『ROUSER 1〜3章』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:蒼空                

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第一章;「すべての始まり」


・・・・運命とは一つしかない。しかし、変えることはできる・・・・

この言葉は僕にとって夢をかなえる意欲をだす言葉だ。この言葉、僕は大好きだ。
そして僕の夢は、ある日を境に、いやある出来事を境にその夢を追いかけている。
そして、その出来事で起きた、答えを僕は自分で考えていた。




小学六年生の僕には(ちなみに僕の名前は飛田翔。学年の中では「悪ガキ三人組」
の一人で、その中のリーダー!!なにをするかは、読んでいるとわかるよ。)
すこし特別な能力があった。何時からその能力に気づいたかは忘れた(小さい頃の
ことだからまったく記憶がないんだ。)

でも、この能力がかなり使えることは実証済みだ。その能力とは、
見えないものが見える能力だ。つまり、風や空気、他にもいろいろ見えるんだ。
この能力、ずっと皆に訴えているのに、誰も信用をしようとしない(まあ、当然か
。)


しかし、この能力をもってしまったために、僕の人生に激震がおこったのだ。




                 *


確か、10月の25日だったんじゃなかったか、僕は腹が立っていた。担任の
小松先生(男)になにもしていないのにかなり怒られた。腹がすかない僕は、家に帰ってもそのざまだ。(怒ってたせいで、僕の大事なプラモを自分で蹴っ飛ばして壊してしまった!!勿論、泣いた。)
しかし、この僕が怒っているだけで済むはずがない。(前にも紹介したとおり、
僕は悪がきだ。)そして、僕はある作戦にうつることを決意したのだ・・・・

次の日、
いろんな気持ちが混じりながら、ついに先生が教室に入ってきた・・・・

ガラガラガラ・・・・

「おはよー。」
かなり機嫌が悪い声だ。
「おはようございます。」
いつもどうりの挨拶をし、先生が出席をとりはじめた。途中にクラスの友達が・・・・
「先生、うんこいってきていいっすかー。」
もう大爆笑!!予想どおり、先生は火山が噴火するいきおいで怒った。

「うるさい!!」



先生はかなり怒っていた。それもそのはず、今日僕があることをしこんだからだ。
朝早くに学校へ行き、職員室の先生の席の椅子の座布団の下に、ブーブークッションを隠したのだ。(ブーブークッションとは、押すとおならのような音がなる奴)
そして、職員会議の時、先生の発表が終わったとき、いつも全体重をかけて
座布団に座る光景をなんどもみてきた僕は、この作戦を思いついたのだ!
そして、今日の職員会議の時、とんでもない音が鳴り響く―――――――
ちょっとやりすぎかな?とは思ったが、善の心を僕は切り捨てた。次の作戦に差し障りが出ないためにも。
気持ちを切り替えて、僕は1時間目の国語の教科書を机にだして、はやくお昼が来ないかなーと期待していた。(なにせ、給食の時間に2つ目の作戦を実行するからだ!!)
1時間目が終わる頃、僕は外をみていた。前にもいったとおり、僕には目に見えない
物が見える。今日の天気は晴れ、しばしば風が吹いていた。風の形などを眺めて
時間をつぶしていた。しかし・・・・

「はい、飛田君。ここ読んで!!」
先生にさされたらしい。
しかし、僕はまだ外を見ていた。しかしそのあと、僕は我に帰った!危険が迫っている!!
まるで僕の心境は崖っぷちに猫に追い込まれたねずみだった。

「飛田君、今は国語の時間ですよ!!」
がみがみがみがみ先生にこっぴどく怒られ、しかえしに、先生が職員室に帰ろうと
僕に背をむけたとたん(教室内でおこられたのだ!!)
僕は先生にたまたま手にもっていたマジックでばれないよう一本にの線を引いてやった!!(勿論、先生は気づいたとき、かなり赤面した。)

そしてなんとか過ぎ去っていった魔の4時間。ついに僕の楽しみな給食の時間が
きた!!今日の給食は卵のスープに、・・・・ってことが楽しみではなくて、
僕の先生に対する行為だ。僕は配膳をはこぶ係じゃないのに友達に代わってもらって僕が配膳をしていたのだ!!しかも手にある薬を持って。
僕の作戦は、まあ想像でわかるとおり、この薬(しろい粉)を先生の卵のスープに
いれることだ!!
どうなるかは・・・・実はこの薬で先生の腹を壊そうという作戦なのだ!!
あまり甘くみないでほしい。この薬はかなり効くのだ。(わが身で体験したので
かなりよくわかる。)
先生の給食は必ず最後に配る。だから僕は最後に配膳できるようできるだけくばら
ずに計算しながら行った。気がついたらかなり汗がにじみでてくる。それほど
慎重でかつ緊張しているのか?それはよくわからない。

少しずつこの教室がにぎやかになってきた。給食は皆の最高のひとときだからだ。
チッ、チッ、チッ・・・・
自分の心臓の音が時計の針の秒刻みする音のように聞こえる。
前にいた配膳係の人が給食をのせていってしまった。ついに僕の番だ。
まず、スープを係の人がカップにすくっておいた。すぐさま僕がもっていた薬を
大人の量分振りかける。(大人の量は、適当だ!)
すぐさま割烹着のポケットに隠し、他のをよそってもらい、小松先生にわたした。
「サンキュー。」
気づいてなかったみたいだ。良かった、と僕は心の中で胸をなでおろした。
僕は割烹着を入れる専用の袋に割烹着を入れ、自分の机にドスッっとすわった。
これでよかったのだろうか?自分で自分を問いかけ、何回もそのことが頭を
駆け巡った。しかし、もう遅い。気づいてみれば、皆給食を食べていた。
ええい、考えるのも尺だ!! と僕はやっきになって頭の中を整理して、給食に手をのばした。



昼休みになったら僕の気持ちは晴れ晴れとしていた。皆といっしょに外にでて
ドッヂボールをしたし、5時間目が待ち遠しくなった。
予鈴のチャイムが鳴り響いた。僕の気持ちはうきうき気分だ。よし、ついに小松先生が・・・・と思うと顔がニヤけてくる。教室に戻り、教科書の準備をしていたら、
後ろの席を奴に、「ついにきたな。」と話かけられた。とっさに僕も笑顔で
「そうだね。」といってやった。
先生が入ってきた。ほとんどの人の顔がにやけていたのをみた先生は、顔色が
変になった。(絶対、へんなやつらだ、と思っている顔だ!!ゆるせん!!)
先生はすぐ授業モードになり、算数の時間が始まった。
五分後、僕は先生の顔をまじまじと一番後ろの席(自分の席がそうなのだ。)
で見ていた。しかし、
・・・・何ら変化はない。
おかしいな〜と僕は首をかしげた。先生がつらそうな顔をしてもいい時間なのに。
そっか!大人だから時間がちがうのか!! と僕は気づいた。しかし、
もしかすると・・・・腹の痛みが来る前に授業が終わってしまうかもしれない。
そしたら・・・・ まず、皆に色々言われるだろう。次に僕の信用がすべて
失うかもしれない。 しかし、僕は前向きに考えた。そんなことがあっても、その
ときの自分がどうにかなる! と思っていた。しかし、あせっているに他なかった。
しかし、神様は僕を見捨てはしなかった!先生の表情が、見る見る地獄に召される
顔に変わっていく!(苦しそうな顔だ!)
そして―――五分もたたない内に、こういった。
「ちょっと、算数の資料忘れたから、とりにいってきます。くれぐれも騒いだりし
ませんように!」
と、言い終わると、足早に教室を去っていった。皆チョークで何か書かれている
黒板をじーっと見ながら、呆然としていた。そして、状況を飲み込めた奴が
僕に飛びついてきた!
「いやったぁ〜!!さっすが翔!!」
とたんに大歓声が上がった。キャーキャーワーワーさわいだり、先生がこの後どう
なるか考えてた人達が僕の前にいた。
僕はうれしかった。皆にほめられるのも悪い気分なんてないし、僕も知らぬ間に
騒ぎまくっていた。(でも隣のクラスの先生に怒られてからは、叫ぶ人はほとんど
いなかった。)

授業が終わって掃除の時間になっても、先生は来なかった。しかし、掃除はきちん
とやらねばと、皆時間キッカリまで掃除をしつづけた。皆先生のことを思うと、
だんだんかわいそうになってきたからだ。でも、そんなことはお構い無しに、かな
りうれしがってた奴がいた。 僕だ。
帰りの会でやっと先生が顔を出した。恥ずかしそうな顔だ。
「いやー先生階段を下りてたら、スッ転んじゃって。もう大変だったよ。」
などというでっぱちな嘘をついて、皆をごまかそうとした顔を見て、僕はふきだし
そうになった。

帰っている最中も、僕はとなりに友達がいるのに笑いこけていた。かなりいい気分だ。どこかの叔母さんがあいさつをしたのもお構い無しに僕は笑い飛ばしていた。
しかし、そんな僕でさえ、友達とわかれる所の道からすこし歩いた公園の近くで、
誰かにつけられていたのは気づいていた・・・・



第2章 「ROUSER」

次の日も、その次の日も、誰かにつけられているような気がした。
なんか変だ。僕はなにかした覚えはないし、つけられる理由もない。(小学生だし。)でも、なんかあるからつけるんだ、と僕は思った。もしかして――――
小松先生だろうか?まさか僕の2つの作戦が誰かに告げ口されて、ばれたのかも・・・でもそんなはずはない。第一皆僕が行った行為に皆喜んでくれたし、
誰もとめようともしなかった。それに先生は児童が帰った後もいろいろやらなきゃいけない仕事があるだろうし・・・・と、僕は考えた。
夜になって、夕食を食べている時間も僕はそのことについてブツブツいっていたら、家族に変な顔でみられた。しかしそんなことはお構い無しに僕は考えた。
そして、時間をかけて、一つの答えが出た。こうなったら自分からつけている人に
会いにいこう。そして誰だか真相をつかむんだ、と僕はガッツポーズをとった。
しかし、この子供が考える馬鹿な行為が、これほどまで人生がおかしくなるなんて
僕はそのとき夢にも思わなかった。


次の日、僕は帰りの会が終わったときに友達に、「ごめん。今日でかけるんだ。」
という軽いうそをついて、階段を駆け下りた。すぐさま上履きと下履きをげた箱に
交換し、さっさと学校を後にした。そしておもいっきり走った。
そして帰り道にとおる公園で走るのをとめ、ゆっくりゆっくり歩き出した。
僕はできるだけ人が多いところをとおり、横を重視によく見ていた。・・・・やはり誰かにつけられている。しかも後ろの茂みの方だと今日はじめて分かった。
こうなれば危険だが、そこに飛び込むしかないと僕は考え、決意を決めた。
心の中で掛け声を上げ、3になったら走ってしげみに入り込むつもりだ。
そして、数を数えはじめた。 1・・・・2・・・・そのとき、かなり手に汗が
にぎり、心臓の音がかなり早く聞こえた。そして、3!
えいやぁと掛け声をかけて僕は茂みに突進した。近くの人達がびっくりして
子供が大声をあげていた。しかし、僕の耳にはなにも届かない。めざすは茂みだ。
今度はうおおおおおとお腹の底から低い声をだし、茂みに入り込んだ。
そこにいた相手もかなりびくついていた。しかし、すぐに体制を整え、僕がくる
のをまっていた。(相手がいたのは、茂みの奥だ。)
僕は反射的に相手が大人並の身長だと悟った。なのでいったん止まり、近くにあった棒をもってまた突進した。勝ち目はないが、はいってしまった以上、しかたが
無い―――と思った。もしかしたら、テレビのヒーローみたいに勝てるかもと
思ったからかもしれない。ともかく、突進した。しかし相手は僕はふりまわした棒をなんなく交わして、僕のひたと見据えた。2人いた。一人は金髪で髪の毛が
逆立っていて、かなり身長がでかい。190はゆうに越している。もしグラサンで
もかけたら、えらく恐ろしい兄ちゃんだ。もう一人のほうは、160ぐらいで、
わりと穏やかな目つきだ。僕はそんなことを考えていたら金髪のほうが、
「こいつ、真面目にROUSERっぽいな。」
といった。そして、もう一人の穏やかな目の人が、
「そうっぽいな。とりあえず確かめるか。」
そういうなり僕はかなり明るいライトにあたった見たいに目が真っ白になった。
ついでにいきなり意識が飛んで、そこの茂みになさけなく倒れてしまった・・・・



ゆっさ、ゆっさ、ゆっさ・・・・ 飛び交う意識の中で僕は揺れ動いてた。
近くから、いやすぐ目の前から声が聞こえる・・・・
「やっぱりROUSERだったか。」
この声は・・・・あの金髪の人だ。今気づいたことだが、僕は金髪の人におんぶ
されている。何故なら、自分の腕が金髪の肩にかかっているからだ。
しかし、また自分の意識が薄れた。今の自分のおかれている状況を考えると、
かなり危険っぽいが、そんなこともどうでもよくなった。もう考えるな!と、自分に言い聞かせて、寝ようと思った。しかし、次の言葉で僕は寝ている場合でなど
無くなった。
「とりあえず、この子には悪いが、家族とは今日でおさらばだな。」
この声はあの穏やかな目の人だ。そして、心の中で大声をあげた。
なにいーーーー!!!! 家族と別れる?どういうことだ?ROUSERって
なんなんだ?僕って何者だと思っているんだ? そんなことを考えながら頭の
回転を良くしていたら、きゅうに金髪の人が止まった。そして、
「やっとついたな・・・・まあこいつ軽かったし、疲れたわけじゃなかったけど。」
ついた?どこに?また頭の中で疑問を走らせていると金髪の人に地面におろされ
、頭をゆさぶられた。そしてこういわれた。
「おい、起きろ。いつまでも寝てるな。」
起きろだと?冗談じゃない!お前達がこんなことをしたんじゃないか!!と心で
怒りを爆発させていたが、とりあえずおきようと思った。頭の中は動いていたが、
体は寝ているように何も動かない。しぶしぶ目をあけて、足で立ってみた。
そして体をくねらせて、体全体をほぐした。そしてこういった。
「お前のいうとおり起きたぞ!」
そうしたら金髪の人が真顔になってこういった。
「あっちをみてみろよ。」
僕は見る気もなかったが、とりあえず金髪の人が指さした方向を見た。なんと
そこには・・・・沢山の人達が僕をみていた!しかも、ほとんどが170センチ
をゆうに越えている大人達だ。でも一人だけ金髪の前髪が長くて僕と同じぐらい
の年齢の男の子がいた。外国人っぽい男の子だ。他は日本人らしい。髪の色は
青や緑など変わった色の人もいた。そして金髪の人がいった。
「お前、名前は?」
すかさず僕は答えた。
「飛田 翔だよ。」
そしたら金髪の男が自分の名前をいった。
「俺は草加 宏平っていうんだ。よろしくな、小僧。」
小僧!?初めてあった奴に小僧だと!?なんという奴だ!!
「おっ、その反抗したそうな目は小僧じゃやだってか?」
すかさず宏平という奴にばれてしまった。僕は愛想よく答えた。
「いや、別に。そんなこと思ってないよ。」
宏平は続けてこういった。
「お前、嘘下手だな。こういう時ってのは正直いうのが正解だ。そんなことじゃあ
皆に馬鹿にされるだけだぞ。」
ごもっともな答えがでてきた。僕は頭の中のメモ帳にしっかりと書き込んだ。
そして、さっき考えていた特にしりたかったことを宏平に聞いてみた。
「ねぇ、さっき聞いてたんだけどさ、ROUSERって、なに?」
宏平は答えなかった。そのかわりにこういった。
「とりあえず向こういってからにするぞ。質問はまだ無しだ。」
宏平が指さした所にはただのほとんどここと同じ茂った草のところだ。変わっているとすれば、もっと奥のほうに何個もテントがあるだけだ。
そして、僕は宏平からいろんなことを聞き出した。
ROUSERというのは、風が形として見えるとか、そういう能力をもった人達の
ことをいうらしい。
そして、皆は人間とかかわりをもたず、ひっそりと大体山の中で暮らしている。
でも最低限必要な物を買出しにいくときは別で、たまには世界の情報をいれなきゃ
なので、1ヶ月に一回か2回ほど、3〜4人ほどのROUSERが新聞などの
調達にいく。一番驚いたのはこのROUSERの集落は、一番偉い人などいないらしい。
つまり、個人の意見を尊重でき、皆が誰にでも同じ態度で接してくれる。そして
ROUSERは集団行動で動くので皆で次何処行くかを決めて、皆でいく。
あと、ROUSERには血液型がなくなるらしい。それを聞いて、
「じゃあ、生まれてくる時なんで血液型がわかるの?」
と、宏平に質問した。宏平はいい質問だ、といってから
「ROUSERは、生まれるまえだと覚醒しないらしい。良く分からないが、そういうようになっているのだ。うまくできてるとおもうわないか?」
と、いった。僕は感心してしまった。人間のしくみもすごいが、ROUSERも
負けないくらいすごいんじゃないか、と思った。僕が考えていた顔から納得した
顔にかわったとき、宏平が続けた。
「つまりだな、他の人の血を飲んでもへっちゃらだということだ。あと、生肉も
食べられるんだぞ。あれはうまい・・・・小僧、お前もやみつきになるぞ。」
宏平はかなりにこやかな顔でいった。それほどうまいらしい。僕も食べてみたいなーと思った。しかし、宏平の肌がでている肩をみたとき、不思議に思った。なんか
マークみたいなのがついているのだ。あおい色で、円が書いてあり、半円と半円に
分かれている。しかも、片方の半円には青で色がぬってあり、もう片方には、それがない。かなり簡単なマークだが、なんか目にとまってしまう物だ。宏平が、僕が
肩のマークをみていることに気づくと、こう教えてくれた。
「このマークはな、俺達の集落の証ってもんだ。いずれお前にもつけられる。かなりしょぼいが、俺は好きだぞ。こういう簡単なほうが見やすいし、覚えやすい。
まあ人によって好き嫌いはあるがな!がはははは!!」
とわざとらしく笑いながら、僕は肩をたたかれた。別にいたくなかったが、しかえしに耳をつねってやった。そして今の宏平の言葉を聞いているうちに、かなり
重要なことを思い出した!
「そうだ!僕家に帰るよ!お母さんに怒られちゃう!」
真面目に本音をいったが、宏平は悲しそうな目で僕を見て、こういった。
「今はいえないんだが、お前はもう戻れない。ROUSERだとわかった以上、もう帰ることはできないんだ・・・・小僧。」
僕ははきすてるような目を宏平に向けて、こういった。
「なんでだよ!!なんでROUSERだから帰っちゃいけないんだよ!!そんなのお前達の勝手じゃないか!こんなの認めない。僕は家に帰る。」
これだけいって、僕は近くにおいておいたカバンを手に、帰ろうとした。しかし、
宏平の大きな手によって腕をつかまれ、行く手を阻まれた。
「なにするんだよ!!」
と僕は泣きそうな目で宏平を見た。
「小僧、お前の気持ちはよくわかるが、もう帰れないんだ。わけは理由があって
いえないんだが、帰っては・・・・」
次をいおうと宏平がしたとき、僕が反論した。
「じゃあわけをおしえろよ!!」
宏平は悲しい目だけを僕に向けていた。僕は涙を必死にこらえ、歯をくいしばっていた。僕は帰れないことを信じるしかほかなかったのだ。だからあんな悲しい目を
・・・・ そして宏平は僕をしっかと抱きしめてきた。そのせいで僕は今までせきとめていた涙が沢山流れ込んできた――――――
「うわぁぁぁぁ!!帰りたい!!家族に会いたいよ!!!!帰りたいよー!!」
宏平は、僕の声が上がるたびに強く抱きしめてきた。そして、僕が泣き止むまで
ずっとだきしめてくれていた――――――


そして今日から僕は、人間界を離れて、ROUSER界に入り込んだのだ。


第三章 「友達」

朝、僕はいつの間にか寝ていたようだ。顔を上げてみると、ここはテントだと
すぐにわかった。僕は眠気眼をこすりながら、テントの中を見回した。他にも人が
いる。そして僕の後ろで布団に潜りながら金髪の髪をだしているのは宏平だとわかった。他にも人が寝ていた。かなりいびきがうるさい。僕は頭が痛くなりそうなので、外の空気を吸いに外に出ようとした。そのとき僕は気づいた。僕は靴下のまま寝ていたらしい。外にでようとも僕はまだ子供だ。靴無しで外にでるのは痛いし、
危ない。そこで僕は頭を使った。靴を奪えばいい。そこて僕はROUSERの仲間の中で一人しか名前の知らない宏平の足元へそろりそろり動いた。宏平は、少しいびきをかいていた。これでは当分起きまい、と僕は靴の他にすこし悪さをしようと思った
。小僧といった罰だ。これですこしはこりるだろう、と僕はか細い声でヒヒヒ、と
笑い、ポケットに隠し持っていたマジックを取り出した。これは国語の授業の時に
先生に線をひいてやったマジックだ。(僕はそういうものをなんでもかんでもポケットにいれるので、ポケットをさぐればなにかある。)僕は行動を開始した。早めにやっておかないと起きちゃうかもしれないからだ。僕は宏平の頭の近くまで足を
動かし、布団を優しく顔の部分まで取り外した。そこでみた宏平の顔は・・・・
なんとまぬけなんだ!よだれをたらしながら目が半開きで白目をむいている。
おぞましい生き物だと感じたが、僕は我に帰り、マジックのキャップを優しくと
りはずす。次に正座の格好をして、顔にマジックで優しく、優しく、落書きしてやった。僕は満足げにキャップを占めて、靴を探した。しかし、
・・・・無い。 おかしいな〜と僕は布団全部を取り外し、ズボンを脱がした。
もとから入ってないのはわかっていたが、確認の上でだ。やっぱり、無い。そこで
トランクスも脱がしてみた。無い。そこで、僕はあることに気づいた。
僕がないのに、他の人にあるわけがない。僕は結論をだしたので、また履かせようとしたが、無理だった。宏平の寝相が悪いので、トランクスを背中で押しつぶしていたので、取れない。ズボンははかせるのは無理に近いだろう。他の作戦も考えてみたが、無理だ。いつのまにか僕には冷や汗がたらたら流れ落ちてきた。そのとき
僕は気づいた。もう最後の手段しかない。 しらばっくれるのだ!
僕はそう心に決めて、宏平の布団をちゃんとかけてやり、靴下のまま、この大きさが微妙なテントを出ようと考えた。その理由は、まず僕の気がめいりそうだったからだ。暑くて、たまらない。(さっきの冷や汗のせいだが・・・・)そして、もう一つある。それは、今ガーガーいびきをかきまくっている宏平だ。あいつを見ていると、気がかなり重くなるからだ。僕はもう一度宏平のほうを向き、首を立てに動かしてからテントの外へと足を動かした。






外はまだ太陽がすこし見え隠れしていたが、まだ昇っていなかった。僕はその景色に目を奪われた。金色の色に染まっている空に、オレンジ色がかかっている太陽は
、少しずつ色を変えている。だんだん薄くなっていくオレンジ色の太陽を、
すぐ近くの川のほとりで座ってはだしになって足を水につかりながら僕は眺めた。
川の流れはかなり遅かった。時々、僕の足を何かがとおる感触がするが、気になら
なかった。昨日、僕の人生が変わった。そのことを考えるだけで水の冷たさなど
まったく感じなかったほどだった。
「なんじゃこりゃ!!」
僕がねてたテントから声が聞こえた。僕はなんだかわかっていたので(ここは、
わかっていたというより待ってましたのほうがあっているかもしれない。)
気にしなかった。でも、他の人たちの反応を見てみたかったので、僕はテントへと
向かった。
宏平はひどく赤面していた。耳は青白いが、他のどの部分を見ても真っ赤だ。
みんなは大笑いだった。宏平はわらった奴をぶちのめして、けが人を何人も出した。僕はフン、と鼻で笑った。・・・・・いい気味だ。この集落に入るまではいいが、僕のことを小僧というのはあまりにもひどすぎる。これでこりただろう、と
思ったのは間違いだった。そのあと僕のポケットからサインペンがあったのを
宏平に見られて、僕はいやというほど説教と暴力をくらったのだった。

「よし、朝飯にいくぞ。」
宏平がやっと説教から他の話に変わったので、僕はふーっと息をはき、生きている
ことのすばらしさを実感した。(説教はかなりながかった。)
そしてテントからはなれ、みんなが輪になって集まっている所に僕達も向かった。
僕は宏平に聞いてみた。
「あのさ、なんでああやって輪になってご飯たべるの?」
宏平は、
「なんかのしきたりとか前きいたことあったな・・・・・。まあ気にするな!」
と僕の背中をバシンとたたいてガハハ、と笑い、輪の中に入っていった。
僕も宏平の隣に座り、なんのご飯がでるか考えていた。卵焼きか、それとも
目玉焼き?それとも・・・・・と考えているうちに、ご飯が回ってきた。(ご飯
はその日の当番の人が運んでくる。)
「おっ、きたきた。」
宏平が口をこぼしたのを見て、僕は回ってくる料理がどんなうまいものか想像
していた。宏平もうれしそうだったんだから、かなりうまいに違いない。
期待している僕の顔を見た宏平はニヤリと笑い、わざとらしく声を張り上げた。
「おっ、生肉がきたぞ!」
・・・・・・えっ??
僕は自分の心に問い掛けていた。生肉??そんな物の何故朝から??
僕の顔を見た宏平はクックッと笑い、説明しはじめた。
「実はな、新しい仲間が入ったときはお祝いだから朝・昼・晩と生肉を食べるんだ。それも鹿のな。」
「じゃあ、生肉しかでないの?」
「当然だ。まあその内なれるさ。俺も最初は抵抗あったけど、食べてみればうまい
もんだぜ。寿司のマグロまではさっぱりしてないけど、少しこってりしててな・・・・」
などと一人で語り始めた宏平を僕は見向きもせず、自分の世界に入り込んでいた。
・・・・・今日、なにをたべればいいんだ?生肉なんて絶対食べないぞ。





地獄だった朝飯を抜けて、僕は川で水切りをして遊んでいた。他のみんなはまだ
朝ご飯の最中だ。僕は見ただけで吐きそうになり、輪の中から抜け出てきたのだ
った。僕が水切りをしていると、近くに座っている男の子が見えた。僕と同じ
年ぐらいで、アメリカ人(僕には外国人はすべてアメリカ人だ!)っぽい。
金髪の長い髪を両端に分けている。はらりとしている髪はかっこいい。絶対女の子にもてるだろうな〜と僕は思っていた。目は青いし、少し怖い印象があるけれど、
絶対友達になれそうだ。ここには僕とあのアメリカ人しか子供はいないっていって
たから、話し掛けてみるかな・・・・・でも日本語通じるかな・・・・・などと
自分で想像していたら宏平がやってきた。そして奇遇にもこんな話を持ちかけてきた。
「小僧、お前ここじゃ同年代はあいつしかいないんだ。お前、友達ほしいだろ?
俺が手伝ってやるよ。」
「でも、日本語通じるの?」
これは、僕だ。
「まあ話し掛けてみろよ。」
笑いをこらえているらしい。口元がピクピクしている。僕は気にせずアメリカ人に
はなしかけることにした。・・・・といっても、英語は僕は一つしか知らない。
「ハ、ハロー・・・・・」
消え入りそうな声で言ってみた。金髪のアメリカ人は、
「ん?」
と日本語を使ったのだ!!とたんに宏平は笑いだした。そして、こういった。
「悪い悪い!クロードは日本語を喋れるんだ!!」
ク、クロード?少したってから僕はこのアメリカ人の名前だと判断した。へぇ〜、
クロードっていうのか!かっこいいなぁ。ためしに僕は、
「僕、翔っていうんだ。」
といってみた。するとクロードはすぐさま、
「俺、クロード。」
と答えてくれた。僕はすぐさま、何歳?何処に住んでるの?身長は?体重は?
など質問をし始めていた。そして、僕達はそれから自分のことについて話はじめて
いた。
「僕のこと、翔ってよんでね。」
「じゃあ俺のこと、クロードってよんでね。」
こうして僕は新しい友達ができたのだった。
しかし、この出会いは後に僕の人生をまたまた狂わせる出会いだったのだった。






2004/12/01(Wed)22:36:19 公開 / 蒼空
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