこにもなかった。だからこそ、この差を妬ましく思ってしまう。
隼人は、大会で優勝した。当たり前だろう。あんまものに勝てるヤツなどいてたまるか。俺には入賞も何にもない。
誰かに勝ちたくて始めた訳じゃない。俺は高みを目指したかっただけなんだ。隼人との差を女にも思いつめる必要なんてない。そう自分に言い聞かせた。何度も、何度も、何度も――。
もし、俺が隼人の後に演奏していたら、俺は何度もミスって、しくじって、ボロボロになっていただろう。隼人の演奏が終わった後の俺は、魂が抜けたように心の中が空っぽだった。
アイツが悪いんじゃない。自分に強く言い聞かせる。それでも、この喪失感が消えることはなかった。あの大会以来、あの場所にも行くことは無くなってしまった。
俺は今、学校の屋上にいる。橙色に染まった夕日が、斜めに世界を照らしていた。
自然と、皮肉な気持ちになる。どうせ俺は駄目だったんだ。努力すればどうにでもなると片隅では思ってはいたんだ。隼人を抜けるかもしれないと。その考えが、何よりも腹立たしい。
俺が屋上にいるのは、飛び降りようとしているからじゃあない。こんな抜け殻のような状態じゃ説得力なんてないかもしれないけど、そんなつまらない理由で死ぬほど愚かじゃない。
ただ、あの時見た光景をもう一度見ておきたかっただけなんだ……。ステージに上がったときの高揚感。あれは正直忘れたくないものだ。ずっと忘れないでいたいから、ここに来てみた。部活動で汗を流す生徒が見える。その人間は、誰一人として俺が屋上にいることなんて気づいていない。あの一瞬の感動は夢だったんだな。
俺は、涙を抑えることができなかった。
こんな俺を見て、隼人はどう思うだろうか。優しいやつだから、一緒に泣いてくれるかもしれない。でも、多分俺には同情されているとしか思えないだろう。
この気持ちを今すぐにでも消し去りたい。俺はこんなに腐った人間じゃない。
俺は、転がっていたコンクリートの破片を持ち上げた。バレーボールぐらいの大きさの、ゴツゴツした塊を、俺は右手で頭上に抱え挙げる。一瞬じゃないとできないだろうから、なるべく大きなものを選んだ。自分が片手でもてる限界の大きさのものを。
「さようなら」
アイツの性格が少し移ったのかもしれない。めちゃくちゃな台詞だ。
そして俺は、その大きな塊を左手に叩きつけた――。
全ては、終わったんだ。
ぐしゃぐしゃになった俺の手は、あっという間に腫れ上がり、絶叫を抑えられないくらいの痛みが迸った。
その痛みで俺は気絶してしまった。だから、それから俺がどうなったのかは知らない。
分かったのは、その後病院に運ばれたということだけ。
あちこちを骨折したため、治るのに数ヶ月掛かった。一応入院する必要は全くなかったのだけれど、ついでに精神科でどうのこうのというのがあったため、一週間ほどの入院を経験した。
戻ってきた時の変化は、親が過保護になったことと、すでに受験生になっていたと気づいたことだろうか。ついでに、ギターを握れなくなったこと。完全に手が動かないとかいうわけではない。治る間全く動かさなかったために、筋肉が減ってしまっていたのだ。普通のものを握ることはできるけど、ギターを弾くほどの器用さはなかった。まあ、望んだことなんだからしょうがない。
とりあえず何もすることがなかった俺は、勉強をすることにした。親も最初はまた精神病院に連れて行こうとしたが、段々何かを納得したようで普通の状態へと戻っていった。学校での俺は相変わらずだったけれど、教師からの印象がよくなったせいか、つまらないと感じることもなくなってきた。
全ては変わったんだ。
現在、俺は見事地元の大学に無事合格してつかの間の休息を取っている。理系なので、学校が始まったら色々と大変らしい。俺は、一年ぶりに家の周りをふらふらとしていた。
たかだか一年。されど一年。
どういう理由かは知らないが、街の様子が少し変わって見える。身長が伸びたせいかもしれないし、大学生という意識からかもしれない。高校生がガキんちょみたく見えるのは自分が大学生になったからだと思う。
俺がふらふらと街を歩いていると、どこからか大きな歓声が聞こえてきた。
何かの祭り――いや、そんなものはない。ここでずっと生活してきたけれど、春にやる祭りなどなかった。でも、実際に何か騒ぐようなものがあることは確かだ。有名人でも来たのか? 駅の近くだから、そういうこともありえるかもしれない。見るものは何にもないけど。
その声のする方向へと足を向けると、段々歓声に混じって聞き慣れた音が入ってきた。それは、ギターの音だった。聞いていて不快になるような歪みの激しすぎる音が響き渡っている。はっきりいって近所迷惑だ。
ギターが鳴り響き、多くの歓声が上がっているその場所は、一年前俺がいた場所だった。
全く変わらない光景で、またイカレたあんちゃんが革のジャケットなどを着て弾き荒れている。
そうか、今日はちょうどあの日だったんだっけ。
俺は、あの光景と共に一人の友人の姿を思い浮かべた。辻野隼人。誰もが認めた天才。あいつは、未だにギターを握っているかもしれない。この場所にいるかもしれない。そう思うと、俺は興奮を抑えられなかった。勝手に誘って、勝手に落ち込んで、勝手にどっかに行ってしまった愚か者の俺をどう思っているだろうか。……裏切り者と思っているかもしれない。後ろめたさはあった。それでも、俺は会いたいという想いが強かった。
今何番目の人が弾いているのかは知らないが、どうせ今年も優勝できるだろう。最後まで見ていれば、姿は確認することができる。俺は待つことにした。
一人が持っている時間は約五分。基本的に、アーティストの歌う曲だって四分ちょっとだから少し余るぐらいだ。五分刻みで変わっていくステージ上の人を見ながら、俺は隼人の姿を待ち望んでいた。
最後の一人がステージに立って演奏をする。それを聞き流して、俺は表彰式を待っていた。もう少しで隼人の姿が見れる。今回だって俺が聞いた限りでは隼人を超えるヤツはいなかった。絶対にあの一番上に立つはずだ。
しかし、表彰式で台に立ったのは見知らぬ人物だらけだった。隼人の姿は見当たらない。ここ一年で姿かたちが変わってしまったのかもしれない。そう思って名前が呼ばれているのを聞いていたが、隼人の名前は出てこなかった。
ここにはいないんだ。
もしかしたら、自分の才能を信じて一人で活動しているのかもしれない。隼人の腕なら、ギター一本で食っていける。似たようなやつは腐るほどいるけど、あいつなら簡単に追い抜くことができる。
俺は、近い将来どこかで有名になることを期待しながら、その場を去った。
特に向かう場所は決めていない。でも、行っておきたいところがある。多分いないだろうとは思うけど、それならそれで構わない。だって、あの場所は始まりの地でしかないんだから。
俺が向かっていたのはいつも練習用に使っていた場所だった。駅から少し離れた場所で、電車のけたたましい音が朝から晩まで響いているあの場所。
そこに着いて、まず見えたのは一人の青年が座っていたところだった。
ガタンゴトン、とやかましい音も気にせずに、タバコを吸っては吐いて、吸っては吐いている。見たことがある顔だった。明らかに暗くなっているけれど、その顔は昔の隼人に変わりなかった。髪が伸びているせいで暗く見えるのかもしれない。
俺は、聞こえるようにわざと足音を立てて歩いた。道路の上に載っている砂がジャリジャリと強く音を立てる。
隼人がこちらを向き、輝かんばかりの笑顔で俺を見た。
「柊!」
昔と変わらない、隼人の表情。俺はなんだかそれがとてもまぶしく思えた。
「ああ」
だからどうしたと言わんばかりに、俺はそっけなく答える。ただ、口元には笑みがある。隠したかったけど隠し切れなかった。
「久しぶりだね」
笑みを崩さずに喜んでいる隼人。どうしてこんなにも笑っていられるんだろうか。俺はお前を裏切ったんだぞ?
「どうして、今年は出なかったんだ?」
俺は、自分の思いを引っ込めて訊いて見た。
大会のことを言っているのは分かるだろう。俺たちにはあまりにも印象が強すぎる。
隼人はうつむきながら、ぼそぼそと声を出した。
「ああ……ごめんね。俺、ギター止めたんだ」
俺はその言葉に驚いた。思わず、
「どうしてだ!?」
叫んでしまった。
隼人は、俺の目の前に左手を出して見せた。そこで見えたのは、俺の傷に良く似た傷跡。基本的に、完全に傷が癒えるという事は難しい。よほど切れ味のいい刃物でもない限り傷は残ってしまう。切れにくい者ならば確実に残る。
「俺さ……あんなに喜んでたけど、柊はつらかったんだよね」
「同情か?」
「違う。俺は賞なんていらなかったんだ。ただ、二人で練習するのが楽しかっただけ」
「…………」
「でも、柊は来なくなっちゃった。俺があんなのに出なければ良かったんだ。そうすれば、柊もそこまで落ち込むことはなかった」
同情なのか違うのか、正直俺には分かりかねた。どちらでもいいが、俺のせいで隼人は道を踏み外したということは分かった。
兎は独りになると寂しくて死んでしまうらしい。本当かどうかは分からない。けれど隼人は、どんなに先に進めても、誰かがいなければ進めないということなんだろう。
才能を持つが故の悩みとでもいえようか。
隼人は俺と一緒なら、最後までゴールに辿り着くことができるのだろう。独りじゃないのだから。俺は、急に身体に力が入るのを感じた。一年ぶりに、生気が戻ってきたような気がする。
「だったら、もう一度やってみるか?」
俺は、そう提案してみた。
「ただし、俺はベースをやる。お前はそのままでいい。バンドだったら、文句ないだろ」
ベースとは、低音が主の、どちらかというと目立たない楽器だ。テンポを刻んだりすることで曲に味を出すことができる。料理で言えばダシのようなものか。あんまり目立たないけれど、コイツのためになるのなら、縁の下の力持ちになっても構わない。
「でも、これだよ?」
隼人の左手。治ってはいるが、以前の技術はないだろう。でも、その方が俺は良かった。
「スタートラインが一緒になっただけだ。問題も何もないだろう」
「……そうかもね」
「その代わり、俺ボーカルな」
俺は冗談交じりでそう言った。
「え〜、俺だって結構上手いんだよ? 声がいいって良く言われるし」
「あのなあ。声がいいからってそれが上手いことにはならないんだよ。ちゃんとした発声方法ができた上での声が上等なら――」
俺たちは、他愛もない雑談を交わしながら、近くのカラオケへと足を向けて行った。
アイツは兎で俺は亀だ。でも、兎は独りじゃ死んじゃうから先に進むことはできない。俺らは結局一緒に進むのが一番なんだ。一緒に進んで、ゴールするのが一番なんだ。
世の中が全てがそんな都合良く決まっているわけじゃない。ずるがしこい亀だって、独りのほうが気楽な兎だっているだろう。だけど、俺らは一緒に新たなスタートラインを踏み出した。
――うわっ、うまっ! こっちの才能あるんじゃないの?
――……ギターの方が良かったんだけどな。まあ、これはこれで楽しいからいいか。
2005/02/13(Sun)10:54:22 公開 /
霜
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■作者からのメッセージ
最近の出来事。
結構先生に脅される。来年三年だからしょうがないかもしれないけれど、とにかく脅される。
ノートの字が汚いとよく言われる。貸すのが嫌いなので、汚く書いていたら本当に汚くなってしまった(汗 ちょっと気をつけようかと思う今日この頃。
とにかく短編です。完結ものです。書き終わったあとに思ったことは「この話読んで面白いか?」でした(汗 そういうわけで意見をいただきたく、ここに投稿させてもらったわけですが。どうなんでしょうか?
作品の感想については、
登竜門:通常版(横書き)
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42文字折り返し
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2020/03/28:Androidスマホにも対応。Noto Serif JPで表示します。