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『a little cat@』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:peco
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耳の中で好きなアーティストの曲が思い出された。
生きていて最後に思い出した曲がこれかぁ。って思ったら、急に悲しくなった.
でも後戻り、できないよ。
一志は少し頷いた。
誰にも分らないように。でも私には分るように。
2人で手を繋いだ。大丈夫、2人なら全然怖く無い。
ボロビルから見る景色は、とても綺麗だった。
少し、目を瞑った。一志が「向こうで会おう」って呟く。
私達はおちた。
真暗闇へ。
a little cat
ゆっくり目を開ける。目の前は真白だから「あぁやっと天国ついたんだな」
って思ったけど、薬品臭い臭いのと直ぐ近くに看護婦さんがいるから
「あぁ、ここ天国じゃなくて病院だわ。」って思った。
「なぁんだ・・・・。」そう呟いたのも束の間。
「す!末長さん!?起きた!?」
看護婦さんが奇声に近い声を上げた。
ナースコールで「先生!末永さん、意識戻しました!!」
あたしは頭の中で多分めんどくさい事がおこるなって予測した。
しばらくすると先生らしきひとが息を切らしてやってきた。
「末長さん、大丈夫ですか?」何がナンだか分らないけど私は頷いた。
先生の後ろには警察官が立っていた。
警察官の人がきてる制服って、うちの学校のガクランの色に似てる・・・。
そう思った瞬間何か大切なもの、とっても大切なものを思い出した。
「一志は…!?」
そうだ。ついこの間一緒に手を繋いで飛び降りた、一志はどこいった。
「せんせい、一志は!?どこ!?」
そうだ。私だけ生きていても仕方ない。
「末永さん、落ちついて。」
私は取り乱していた。だって、まさか生きているなんて。
あんな高いところからおっこちたら、普通死ぬもんでしょ?
息が荒くなって、肩で息をしていた。
でもそんなもんおかまいなしに先生は「飯沼一志さんは昨日亡くなりました。」
そう言った。
「あなたは4日間も眠りっぱなしだったんですよ。そんな大声出さないで
少し静かにしてくださいね。」
頭の中はからっぽで、聞きたいのはこんなおじさんの声じゃなくて
一志の優しい声なのに。
私の「めんどくさい事になりそう」は的中した。
警察の人が「詳しいお話、聞かせてもらってもいいですか?」って聞いた。
私達は2人で投身自殺を図った。
理由は2人とも受験とか、悩みとか。私の場合は親から虐待をされていた。
もう生きていたくなくて、一志に泣きながらこのことを打ち明けると
いつもの優しい笑顔で「じゃぁ死のう。」って言いだした。
べつに、道連れとかそういう気はなかった。本当に無かったの。
でも一志は何も言わず私の手を引いて、近くの高いボロビルまでついた。
もうここまできたら私はどうでも良くなってた。
ボロビルをあがる階段だけが二人の間にはあった。
「おれも、死にたかったから。」それだけいった一志は少し笑っていた。
午後11時7分。時計にはそう示されていた。
私たちは最後のキスを交わし、飛び降りた。
今私は絶望に打ちひしがれたいた。自分の浅はかさ、
あのときなんで一志をひきとめて「やっぱやめよう!」って言えなかったの?
自分の苦しみから解放されるためだけに私は一志を巻き込んでしまった。
人一人を殺してしまった。
苦しみからは解放されないのに。でも一志はいない。
私は人殺しなのだろうか。そう思った瞬間胸がしめつけられ
私は病院の先生や警察官の前で大声を上げて泣いた。
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2004/07/09(Fri)14:38:34 公開 / peco
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■作者からのメッセージ
初めまして。pecoといいます。
こんな暗いお話ですが、どうか
よろしくお願いします。
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