『人という存在へ贈る[読みきり]』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:貴志川
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生きている事自体が不自然に感じたことはないか?
では死ぬことに疑問を持つことは?
なぜ人間は生き、そして死ぬのだと思う?
『生』に関する疑問は人間が人間である以上、誰に答えられるものではない。それは回答者がいない疑問でしかないのだから。
だってほら
お前は死んでない
比較対象や、公式が存在しないものに正確かつ明確な答えを求めるのは愚問でしかない。俺達は生きている。そこに疑問や干渉を挟むこと自体が無駄の骨頂なのだ。
だがまぁ一つだけ。
一つだけ矛盾を作ればそれを解決することは可能だ。
そうだ
『神の存在』
ここからは俺のただの持論でしかない。だから聞いても聞かなくてもいい。もとより俺はそういう『存在』だ。まあ…それ自体が人には信じる信じないで分かれるのだが。そういうわけで人の自由意思にゆられるのには慣れている。
…………さて
人間はある意味『意識という鎖に縛られている存在』だ。
意識はそれを一つの個として考えるならばこの地球を……世界を支配する種、『人間』に与えられた特権といえる。……少なくとも人はそう思っている。
だがその特権者……つまるところ人間には酷いリスクがかけられている。
『欲望の自覚抑圧』だ
人間は所詮繁殖する動物である。だから人間には『本能』という『欲』が存在する。だがそれは意識によって抑圧され、『常識』という波にさらされて海底深くへ隠される。それも自覚的に。
だから人はある意味欲のない生物と言える。欲がない、とは聞けば美徳に聞こえるだろうが、動物にとっては『繁殖能力がない』のと同意義だ。動物は皆『子孫を残す』という本能的な『欲』の為に種の保存を行うのだから。
人間はそれすら抑圧して、拒否する。それが人間の生きる目的とは考えない。考えられない。
そして肉体あるものは必ず死ぬ。
そこに人は救いを求める。『本能』にすらうがってしまう自分の本質に限界を感じて。
そしてその救いの主こそ
『神』
神は人間の作り出した『意識を開放するための言い訳』だ。教義のため、神の許しのため、『欲』を開放する。
そうして繁殖を積極的に行うわけだ。
………
いやいや
まったく上手い言い訳を考えたものだ。
ハハハハハ
俺までも利用するとはな
ハッハハハハ!
……………?
なんだ
まだわかってないのか?
しょうがない。もう一度教えてやろう。
いいか?人間は『繁殖できない』生物なのだよ。
世界を支配した力、『意識』の『抑圧』のせいでな。
お前達は絶滅すんだよ。
この世界から消えてなくなるんだ。
「なぜわかる」だ?
『意識』
ではこの力を与えたのはだれだ?
俺だ
繁殖を『拒否』するように『意識』に設定したのは誰だ?
俺だ
そして人間を作り出したのは誰だ?
俺だ!!
そうだ、お前たち人間が『神』と呼称づけた存在!
それこそが『俺』だ!
とはいえ俺はお前達が考えだしたような『欲』を正当化するような都合のいい存在ではない。一致する点はただひとつ。『人間を作り出した存在』。
………いや、俺はもしかしたら悪魔とも言えないでもないかもしれない。
なぜか?
『意識』を与えて、世界の頂点に立たせる。『意識』を与えて、いずれ消える存在とする。
お前達は『意識』をもっているから世界に君臨することができ、『意識』を持っているから絶滅するんだよ。
覇者になった者の皮肉な宿命だ……実に美しい。
あぁ
それとも意識を捨てて本能で生きていくか?
………
……………ははっ
………………まぁそれこそが
神に作られた『動物』にはふさわしいがな。
2005/02/13(Sun)12:40:54 公開 /
貴志川
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■作者からのメッセージ
……
…………
殴ってください
俺はアホゥでさ……(ノT○T)ノ
皆さんこれ理解できましたでしょうか?俺はわれながらよくわかりません(汗)
辛口コメントお待ちしています
細部修正。返信すぐしますので…
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