『サイコ 〜受けつがれしもの〜 10話まで』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:白い悪魔
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―――――――― プロローグ ――――――――
ここは…どこ…。
冷たい…。
僕は…誰…。
冷たい…。
雨…?僕は…。
僕は…。
ボ…ク…ハ…。
とある朝日が差す場所で目覚めた僕…。
白い部屋の天井…。
その天井に『大学合格!!』と書かれた紙が張ってあった。
「あぁー!目が覚めたんだね!レイン!」
「……ここは…?…っ!!君は誰!?」
寝ている僕の目の前に短い黒髪の女の子が顔を覗かせた。
「あっちゃぁー、やっぱ覚えてないよね…、私は卯月、卯月飛鳥!」
「うづきあすか…わからない…そうじゃない。僕は誰…わからない、僕が誰かわからない!!僕は、僕は、僕は!!!」
そうだ!僕は誰なんだ!?
卯月飛鳥…覚えていない。
なんだ!?僕は誰で何をしていたんだ!?
「ちょ、ちょっと!!レイン!落ち着いて!!…って、落ち着いてくれないよね。もぉー!一発だけ勘弁!!!」
混乱。
そして…
一瞬の闇。
ほほに感じる痛みがここを現実だということを教えてくれた。
そして、再び光が戻り僕は体を再び起こした。
「…」
「良い?ちょっと聞いてね。あなたは自分が誰かわからないの?」
「…わからない」
「ここがどこかも?私の名前も忘れてた??」
「…」
そう。何もかも僕は覚えていない。
だけど会話や食事の仕方とかは覚えている…。
どうやら日常で最低限のことは覚えてるみたいだ…でも…。
「とにかく、あなたが落ちてた場所まで行きましょう?どーせ今夏休みだし、暇だったし?結構レインを見たときおもしろいかも!な〜んて思ったんだ〜アハハ。今年大学受験っていうのにねぇ〜…って聞いてる?レイン!?レ・イ・ン!!」
朝日。
横にいる謎の女(の子)卯月飛鳥…。
そしてなぜかレインと呼ばれている僕…。
というかレインなの?僕は?
とにかく、僕はこの部屋で目覚めてしまったのだ。
これから起こる自分という謎を解決するために…。
第一話
―――――――― ついてない少年 ――――――――
卯月と名乗った彼女の部屋(多分…)で僕は何故ここにいるのかを聞いた。
「私は卯月飛鳥。まぁー適当に呼んでね。それで!私今年大学受験なのよぉ…。それで!日々勉強にあけるれる毎日をすごしていたのだけど!こー見えて面白いもの好きで廃屋とか古臭そうな場所とか良く行くのよ。そこで!!昨日!レインを見つけたの。意識がもうろうとしてたから急いで家に運んだのよぉ〜〜」
…一人で?病院じゃなく???
「…あの、別に救急車とか呼べば…」
「何言ってのぉー!そんなことしたら面白くなくなるじゃない!!これからレインの記憶を探す冒険が始るのよ!?」
「はい?」
「だって、それがセオリーでしょぉー」
いきなり冒険などと言い出した彼女…卯月の目は輝いていた。
僕はこんな奴に拾われたのか…。
救急車を呼べば?というと拒否…死んでたらどうするんだろう…。
「そういえば、なんで僕はレインなの?全然覚えてないけど…」
「馬鹿ね〜、雨の中見つけた少年だったからアニメチックにレインってカタカナにしてがえたんじゃな〜い」
…もう終わりかもしれない。
なんなんだ。なにがしたいんだ。卯月は。
僕が何をしたんだ。
一体どんなことをして雨の中捨てられていたんだ…。
ついでに良く雨の中行ったよな…。
そんなコトも思いながらふと、カレンダーを見ると夏休み二日目と書かれた日にXがされていた。
ついでに言うとそれまでの日が全てXになっている。つまりは今日は夏休み三日目のようだ。
そんなことも思いながらも彼女はたんたんと目を輝かせしゃべりかけてくる。
「ねぇー!一体レインにはどんな秘密があるのぉ〜!かなり気になるぅ〜〜〜!!ねぇー」
正直うるさかった…。
助けてくれた(?)のは感謝なのだけど…。
何か世間一般の常識とは違う気がする…。
そんな僕を卯月がまじまじと見る。
そして何を思いついたか机の引き出しを開け財布をみて頷き再び僕の前に来た。
「そういえばレインの服、患者さんのやつなんだよねぇ〜。やっぱ新しいの買わなきゃだめよね…」
「患者?なんのこと?」
「だって、うちっていうかここ病院だもん。でも苦労したんだよぉ〜!ばれないように運んでくるの!!それでもさすがに着替えとかできないからちょっと頼んでもらったけど」
…何を言うんだこの人は…。
つまりだ。
自分の家が病院のくせに秘密で運んだ。
それは僕という謎を取られないため…。
そして彼女は仮にも病院の娘…。
どうやら僕は本当についていない少年のようだ…。
第二話
―――――――― ここは茨城県つくば市 ――――――――
あれから数時間してデパートで買い物をして必要なものをそろえた僕らはついに旅に出る決意をした…
というよりは、強制的…。
というより警察に届けたほうが…。
なんて言ってもどうせむだか…。
置手紙を書き再びこの病院から出る。
というか驚いたことにここはすごくでかい病院だった…。
なのに…なのに…なのに!!
「さぁー!これから高校三年生の美少女と謎の記憶をなくした少年の冒険が始るのよ〜〜!!」
「あのぉ…勉強はいいんですかぁ…」
「大丈夫!落ちたら裏入学でもすればいいしさ!」
…ハハハ…。
なんなんだろう…この卯月って…というより僕って…。
とにかく僕らはもう一度落ちていた場所を目指した。
なんだかんだ言って懐かしい感じが色々なことででてきた。
電車に乗るのも、町を歩くのも…何もかも懐かしい…。
懐かしい…ということは歩くこともしてなかった?
本当に僕は誰でなんなんだろう…。
もしかして人質で身動き取れなかった少年!?
…なんて卯月のような発想まで頭の中で浮かんだ…。
「はい!ここがつくば市のはずれのでっかいゴミ捨て場!!ついでにレインがここで寝てたのよ!!」
「く、くさい…」
鼻が曲がりそうな異臭を放つそこはあまりに汚く…。
ん?つくば市?聞きなれない名前だ…。
「そいえばここはどこなの…」
「どこって、つくば市の」
「そうじゃなくて県だよ」
「茨城だよ?」
「茨城なの!?」
そう、どうやらここは茨城県だった。
茨城県つくば市…。
でもまったくなにも覚えていない。
むしろ初めて聞いたような町の名前…いや市の名前。
「それにしても、なんで僕は…」
「もぉー!どっかに秘密の入り口とか言って、ここら辺でいきなり光がでてきて異世界に迷い込むとか!!」
「あのね〜〜…」
本当に卯月は高校三年生なのだろうか…
それすら不思議になってきた。
それから少しこの異臭漂う場所で少し手がかりを探してみた。
でも結局は何もみつからずじまい…。
一体なんでこんな場所に…。
「…ここで最後か…戻るかな…」
「だねぇー。まったく何もなしじゃどうすればいいのよぉー!」
刹那、背後から誰かが飛び降りる音がした。
そして振り向くとそこには一人の男が立っていた…。
「きゃぁー!もしかして敵ぃー!」
「あのねぇー…大体敵って…ただの人間だろう…まったく」
とにかくそこには男が立っていたのだった。
第三話
―――――――― 謎、そして、謎 ――――――――
数秒の間、誰も何も喋らない嫌な空気
「…だれ…」
僕は一言投げかけた
「何々ぃ!もしかして敵登場とかぁー!?いきなり戦いを起こしすべてを知るのね!!」
卯月はまた非現実的な会話をしていた。
…とにかく僕はその男に会話のボールを投げたのだ…ん?ボール?
「少年、君の名前は?」
「…レイン。本名じゃないだろうけど(ボソ」
「君がレイン…探したぞ。俺は君を殺しにやって来た。ドクター・三船の命令で、な」
刹那、ごみの場所から拾った鉄の形を一瞬で変えた。
長い棒だった鉄は刀のようなものに変わったのだ。
やばい!?本当にそんな危ない人なのか僕は!?
「おぉー!なんてファンタジーな技なのぉー!アンビリバボーだね!さぁーレイン!目覚めて〜!そして奴に不思議パワーを使ってノックアウトよ」
なんて卯月は言いながら指でOKマークを作る
…つくづくなんなんだろう…。
「め、目覚めるって何がだよ!?っていうか、君は何者!?ドクター・三船って何!?なんで殺しに!?もしかして、本当に僕は!?」
本当に何か危ないことを知っている人間なんですか?なんていえやしないよ…
「もしかして?何を言うか…とにかくその命は俺がもらう」
そいうと男はその武器を構えた。
何?なにが起こっているんだ!?
困惑。
そんな隣には
好奇心いっぱいの卯月。
彼女はまだ奇跡のようなことを信じているみたいだ。
そして、男は動いた。
動いたというより攻撃をしたのだろう。
一瞬の風が吹き僕の首筋にはさっきまで見えていた武器があたっていた。
…生きて…る…。
「何々!?覚醒とかぁー!?きゃぁー!いっけぇ〜!レイ〜〜ン」
だから…。
「…なんて、な。俺は元々あそこが嫌いでな」
どこ
「つまりは裏切りで君を守りにきた。ついでに言えば殺す命令は本当に受けていたしな。でもなぜだ?なぜ君はサイコに目覚めなかったんだ?俺はそれも気になっているんだが…まぁーいいとしよう。」
え?サイコ?なんのことです?
「とにかく、誰か来る前にここを去ろう。」
誰が来るって?
「そーわいかねぇー!志布志純(シブシジュン)!てめーは組織内で裏切りたいということを結構話してたよなぁー!俺様がそんなてめーを監視してたんだよぉー!」
とかなんとか言って赤毛のへんなおとこがやってくるし…
「まさかつけられたとは…。二人は俺が守る!そのためにやってきたのだ!」
いや、むしろあなたのせいでその赤毛はここへ来たのでは?
僕たち本当に狙われてるの?
っていうか誰か説明してよぉー!!
こうして僕らは初のサイコバトルを見るのだった…。
ん?サイコって何!?
第四話
―――――――― 死を見る気分 ――――――――
突如現れた謎の二人
一人は短髪の黒髪…ってぼくと同じか…。
それでめがねをかけしかも鉄を武器に変えた男。
一人はロング赤毛で上半身裸…ついでに口が悪い…。
そんな二人はいかにも今から戦いますなんて感じだから
「きゃぁー!どっちが敵なの〜!わくわく!!どきどき〜!」
卯月はもう止まらなそうな感じに…。
警察でも呼ぶかな…いい加減…。
「鉄精製!!14武器、第5番!蒼天の槍!」
そして僕らを守るといった男は再び転がっていた鉄を拾いそれをこんどは槍の形にした。
「そうだったなぁー!てめーは!鉄精製者だもんなぁ!!」
だからなんですかそれ
「だがな!俺様のサイコはてめーなんか、かんた…ん…グフ!?…ァ…ァァアア〜〜〜!」
なんか色々言ってた赤毛は説明が長いせいか槍となった鉄に体を貫かれた…。
それと同時に僕は嘔吐した。
こんな映像は現実に見たのは初めて(のはず)
だからいっきに気持ち悪くなった。
胸からたれている血はまぎれもなく赤毛のものだった…。
「無様だな。俺を誰だと思っている。志布志純だ…説明などする暇があるならかかってくれば良かったんだ。負け犬は良くほえるというが…まさしくその通りだ」
「ざ…ざ…ざけん…な…」
そいうと赤毛は倒れた。
そして黒髪…いや志布志純という男は僕らを向いた。
「きゃぁー!最高だね!これこそバトルの醍醐味だよね!」
「な、なに言ってるの卯月!?人が、人が死んだんだよ!?あいつが、あいつが殺したんだよ!!」
「すまない…俺は手加減をしらない…。だがこれでも君を守れる。」
何!?守るって、何!?
もうーなにがなんなんだ!
僕は…僕は!!
「…なんだ…震えているのか?」
「えぇーレインかっこわるぃ〜〜」
「…だ、だって、だって!人が死んだんだよ!?なんとも思わないの!?卯月だって良く見てよ!!」
「だって病院でなれてるしぃ〜そんなん」
…じゃぁー何!?僕がおかしい!?
死んだのに悲しまない僕がおかしいの!?
「彼は混乱しているというわけだな。というかなぜ彼はレインという横文字なのだ?ついでに俺は裏切り者と聞いていたのでな、彼の名前を聞かされていないのだが」
「混乱って言うか記憶ないんだって〜。ついでに名付け親はあたし!!」
「そうか、じゃぁー説明してやろう。君がなぜここにいたのかを…」
そして志布志純から真実を聞かされるのだった…。
ついでに言えば混乱した僕を卯月は一発殴り落ち着かせた…。
いい加減痛いよ…。
第五話
―――――――― おもしろくない ――――――――
それはとある博士、ドクター・三船研究所だった。
当時研究所にはいろんな子供たちがいた。
子供にはある可能性を持っていたのだ。
大人になっては遅すぎる…
だから博士はその子供を集めた。
集めて自らの研究のとりこにし…
幼すぎず、それでいて大人ではない曖昧な歳。
その曖昧な歳になったときサイコを開花させた。
つまりは実験を開始したのだ。
そんな少年少女たちは博士の実験により
サイコ
という能力に目覚めた。
本来個人個人が持つ特殊な能力。
それは決して同じものは存在せず、必ず何か違っている。
物体を作り出すもの、物体を消すもの。
情報を見れるもの、情報を消すもの。
ありとあらゆる能力があることを知った。
そんな中、一人の少年がいた。
その少年はどんなことをしてもサイコに目覚めなかった。
それが僕だった…。
僕は、サイコに目覚めなかった。
ありとあらゆる方法で見つけようとしたが見つからず…。
最後は博士にボコボコにされこの廃虚に捨てられた。
そして死体を確認しに再びやって来た博士達は僕がいないのを不思議がった…。
世間にサイコが知られるのを恐れた。
そして死に底ないの僕を消すために一人の男を派遣した…。
「それがあなた…」
「俺は志布志、志布志純だ。」
「しぶし…じゅん…。」
「か、かこぉいー!名前ぇ〜!!あ、あたし卯月、卯月飛鳥!!結っ構ぉ〜ヒロインのような名前でしょう〜〜!」
…なんのヒロインですか…
とにかく!その一人の男、志布志純は僕の目の前にやって来た。
しかし彼は博士を嫌っていた。
そして今、僕たちを守ると裏切りを完全に決意。
ついでに言えばさっきの赤毛が帰ってこなければ新たな追ってがくるかもしれない…。
僕らは命を狙われている!?
「…あの、さっきから思ったんですが。あなたが殺したと報告して逃げてくれれば僕らは…助かってるんじゃぁ…」
「何言ってんのよぉー!レイン!!それじゃだめ!!」
「…どうしてさ」
「だっておもしろくないじゃん!!」
あのねぇー…
第六話
―――――――― 冒険の始り ――――――――
「とにかく、今は博士の研究所に行こう」
唐突に何を言いだすんだろう…。
「そうだよね!やっぱりそこに行けばレインのことがわかるはずだもんね!!」
「ちょ、ちょっと…だって、僕たち関係ないじゃん!それに僕が目覚めなかったからって何がどうなるわけじゃないじゃん!!」
そうだ。
僕一人がこの世の全てを破壊できる力をもつ可能性はない。
ありえない、そんなこと。
それに話を聞く限り僕は博士とか言う奴に捨てられた…。
それはいらないから…そしてなんで今更僕は…。
「サイコというのはまだこの世界に存在してはならない…だから博士も俺が戻らなければ、いや赤毛が戻らなければそれこそ格上の奴らが殺しにやってくるだろう。もちろん君たちもかかわってしまった…気付かなかったか?少し離れた場所で監視してた男を。奴は情報系だろう…すでに俺たちは奴らのリストに載ったはずだ。」
なんで!?なんで僕らが!?
「だよねぇー!くぅ〜〜〜生きてて良かった〜〜!!」
…卯月には何も効かないようだ…。
良いから僕だけでも帰らなきゃ…
かえる…?どこへ?僕は…
僕は自分が本当は誰かわからない。
帰る場所すらわからない!
…そう。
帰る場所なんてなかったんだ。
だから前に進むことしかできない…。
行くしかないのか…。
サイコという謎を、
僕という謎を解くために!
「ねぇー!志布志さんっていくつなんですかぁー!」
「俺か…俺は、18だ」
「えぇー!すっごい大人に思えたのに!?ふけてますね」
また卯月は何を言っているんだ…。
「ありがとう、ほめ言葉として受け取るよ」
あなたも…何を言いなさる!?
…でもホント…ふけてるな…
外見は完全に30前後だよ…。
そんなことどうでもいいんだけど…。
「じゃぁー行くか。奴らの研究所のある千葉へ」
「「千葉ぁ!?」」
こうして僕らの旅は始るのだった。
少し風が吹く。
声はそのまま風に流されていく。
「ほぉ…千葉へ…あそには確かあいつらがいるはず…行くか…」
風に流された声に気付かず。
僕らは赤毛の仲間ではない誰かに見られていることに気付かないでいたのだった。
第七話
―――――――― 夏の夜の白髪男 ――――――――
今一番問題なのは金だった。
現時点で茨城から千葉へ行く手段は電車しかなかった。
不思議な力…サイコを持った志布志さんでもどうにもならなかった。
目の前の料金表を見るなりやめようかという意見をだそうかとも思った。
でも…
「ふふふ…こんなこともあろぉーかと!通帳持ってきたのよぉー!」
なんて言いながら金額を見せる。
ありえない…。
卯月はありえない金額の通帳を持っていた…。
「これさえあればどこでもOK♪なんたってパパとママは医者ですから♪えっへん!」
「うむ。これで千葉へいけるな。」
「…ハハハ…」
お金持ちのご令嬢がとでも言うのか…。
そんな奴が僕らとわけわからんたび…しかも日本国内…。
良いのかな…。
でも僕はこの後卯月の家族があんなことをするなんて知るよしもなかった…。
数時間して千葉の鴨川市の東条海岸というところにつく。
どうやらこの近くにやつらの研究所は存在しているらしい。
まぁーこの際どうにでもなれで辺りを散策する。
けれども見つからず、もう半ばあきらめモードの中…
「…なんで志布志さん知らないんですか?」
なんて僕は思ったのだった。
「うむ。自分でも不思議なのだ。確かに研究所は存在していたはずなのだが、あったのは海岸…もしかして誰かの能力により破壊、もしくは移動でもしたのだろう…やっかいなことになったことだけは間違いないが。」
「きゃぁー!いきなりの行き場なしのだぁ〜いピンチ!!ってわけね」
「あのねぇ…大体、そんなこと不可能でしょ?建物の移動なんて…第一まだ志布志さんをちゃんと信じてませんよ?僕は。僕は記憶を取り戻すために来ただけですから。」
なんて言いながらもどうにもこうにも見つからない。
しかたなく、その日は宿にとまった。
もちろん男女別の部屋。
でも…
「なんでこんなボロボロな場所にとまるんだよ、卯月?」
「やっぱ、こーゆーときはこーゆー場所が良いでしょう〜!」
「あのねぇー…」
もう疲れは限界。
思えば今日は色々あったなぁー…。
色々会ったけど…やっぱり一番は…
赤毛の男は死んだ。
そして殺した男は俺の部屋で一緒に寝る。
まだわからないことだらけ…
とにかく僕は今日は寝ようと思った。
思ったがあまりに寝相の悪い志布志さんのせいでゆっくり眠れなった。
そして深夜の一時を回ったころ自販にジュースを買いにいった。
そしてそこには一人の短髪白髪のツンツン男がいた。
でもなんでか懐かしいような雰囲気だった。
白髪の男は僕を見るなり少し驚いたが
「君、知っているかい?決して太陽が昇っている頃には存在しない研究所のことを」
彼は不思議な言葉を言って去っていった。
気になる言葉だった。
気になって彼を見つけようとしたがもうすでにどこかに消えていた。
そんな僕は、窓を見た。
そして僕の目の前にそれは存在していた。
第八話
―――――――― 卯月誘拐 ――――――――
早速僕は寝ていた志布志さん起こし、卯月を起こした。
「ふぁぁ〜い…なによぉー」
「卯月、外を見るんだ!!」
「ほぉーとぉ〜?」
卯月は寝ぼけていた。
ついでになぜだか浴衣を着ている…用意がいいやつだよ…。
「んあいなれ!!(何あれ)」
窓にはやはりそれは存在していた。
「しかしレインの話を聞くとその白髪の男というのが気になるな…もしかして彼もまたやつらの仲間…」
そうかもしれない…。
だから…今見えているものを知っていたのかもしれない…。
少し歩いた先にそれは存在していた。
日中では決して見えなかった馬鹿でかい建物が…
そしてそこにはご丁寧に研究所とかかれていた。
「…なんかあっさり来てしまったような…」
「きゃぁー!ここから、やっとバトルに突入なのね!?俄然おもしろくなってきた〜〜」
「あのねぇ…こっちには志布志さんしかいないんだよ?」
「…一応君も能力を開花されたのだが…まぁーいいか…。俺一人でどうにかなるかはわからない、ただ俺は君の記憶を取り戻すために力を…!?」
志布志さんが言葉を言い終わる前に一人消えた…。
それはいきなりのことで僕らは混乱していた。
それは後ろからいきなり現れた奴に卯月が
「きゃぁー!捕まっちゃったぁ〜〜〜!!」
どうみても嬉しがっているが…
…誘拐された…。
とにかく連れ去った人は一気に研究所内に入ってしまった。
「な、なに!?う、卯月!卯月ぃー!!!!」
彼女とその人影の姿はすでにない…
志布志さんは冷静になり
「…どうやら君の記憶をよりも彼女をまずは助けないといけないようだな」
「…は、はい…」
「行こう…やつらの元へ!!」
こうして僕らは夜の研究所の内部に侵入することになった。
でも疑問…。
鍵は開いてる。
真正面から入っているのに誰もでてきやしない…。
ついでにあっけなく研究員がいる場所まできてしまった…。
なんでやねん!
なんて誰かが言いそうです…。
第九話
―――――――― 尋常じゃない遊び ――――――――
どうにか内部の怪しい部分を見つけた僕ら。
そして研究員がガラス越しにいる。
そこにはさっき連れ去られたばかりの卯月がなんとも怪しい研究員に注射をされていた。
「う、卯月ぃー!?」
「お、遅かった!あの黄色い注射器…あれはサイコに目覚めるための注射…。卯月はサイコを…違う!?あの研究員の隣にいるやつ!?あいつは…。急ごう!あの場所まで!!さっきから迷いつづけた張本人も多分いるはず…そしてやつがいる限り!卯月は敵として来る!!」
「え!?」
というかなんで暗号見たく回りくどい言い方をするんだ…。
もう、どうでもいいけど…
それよりも卯月が敵になる!?どういうことなんだ!?
そんなことを聞く前に志布志さんはさっき入っていたエレベーターに乗り込んでいた。
「早く、早くくるんだ!レイン!!」
「は、はい!!」
閉まるぎりぎりだった。
そして僕らはこのエレベーターでいける最下層へ向かった。
「志布志さん、誰なんですか?あいつは」
「あの黒髪…そして黒マント…間違いなくやつは博士の三人集の一人」
「な、なんですかそいつは!?」
「奴は俺たちの上に立ち、俺たちを洗脳するサイコを持つ…恐ろしい男だ」
洗脳?つまりは卯月を洗脳して来るとでも言うのか?
「…違うそうじゃない。奴らはわかっていたんだ。ここに俺たちがくることを!!だから奴がここに…そして無駄な血を流さないために警備は軽くなっていたんだ…俺たちの逃げ場を完全になくすために…」
「え…」
返事はすでに遅かった。
つまり僕らはもう罠に掛かっていた…。
どうやらサイコは僕の理解できる範囲を超えていた。
エレベーターを降りた場所…すでにそこに…
「…コロス…ヤツラヲ…コロス…」
卯月はいた。
目の前にいる卯月はすでに卯月ではない…。
サイコの目覚めた卯月…それが今、目の前で敵となっている。
そしてその後ろには三人の人影。
薄暗い場所で男女の判別などなにもわからない…。
しかしさっきみた黒マンを着ている奴はその場所にはいように見えた。
「卯月!!」
叫んでみても僕の声は聞こえていないみたいだ。
そして後ろの三人は笑い声を発した。
そして卯月は彼らに背を向け
ついに飛び掛ってくる。
やはり尋常じゃない姿だった…。
「悪いが、後ろに三人もいるんだし、ここは俺様が加勢しよう」
軽やかにどこからともなくその男は現れた。
卯月はいきなりのことで止まった。
そして俺たちの前に現れ、薄暗い中見えた髪の色は
白髪だった…。
第十話
―――――――― 戦場 ――――――――
目の前に現れた白髪の男。
それは紛れもなくあの宿で見た男だった。
「なんだい?もう一人裏切り者でもいたのかい?」
「さぁーんなこた俺はしらねぇーど」
「情報なんてどうでもいいでしょう…とにかくやつらを全員ぶっ殺せば」
三人はしゃべった。
その声を聞く限り一人は女。
二人は男のようだ。
そして白髪は俺たちのほうに背を向けたまま話続ける。
「加勢するに当たって!お二人さぁ〜ん!片方はサイコが使えたよな〜、あのつくば市での戦いで」
「なんで君が俺たちに加勢を?そしてなぜあの場所でのことを?」
「ちっちっちっ!俺はこーみえても探偵の息子だぜ〜?」
「探偵…本当に僕らを!?」
「おう!今は見方だ!安心しとけぇー!志布志、れ…じゃなくってレイン!」
「え…なんで僕の名前…」
「そーいってたのも聞こえたんでな!!レイン!志布志!!行くぞ!!」
白髪男の掛け声に僕らは声を返す。
「あ、そだそだれ…じゃなくって、レインこれやるよ。別に良いナイフでもないがな」
そう言うと白髪の男は、僕にナイフを渡した。
そのナイフを僕は戸惑うなく預かることにした。
「…コロス…ミンナ…コロス!!」
そして卯月が飛び掛ってきた。
「卯月は…卯月は僕が、僕が助ける!!」
「おぉー!れ、あぁー!!レイン!めんどくせぇーなぁ。レイン、任せたぜ!志布志、俺たちは後ろの三人だ。」
「あ、あぁ…(なんだこの男は…何か仲間とも思えない…でも敵でもない…それにどこか…彼に…)。鉄精製!!14武器、第十二番!双炎の剣・八枚歯!」
そいうと、志布志さんは赤毛のときに見せた槍ではなく、上下に刃のついたてつもなく長い剣、しかもその先端のとげとげした部分?が八つも存在した。それはまるで炎のように…。
「うっひょぉー、志布志ぃ!結構強そうじゃぁ〜ん!!」
白髪は何もサイコを見せるそぶりもなく相手に吼えた。
「なぁー!その後ろのお方さんよぉー!」
「なんだい?さっきからうるさいがきだね〜」
「どおうでもえぇーから!かかってこいやぁー!こしぬけぇ〜〜〜〜」
そんなことをいうと後ろにいた三人はいきなり切れた。
そして目の前にいる卯月をほったらかしにし襲い掛かってきた。
「じゃぁーレイン!まかせたぜぇえ〜!志布志!おまえあのくっせぇー親父なぁー!俺はあとの二人でOKだぜ!!」
「くさい親父…あいつのことか。わかった…そーいえばあんたの名前は?」
「あ?忘れてた。一条だ一条羽幌。よろしくな!!」
そいうと二人は見事に三人を二つに分けた。
「なんだべぇ〜おらはおめぇーか」
「そうだ、貴様の相手は俺だ。双炎の剣を受けてみろ!!」
「いきがってる割には何も武器がないようだけど?ボウヤ」
「ボウヤとは失礼ですよ。刈谷さん。君?死にたくなければさっさとでていくことだ。」
「うっせぇ〜なぁー!いくぜぇー!」
そして目の前には卯月がいた…。
何かで狂わされたように目の白目部分がが赤くなっていた。
「いくよ、卯月!」
次回
第十一話 目覚め 前編
&
第十二話 目覚め 後編
続く〜〜!!
2004/05/07(Fri)07:01:33 公開 /
白い悪魔
■この作品の著作権は
白い悪魔さん
にあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
こんにちは、白い悪魔です。サイコシリーズ第二章突入でなんとか奇跡・ミラクルのようで80を越えていて、作者はかなり喜んでいました(^▽^)…が!パスワード不明に陥り(@▽@) 0からのスタートとなりますが!!これからもよろしくお願いします!
そしてこれを読むにあたって下記URLのものを読んでいただけるとわかりやすいかもしれません。
何分、最初のやつとは関係していますが…しかし、これはこれで一つの作品ということで新レスで失礼します。
http://omosiro.com/~gallebasra/create_bbs_novel/index.cgi?action=html2&key=20040413203656
新感想編
卍丸さん>
軽井沢にいたのですねぇ〜…今度どこか行きますか?(ぇ)卯月はもう〜目立ちまくっています…というかこの第九話にして一転しますが…(汗)レインも負けじと突っ込みを入れてくれるそうなので(違)二人でがんばって漫才の道を究めてほしいです♪(NO!ありがとうございました〜〜♪
登場人物編
レイン
記憶を失っている。雨の中落ちてたので卯月がレインと命名。博士に殺せと命令されている。卯月のおもちゃ。なんでかサイコに目覚めない
卯月飛鳥(ウヅキアスカ)
レインの名づけの親にして面白いもの好き。家がでかい病院。かなりの金持ちで大学へは裏口でも入れる。両親は少しはげた父親と小太りの母親です。
志布志純(シブシジュン)
サイコは鉄の精製。通称、鉄精製者。鉄をあらゆる形に帰ることができる。変えられるのは鉄のみ。そして博士からレインを殺せと命令されたが裏切った。
白髪男
レインに研究所を教える謎の白髪男。一人称は俺様が普通。
読んでくださっている皆様、本当にありがとうございます。点入れた入れないなんて関係なく感想指摘もお願いします♪
作品の感想については、
登竜門:通常版(横書き)
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2020/03/28:Androidスマホにも対応。Noto Serif JPで表示します。