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『夕日色の記憶 2話目』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:千夜
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赤い 赤い血が流れる
私の手に 服に まとわり付いて
染まる 真っ赤に そして・・・・
・・・ねえちゃん・・・
聞こえる
・・・たすけ・・て・・・
ガバッ
真っ白い 白い部屋
「・・・・ゆ、夢・・・?」
気が付くと、額には汗をかいている。
手で拭うとしずくが落ちた。
・・ああ、見ていたんだ またあの夢を・・・・
オモイダシタクナイ
何を?
ケシタインデショウ
アノヒノキオク
真っ暗だ
「片桐さん?」
ビクッ
突然誰かに話しかけられた
「せ、先生?」
「大丈夫?」
周りを見回すと、そこは白い白い、見慣れた保健室。
「あ、はい。」
「だ、大丈夫・・です。」
心配そうに覗き込む先生。
「お父さん、呼んでおく?」
「い、いえっ 一人で帰れますから・・・。」
今は、家族と会いたくなかった。
確実に近ずいてくる 死の恐怖。
大丈夫
まだ、耐えられる
「あれ・・・・?夕方・・・??」
外に出ると、想像もしていなかった景色だった。
知らないうちに、ずいぶん寝てしまったらしい。
現実ではもう、夕方になっていた。
こんなに早く家に帰るなんて久しぶり。
なんだかんだ言って、友達と遊んだり、部活なんかでかなり遅くに帰ってた。
「帰りたくないな・・・・。」
今は帰りたくない
だって家は・・・
ミンナガイタバショダッタカラ
「・・・・・・・・・。」
もう、思い出したくない。
キコ・・・
「・・・・え?」
ふと、目をやると夕日の中に浮かび上がる・・・
公園・・・・ ブランコ
気が付くと足が向かうまま、公園のブランコに座っていた。
キコ・・・・
こいで見ると、古びたブランコが声をだす。
・・そういえば、小さい頃よく遊んだなぁ・・・
キコ キコ・・・
誰もいない公園に、ブランコの音だけがこだまする。
あの日も、聞こえていた
一人で
・・・ねえちゃん・・・・
「え?」
顔をあげると、視界がモヤモヤしている。
・・・なにこれ・・霧・・・?
真っ赤な霧が、辺り一面を包んでいた。
まっかな・・?
「あ・・・」
まとわり付く 私に
「ああ・・」
流れて 染まる 呼ぶ声が・・・・
「い、いやああああ!」
「た、助けて・・だっだれかっ・・・」
怖い怖い怖い怖い
「呼ばないでっ!り、亮太・・・」
バッ
「大丈夫っ?!」
「え・・・?」
見上げると、そこには・・・・・
そこには・・・・
「亮太・・・・・・?」
「え?」
そう、いたココに
生きているはずない
2年前に
死んだはずの
「っ・・・亮太????」
私の・・・・
弟
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2003/12/05(Fri)21:10:15 公開 / 千夜
■この作品の著作権は千夜さんにあります。無断転載は禁止です。
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■作者からのメッセージ
更新遅くって 本当にすいません。
いつもながら未熟な話ですが、感想くださるとうれしいです。
作品の感想については、登竜門:通常版(横書き)をご利用ください。
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