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『「G.R.P.P」』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:ゆうゆ
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プロローグ
2053年。
10年以上続いた世界戦争が終わり、世界統一国家が生まれた。
全ての領土は「大亜細亜帝国」の名に変わり、言語、宗教などすべてが統一化された。
宗教に関する全ての物は破壊され、反抗する団体は容赦なく殺害されていく・・・。
次第に反抗勢力もなくなり、世界は「大亜細亜帝国」にひれ伏すことになった。
大亜細亜帝国の政策から6年後、「God of freedom」と呼ばれる世界的大規模な反乱組織が突如として蜂起、各地で大規模な連続テロが勃発した。これを人々は(神の反乱)と呼んだ。
政府は「God of freedom」を第一級危険思考武装集団に指定、各地で厳重体制が敷かれた。しかし計画的なテロの為、「God of freedom」の謎は深まるばかりだった・・・。
この事件で政府は対テロ組織特別攻撃部隊「G.R.P.P」(Give rebellion person punishment)が結成された。
「G.R.P.P」の隊員はほとんどが体を機械化されている死刑囚である。
中には拉致され強制改造された女性もいる。
ほとんどの者は頭脳を電子頭脳に変えさせられ、改造前の記憶は一切なかった。
ただ殺戮をさせられ
ただそこにいるだけの存在。
=第壱話=
いつものように朝がくる。
うっとおしい太陽の光と鳥の声。
電子頭脳の故障か、この時間になるといつもある男を思い出す。
私がここにいる存在、それはただヒトを殺すだけの存在。
電子頭脳に命令の言葉が響く。
「G.R.P.P前線攻撃部隊第6課隊長 藍澤里美、大至急作戦伝達室へ向かえ。」
「了解した。」
また「God of freedom」がテロをおこしたのか・・。
テロはもうほとんど毎日発生していて、大亜細亜帝国の治安は最悪となっている。
もうすでに何百人とヒトを殺してきた・・・。
「現在、京都の兵器生産工場が襲撃を受けている。敵の人数は現在確認されているだけで79人、その他戦闘車両8台が確認されている。」
「被害者は?」
「死傷者は67人、ほとんどが工場の従業員だ。」
「それにしても「God of freedom」が多脚式戦車を8台も導入とは・・・。あっちの兵器生産力もなめちゃいけませんなぁ。そうだろ?藍澤隊長。」
彼の名前は大澤シゲル。同じ前線攻撃部隊第6課の副隊長である。G.R.P.Pでは珍しく、電子頭脳に改造されていない男だ。
体は筋力増加手術、ナノマシンの注入だけで、G.R.P.Pでは最も人間らしいといえるだろう。
「なぜ、作戦がわかった。」
「さっきからずっとここにいましたよ?だめだなぁ隊長、背後はいつも気にしないと。あっという間にあの世行きですよ?」
「いるならいると言え。それに私は死なない。アンドロイドだからな・・・。行くぞ。準備をしろ。」
「はいはい。了解しました・・・。」
大澤は首に手を当てた。
「聞いたかみんな。久々に大きい仕事だ。気合い入れて行くぞ!」
「了解、副隊長。」
一斉にみんなの声が交わる。
・・・輸送ヘリ収納庫・・・
「今回の任務は京都の兵器生産工場にいる「God of freedom」のメンバーを
殲滅してもらう。手段は問わない。反抗する者は射殺をしろ。」
前線攻撃部隊第6課の隊員は一斉に敬礼をした。
「了解、藍澤隊長。」
ピピッ・・
電子頭脳に大澤の声が響いた。
「それにしても奴ら、本気で大亜細亜帝国をつぶすつもりですかね。」
「わからないが、反抗勢力は潰すように命令されているからな。」
「あんたいつもそうだな・・。もうそろそろ電子頭脳に感情をインプットしたらどうだ?他のアンドロイドはみんなそうしてるぞ。」
「私に余計な感情などいらない・・。私という存在がここにいればそれでいい。」
「旧型の電子頭脳の考え方だな・・・。それにしちゃこのごろあんたよく笑ってるぜ」
「笑う?私が?どういうことだ。」
「5年近い付き合いだ。見てればわかる。」
ワラウ?
私には笑う事などできない。
やはり電子頭脳の故障か、私には笑う感情はないはずだ。
私が喜怒哀楽が自由にできた時など
今までなかったはずだ・・・・。
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俺が生まれた時の世界は最悪だった。
政府が勝手に始めた世界戦争。
あちこちに爆弾が降り注いだ。
そこはまさに地獄とも言える光景。
辺りは何もなく、
ただ鉄の破片と、
ヒトの死体が転がっている。
俺の幸せだった時。
いたって平凡な家庭。
父はコンピューター関係の仕事についていた。
母はとても優しい家庭的な人だった。
それに妹が一人、とてもかわいくていつも一緒に遊んでいた。
俺と妹には生まれつき手に大きなアザをもっていた。
そのせいか、友達には「悪魔の子」と言われ、ずっといじめられ続けた。
泣いて学校から帰ってくると母は
「あなたの腕のアザは、神様がつけてくれたとても珍しくて、あなたしかないものなの。だからこのアザに誇りをもって。」
母の言葉に癒され、どんなにいじめられても学校に行き、俺は
「このアザは神様がつけてくれたすごいものなんだぞっっ」
と言い続けた。
なぜか不思議に友達は増えていった。
ついには「神の子」とまでいわれるようになった。
俺が中学生の時か、日本の名前は大日本帝国と変わっていた。
次々と変わる法律、近所には日の丸が立ち並び、次々と軍事施設が立ち並んだ。
ある日のこと、俺は妹と近くの店へ向かう途中だった。
多くの人々が道路を占拠し、デモ行進をしていた。
そこへ巨大な戦車と軍服を着た兵士が銃を突きつけこちらに向かってきた。
「デモを中断しろ。中断しない場合、発砲をするぞ!!」
罵声が鳴り響き、空に向かって銃を乱射していた。
しかしデモは中断されなかった。
俺は妹と一緒に近くの店に逃げようと妹の手を握り、走り出そうとしたとき・・・。
パララララッパラララッ!!!
一斉に銃は乱射された。
人々の悲鳴、
血。
そして妹は
即死だった。
俺の手は妹の血で真っ赤になった。
俺は怒りで頭がいっぱいになり落ちていた銃を警察に向けて乱射した。
警察は容赦なく俺を撃ってきた。
体に当たった弾の音が頭に響いた。
その瞬間目の前が真っ白になり、体の所々に激痛が走った・・・
どのくらい時が経ったのか、目が覚めた時はもう俺の体は機械になっていた
=第弐話=
バララララララ・・・・
「こちら藍澤、目標地点の上空に到着した。」
「了解、作戦を開始しろ!!」
下を見下ろすと黒煙と火薬の匂いしかしなく、辺りにはヒトの死骸が転がっていた。
「ひでぇ・・・。」
「大澤、いいか。工場には上空から侵入する。侵入したらステルス迷彩を使ってなるべく隠密行動をしろ。」
「上からだと?おいおい、冗談だろ!そうなったら俺らはいい射撃の的じゃねぇか!」
大澤は立ち上がり、怒声を発した。
「今回は私とお前だけの作戦だ。こういうときのためにステルスがあるんだろう。」
「だがなぁ・・・。」
「ナカムラはスナイパーライフルで着地予想地点の敵を一斉排除、戦車に関しては鈴原、お前に任せる。」
「了解。」
この二人は改造する前、第一級危険思考人物だったらしい。死刑執行一週間前に改造計画が正式に採用され、初めてこの二人が改造された。
ナカムラは前線攻撃部隊第6課の狙撃手。改造される前は世界でも有数の暗殺者だった。電子頭脳から衛星の情報をキャッチし、半径十五kmの敵の居場所を的確に判断する。
鈴原は巨大な重火器を担当している。彼は数々の戦場を経験し、その記憶は今も残っている。
「大澤、降下を開始するぞ!」
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2004/05/17(Mon)21:16:46 公開 / ゆうゆ
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■作者からのメッセージ
やっと壱話おわり!
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