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『夢を見る貴方、夢を見た私【第一話〜二話】』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:玉麗
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私の友達に『夢を見る』子が居る。
そう、ゲームのキャラがカッコイイやらアニメの誰がカワイイやら。
私には興味がない。
魔法物は小学校低学年で止めたし、ファンタジーものの本なんて全然読まない。
ゲームなんてやりこんでいたのが嘘のようにピタリと止めた。
アニメなんかも全く見ていない。
でもある日、『彼女』に会ってから少しずつ興味を持っていった
『ファンタジー』というものに。『アニメ・ゲーム』と言うものに。
夢を見る君、夢を見た私 第一話
「…今日も帰ったら勉強できる、よね」
この日、いつも通りに下校していた私。
「…やっぱり寂しいなぁ。ここの公園」
私の通る通学路には寂しい公園があった。誰もやってこない寂しい場所だった。
毎日行き帰り、何故かココを見る。誰もいない筈なのだがどうしても見てしまう。
けどその日は違った。
「…あ…れ?人が居る…」
そう、この日には人が居たのだった。私と同じくらいの人だった。
「へ…ぇ。珍しい事もあるんだね」
何事もなく帰ったのだった。
次の日
時間にものすごく余裕があった私はあの公園で暇つぶししようと思っていた。
どうせ一人だ、と思っていたから。
「……え……」
昨日のあの人が居た。しかも私服で。
何をやっているのだろうか。学校は行かないのだろうか。女性だ。
何かを描いている。思い切って話してみようと思った。
「あっ…あのぉ…」
「…え?私ですか?」
あ、反応してくれた。
「えっと……その…何をやってるんですか?学校は…」
「…行きたくないんだ。学校」
「……」
登校拒否ですか。
「……そのスケッチブック…」
私は彼女が持っていたスケッチブックを見つけた。
「ここの風景でも描いてるんですか?」
「いや、違うよ」
「じゃあ何を……」
「どう?上手い?」
彼女は書きかけの絵を見せてくれた。何を描いていたのかと言うと―――
「……キャラ?」
「うんwこのキャラクター大好きなんだよね〜♪昨日のあの場面なんか…」
彼女は『夢を見ている』一人だった。正直私の苦手なタイプだ。
私なんてお構いなしに話している。
「……あの。私、そういう話苦手なんです」
「あ……そうなんだ…ごめんね〜」
笑って謝った。スケッチブックをたたむ。
「んじゃw帰ってあのアニメでも堪能しよっかな〜vv」
―――もう自分の世界に入っている
「それじゃあ。私は学校があるので。失礼します」
と走って私は公園から出た。まるで逃げるかのように。
「はぁ。何で話しちゃったのかなぁ。あの人と」
昼休み。朝の出来事を思い返していた。
「何してるんですか?麻奈さん」
私の友達の静河千鶴(しずかわちづる)が声をかけて来てくれた
ちなみに私は榊原麻奈(さかきばらまな)と言う。
「なぁんかさっ。朝、夢見る人に会っちゃってさっ」
「麻奈さんはそういう人が苦手ですものね」
「学生の本分は勉強!!これじゃないの!?」
「でも、勉強ではなくってそちらのほうに頑張る人も沢山居るんですよ」
「でもね、その人学校行きたくないとか言ってるしさ〜」
「それぞれ理由があるんですよ」
「アニメとかゲームの何処がいいの!!」
「さぁ。でも好きな人は沢山いるんですよ」
「あぁ〜。あんなに画力が良いならあんなのより美術を受けたほうが良いって」
「……」
「あういう人達はすーぐ自分の世界に入るし」
と一人でぶつぶつ喋っていた。
今までこんな事なかった。
「…麻奈さん」
「何?」
「そんなに『気になる』んですか?」
「何が?」
「『その人』の事」
「……」
私はあの人の事がものすごく気になっていた。
第二話
「……………はぁ」
その日の下校途中、私はあまり元気がなかった。
まさかあんな人が気になるだなんて思ってももなかったし。
―――見抜かれちゃったし。
そんなこんなでいつもの帰り道を通っていた。
来てしまった。あの公園だ。
通るまいと思っていたんだけどどうしても通ってしまう。
「……居た」
朝のあの人は居た。朝と変わらない光景だった。
ふと、公園の前で足が止まっていた。
「……帰ろ」
歩き始めようとしたその時
「おーい!!おーいってば!!」
―――誰呼んでるんだろ
「おーい!!」
公園の方を見ると今朝の女性…いや同じくらいの人が私のほうを向いて手を振っている。
―――ん?待てよ?
「おーい!!おーいってばぁ!!」
呼んでいたのは『私』だった。
「何ですか」
ものすごい低音な声で言った。
「え?いやぁ…朝一緒に居てくれたからお礼をしようと思って」
別にいらないのに。と言うか早く帰りたい。勉強したいのに。
「いいですよ。気を使わなくても。時間があっただけですから。それじゃ」
今の私には『早く帰りたい』という気持ちでいっぱいだった。
「ちょっと待ってよ」
あーもう。何なんですか。
「何ですか」
「私…人と話したの…久しぶり…なんだ」
それはそうですよ。ココの公園あまり人が来ませんから。
「これ…」
ビリッという音がした後、一枚のくれた。
「あの…」
「そっ…それじゃあ!!」
その人は素早く公園を出て行った。
「…朝のゲームのキャラとかじゃないよね…」
紙を見ると
「あ…これ…私…?」
私の似顔絵が描いてあった。パッと見ただけなのに似ている。
「……あ、ヤバ」
もらった似顔絵をバックに入れて走って帰った。
「ただいま」
誰もいないか。私は帰るとともに自分の部屋に入った。
バッグをそこらに放り投げ、私は制服を着たままベッドに寝転んだ。
「……私と一緒の中2…だよね」
さっきの出来事を思い出していた。
「…紙」
むくっと起き上がって、さっきもらった紙をバッグから出した。
乱暴に入れたのであちこちがシワだらけだ。
机の上で広げてもう一度その絵を見た。
「似顔絵…というか…アニメチックだなぁ…ん?」
紙のはじっこの方に文が数行あるのを見つけた。
「何々…『また会えるといいね。そのときはまた声をかけてください。和葉より』…」
ふーん。和葉(かずは)って言うんだ。あの人。
というか冗談じゃない。あんな人に声かけるなんてまっぴらゴメン。
って和葉?確か…
私は机の本棚の所にあるプリント入れを探し始めた。
「あったあった」
私が探していたプリントは今年度のクラス表だ。
「……あった」
私は二年E組。あの人は二年C組。同じ学校の人だった
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2004/10/21(Thu)11:59:30 公開 / 玉麗
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■作者からのメッセージ
始めまして。玉麗(ぎょくれい)と申します。
こんなの投稿しても良いのかと自問自答いながら打っていました(笑
こんな作品ですが、少しでも楽しんでもらえたらなと思います。
アドバイス等くれたら嬉しいですっ。
それでは。宜しくお願いします。
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