『Believe〜『今日』という音を『明日』へ響かせて〜 2章』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:漆黒の奇術師†
123456789101112131415161718192021222324252627282930313233343536373839404142
2章 『魔術師・柊 莉沙』
私の名前は「柊 莉沙(ヒイラギリサ)」。親友、もしくは幼馴染という関係で「河野すみれ」というのがいる。
彼女、自分では決して言わないが、実はマジックが出来るのだ。
言わない、と言うのは彼女が『練習すれば誰だって出来る』と、思っているからなの
だ。彼女のマジックは趣味でやっているのとは全く違う。マジックショーをみたら、直後に真似できる、という才能の持ち主なのだから。
そこだけが、私と彼女の違うところ。
あ、いや。もう一つ。私は『魔術師』なのだ。
家が代々魔術師の家系で、私も5歳のときに祖母から伝授された。
そのときは何も分かっていなかったのだが。
そして、まだ在ったりもする。
彼女の最大の秘密。
すみれは、「怪盗」なのだ・・・
幼馴染である私とすみれはいつも一緒だった。
小学校を卒業する日。
私はすみれに「二人きりの秘密を教えるから」と言われ、2人で話をした。
★ ★
200X年、3月某日。
私、柊莉沙は小学校の卒業式を終えて家へ帰ろうとしていた。
しかし、
「・・・さ〜!莉沙ってば!!」
後ろで私を呼ぶ声がする。
振り返ると、すみれがいた。
「なに?一緒に帰る?」
すみれは息を切らしている。
「うんっ!・・・」
やっとの事でそういうと、
「莉沙・・・走るのは速すぎ!」
と、笑いながら言った。
私は走るのが大好きで、いつもいつも走って家へ帰っている。
しばらく2人で歩いていると、突然すみれはこういった。
「ねぇ・・・莉沙?」
「ん?何すみれ」
「2人きりで、話があるの。聴いてくれる?」
いつもの明るいすみれとは違い、今のすみれは真剣そのものだった。
「・・・分かった。じゃ、うち来る?」
そして、笑顔に戻り
「行く行く!」
と言った。
「はい紅茶」
「ん。ありがと」
すみれは私の家へ着くと、私の部屋へと入った。
私は、紅茶を入れてくる、といってひとまず部屋から出た。
その間、すみれが部屋で何をやっていたのか分からない。
いや、分からなくは無かった。すみれは手に私の『魔術書』を持っていたのだ。
この時点で、すみれは私が魔術師であることをとっくに知っている。
私は早々に話を切り出した。
「ねぇすみれ?私に話って何?」
「うん・・・」
少しためらいがちな話し方。
こんなすみれの話し方にはもう慣れた。
こんな話し方をするのは、何か隠し事があるときや、莉沙にとってマイナスになるこ
とを言わなければならないときである。
「何?言わなきゃ気になるじゃない」
するとすみれは意を決したように、
「・・・分かった。じゃ、言うけど・・・」
「うん?」
「今、ちょっとした怪盗が話題になってるの、知ってるよね?」
「もちろん。技術の割には、なんだか、幼いようだって・・・え?まさか・・・」
「そう。そのまさかよ。」
『VIOLeT』という名の幼い怪盗は・・・こんなにも私の身近にいたのだ。
こうして私は、彼女の最大の秘密を知ることとなったのである。
2004/10/02(Sat)11:47:27 公開 /
漆黒の奇術師†
■この作品の著作権は
漆黒の奇術師†さん
にあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
アドバイスどうもありがとうございました^^
あまり直ってないとは思いますが…。
懲りずに呼んでくださる方、おりましたら厚く御礼申し上げます。
作品の感想については、
登竜門:通常版(横書き)
をご利用ください。
等幅フォント『ヒラギノ明朝体4等幅』かMS Office系『HGS明朝E』、Winデフォ『MS 明朝』で
42文字折り返し
の『文庫本的読書モード』。
CSS3により、MSIEとWebKit/Blink(Google Chrome系)ブラウザに対応(2013/11/25)。
MSIEではフォントサイズによってアンチエイリアス掛かるので、「拡大」して見ると読みやすいかも。
2020/03/28:Androidスマホにも対応。Noto Serif JPで表示します。