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『人生最大の選択 読みきり』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:風間 リン
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白い格好をした子は一生懸命さけぶ。
「今これを手にしたら、この未来どうなるかわかるでしょ!?もうやめて!」
同じように黒い格好をした子はこういう。
「未来のことなんて…大切なのは今!そうだろっ?」
二人は同じ体格、同じ顔をしているが、服装や声はまったく違っている。
「お前はこれがほしいんだろ?手にとってみろよっ!」
黒い子がその辺をくるくるまわりながらさけぶ。
道行く人たちには「二人」の声が聞こえないらしい。かなり大きな声でさけんでいるのにひたすら「シカト」
そんな二人の真ん中で汗を流しながら難しい顔をしている女がいる。
女は何かを見つめたまま子一時間突っ立ったままだ。
「だめよっ!同じ過ちを繰り返すの?あの苦労はどうしたの?ここまで頑張ったのに!」
「大丈夫だよ、そんなもん気にするな!」
白い子はずっと説得をし、黒い子はずっとあおっている。
「大体そっちの白いの!もしこいつがこれを手にしてもお前がこまるわけねぇじゃねーか」
黒い子は白い子のまわりを大きくまわり、はき捨てるように言った。
そして、女はそのまま座り込んでさけぶ。
「いやぁぁっ!!どうすればいいのぉぉ!!私は!!!」
首を大きく振るので、今までの汗が地面にぽつぽつ落ちていく。
丁度肩までの長さの髪の毛はまとめてあったバレッタがどこかへ飛んでいき、ぐしゃぐしゃだ。
「手にとってしまえ!そして自分の物にするんだよ!!すべてお前の体内に吸収されていくぞ!!キキキキッ!!」
黒い子は不気味な声をあげながら笑いさけぶ。
「だめったら!!どれだけつらい思いをしたの!?」
白い子は必死に説得する。
「いやっ!!もうだめ!!私は!私はぁぁぁ!!」
ガラスケースの向こうにいる若い男の人が女に尋ねる。
「お客様?どうかしました?」
女は息を切らしてガラスケースの中をのぞく。
「チョコケーキ、チーズケーキ、ショートケーキ、シュークリーム、ティラミス、ムース…あ、あとそっちのマドレーヌ…全部3つずつで」
「パーティーですか?」
男の人がが注文の品をニコニコしながら取り出す。
「全部私の今日のおやつです」
「……はい?」
黒いこの不気味な笑い声は女と白い子にしか聞こえない。
「はぁ…リバウンドしたばっかりなのにぃ…」
白い子の嘆きも黒い子と女にしか聞こえない。
いや、女には聞こえてないかも…。
おわり
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2004/11/25(Thu)00:12:14 公開 / 風間 リン
■この作品の著作権は風間 リンさんにあります。無断転載は禁止です。
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■作者からのメッセージ
えーっと…。
いや、私はこんなに食べれませんw
誤字、修正しました。
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