『STRAIGHT!!』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:さくら★                

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「広和?うそ!ねぇ!?なんで!??あたし何かした?あたしのどこが悪いの…直すから言ってよ!別れるなんていわないでよ・・!!」
「…みゆのそーゆーとこが嫌なんだよ。疲れるんだよ。一緒にいると。」
「ちゃんと話そうよ!言ってくれなきゃわかんないじゃない!嫌だよ!!」
「ごめん、まじ限界だから。もう無理。話すことないから」

これはもう3ヶ月も前の話。あたしは自分が何が悪いのかもわからずに別れを突きつけられた。本当に純粋に好きだったのに。いつもつくして、あたしが思う限りでは広和には何も悪いことなんかしてないんだけどなぁ・・。なんで・・。

別れてから数日後のことだった。初めて理由を知った。あいつ、この間まであたしと付き合ってたあいつ!!あたしのバイト先に知らない女と楽しそうに飄々と入ってきたの!見せつけに来たのかっ!?新しい女・・。あたしとダブった女なんだ。二股だったんだ。悔し過ぎでしょう!?でも、浮気されてたのに気づかないあたしも馬鹿だった。まさに恋は盲目ιそれと浮気されるくらいあたしに魅力がなかったということ。
高2の夏。ただ好きなだけじゃダメなことを知った。

恋愛なんかその場しのぎの馴れ合いでしかないと思う。
出会う瞬間の違いってゆうか・・。
両思いになるタイミング。
いつ誰を好きになるかなんてわからない。
誰かと付き合っててもその後にいいヒトに出会っちゃったら乗り換えちゃうことだってあるし。
どれが本当の恋かなんてわかんない。
ゴールなんてない。
恋愛はいつもスタート。恋人がいても結婚したとしても。
もうね、だからあたしは流れに身を任せることにした。


1.はじめの一歩

「みゆは彼氏作んないの〜?」
かずきが突然聞いてきた。かずきはあたしの唯一の相談相手でかわいくて、社長令嬢で・・お金持ちで天然ででやっぱりかわいて!!いいなぁ、こいつ・・!でも…この子・・
「やっぱりさぁ?ヒロ君のことまだ引きずってる?」
「そんなんじゃないけど。多分・・。いいヒトいないってゆうか↓ピンと来ない感じ?」
「じゃぁさぁ?かずきといい男探そうよぉ!」
「かずき、メル友といい感じだったんじゃん?」
「そーだけどぉ・・N高の高橋君にも付き合おうって言われてるし、他にもいいヒトいるかもだしぃ?もうちょっと遊ばないとわかんないじゃんv」
魔性なんだよね!慎重ってか、ずるいってゆうか。。あたしもだけど。
「あ、そうιいいよー、あたしも暇だし。」
「まぢ!?じゃぁ、合コン・・だよね??あたし前に知り合った子に頼んでかっこいい男の子探してもらうから!・・面食いのためにv」
「・・んー。(苦笑)じゃぁ決まったら教えて。」

最近はこんな毎日。誰かに良い人紹介してもらってはいつの間にか連絡が切れて。てゆうかあたしから途切るんだけど。どんなにかっこよくても一緒にいてもつまらなくて、そんなことを繰り返しばかりしている。パッとしない平凡な毎日がただ流れていく。。正直空しくなってくるけどあたしの胸に開いた穴を埋めるためには今はこんな方法しかなかった。それもまた一時的だけど…。
あの時はなんであんなに広和好きだったんだろう?何であんなに夢中になれたんだろう?はじめはすごいかっこよくて一目ぼれして・・必死になって学校突きとめて…一生分の勇気使って告白して。。1年も付き合ったのにあっさりふられて・・
何であんなに必死になったのかな?恋愛って…スキってどんな感じだっけ?
「はぁあぁ。・・どうせまたすぐ終わるんだしかっこよければいっか…」

〜翌日〜
「みーゆちゃん!!はよう^^」
「…おはよぉぅ、かずちゃん」
「どしたの??冷めてる?テンション低いぞ!」
「そう?」
「ん〜〜…。昨日ね、Y高の友達に合コンのセッティング頼んだんだ?なんかねぇ、すごいイケ面君呼んでくれるみたいでvv今度の土曜日☆制服でね!」
「そう!!!?」
「うんっ!」
「みんなフリーなの?」
「そうみたいだよ!あと、人数あわせで向こうの友達の女の子も2人来るんだって!!みゆ今回はほんとに頑張りなよ?てか冷めないでよ??」
「んι頑張る!」

『2A斉藤かずき2A斉藤かずき至急職員室吉岡まで』
校内放送がなった。
「やばぁ、課題出してこなきゃ」
とかずきは教室を出て行った。

「あたしも課題出してないんだ…ιはぁ」
・・でも頑張るってこれ以上何を頑張ったらいいのさ。あたしなりにいつも頑張ってる。服装はいつも着合いいれてるし、化粧の練習してみたり、頑張ってテンションあげてみたり、あたしには何が足りないのかとか、どうやったら魅力的になるのかとか…いつまでもこのままでもいられないから。いい加減立ち直らないと。立ち直る?あたしやっぱり立ち直れてないのかな…。

「はれ〜〜?みゆ、斉藤知らない?」
健吾が教室に入ってきてあたしに尋ねた。
幼馴染の健吾とはクラスが一緒で席が隣。健吾もまたあたしの恋愛事情を知っている人。
「今放送で呼ばれて先生とこ行ったよ!聞こえなかった?」
「聞こえたような。ま、いいや」
「なんで?」
「や?別に。あ〜そーいやぁさ、お前元彼と連絡取ってる?」
「…。」
なるべくなら触れられたくなかったのに。なるべく!!!
「…ぁー取ってないんなら別にいいけど。」
「なんで?!」
あたしは触れられたくない話題に自分から飛び込んだ。
「やぁーな?相当女遊び激しくなったみたいでおれのダチ彼女とか被害者が増えてんだわ。」
「だから?」
「男ってのは、行き先なくすと前の女のとこに戻ってくんだわ。だからみゆも気をつけろー」
「…うん。」
「はぁ…。俺はお前のためを思って言ってるんだからな!?ちゃんと…」
「わかってるよ☆ありがと」
健吾はその後もあたしを警戒の目で見てた。
広和があたしのところには戻ってくるわけない。あんなに簡単に捨てたんだもん。戻ってきたとしてもあたしが受け入れない。許せない。

「お、斉藤、お帰り。お前もまだまだだな。課題ごときで。」
「うるさいよぉぅ!どうせ馬鹿です。。健吾は成績いいからねぇ、性格悪いけど。」
「言えてる!!」
「お前らには言われたくねぇ!」
ここはあたしにとって居心地のいい場所。悩んでることがあってもいえるから。
恋愛はその場しのぎだと思うのは変わってないけど、友情は永遠だと思うなぁ?
高2の冬。友情は熱いことを知った!!

〜土曜日〜
合コン当日。あたしはいつものようにあきらめ半分勝負に挑んでいた。
携帯がなった。
「今からみゆの家行くね☆」
かずきはいつもみたいに明るく高い声で言った。

「いきますかぁ〜!イケ面ゲット!!」
「あ、いつものみゆだ笑」
「そろそろさぁ、新しい恋してみたいなって。どれだけ短くても好きな人ほしいんだよね?」
「かずきはぁ、かずきにつくしてくれるひとがいいvvかっこよくて!」
「かずき、お嬢なのに。。」

「渡辺くーん^^」
「かずきちゃん、やっほ!」
「この人が渡辺洋一くん!Y高で合コン頼んでもらったの!」
かずきはあたしに説明した。洋一君はとても良い人そうで親しげに話しかけてくれた。
「みゆちゃんでしょ??」
「うん!よろしくオネガイシマス!」
「んーと、こっちからまさき、しょう、たけひと、あと俺がY高で、あとはM高のかおりとあかね。で、S高のみゆちゃんとかずきちゃん」
洋一君は簡単な紹介をしてくれてあたしたちはそれからカラオケに行った。
「みゆとかずきはS高の何科なの???」
かおりが聞いてきた。
「んとねぇ?英語科だよ☆」
「うそー!!じゃぁあれ知ってる!!??日野健吾!」
「同じクラスだよ!!笑」
「みゆと幼馴染なんだよねぇ! なんで日野のことしってるのぉ?」
「健吾君かっこいいって有名なんだよ!?」
『…えぇええ!!!??』
あたしとみゆは大声で叫んだ。
「健吾ってもてるんだね…ι」
「日野は…あたしは対象外だな笑」

反対側に座ってたしょうが苦笑して言った。
「はい、他の男の話し禁止ー!!」

さっきからずっと端っこでつまらなそうな顔してるんだ。すっごいかっこいいんだけど。一目ぼれ警報なり響いてました。でもまさに「人数あわせで無理矢理つれてこられましたー!」って感じ。まさきがひとりだるそうな顔であたしを見た。あたしはまさきの近くに座った。
「なんか…っすっごいかえりたさそうだよね笑」
「だって帰りてぇもん。」
はなしつづかなっっ!!
「…。」
「…。…。」
だんだんあたしも詰まんなくなってきて、席移動しようかと思ったけど、その時まさきが口を開いた。
「この間彼女にふられたばっかりなんだよ。この間ってももう夏の話だけど。」
「…あたしもだよ!!」
「うっそー?」
「ほんとほんと。浮気された!」
「俺も…」
「うそー!!気があうぢゃん泣」
「でなー、浮気されてんのもわかんなくて、いきなり別れようって言われたときは目の前真っ白になったね。」
「全くだよね。でも別れた4日後くらいに浮気相手と仲良くバイト先に来られるよりはまだましだったよ笑知らないほうが良かったかも」
「おれは相手の学校と名前まで調べたよ。」
「えーーーー!!??すごーい!!なんていう人だったの?」
「K高の朝木広和」
は???
「え?」
「知ってる?朝木広和。」
「…。」
絶句。
「…・それーι元彼…」
「んあ”−−!??」
W浮気かぁ・・やるなぁ!!あいつっ!
「俺らやつらの被害者か。しかも朝木もう女変わったみたいだし。相当かるいぜ。」
もう悲しみとか怒りとか通り越してた。吹っ切れた瞬間??なのかな。健吾にも言われたし。
「なんか真剣に付き合ってた1年が馬鹿みたい。」
「1年も付き合ってたの?あいつと?めずらしー。」
「他に何人陰にいたかはわからないけど笑」
「ふーん。。俺それからこーゆーのわかんなくなったんだよねぇ。」
あたしと同じこと思ってる人いるんだ。なんか安心した。今まで自分が置いていかれてるような気がしてたから。
「あたしもなんだ。別れてから新しい恋したいってあせってて…でも誰といても楽しくないってゆうか。心が本当に動いてない。ちゃんと好きになれない。どうせまたすぐ終わるんだって思って本気になっても仕方ないって思ってたら、誰のことも本気で好きになれなくなってた。」
自分でも何いってるのかわからなかった。どこか矛盾してるかもしれないけど、そんなことを思ってた。初対面のひとにここまで自分の過去のこと話したの初めてだ。何でかわからないけど、まさきには自然と話せた。いつもはわざと自分作って明るくしてて空しさだけが残ってたのに。

「まさきー!歌えよ!!」
洋一君が無理矢理まさきにマイクを渡した。まさきはだるそうに
「あー。」
といって歌い始めた。
歌うまいんだなぁ、まさき。
まさきが歌っているのをただ笑いながら手拍子して聞いていると、みゆが話しかけてきた。
「まさきくん、タイプでしょう??」
「笑 まぁ。。かっこいいとは思うよ?」
「話も合うでしょぉぅ?????」
「笑 うん、多分…」
「ヒロ君最低でしょぉぉぅ???」
「うん!!!多分もう吹っ切れた!今度会うことがあったら一発いってやるんだ!」
「やっぱ引きずってたんだぁ??」
「…てかさぁ、かずき知ってたの?まさきくんのモトカノと広和のこと。」
「うん。だってぇ愛ちゃん…あ、まさきくんのモトカノね!!あたしと友達だったもん」
「・・へぇ〜ιなんか複雑」
「あ!!!でもねぇ?愛ちゃんがまさきくんの彼女で浮気してるのは知ってたけどその相手がヒロ君だったてのは、最近知ったんだからね!」
「そうなの??」
「うん。みゆ最近元気なかったから、まさきくんと話したら楽になるんじゃないかと思って☆」
かずきは時々天然のくせにことの確信をつくんだ。あたしがずるずると逃げてることをわかってかずきなりに解決してくれようとしている。そんなやさしさが嬉しい。
「かずき、ありがとぉvv」

「じゃぁ、あたしも歌うかな♪」
そういうとまさきがマイクを渡してきた。
こういうときにまた歌を歌うとすごくすっきりするもので気分が良くなった!あたしの周りを覆っていた何かが薄れた気がした。
「かずきも歌うー!」
〜♪♪♪
生き方は変えられる
そうしたいなら気持ちだって変えられる
もうおしまいなら忘れて
過ぎてしまえば全部
もう昨日のこと もう過去のこと

「「歌うまいね」」
まさきと同じ言葉が出た。
「…ケー番とアド教えて!」
「ん??うん^^」
まさきにアド聞かれちゃったvvいつも以上にそういうことが嬉しかったのはその時はっきりとはわからなかったけど、きっとまさきに暖かいを気持ちを持ち始めていたんだと思う。
そうしてぶじにそれぞれ楽しんで終わった。
「じゃぁーねー!」
「ばいばい☆」
「みゆちゃん、メールする」
「うん、どぅも!」

「みゆ、ずっとまさきくんといたね!どぅよ!?」
「ん〜、いい人だけどまだわかんないよ笑かずきは?」
「まさき君はみゆに取られちゃうしぃ、たけひと君もしょう君もかおりとあかねと盛り上がってたしぃ、洋一君はあたしの本性しってるしぃ」
「…知ってるんだ^^;」
「でもぉ、みゆが元気になったからいいんだぁ☆」
「ありがとね、ほんとに!」
「いいよ〜、高橋君もいるしぃ!!」
この子どこまでが本気なんだろう。

その夜、家に帰るとまさきからメールが来た。
『まさきです。
今日はいろいろ話せて楽しかったよ!
みゆちゃんの元彼だったとか(笑)
また遊ぼうね』
新しい一歩を踏み出せそうな気がした。
「メール返さなきゃ!!」
あたしはベッドに横になりながら嬉しさに包まれていた。
〜♪♪♪〜
携帯がなった。
「電話?090578…・誰だろう??聞いたことあるような…」
鳴り止まなかったので出てみたんだけど…・。
『みゆ?』
「……・・かず?うそ・・」
『うん!よくわかったね?元気?』
健吾の言葉が頭をよぎった。
 “男はな、行き先なくすと前の女のとこに戻ってくるもんなんだわ”
「・・何。いきなり。話すことなかったんじゃないの?」
『今から会えない?』
「なんで…。」
あたしはなぜか泣いてた。
「何でいきなり!!あんなふうに突き放しといてずるいよ・・。あたしは都合いい女じゃないんだよ!」
吹っ切れたと思ってたのに…
『うん…。ごめん。謝りたくて』
一発言ってやろうと思ってたのに…
『会えない?』
思ってたのに…。
「今更…」
まだ、広和の言葉を期待してたなんて…

『じゃぁ20時に中央公園で待ってるから』

あたし、もう自分でも自分のことわからなかった。あんなにひどいことされたのに。最低なやつだってわかってるのに。・・でもやさしいとことかも全部知ってる。本当はすごくいい人。
「嫌いになんか…」
枕に顔をうずめた。
 
“みゆー!健ちゃん来たわよー!!” ガチャ。
下の階から母が叫んだのと同時に健吾が部屋に入ってきた。
「よー!英語の課題持ってきたでー。 今日あれだべ?合コンだったんだろ!どだった?」
「…。」
「みゆ?寝てんの?」
健吾があたしの顔をのぞいた。
「なー!何したんだよ!!」
「…・けん、ごー!あたしもう馬鹿だ…!」
「やー、それは知ってるけど…。今に始まったことじゃないっつぅか…。まぁ」
「広和から電話来たのっ!」
「…で?」
「会えないかって…。会って話がしたいって」
「今さらだろ!!?断ったんだろ?」
「…」
「断らなかったのか!??」
あたしは小さくうなずいた。
「ったく!!お前な!!言っただろ!?会って話がしたいなんて、そんなの話しに言ったら相手の思うつぼだろうが!どーせ、あの時は悪かった、やっぱりお前じゃないとダメなんだ、ごめんとかって言われてうまいこと穴埋めに利用されて捨てられるんだ!あいつは駆け引き上手なんだよ。男のくせに。」
「分かってる!!」
「分かってるなら何で行くんだよ!ほっとけばいいだろーが。どんなやつだか知ってるんだろ!?」
「知ってるよ!?いいとこも全部知ってる・・それにあたしもやっぱり広和じゃないとだめなんだよ。忘れられないんだよ。別れてからも何人かほかの人と付き合ったけど本当に好きになれなかった…。」
「好きになろーとしなっかただけなんじゃねーの?・・ふられたから。元彼の影ばっかり追って、違う人見ようとしなかったんだよ。お前は付き合ったりふられて別れたりするの初めてだからわかねーんだよ。良いとこ良いとこって良い思い出ばっかり引きずって、だから嫌いになれねーんだよ。」
「…。」
「まぁこの際だから会うんなら自分の気持ちにはっきりけりつけろや。相手のペースに巻き込まれないで言いたいこといってみろ。それでわかるだろ。物の本性ちゃんと見ろよ。」
「健吾。。あたし馬鹿だね。」
「分かってんじゃん。」

広和は凄くいいやつだって思ってる。悪いうわさたくさん聞くけど全部実際に見たわけでもない。あたしはまだ、あのときの良いときの広和しか知らない。あいつは変わったんだ。あたしは本性を知らない。それが良くても悪くても、もうあたしは戻らない。きっと戻ったらあたしもこのまま変わらないから。
言いたい事。そんなの山ほどあったじゃない。それを全部ぶつけて何が分かるのかは分からないけど、健吾が“分かる”っていったし。

健吾はその後も何かいろいろ言って帰った。
19時45分になったころあたしは公園に向かった。途中まさきにメールを返した。
『みゆです☆
今日はたくさん話し聞いてくれてありがとう!!
あたし今日今から決着付けに行くんだ笑
勝ったらまた遊ぼう♪』

数分後返信が来た。
『決着?なんかよくわかんないけど頑張れー!勝ったらメールちょうだい』

〜中央公園〜
いざとなるとどうしていいかわかんなくなる。さっきまではあんなに意気込んでたのにιまだ広和が来てなかったのであたしはブランコに座っていた。
思えばここがあたしが広和に告白した場所なんだな。
 “朝木くん!!”
 “あー…?誰だっけ?”
 “塾一緒だった片桐です”
 “…あー、みゆちゃんだ!?思い出した久しぶり!S高合格したんだ”
 “うん!朝木くんはK高なんだね!”
 “うん、受かった”
 “あの…ちょっと話したいことがあるんだけど”
 “何?”
 “…ずっと好きでした”
 “…あーはは!!過去形!?”
 “…あ…好きです!付き合ってもらえませんか!??”
 “…いいよ?”
あれからもう1年半年もたつんだなぁ…

「ひろかず…。」
「ごめん、遅くなって」
「話ってなに?」
「みゆ…ごめん!おれ間違ってたよな。みゆと別れてから分かったんだ。別れてからいろんな人と付き合ったけどみんな本気になれないんだ。一緒にいてつまらないんだ。おれ、みゆじゃないとやっぱりダメなんだ。」
健吾が言ってたとおりの言葉。これも広和なりの駆け引きなのかな。
「…。」
あたしはなんていっていいか分からなかった。なにからぶつければいいのか。
「みゆ…やり直したい。」
もう期待はしない。戻らないって決めた。今日は言いたい事だけいいに来たんだから。
「みゆ…ほんとにごめん!!だから…」
「ごめん。戻れないよ。」
「なんで!?彼氏いるの!?」
「いないよ!」
「じゃぁ!」
「あたしは!!…広和に利用される都合のいい女じゃないんだよ!!今更何よ。別れようって言われたときにあたしがどれだけつらかったか分かる?それなのに、話も聞こうとしなかったのに、戻ってきてやり直したいなんていわれても困るんだよ!勝手に浮気して勝手にどっか行っちゃたのに。結局広和にとってあたしはなんだったの。もう信じられないよ!どれだけの人が傷ついたと思ってるの!?」
「…なんだよ。いつの間にかわがままになってるし。やめた。下手に出れば戻ってくると思ったのに。言いたい事いいやがって。お前みたいなやつ使うときに使わなきゃ価値なんかねーんだって。調子のんじゃねー・・バシッッッッッッ!!!
「ふざけんな!あんたにあたしの何が分かるの!」
もう止まらなかった。言葉が次々と出て、真剣だったあたしが馬鹿にされた気がして悔しくて・・。
 “言いたいこといってみろ。それでわかるだろ。物の本質ちゃんと見ろよ。”
健吾の言ってたことがこのとき分かった。あたしは広和の何見てたんだろ。いつもと違う空しさが残った。

帰りに健吾の家に寄った。
「だろ?結局そゆーやつだったんだよ。」
「うん。なんか自分にあきれた。でももう大丈夫だよ^^いろいろどうも☆健吾はすごいね。」
「冷静になれ。落ち着いて考えれば状況なんかすぐ見えるんだ。」
「クールだね。」
「ほんとお前やだよι」
「何が!!」
「もう帰れよ!」

健吾ありがとう☆健吾はいつもどんな状況になっても助けてくれる。
「そーいえば健吾最近どーなんだろ」
健吾は何も話さないからなぁ…。今度聞いてみよ♪かずきにも今日のこと話さないと!!
あと…まさきにメール。。

『やほっ☆勝ったよ笑 今度いつ暇かなぁ?遊びたいな!』
あたしはやっとタイミングをつかんだのかもしれない。恋愛のタイミング。そしてやっと踏み出せたこのはじめの一歩。
もう後戻りはしない。
(続)



 

2005/01/16(Sun)20:56:33 公開 / さくら★
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■作者からのメッセージ
これは私の実際の話を元に書いていますι登場人物名はもちろん仮名ですが!

作品の感想については、登竜門:通常版(横書き)をご利用ください。
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