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『リバース・オブ・ザ・タイム』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:ニラ
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――その頃まだ、人はタイムマシンに憧れていた。
――そして今、それが遂に現実となった。
――時空転移装置「リバースタイム」
――しかし、これは失敗作であった。
――実験中、一人の少年と、研究所で研究していた合成獣「キメラ」が十匹、時空を乗って行ってしまった。
@第一話「運命のとき」@
――緊急発令――緊急発令――
多くの銃声が響く中、悲鳴も多く上がっている。そこにいる男達はマシンガンを片手に銃撃を続けている。
打っている先には謎の怪物がいる。その怪物は無尽蔵に周囲の人を食い荒らしていく。
「ここはもう駄目だ!! 早くリオンも逃げろ!!」
「ああ・・分かった!」
「博士も連れていけ!」
リオンはその場を離れ、緊急用ランプで赤くなった廊下を走り始める。少年の片手には拳銃「ベレッタ」が握られている。しかし、グリップホルダーが無く、弾は完全に入っていない。急いでリオンは拳銃に弾を詰めると、廊下を再び走り出す。
「畜生!!」
リオンは目の前の巨大なスラッグ(ナメクジ)を見て、声をあげながら発砲する。しかし、その弾は貫通しただけで、ダメージは無かった。
「そこを通らせろぉ!!」
リオンはスラッグの頭を蹴ると、天井についている電線の束を掴み、スラッグの後ろに飛び、再び走り出す。そして、先ほどいた場所からは、もう一度悲鳴が聞こえる。
「早く・・早く博士に!」
研究室が見えると、そのドアを蹴り開ける。そこには白装束をきた。男が立っている。
「リオン!! 状況は!?」
「キメラは研究所内を動き回り、もうすぐここに来てしまいます」
博士は額から流れてきた汗を拭うと、机にあった物をリオンに手渡す。それは腕時計だった。しかし、画面に何かのゲージとスイッチが二つある。
「リオン、それがあれば転移装置「リバースタイム」に入っても、年代分年を取らなくなる」
「どういう事ですか!?」
「説明している暇はない!!」
「一つ目のスイッチは時間を最大二十時間分引き伸ばせる…そして、二つ目は…」
その時、研究室の壁を突き破って怪物が博士を頭から丸呑みする。リオンはとっさに後ろに下がるが、何かに躓き、時空転移装置に入ってしまう。その衝撃で、研究所内にいた怪物が引き寄せられ、共に装置に入ってくる。
「うわあああぁぁぁぁ…」
リオンの叫び声は、全ての物が殺された研究所に響き、すぐに途切れた。
――――――――――@
ズドンッ
耳の痛くなるような音が青く静かな空に響く。銃声の音だった。その弾は、しっかりと黒いスーツの男の額に穴を開けていた。男は額の血に気づき、絶命した。もう一人は紫に近い色のコートを着ていて、伸びた手には煙を吹き上げている大型拳銃「デザートイーグル」がしっかりと握られている。
「俺に挑もうなんて万年早えぇよ・・天国で反省してろ・…」
男はそう言うと、スーツの男を置いていき、狭い路地を抜けていく。表に出ると、胸ポケットにあるタバコの箱とライターを取り出し、箱から出した煙草に火をつける。
彼は「時谷 龍(ろん)」と言い、裏に生きる者を消している「アンダーハンター」と言う職業の物である。しかし、職業と言っても組織ではなく、依頼されたときに限ってである。
「はぁ…今回も報酬安いしなぁ…家帰ってカップ麺でもすするか…」
時谷はそう言うと、西京の都会の道を歩いていく。その時、一人の少女が封筒を持ってゆっくりと歩いてくる。人ごみの中、時谷はそれをするっと取ると、見向きもせずに歩き去る。後ろでは少女がお辞儀をしている。
デパートで生活品を買い揃えての帰り道、時谷は自分のマンションの側にあるちんまりとした公園に向かう。薄暗くなってきた頃なので、周りには誰もいない。いるとしても夜行性の猫ぐらいである。時谷はその公園のベンチに座り、荷物を隣に置くと、ふう、と一息つく。
――そろそろこの仕事から足でも洗うかなぁ・・人殺すのって良い気持ちしないし…
時谷が空を見上げてそんな事を考えていると、突然、数字で覆われた球体上の物が現れ、大きな音を立てて弾ける。その勢いで時谷も座っているベンチごと倒れる。しばらくしてから打った頭を抱えつつそこを見ると、誰かが倒れているのを目にする。
「おい…起きろぉ・・大丈夫かぁ?」
足で頭を蹴りながら誰かを起こそうとしている。しかし、そこで違和感を感じ、後ろに振り向く。
案の定、そこには見た事も無い巨大なナメクジがいた。口と思われるところから謎の液体をだらりと流している。
「うへぇ!! なんだよ・・これ!!」
急いで時谷はコートの中に手を入れて、デザートイーグルを取り出すと、一度後ろに引いてからナメクジに銃口を向ける。そして、引き金を引く。目に見えない速さで弾丸は飛び、ナメクジに当った。しかし、当った弾丸はずぶずぶとナメクジの中に入っていき、貫通する。そしてナメクジの体は、元通りに戻っていく。
「弾丸が効かないなんて・・なんだよこいつ!!」
時谷は詰めてある限りの弾を発射し、ナメクジに当てる。しかし、しばらくすると傷は元通りになっていく。
「グジュジュジュジュ」
ナメクジは口と思われる所からから耳を劈くような奇声を発すると、緑のどろりとした液体を飛ばす。時谷は弾では弾き返せないと悟り、横へ飛び、間一髪それを避ける。すると、液体は壁に付着し、奇妙な色の煙を上げながら、ふしゅうう、と音を立てて壁を溶かした。 それを見て時谷は顔面蒼白になりながらも、改めて銃を構える。良く狙い、引き金を引く。しかし、弾は出ずに、耳の痛くなるような音が響いただけだった。
「やばい!! 以来が簡単だったから弾はニ発しか入れてなかった!!」
時谷は大急ぎでズボンについている小さ目の箱から、マガジンを一つ取り出すとデザートイーグルのマガジンを外す。そこでニ発目の液体が飛ぶ。突然の事で反応しきれずに、右腕にかかる。
右腕が溶け始め――るのでは無く。乾いていくうちにだんだんと腕が動かなくなる。時谷に付いた液体は硬質変化液で、付着すると、数秒で乾き、その部分を固めてしまうのであった。悪い事に、時谷の右腕は、デザートイーグルと共に固まり、トリガーも引けない状態である。
「こんにゃろう!!」
時谷は動く左腕でコートの中の右胸の辺りを探ると、小さ目の銃が出てくる。これは、時谷がオリジナルで製作した物であり、威力が小さいが、その代わりに左手でも扱えるようにしてある金色のメッキで塗装された銃である。
その銃を、左で持ち、狙いをしっかり定めると一発撃った。ナメクジの頭と思われるところについている触角のような物に、狙いがそれて当る。しかし、それが弱点なのか、もう一度ナメクジは悲鳴を上げる。
「どうやら触覚みてぇなのが弱点なんだな!」
小型の銃を構え、五・六発トリガーを引くと、そのうちの三発が残りの一方の触覚に当る。
「ギュギギギギィ!!」
ナメクジは体中が真っ赤になり、口から大量の液を一気に吐き出す。それを時谷は横に避け、銃に残った最後の一発を撃とうとする。
すると、横から手が出てくる。それはさっき倒れていた少年である。
「やめた方が良いよ…スラッグの奴…怒ってるから」
そう言い放つと、腕についている時計のスイッチを一つ押す。すると、少年はかなりの速さで動き出す。それは、時谷であっても目で追いつく事は出来なかった。弾丸の発砲音が少し立って聞こえたが、その後、少年は時谷の前で止まる。グジュグジュと音を立ててナメクジは溶け始める。そして、完全に液体になってしまった。そうすると、時谷の右腕も何故か、動くようになる。
「き、君は一体!?」
「僕はリオン・…未来から合成獣『キメラ』を追ってやってきた」
リオンはそう強く言う。時谷はあんぐりと口を開けてる事しか出来なかった。
@第二話「合成の過ち」@
リオンを見ながら、時谷は呆然としている。あの弾の効かないナメクジを一瞬にして倒してしまったからだ。リオンは倒して液体になったナメクジを調べている。にちゃっとした粘りのある感触であるが、触っても害は無かった。
「倒せば害は消え去るのか…」
リオンはそう呟くと、手袋を外し、もう一度液体を触って見る。そうした後、変な形の腕時計を見る。そしてからその場を離れる。時谷はどこかへ行こうとしているリオンの腕を掴み、焦りながら問いかける。
「おい!! 一体何なんだ!! あの怪物は・…事情を説明してくれ!!」
「知らない方が良い…今日あったことは全部忘れる事だ」
リオンが腕を振り払って時谷から離れようとする。時谷がおい、と声をかけてもう一度今度は肩をつかむ。「あ…」という声と共に簡単にリオンを服は破れ、上半身があらわになる。服は少し薄いジャンパーを来ていたため、時谷は気づかなかった。そう、リオンは「女」だった。
パシン!!
夕焼色の空に弾ける音が響く。その真下には、慌てて右手で胸を隠して左手で時谷の頬を叩いたリオンがいた。リオンは涙目で訴えている。
「何をするんだ! 幾ら被害者でも、許さないぞ!」
「ったぁぁ…」
リオンは落ちつきを取り戻しながら、破れた服を見る。どれも繊維がズタボロで、破れてもおかしくないものだった。リオンは右頬を擦っている時谷に近づくと、小声でこう言う。
――時空を旅したせいで、服のみが時空流離にたえられなかったのか・・
「殴ったのはすまない・・ここの辺りで動きやすい服が売っている所は無いか?」
「とりあえず、前隠せよ…」
時谷に頼むように両肩を掴んだため、前があらわになる。そしてから、もう一度、時谷の頬にびんたが飛ぶ。
「わ、分かった!! とりあえず、家に来い!! 服は買ってきてやるからさ・・」
時谷は家のカギと自分の着ているコートを渡すと、急いで町の中央へ駆けて行った。
時間は八時を過ぎていた。とっくに周りの家という家は電気がつき、外からは楽しそうな声が聞こえてくる。女性用の服を入れた大き目の紙袋を片手に、時谷は静かな夜の道を歩いていく。
すると、何処からか「キュラァァ」と言う謎の声が聞こえてきた。時谷は背中で気配を感じると、振り向いてデザートイーグルを片手で構える。そこには何も無かった。猫だったのかな? と時谷は思い、その道を後にする。マンションに着くと、いつもの様にエレベーターのスイッチを押し、八階まで上がる。エレベーターから出ると、多くのマンションの部屋の中から、自分の部屋を探し出し、ドアのノブを回す。ガチャリと、ドアは簡単に開き、そこには部屋にあったタオルで体を隠している「少女」がいた。遅い…、と小声でぼそりとリオンは言う。時谷ははいはい、という表情で、服を投げ入れる。リオンは急いで服を着替えると、正直驚く。服は少し黒の混じったジャージと、黒い服だった。こんな物は普通女性服売り場にはなさそうだと思いながら着てみると、以外にリオンにあっていた。少し茶の混じった髪は目立つが、まあまあリオンは気に入った。
「それで…」
「ああ、話そう…あの『生物』の事を・・」
リオンが口を開けたとき、二人はビクっとして窓を見る。そこには、確実に「三人」の影があった。部屋中の物に切り傷が入っていき、だんだんとそれは二人に近づいてくる。二人は玄関へ駆け込むと、ドアを思いっきり開け、階段を降りていく。
「何だよ!! まだあんなのいるのか!!」
「合成獣bT…『シャドーカッター』と言って、人の影とカマキリを合成した生物だ・・合成獣の中でも切れ味は上位に行く・・・」
「と、とりあえず!! 何処に行く!」
「そうだな、よし、明かりが一番あるところに行ってくれ」
「分かった!」
リオンは銃をポケットから取り出すと、後ろに向かって発砲する。弾丸はそこで消え、階段には緑色の血が付着する。今回は弾丸が聞きそうだな・・とぼやくと、三階の窓から飛び降りる。時谷は、一足先に地上に着いていたが、それを見て驚く。しかし、リオンは腕時計のスイッチをもう一度押す。
「時間速度・・十時間遅く…」
リオンの周辺の時間が遅くなる。同時に、リオンも少し遅くなる。そして、速度を減少させて着地すると、設定を切り、元の速さに戻る。
「さあ、早く行くぞ!!」
そう言い、リオンと時谷は、「明かりの最もある所」へ駆けて行った。
はぁはぁ・…と、息を荒げながら二人は一本道を行く。後ろから音はしないが、確実に「気配」はする。確実にキメラは来ている。まだ、公園までは数百mあった。マンションからはかなり離れ、子持ちの住民から良く不満の声が上がるのはこのせいである。公園まで行くのに、三十分程度かかるためである。
「まだ追って来るよ!! もっと速く!!」
気配のみで敵の居場所を知り、時谷を急かす。時谷は追いつかれる事を承知で、二丁の拳銃をしっかりと用意していた。公園が見えてくる。それと共に明るさが全身を包み、暗い中を見ていた目は痛む。
「着いた!」
二人は公園に入り向き直ると、銃を構える。そこには、何も無いのにぽつんと立っている影があった。そこへ銃の弾を一斉放射する。その音は周りを起こしても良いくらいの音だった。何発かは避けられたようだが、確実にダメージは与えていた。影があった所にはしっかりと緑のどろりとした血が池を作っている。
「何処に隠れた!!」
「慎重に動いた方が良いぞ…敵は『影のみの実体の無い生物』だ・・影に隠れる事も出来る」
ふいに、何処からかゴト、と音がする。二人はそこに向く。しかし、それはただの石であった。そうして、真空波のような物が風を切り裂きながら時谷に向かう。フェイクと気づいた時にはもう遅かった。時谷の右肩と左ももをしっかりとえぐっていた。服の周りが血で赤く染まり、痛みで時谷は片膝を付く。そこに、影が走ってくる。止めを刺す気である。傷を押さえている時谷をリオンは突き飛ばすと、来た影に向けてトリガーを引く。それは見事にヒットし、何も無い所から悲鳴が上がり、倒れる音がする。そして、そこには緑の血を流す影のみが転がっている。
「影は面倒だな・・運ぶ事も出来ないし、どうするか…」
リオンは影のある所を触ろうとするが、そこには何も無く、触る感触さえない。
「って事は、透明人間みたいな物じゃないの?」
リオンの発言に時谷は瞬間的に聞く。リオンはゆっくりと頷く。そして、持っていたベレッタのマガジンの弾を再び詰めると、懐にしまう。そうしてから、腕時計にある二つ目のスイッチをよく見、「スピード」と英語で書かれているのを理解して、そこを押す。すると、影がだんだんと小さくなり、血も消え、腐ったような異臭がした後、姿を消した。
「痛てて…全く、見たことも無い生物ってのは全部こんな物なのか?」
「そうだ・・これで10と5を倒した。残りは後八体だ…」
「ゲッ…俺、戦えねぇよ・・」
「貴様に頼んだ憶えは無い…」
悲鳴を上げている時谷に冷たい目でリオンは言う。そうしてから一瞬の間が開き、時谷がぼそりと呟く。
―俺が買った服代…―
ぎくりとリオンは目を見開く。それを見て、時谷はにやりとする。そうした後、血の流れている方を押さえながら、ゆっくりと立つ。痛みの衝撃で落ちた銃を二丁拾って懐に戻すと、話を続ける。
「とりあえず、それを返してくれるまで付きまとうから・・いい?」
「…仕方が無い…分かった・・話そう」
リオンはがくりと肩を落としながら時谷と共にマンションへ帰っていく。二人は夜のなかをゆっくりと帰っていく。
@第三話「合成獣」@
――「合成獣」…それは、時間のねじれによって造られた人工生命体である。そして、それは、一人の天才科学者「イワン・ネフェコス」の≪失敗≫により生み出された。当時、イワンは、科学者の最高権威を手にし、有頂天であった。その彼は、必要以上の自信を持ってしまい、『命の尽きぬ心臓』と言う物を作成していた。しかし、イワンは全ての財産をつぎ込んだが、結局、実験は失敗に終わった。
しかし、その時に、彼にとっての奇跡が起きた。材料の中の物が突然合成したのである。それは、見たことも無い物体へと変わっていた。全ての物質のどれにも会わず、朽ちる事の無い物体――それが合成獣を造るきっかけとなった≪時空石≫であった。
時空石を使った場合、材料は時のねじれにより、合成する事が出来た。イワンはその時、これを学会へは発表しようとは思わなかった。なにせ、発表すれば他の者達も開発する恐れがあったからだ。結局、発表をせずに、イワンは時空石を世界から隠したままこの世を去った。
しかし、それから四年後、イワンの遺族はそれを見つけてしまった。そして、その使い方を記してある書類と共に…当時は、遺族全員お金に困っており、売ると言う選択肢しか頭には残っていなかった。そして、それを世界の科学者たちに発表し、貧乏から一変、大富豪へと上り詰めた。しかし、やはりそこでイワンの恐れていた事が起きた。大富豪に上り詰めたイワンの遺族らを殺し、時空石を我が物にしようとしたのであった。結局、その石を巡り、殺されたのは約百人前後、それによって死刑になったのはニ百人と言う。時空石はそうして、呪いの石となり、国の最下層へ閉じられた。
それからまた四年の月日が経ち、石は地上へ舞い戻った。「その石を使い、永遠の命を開発できるのではないか?」と考える者が出てきたためである。その者は、リオンのいた時代の博士「ルクス・ハリオス」であった。彼は、永遠の命を造り、世界中の病気で苦しんでいる者立ちの為に使おうとした。そうして、その時、時空石によって、合成獣「キメラ」が出来た。キメラは獰猛なため、研究所の地下室に閉じ込めていた。しかし、何かの拍子に、研究所を襲い始めたのであった。
―――――――――@
「…そうして、今ここに私がいるのだ」
リオンは静かにそう言うと、時谷のアパートの部屋にある窓から外の風景を見渡す。
「で、合成獣を倒して、このまま時間を渡って、時空石とか言う物の作成を止めるわけだ・・」
「ああ…」
時谷の解釈に、リオンはそのとおりだと言うように小さく頷く。そして、懐からベレッタを出すと、残弾数を調べ、その数だけ弾を補充する。時谷は説明を聞いて少し驚きながら、額の汗を手で拭う。
「しかし、この時代に全ての合成獣がいるわけでもない…」
「なら、俺、お前を手伝うよ…」
時谷の言葉にリオンは少々驚く。そして、子供のような表情で、時谷を見据える。
「何を言っている!? 死ぬかもしれないんだぞ!!」
「いいさ…俺が死ぬでも悲しむような奴はいないだろうし」
時谷は今までの行いを考え、さらりと言った。リオンは少し顔を下げ、視線を床にそらす。そうした後、金の混じった茶髪を振り上げながら、時谷に銃を向ける。時谷も同時に銃をリオンに向ける。
「いいんだな・・死んでも・・」
「何度も言っただろ? 全然平気だ…」
リオンは薄っすらと微笑を顔に浮かべ、ベレッタを懐にしまう。そうした後、時谷に問う。
「ここの周辺の地図ってないか?」
「あるけど・・どうして?」
「キメラの居場所を特定する」
リオンははっきりと聞こえる声でそう言う。時谷は感心しながら部屋の隅に置かれているボロボロの地図を取り出す。幸い、破れてはいないので、全体を見渡す事は出来た。リオンは地図に向かって指を動かすと、見つけたとばかりに一つの工場を指差す。
「ここに?」
「ああ…未来の世界はここに研究所があったはずだ・・キメラは習性で、生まれた所を住処にするんだ・・」
なるほど、と時谷は指を鳴らす。リオンは大急ぎで荷物をまとめると、外へ向かう。時谷も同じく準備をして、外へ出る。ここはアパートの二回なので、階段よりも飛び降りる方が速かった。もともと二人とも体は頑強なようなので、着地は失敗しなかった。時谷はアパートの駐車場に行く。そこに、青い小型車が一つある。時谷はその小型車のカギを開け、運転席へ乗りこむ。
「早く乗れ・・」
「速いのか? こっちの方が・・」
「当たり前だ・・あそこは隣町だぞ・・」
リオンは車に乗り込む。車は熱い煙を排出しながら動き出す。その動きは、あまり良くなく乗り手を困らすような走りであった。しかし、速さは中々で、一踏みで四十キロは出ていた。車でアパートを離れると、夜明けの空の中を走っていった。その後ろには、一つの謎の物体の気配にも気づかずに、隣町の廃墟へ…
そこは、嫌な雰囲気を出していた。車に乗ってニ・三時間して着いた目的地は、大きな病院の廃墟だった。周りは古く、ツルで蝕まれ、今にも悲鳴が聞こえてきそうである。夜なので、さらに恐ろしさを倍増させている。
「…なるほど、病院なら機材も古いが残っているな・・研究にぴったりだ」
「…え、キメラがいるだけなんじゃないの?」
時谷はリオンの発言に対して疑問を持つ。キメラを追ってきたのに、なぜ、「研究」と言う言葉が出てくるのか、それが不思議でならなかった。リオンはそれに答える暇も無く、廃墟の病院の門をぎい、と開く。門の中は庭になっていて、廃墟になる前は綺麗だったのだろう。リオンは枯れた花で埋め尽くされている庭に足を踏み入れる。
「待てよ!! …うわ!!」
時谷が追おうと庭に足を踏み入れると、黒い烏の翼を生やした犬が出てくる。歯を剥き出しにし、今にも追いかかろうとしている。
「君!? 大丈夫か!!」
「大丈夫・・追うから先に言っててくれ!!」
分かった、とリオンは時谷に言い、庭から姿を消す。時谷は懐からデザートイーグルを取りだし、キメラに向かって発砲する。弾はキメラにかすりもしなかった。キメラは翼で飛び、弾を避けていた。キメラは空中から急降下し、時谷の頭目掛けて犬歯を剥き出し、飛びかかる。飛んでくるキメラに銃を向け、再度発砲。その弾は見事に口の中に入り、キメラの尾の方から飛び出てくる。キャワンと言う鳴き声と共にキメラは地面へ倒れこむ。
「前のニ体よりは弱かったな・・後七体かな・・?」
時谷は静かにそう言うと、庭を通り抜け始めた。
その頃リオンは、病院の廊下を走っていた。壁はボロボロだが、崩れる心配は無さそうである。歩くときに音がしてしまい、キメラが潜んでいたら危ないが、仕方が無いので、再び走り始める。すると、階段を見つける。上と下に分かれていて、上の道は少し明るい。
「罠・・か・・・」
リオンは迷わず下の道へ行く。心理的に明るい方へ進む場合が多いからである。上に罠があると考え、リオンは下へ行った。しかし、それは「ニ重の罠」であった。下に行くと、そこは行き止まりで、一つの黒い影が見える。それは突然襲いかかってくる。リオンは大急ぎで銃を取り出すと、迷わずに一発影の頭らしき所へ撃ちこむ。大量の血がリオンの顔にかかる。生暖かく、鉄の匂いがしている。しかし、人間とは程遠いほどの異臭を放っている。影をどかすと、持ってきていたライターを最大火力にし、それを見てみる。キメラは、大きなゴリラの体のような物に虎の顔がくっ付いているような物だった。
「はめられたか・・だが、これで後六体だな・・」
リオンは階段を再び上がり、上の階へ急ぐ。上の階段を上がると、そこは何かのウイルスの研究でもしていたかのように、密室状になっているガラス張りの部屋が並んでいる。その中で、一つだけガラスではない部屋があることにリオンは気づく。そうして、銃を構えると、ドアの方向へ走っていく。その時、ガラスが割れ、ムカデの尾に、サソリの胴体、二つの腕はライオンの顔と言う。いびつなキメラが出てくる。
「くそっ・・急いでいると言うのに!! 仕方が無い・・行くぞ!!」
リオンはキメラへ向かっていき、銃を発砲する。その音は、外まで響いていた。
@第四話「悲しみの合成」@
その頃、時谷は病院の廊下を歩いていた。たまにあるうち終わって火薬の入っていない弾と、音を頼りにして。しかし、病院の中は恐ろしいほど静かであった。歩けば床がきしみ、その音が廊下にしっかりとした音として響く。そんな状態は、時谷の精神状態を不安にさせつつあった。
「あと、七体のはずだけど…いったい何処に?」
すると、時谷の後ろから何かがぶつかった音がする。銃の方向を転換しつつ、振り向いて見ると、そこには傷だらけで、体中血まみれになったリオンがいた。階段から落っこちてきたのだろう。時谷は急いで駆けつけると、倒れているリオンを起こす。
「どうした! 何があった!?」
リオンが苦しそうに言った声より先に、階段の上から月光に照らされた大きな影が出てくる。そして、それは、サソリのようにも見えるが、手と思われる先には獅子の顔が見える。その顔は、大きくその場で咆哮すると、階段を降りる音がする。時谷はリオンを背負うと、来た方向と反対側にある扉を蹴り開け、中に入る。戦った中で最も恐ろしいと思ったキメラであった。見つかりたくない。そう言う考えだけが時谷を動かしていた。今では息遣いも聞こえているのだろうと恐怖で思い始め、口を両手で抑える。
――…たく無い にたくない 死にたくない…―――
気がつけば心の中でそう叫んでいた。あれほど強いリオンの勝てぬ相手なら、自分には到底勝てないと判断したからだ。時谷は体を震わせながら、キメラが行った事を確認し、リオンの手当てをする。幸い、もしもの為に手当て用のものを持ってきて良かったと考える。時谷は手当てを終えると、はっとして我に戻る。
「俺は、何をしているんだ…あの時に、誓ったじゃないか」
(いいさ…俺が死ぬでも悲しむような奴はいないだろうし)
時谷は自分の言葉を思い出し、額から汗を出しながらゆっくりと微笑む。そうすると、ドアを開け、外へゆっくりと気づかれないように出て、壁にわざと銃をぶつけ、キメラに居場所を知らせる。
「来いよ!! 俺はここだぜ?」
明後日の方向を向いていたキメラがこちらを向き、雄たけびを上げる。その音を聞けば、常人なら耳がつぶれてしまうだろう。しかし、相当な集中で、音が聞こえていないように思える。時谷はもう一丁銃を持つと、キメラに一斉放射する。キメラも負けじと弾を俊足で避け、獅子の頭が時谷の頭にかぶり――つこうとした時に、時谷はしゃがみ、獅子の噛みつきをやり過ごし、銃を右の獅子の額に向かって引き金を引く。右手側の獅子は悲鳴を上げ、かくんと力をなくす。時谷はサソリの背中の上を踏み、後方へジャンプする。もう一度弾をセットすると一斉放射。尾にいる蛇に全ての弾を集中させた。蛇は避けきれずに根元から千切れとんだ。キメラにとって弱点だったのか、左の獅子が悲鳴を再び上げる。時谷の方を向き、残った頭で噛みつこうとする。しかし、それよりも速く銃弾がサソリの頭にヒットし、キメラは力無く崩れ落ちた。
「はあ、はあ、はあ…倒したか?」
キメラの死骸を見て、時谷は床にゆっくりと座る。両手にあるのは弾が無い銃。廊下は再び静けさを取り戻す。
そこへ、傷の場所を手で支えながらリオンが出てくる。そして、その情景に驚き、時谷を見る。
「一体、どうしたんだ!? 奴をどうやって」
「何とか…だな。倒せたのは」
へとへとに疲れている時谷を見て、リオンは安心した。
「全く、心配させて・・・」
微笑みながらリオンは言う。それを見た後、時谷はゆっくりと立ち上がり、大きなスロープつきの階段を上り始める。
「早く行こう、もうすぐ、この時代のキメラを排除できるんだろ?」
「ああ、そうだ、行こう」
時谷の問いにリオンは頷く。そうした後、階段を上っていく。
二階は一階よりも静かだった。実験室のようなガラス張りの部屋が並び、青い色がかかったような雰囲気になっている。当然、リオンと時谷は銃を片手に構え、先を急いでいる。しかし、どこまで進んでもキメラが出てこない。気がつけば目標の扉まで来ていた。
「開けるぞ…」
「うん・・」
リオンはドアの鍵穴に銃弾を一発撃ちこむと、蹴り開け、そのまま中へ侵入する。そこには、白衣を来た男が立っていた。それはリオンが見れば、確実に分かる人物であった。
「ルクス…ハリオス…?」
「良く分かったな!! リオン」
「何故、何故貴方が!?」
リオンは驚きを隠せずに、目を白黒させながらルクスを見ている。それを、ルクスはリオンを見下すような目で見ている。しかし、部屋には何一つ無く、あるのは檻だけであった。
「まさか、貴方だったのか」
「ああ、私の可愛いペットが口の中にいれて連れてきてくれてなぁ?」
「リオンッこいつが元凶なのか!?」
銃を二丁構えながらリオンに問う。しかし、衝撃的なショックでリオンは混乱状態に陥り、何も話せなくなっていた。ただ首を振っているだけである。
「嘘だ・・嘘だ・・嘘だ・・」
リオンはへたりと床に座り込みながら、頭を抱えて首を振りつづけている。それをルクスはおかしそうに眺めている。そこに、弾丸が一発飛ぶ。それはルクスの右頬を掠め、後ろの檻に当る。その音で急に檻の中から大きな赤ん坊の産声が上がる。
「何だ・・? 一体」
「ほほう、やっと完成したか・・」
ルクスは檻の方に振り返ると、檻を開ける。そして、中から赤ん坊を取り出すと、あやすように抱く。
「君の弟さんだよ・・合成に使わせてもらったよ・・『君と同じくね』!!」
その言葉を聞き、時谷は銃を再度構える。そして、トリガーを引こうとする。すると、赤ん坊が泣き始め、周囲が震え始める。そして、大きな音を立て、地面が針状に形を変え、時谷目掛けて飛ぶ。それを間一髪避けるが、コートは破れて時谷はシャツ姿になる。
「どう言う事だ!?」
「どうってことないよ・・ただ君が未来から『脱走』したキメラだって事を言っただけさ」
その言葉に、動揺を隠しきれない時谷であったが、ルクスは追い討ちをかける。一歩づつ歩みより、リオンを蹴り倒し頭に足を置く。
「う、う、う・・」
ギリギリと音を立てながら足に力を入れていく。リオンはその痛みにうなされながら、まだ呟きつづけている。
「こいつも馬鹿な女だ・・まさかペット共を潰しちまうんだからなぁ?」
「やめろォ!!」
時谷は銃のトリガーを何度も引き、ルクス目掛けて発砲しつづける。撃ち終わるとそこは煙であふれ、先が見えなかった。時谷が弾を急いで詰め替えようとしたとき、どすっと嫌な音を立て、何かの痛みを感じる。槍のような大きさのハリが時谷の左腕を貫通していた。どろどろとハリを伝って血が流れ出ていく。
「う、ぐ・・」
「時谷君、君は人間と人間を合成した・・・言わば人間を超えた存在だった・・しかし、超越したせいで、異常な正義感と知能を持ち、逃げ出したんだよ」
「嘘だ!!」
「嘘ではない!!」
時谷の叫びの後、再び針が飛び、右足に数本刺さる。その痛みに耐えられず、片足をつく。ルクスは再び現れると、時谷の腹を蹴る。時谷は息が出来なかったその苦しみと足と腕の痛みが重なり、尋常じゃ無いほどの激痛が脳に走る。
「痛いだろう? 未来の失敗は消すのが一番・・死んでくれ」
ルクスの赤ん坊の背から針が出てくると、それが大きくなって発射される。しかし、刺さるかささらないかの瞬間、針が一斉に弾けとぶ。それは、リオンから打ち出された弾であった。
「ルクス…お前は許さない・・・人の運命をもてあそび、人の希望を踏みにじった」
「何を言う!! 実験に犠牲は必要だろう? 人の命はいくつだってあるんだからな!!」
リオンは時計のボタンを両方押す、時谷とリオンの周りの時は遅くなり、二人のみ時間を早める。時間内にリオンは赤ん坊を奪い、投げる。そして、時谷はルクスの前に立ち、銃を二丁、片方は心臓、片方はこめかみに構える。そこで時間は元の速さに戻り、銃はルクスを捕らえていた。
「己の運命と、悪事を恨みな!!」
両方の引き金を引く。ルクスは両方と口から血を出して絶命し、その場に倒れる。リオンは赤ん坊を前に十字を切ると、引き金を引いた。悲鳴はすぐに止み、周囲は再び静まり返った。
「やったな・・・」
「ああ・・・でも、まだ終わっていない」
「え?」
リオンは銃を時谷に構える。時谷は信じられないようにじっとリオンを見ている。リオンは汗を額からが流しながら呟く
「…すまない…」
その時、病院中に発砲音が鳴り響いた。血の飛ぶ音と共に…
@最終話「時と共に・・・」@
弾は、寸前の所で止まる。そして、砂に変わる。共に、リオンの体も消えていく。時谷はその光景に驚く。リオンの背後の光景も見えている。
「どうして・・・?」
「時が全て元に戻ったんだ。ありがとう…」
「待ってくれ!! どうして俺は消えないんだ!! 俺だって未来から…」
その先を言おうとしたが、言えなかった。リオンは時谷に抱きついている。強く、しかしやさしく。しかし、その感触もだんだんと薄れていく。遂には顔だけになった。
「行かないでくれよ!! 俺には誰もいないんだから!! 助けてくれよォ!!」
「いるじゃないか・・ここに」
時谷に向かってそう言う。しかし、その意味がまるで分からない。リオンは再び笑う。
「時谷守、時谷光そっくりだよ…」
「それは誰なんだ!!」
「君の…・」
手を振りながらリオンは笑顔を繰り返している。何処か悲しげだが、何故か泣けないのである。そして、手紙を一つ出すと、放り投げる。何故かそれだけは消える事が無い。リオンが改めて立ち、頭だけであるが、お辞儀をする。そして、敬礼をすると、完全に消えさった。
『父と母だよ・・龍』
その時、はっきりと聞こえた。名前を話した覚えは無い。しかも、彼女の名も聞いた覚えも無い。しかし、始めてあったときから何故か、懐かしく思えた。時谷は、手紙を取ると、ゆっくりと広げる。そして、その中身を見て、号泣する。手紙を抱きながら。一人となった病院に座り込み、大声を上げて泣き始める。
「そうだったんだ・・俺は一人じゃなかったんだ…」
泣き声は、一晩中病院内に響いていた。
――――――――――@
「西暦1050年六月六日金曜日運命の日」
町は廃墟と化している。キメラのせいである。この年になり、謎の光と共に降り立った学者がいた。名を「イワン・ネフェコス」と言い、謎の青く光るルビーのような石を持っている。しかし、彼は、そこで数々の合成獣を放つ。それは恐ろしく強大な力を持ち、一晩で町は変わるのであった。
そして、ここにも一つの町がある。イワンはそこにつくと、早速物体同士を合成させ、町を破壊しようとする。静かで、平穏であったビルに囲まれた町に数々の悲鳴が響き渡る。
「ここも、消えてもらおう!! 地球は俺のためにあるんだ! 他の人間は用は無い」
逃げ惑う者達に何も考えず、ただエサと思って食いついていくキメラ達。町中に血の跡がこびり付いていく。そこへ、汚らしいマントで体を隠す者がキメラに立ち向かっていく。目標は前方。キメラに殺されそうになっている少女である。
「いやぁぁぁぁ!!」
少女はくじいた足を引きずりながら、キメラから距離を遠ざけようとする。しかし、キメラは無常にも走り、飛びつこうとする。そこへ、一発の弾が飛び、キメラの脳を貫通する。そうすると、マントを脱ぎ、二丁の拳銃を構える。腕には不思議なかたちをした腕時計。怒り狂ったキメラが彼に襲いかかる。が、時計のスイッチを押すと、時間の進みが遅くなり、彼だけがキメラに近づくと、一体につき一発と、頭に向かって発砲する。全てが終わるとスイッチを切り、元の速さに戻る。キメラは一瞬にして倒れこみ、残るは白衣の男―イワン―だけであった。
「誰だ? 貴様は…」
「俺か? 俺は…」
少年は銃を構えながら自分の名を叫ぶ。そして、彼は再び銃を構えると、イワンに発砲した。
その銃声は、空まで響いた。
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2004/09/16(Thu)16:22:41 公開 / ニラ
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■作者からのメッセージ
味気ない終わりかたですみません…でも、このタイプの物の勉強が出来たので、アドバイスありがとうございました。
忙しくて、感想のお礼はかけそうにありません(すみません)次回作を書いたときに、指せていただきます。
本当に、ありがとうございました。出きれば、次回作も読んでくだされば、と思います。
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等幅フォント『ヒラギノ明朝体4等幅』かMS Office系『HGS明朝E』、Winデフォ『MS 明朝』で42文字折り返しの『文庫本的読書モード』。
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MSIEではフォントサイズによってアンチエイリアス掛かるので、「拡大」して見ると読みやすいかも。
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